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2026年08月07日

【音楽】『音楽ビジネス 歌を聴くのが好きな人から専門家まで楽しく読める音楽の教養』鈴木貴歩


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音楽ビジネス 歌を聴くのが好きな人から専門家まで楽しく読める音楽の教養 (業界ビジネスシリーズ)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、現在開催中の「クロスメディア ポイント還元セール」からの、個人的に読んでみたかった1冊。

「音楽」に関するさまざまな事柄に関して、多方面から切り込んだ作品でした。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
YOASOBIやAdoが世界を席巻し、日本の音楽が再び世界から注目されています。なぜ今、J-POPがグローバルで成功できるのか?ユニバーサルミュージックのデジタル本部長として音楽配信の拡大を推進し、現在は音楽テック・コンサルタントとして活躍する著者が、音楽ビジネスの「今」と「これから」を徹底解説します。本書では、ストリーミングがもたらした業界構造の変化、TikTokによる新たなマーケティング手法、K-POPの世界戦略、そしてAIが切り拓く音楽の未来まで、豊富な実例とデータをもとに分析。さらに、YOASOBIの立ち上げスタッフへの独占インタビューも収録し、グローバル成功の裏側に迫ります。音楽業界関係者はもちろん、アーティストを目指す方、音楽ビジネスに関心のある全ての方に向けた必読書です。

中古があまり値下がりしていないため、このKindle版が800円以上お買い得となります!






【ポイント】

■1.「定額聴き放題」が最も課金転換率が高い
 当時のSpotifyは定額モデルを採用していましたが、聴き放題だけでなく、さまざまなメニューが用意されていました。たとえば無料ユーザーは月に20時間までは聴けるが、それ以上聴こうとすると有料になるといった具合にです。これをペイウォール(課金の壁) と呼ぶのですが、Spotifyでどこに壁を設ければ、つまり当時月間20時間だった聴取上限を何時間にすれば、離脱せず有料会員になってくれるかをさまざま試し、その転換率を測っていました。
 ユニバーサルミュージックでの分析も独自に並行しておこなわれ、最終的に双方で合意に至った結論が「壁がないこと(=定額聴き放題) が最も課金転換率が高い」だったのです。この発見がSpotifyをはじめとしたストリーミングサービスの現在に至る普及の根幹にあります。


■2.ストリーミングサービスの影響による音楽制作の変化
 音楽配信サービスの普及は、音楽のつくり方にも大きな影響を与えています。(中略)
 まず最も大きな変化は、イントロの長さです。聴き放題のストリーミングサービスではどんどん曲をスキップすることができますから、そうされないように全体にイントロを短くして、サビを早く聴かせる傾向になっています。
 多くのストリーミングサービスでは再生回数としてカウントされるには、少なくとも30秒は再生される必要があります。それ以下だとスキップされたと見做され再生回数としてはカウントされず、ロイヤリティも支払われません。イントロは極力短くして、早くサビを聴いてもらい、短いスパンで曲調が変化しながら再びサビに入っていくことで、とにかくスキップされずに最後まで楽曲を聴いてもらうことを目指す傾向が強まっているのです。


■3.シティポップの再流行の秘密
 過去の楽曲がレコメンドされる理由としては、現代の音楽トレンドとの親和性があります。同じテイストや文脈を持つ楽曲をアルゴリズムが検知し、「これはどうですか?」と世界中のリスナーに提案しているのです。(中略)
 ちなみに、シティポップの再流行は、欧米における70〜80年代のヨットロック(1970〜80年代のアメリカで生まれた大人向けのロック音楽)のリバイバルと関連しています。ギターやドラムが効いたロックではなく、ジャズやポップスと結びついたメロディカルな音楽が再評価され、新しいバンドも登場しました。この流れのなかでシティポップが注目され、多くの海外ファンが「突然YouTubeのおすすめに竹内まりやの『プラスティック・ラブ』が表示された」と語っています。アルゴリズムの変遷がトレンドに大きな影響を与えたのです。


■4.YOASOBIのコンサート演出
屋代 YOASOBIは、日本のなかでもかなり演出を盛っているチームなんです。なので、日本のワンマンライブやフェスでできていたことが、海外だと思うようにいかないこともあります。国内でも、ワンマンでできることがフェスではいろんな都合でできなかったりするじゃないですか。でも、僕らは限界までチャレンジしています。たとえば、ステージ上にもう1つステージを組み立てるとか。(中略)
鈴木 バンドの編成は、世界共通で回っていたのですか?
屋代 ギター、ベース、鍵盤、ドラム、という編成自体は変わらないのですが、メンバーはスケジュールによって変わっていました。
 クルーでいうと照明、映像、舞台監督など、コアな部分だけでも30人弱が帯同していましたね。正直、赤字です。


■5.これからのアーティストのあり方
shudou たとえば「作曲」という言葉の意味自体が、昔とは全然違うんですよね。昔は、楽器を弾いてゼロから旋律を生み出していく、いわばゼロイチの世界だった。でもいまは、Splice(スプライス)みたいなサンプル配信サービスがあるので、プロ並みのクオリティの素材が誰でも簡単に手に入る。
 だから求められるのは、音をゼロからつくる力というよりは、「それらをどう組み合わせて、どんな意味を乗せるか」という編集力だったり、文脈をつくる力だったりするんです。
 そこに、個々人の「幼稚性」みたいなものが活きてくるんだと思っています。
「なんでこんなことするの?」っていう予測不能な発想とか。方法論だけじゃ到達できないような、ちょっとしたズレや遊び。そういう部分にこそ、いまのアーティストの役割があると思うんですよ。
 

【感想】

◆下記目次にもあるように、本書は全9章(序章と終章を入れたら11章)、それぞれ違ったテーマを扱っており、読んでいてお腹いっぱいになりました。

とはいえスペースの関係で大半は割愛しており、その匙加減が難しかったと言いますか。

結局、取り上げにくかったり、説明が長くならざるを得ないものは、スルーさせてもらいました。

たとえば、著作権関係のお話についても、本書は第7章でキチンと掘り下げているですが、私のような素人が中途半端にまとめてしまうと、かえって分かりにくくなってしまいそうな。

また、第9章のAI絡みのお話も、これからどうなるかがよく分からないので、パスしております。


◆逆に個人的に興味があったり、「なるほど、そうだったのか!」的なお話には食いつき気味。

その1つが上記ポイントの1番目の、「海賊版との戦いに終止符を打った」と言われる、Spotifyの定額制の導入のお話です。

当時は「音楽は購入して聴くものだ」という考えが当たり前であり、よくSpotifyのこの考えをレーベルが受け入れたものだと、私は今でも思ってしまうワケでして。

また、このストリーミングのビジネスモデルの成功は、上記ポイントの2番目にあるように、曲の作り方も変えてしまいました。

言われてみたら、最近の曲って、イントロ短めですよね?

加えてコロコロ展開が変わる(転調多め)なのも、飽きさせないためだと思うと、納得しきり。


◆また、興味深かったのが、上記ポイントの3番目のシティポップのリバイバルのお話。

私が以前聞いた話では、「ヴェイパーウェイブ」という音楽ジャンルのブームが要因としてあった、という話でしたが。

ミレニアル世代を魅了する奇妙な音楽「ヴェイパーウェイブ」とは何か(木澤 佐登志) | 現代ビジネス | 講談社

実際、両者の接点の1つが、日本でも活動しているNight Tempo氏。

Night Tempo インタビュー|Vaporwaveで80年代の最高な思い出をコレクトし続ける | Qetic

ただ、こちらの記事を読むと、本書の著者である鈴木氏が、ヨットロックとともにヴェイパーウェイブも挙げて、両者を2つの軸、と言ってますから、両方ともが要因と言っていいのだと思います。

竹内まりや、松原みき…昭和の「シティポップ」がなぜ今、海外でブームなのか | News&Analysis | ダイヤモンド・オンライン


◆残りの2つのポイントは、それぞれインタビューから。

まずポイントの4番目の屋代さんとは、YOASOBIを手掛けられた屋代陽平氏のこと。

屋代陽平|学生時代は自分の「好き」を見つけるとき - entane(エンタネ)

YOASOBIは以前から計画的に活動しているな、とは思っていたのですが、抜き出した以外の部分でもかなり語られていて、正直予想以上でした。

それにしても、やはり海外を回ると赤字になるんですね……。

そしてポイントの5番目のsyudouさんとは、もちろん、ボカロPとしても知られ、Adoさんの「うっせぇわ」の作詞作曲でおなじみの、あのsyudouさんです。

DTMが出てきたときには、旧世代の私はたまげたものですが、今やさまざまなサービスやAIを使いこなせてナンボ。

ちなみに作曲はさておき、作詞面で生成AIを活用することは、syudouさんもすでにやっているそうです(「サビの歌詞が全部アナグラム」等)。


音楽好きなら刺さるであろう1冊!

4295411477
音楽ビジネス 歌を聴くのが好きな人から専門家まで楽しく読める音楽の教養 (業界ビジネスシリーズ)
序 章 202X年、日本の音楽が世界に響く理由
第1章 新時代のヒットから学ぶ音楽制作の世界
第2章 ストリーミングから学ぶ音楽配信の世界
第3章 TikTokから学ぶ音楽マーケティングの世界
第4章 フェスから学ぶ音楽イベントの世界
第5章 インディーズに学ぶアーティスト育成の世界
第6章 K-POPから学ぶグローバル化の世界
第7章 カラオケから学ぶIPビジネスの世界
第8章 歴史から学ぶ音楽ビジネスの世界
第9章 AIから学ぶこれからの音楽ビジネスの世界
終 章 グローバルスタンダードを取り入れ「世界とつながり、音楽の未来を灯す」


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【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から、お買い得本をセレクト!

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フライパンで15分 今日のおうちごはん! (扶桑社ムック)

今日は途中まで値崩れ本だらけで、どうなる事かと思いましたが、最終的には普通レベルに!

個人的には、『あの人との関係に悩まない言語化』『いつも感じがいい人はこんなふうに話している』『やってはいけない睡眠の習慣』の3冊を推しておきます!


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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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