2026年05月30日
【コミュニケーション】『控えめでも存在感のある人がしていること』三上ナナエ

控えめでも存在感のある人がしていること: 「静かな誠実さ」が一番の強みになる
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも人気が高かったコミュニケーション本。あまり押しの強くない私にとっても、得るところが多い作品でした。
アマゾンの内容紹介から。
押しの強い人や社交的な人が必ずしも優れている勇者ではない――元CAの研修講師が、聴き方・話し方・断り方・依頼の仕方等、自分の良さを最大限活かし評価と信頼を得る方法を初公開。前に出ないからこそ発揮できる力がある!
中古がまだ値下がりしていませんから、「14%OFF」のKindle版がオススメです!

【ポイント】
■1.心理的安全性を提供する私の友人でとても相談しやすい人がいます。その人はなぜ相談しやすいかというと、途中で話をさえぎったり、「なぜ?」「どうして?」と問い詰めるようなことはしないのです。
「やりにくいことはどんなこと?」「そう感じるのは無理もないよね」など、背景を知ろうとしてくれたり、まずは一言添えるだけで、すぐさまアドバイスのようなことは言いません。
「この人の前では取り繕わなくていいんだ」
「考えがまとまってないけど話しても大丈夫」
そんな安心感があるのです。
「評価の場」ではなく「整える場」を提供してくれる存在。
実は、どの環境でもこのような立場でいてくれる人を求めています。
控えめな人が持つ「穏やかさの一貫性」は、本音を言える環境そのものです。
■2.「沈黙」こそ必要な時間
まずは、沈黙の定義を書き換えてみましょう。
会話の中の静止時間は、決して停滞ではありません。相手が自分の感情を整理したり、次の言葉を選んだりしている「思索の時間」です。
あなたが焦ってその空白を埋めてしまうことは、相手がせっかく深く考えようとしているチャンスを奪ってしまうことになりかねないのです。
以前、警察官の方からこんな話を聞いたことがあります。
「人が沈黙するときは、嘘を考えているときか、本音を言おうとしているときです」
取り調べや聞き取りの現場では、沈黙に耐えられる側の方が、結果的に多くの真実を引き出すのだそうです。
■3.「声を大きくする」より「声を前に出す」
声を前に出すとは、自分の体の中で完結させず、相手の位置まで届ける意識を持つことです。
控えめな人は、声を胸のあたりで止めてしまいがちです。
「迷惑にならないように」「邪魔にならないように」と無意識にブレーキをかけるため、声が自分の内側に折り返してしまうのです。
話し方の講習で、こんなイメージを伝えたことがあります。
「声を自分の口元に置かず、相手の胸元に置きにいく感じで話してください」
すると不思議なことに、音量を変えていないのに「聞きやすくなった」と周囲の反応が変わりました。
そして次に有効なのが、「最初の一文を少しだけ強めにする」工夫です。
話しはじめが小さいと、周囲は「聞く準備」ができません。
最初の一言だけ、いつもより半段階だけ声を乗せる。
すると場が静まり、その後は無理に声を張らなくても話が通るようになります。
■4.頼むときは「期限」と「ゴール」を明確に
遠慮がちで控えめな人は、相手に負担をかけないように、つい言葉をぼやかしてしまうことがあります。でも実際には、輪郭が見えないことが相手の負担になるのです。
期限とゴールは、最初に置く。それだけで、お願いはぐっと明確になります。
お願い上手な人は、ここをとても大切にしています。
たとえば、×「この資料、見ていただけますか?」期限とは「いつまでに」(締切の日にちと時間)ということ。
〇「明日の午前中までに、この資料の構成だけ見ていただくことはできますか?」
ゴールとは「どこまで」「何をしてほしいか」ということ。
この2点があるだけで、相手はすぐに判断できます。
■5.あの瞬間の自分の判断を尊重する
断ったあとに「やっぱり引き受けたほうが良かったのかな……」という考えが浮かんできたら、自分にこう言ってあげてください。
「あのときの私は、あのときの条件で決めた」
この一言は後悔を無理に消すためではなく、判断を「今の自分」で裁き直さないための区切りです。時間が経って視野が広がるほど「できたかもしれない理由」を見つけるのがうまくなります。でもそうではなく、あの瞬間の自分の判断を尊重すること。その選択をした自分をあとから追い込まないことが大切です。
「断る」という判断をしてその返事をしたのなら、いったん区切る。それでいいのです。
【感想】
◆本書の対象である「控えめな人」とは多少違うかもしれませんが、以前から当ブログで取り扱ってきたのが、「内向的な人」を対象とした作品です。ただ、改めて下記参考記事を見る限り、どれも自己啓発的な内容であり、コミュニケーションをメインテーマにしたものは皆無。
……まぁ考えてみたらある意味当たり前と言いますか、わざわざ不得手な行動をさせなくても、良いですものね。
ところがその不得手なコミュニケーションを指南しようとしているのが本書。
一般的なコミュニケーション本は、積極的に前に出るような人をモデルにしがちなのに対し、本書では「控えめな人がより自然に、力を発揮する方法」を具体的に明らかにしています。
中でも「控えめな人」ならではの長所にフォーカスしているのが、第1章から引用した上記ポイントの1番目。
相手から問い詰められるよりも、安心して話せる状況を醸し出してくれた方が、話す方もラクでしょう。
◆続く第2章では、「聞き方」がテーマです。
類書でも「沈黙を恐れるな」的なアドバイスを見たことがありましたが、こちらがガツガツ聞かない「控えめな人」だからこそ、相手も沈黙できるというものかと。
それなのに沈黙を破ってしまっては、元も子もありませぬ。
ただ、ここで引用した警察官の「嘘を考えているときか、本音を言おうとしているとき」というのは、初めて知りました。
今後は今まで以上に、「沈黙上等」で相手に考えてもらいましょうか(でも圧はかけないように!)。
◆一方第3章は、前章とは逆に「話し方」に言及。
上記ポイントの3番目の「声を前に出す」という表現は、これまた初めて聞きましたけど、なるほどこれを意識すると良さげです。
ちなみに「相手の胸元に置きにいく感じ」というフレーズで思ったのですが、声の方向の問題もありそうな。
同じ音量でも、うつむき加減なのと、身体を起して相手(の胸元)を見るのとでは、当然届き方も違うでしょうしね。
さらに割愛した中で興味深かったのが、「だと思います」とつい言ってしまい、言い切れない人への処方箋。
一応ネタバレ自重しますけど、私自身、このブログで言い切らないことが多いように、普段も「思います」ばかりなので、今後は意識したいと思います(さっそく言ってるw)
◆また、第4章では「控えめな人」が苦手であろう「お願いの仕方」がテーマ。
上記ポイントの4番目の「期限」と「ゴール」は分かるんですけど、頼む側からしたら、こちらから条件出したくないんですよね。
ただ逆に、相手からしたらこの2点が分からないと、断りにくいワケですから、相手に断りやすくさせるという点でも、最初から出すべきでしょう。
一方第5章では、逆に「断り方」がテーマ。
……実際「控えめな人」ならば、断るのはさらに苦手であろうことは、火を見るより明らかです。
しかもせっかく断ることができたのに、後からくよくよ考えてもしょうがありません。
上記ポイントの5番目にあるように、「『断る』という判断をしてその返事をしたのなら、いったん区切る」ようにすれば、メンタル的にもひきずらないでしょうから、ぜひ実践してみてください。
「控えめ」なことを強みにするために読むべし!

控えめでも存在感のある人がしていること: 「静かな誠実さ」が一番の強みになる
第1章 控えめな人の魅力&武器になる「静かな誠実さ」
第2章 オーバーリアクションをせずに信頼を勝ち取る「聞き方」
第3章 口数が少ないのに説得力がある「話し方」
第4章 相手が動きやすくなり、物事がスムーズに運ぶ「お願いの仕方」
第5章 後悔やモヤモヤをなくす、スムーズな「断り方」
第6章 その場をまとめ、前進させる「調整力」&「可視化力」
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