スポンサーリンク

       

2026年09月25日

【マネジメント】『機嫌のいいチームをつくる』吉井理人


B0D7ZKTBMQ
機嫌のいいチームをつくる


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、現在開催中であるディスカヴァーさんの「ビジネス書&実用書、税込499円月替わりセール<2026年9月度>」からの1冊。

以前コーチ本をレビューしたことのある、吉井理人さんのマネジメント本です。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
心理的安全性が一人ひとりの可能性を引き出す
WBCで投手コーチとして侍ジャパンと共闘し、千葉ロッテマリーンズで監督として就任初年度で前年5位のチームを2位にまで引き上げた、吉井理人監督による「自ら伸びる強い組織=機嫌のいいチーム」の秘訣とは?

中古も値下がりはしているのですが、さすがにワンコイン以下ですとKindle版の方が300円以上お得です!






【ポイント】

■1.自分ができても下に任せる
 監督は、一部の例外を除けばコーチを経て監督になる。ビジネス社会で、中間管理職を経て役員、社長になっていくのと変わらない。そこで陥りやすいのは、監督がコーチより仕事ができるため、自分でやってしまうことだ。コーチとしての能力、中間管理職としての能力が高いから、監督や経営者になれる。すると、コーチや中間管理職の仕事ぶりを見て、どうしてももどかしさを感じてしまう。
 しかしそれでは、チームとしてうまく機能しない。それぞれの階層で担うべき役割を明確にし、担当した人に任せ、それぞれの立場から生まれる疑問や意見を参考にしながら方向性を決めていくのが、監督の仕事である。
 自分がやったほうが早いからといって、コーチの業務領域を侵犯するのは、監督としては越権行為になる。しかも、日本には結果を出した人間しかものを言えない文化が根強くある。しかし、監督はその悪しき文化を払しょくしなければならない。
。

■2.すぐに答えを言わない
 コーチ時代は、自分の振り返りを録音していた。それを聞いていると、的確なタイミングで的確な質問ができていないことがわかった。しかし、聞いてみないと気づかない。録音するのが難しい場合は、第三者の意見を聞くことが必要だ。私も、選手とコーチによる振り返りを聞くことがあるが、すぐに答えを言ってしまうコーチが多い。
「しゃべりすぎやぞ」
 そう指摘する。コーチは「教えなければならない」と思ってしまうからだ。むろん教えなければならないレベルの選手もいるが、コーチは選手の技術を引き出す役割だ。教えるより、気づかせて引き出す。その手助けをするのがコーチの役割である。それは、監督の役割でもある。(中略)
「そうじゃなくて、教えないのが仕事だよ」
 そうアドバイスすると、何もしなくていいのかと飛躍する。だが、選手に教えなくてもコーチの仕事は無限にある。そこが、教える側はわかっていない。


■3.代行のスキルを身につける
「このおっさん、何を言っているんだ?」
 選手にそう思われたら信頼関係は構築できない。選手の感覚に迫るには、観察するだけでは足りない。「代行」のスキルが必要になる。代行のスキルを身につければ、その選手のタイプがわかってくる。
 具体的な代行のスキルの要諦は、次の3点である。
「相手がどう思っているか、相手になったつもりで考える」
「相手の視点に立ち、自分の言葉がどう受け止められているか考える」
「相手を理解するために必要な知識を学び、コミュニケーションを重ねる」

  つまり、一方通行の独りよがりにならないことだ。代行は、はじめは間違ってもいいと思う。相手のことを理解するのは、そう簡単なことではない。ただ、間違ったときに素直に間違いを認めることができれば、信頼関係は崩壊しない。


■4.相手の考えをいったん受け入れる
 監督やコーチが選手の感覚とは違うことを言ったとき、選手はそれを否定したいと思って何かを言う。その当然の行為を頭ごなしに否定し、自分の考えを主張し、有無を言わさず押しつけてはならない。
「あ、そういうことか」
 選手の考えをいったん受け入れ、選手の感覚を理解することに努めるべきだ。そこからさまざまな質問を重ね、選手の反応に対してさらなる質問を積み重ねていけば、選手の考えを軌道修正するタイミングが必ず出てくる。その機を逃さず、ここぞというタイミングで的確なアドバイスを送る。
 そのタイミングは、選手がこちらの話を聞く姿勢になっているかどうかによる。そのタイミングであれば、選手もアドバイスを受け入れ、自分のやり方を考える。そのやり取りを何度もできるような関係が理想だ。


■5.心理的安全性を担保する
 さまざまな立場のスタッフが参加し、野球を体験していない人が参加する会議では、野球経験者が「野球の素人が口を出すな」と言い出す可能性もある。そのような排他的な雰囲気が醸成されると、素人は意見を言いにくい。そこで、会議が始まる前に私は参加者全員に向けてこう話した。  
「このミーティングの趣旨は、さまざまな意見を出すことです。意見の違いは単なる違いであって、決して間違いではありません。むしろ、一見すると間違いのような意見がほしいと思っています。だから、何でも言ってください」  
 心理的安全性を担保することで、意見を言いやすい環境を整える。それこそが、チーム力の向上に寄与するのは確実である。


【感想】

◆久しぶりに読んだ吉井さんの作品でしたが、相変わらずスポーツ選手だった方の書いた本とは思えない(?)クオリティでした。

それは冒頭でも触れた、こちらの本を読んだときにも思ったことなのですが。

B07K3YCDWK
最高のコーチは、教えない。

参考記事:【内省?】『最高のコーチは、教えない。』吉井理人(2018年11月22日)

ただし、こちらはタイトルにもあるように「コーチ論」がテーマであり、勝つことが最重要視される「監督論」とは中身が違います。

実際吉井さんは、コーチ時代はチームの勝敗をあまり気にしていなかったのだそう。
ピッチングコーチ時代、私はチームの勝敗をあまり意識していなかった。担当していたピッチャー陣が、チームを勝たせるためのパフォーマンスさえ発揮してくれれば、試合に負けたとしても納得していた。
コーチとしてはそれでもよかった(?)のですが、立場が変わって監督になって書かれた本書では、当然内容も変わってきています。


◆つまり、コーチが中間管理職ならば、監督は管理職であり、そうふるまうことが求められる次第。

たとえばそれは、上記ポイントの1番目で言われている、中間管理職に対する、管理職のスタンスの話で触れられているとおりです。

ちなみに吉井さんは、自分がピッチングコーチとしての経験を持っているがゆえに、コーチの役割も自分でやったほうが早いと思ってしまったのだとか。

一方、打者としての経験がなかったため、野手関係のすべてを野手コーチに任せてしまったのだそうです。

ただし本書では、こうした行為についてハッキリと「これらは、監督として絶対にやってはならないことだ」と改めて戒めていますから、ご留意ください。


◆続く上記ポイントの2番目では、コーチのお仕事と、それに対する監督の姿勢について言及が。

と言いますか、「コーチは教えないのが仕事」と言われて、納得できる方がどれだけいるのやら。

この辺は、前述の『最高のコーチは、教えない。』に詳しいのですが、そりゃ、普通は「コーチ」だったら教えちゃいますよね。

自分がコーチ時代にやっていたことが、いざ自分が監督になると、その下のコーチができない……となると、自分でやってしまいたくなるのも致し方ない気が(でもダメです)。

結局コーチが選手を指導する前に、そのコーチを監督が指導しなくてはいけないワケです。

この辺は、ビジネス社会における中間管理職と管理職の関係とも同じかと。


◆なお、上記ポイントの3番目にある「代行」という言葉を、私は知りませんでした(運転代行と一瞬勘違いしそうになりました)。

ちなみにこれは「指導する選手にはどのような方法が合うか、どう伝えればいいか、その選手になりきって考える」という意味らしく。

ただ、ここにある代行のスキルの3つの要諦は、そのままビジネスシーンでも使えそうです。

さらに、選手(や部下)が、「自分の考えと違う」と「否定したいと思って何かを言う」ことを押さえつけてはいけない、と。

これは上記ポイントの4番目のお話なのですが、自分がなまじ経験豊富だったりすると、ついついしたくなるものです。

ただしこれも、まずはいったん受け入れるべき。

もっとも、軌道修正のタイミングを見計らうのは、結構高度なスキルが必要だと思いますが……。


◆そして上記ポイントの5番目の「心理的安全性」については、ビジネス書ではおなじみのもの。

とはいえ、私自身は本で読んでいても「何をそんなに恐れることがあるのか?」と、正直なところ思っていました。

ところがここにあるような「野球を体験していない人が参加する会議」で、未経験者が発言するのは、それは不安でしょう。

もちろん他分野から、こちらがアイデアを持ってくるような場合は「いい着眼点だ」と言える人でも、自分の得意分野に門外漢が口を出してくるのは嫌なハズ。

ですから吉井さんのように、趣旨を説明したうえで「何でも言ってください」と宣言しなくてはいけないワケですね。


マネージャーならば読んでおきたい1冊!

B0D7ZKTBMQ
機嫌のいいチームをつくる
プロローグ まさかの監督就任
第1章 監督としての「心得」を定める
第2章 チームの「土台」をつくる
第3章 勝利を狙いつつ「育成」を推進する
第4章 「心理的安全性」を確立しチーム力を高める
第5章 チームを「勝利」に導く
エピローグ 機嫌のいいチームをつくる


【関連記事】

【内省?】『最高のコーチは、教えない。』吉井理人(2018年11月22日)

【人を育てる】『活の入れ方』工藤公康,九重龍二,藤平信一(2024年09月24日)

【メンタルスキル】『心を静める 大事な場面で実力を120%発揮する方法』藤平信一(2017年04月26日)

【自己啓発】『信じ切る力 生き方で運をコントロールする50の心がけ』栗山英樹(2024年04月15日)

【体罰(・A・)イクナイ!!】『スポーツの品格』桑田真澄,佐山和夫(2013年10月24日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」からのお買い得本をご紹介!

B01GVB6LD6
植物はなぜ動かないのか ──弱くて強い植物のはなし (ちくまプリマー新書)

B07CWLC9HJ
女性の9割が向いている!最短2週間で稼げる占い師になる方法

B07G4ZGNTD
かぎ針編みと棒針編みサクッと編める!かわいい小物

B07GXLSGYS
はじめてのモチーフAtoZタティングレース

B07VTV3DCY
日本人にとって自然とはなにか (ちくまプリマー新書)

B07W6BYVM9
職場の「パワハラ」「モラハラ」の悩みを解決しあなたらしい人生を取り戻す方法

B086MKL2FK
形がかわいい、編み地が楽しい エコアンダリヤのかごバッグ+帽子

B08F52KB81
学力格差を克服する (ちくま新書)

B08PV6HHHG
交通誘導員ヨレヨレ漫画日記

B09F693Z5J
戦国乱世を生きる力 (ちくま学芸文庫)

B09XF5D8T1
教養としての「数学�機�A」 論理的思考力を最短で手に入れる (NHK出版新書)

B0B513ZWKB
静かなる変革者たち みんなねっとライブラリー

B0BX6L1XD9
ぜんぶ同時に出来上がる!飯ごうで作る絶品定食レシピ

B0C6543C2X
どうする家康 後編 NHK大河ドラマ・ガイド

B0CRV3614Z
「いいね!」を集めるワードセンス (ちくま新書)

B0CV4TTGR6
武田最後の雄 仁科盛信

B0CW19ZWJL
サピエンス前史 脊椎動物の進化から人類に至る5億年の物語 (ブルーバックス)

B0FD9X3667
余った野菜ですぐできる 食べきり 漬けもの

B0GGP1ZWW2
京都カフェカタログ

B0GR594LZT
祝!45周年 エッセ創刊以来のベストレシピ153 (別冊ESSE)

今日のラインナップから当ブログでレビューするとしたら、『「いいね!」を集めるワードセンス』だと思います!


この記事のカテゴリー:「マネジメント」へ

「マインドマップ的読書感想文」のトップへ
Posted by smoothfoxxx at 08:00
│マネジメント │このエントリーを含むはてなブックマーク││

スポンサーリンク