2026年05月08日
【ハードコア勉強法】『予備校講師が独学者のために書いた 司法書士5ヶ月合格法』松本雅典

予備校講師が独学者のために書いた 司法書士5ヶ月合格法
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、今月の「Kindle月替わりセール」における一番人気の作品。昨日に続いて2日連続の勉強本ですが、こちらは資格試験合格を目指すだけあって、かなりの「ハードコア」な内容でした。
アマゾンの内容紹介から。
「合格までに平均4年は当たり前」――若手人気講師が、今までの司法書士受験界の常識を覆す〈最強の勉強法〉を公開!
法律知識ゼロから、独学で、わずか5ヶ月で、一発合格を達成した著者が伝授する、合格だけを冷徹なまでに見つめた「リアリスティック勉強法」が、あなたの未来を一変させる! 超難関資格の合否は「独習時間」の内容で決まる!
月替わりセール特有で値引き率が高いこともあって、このKindle版が1000円以上お買い得です!

【ポイント】
■1.兼業受験生の方の覚悟前記の「兼業受験生の方が本試験の1年前から学習を開始する場合」においては、1週間の学習時間が38.5時間となり、平日3時間・休日12時間という例を出しました。この学習時間を確保すると、仕事と勉強以外のことをする時間はほとんどなくなります。趣味やテレビなどの娯楽の時間がないことは当たり前ですが、休日にお子さんを遊園地に連れて行ったり、旅行に行ったりという家族サービスもできなくなります。「家族に迷惑をかけないといけないの?」と思われるかもしれませんが、そのとおりです。「仕事をしながら、家族サービスもして短期で合格する」などということは、普通の人には不可能です。よって、(仕事を辞めることはできないでしょうから)ご家族に協力してもらうしかありません。「仕事と勉強だけするなんて、そんなに簡単ではない」「家族サービスを諦めろと言うが、うちの家庭の事情なんてわかっていないだろ」と思われるかもしれません。それも、そのとおりです。しかし、私の仕事は、現実を示し(リアリスティック)、みなさんに合格してもらうことですので、厳しいとわかっていても申し上げざるを得ません。兼業である、家族サービスをしないといけないという理由で、本試験においてハンデを付けてもらえるなどということは一切ありません。
■2.ノルマ達成の発想
1日のノルマとした30ページの中には、数多くの論点があります。30ページもあれば論点は実際には数十個ありますが、この図では便宜上、論点を6個としてご説明します。多くの方が採っている間違った発想は、この論点1〜6のすべてを理解しようとする、図で言うと、一番下の理解度MAXまで持っていこうとします。しかし、それでは計画倒れになります。なぜなら、すべての論点を完全に理解しようとすることが土台無理な話だからです。(中略)
では、理解しなくてよいのかというと、そんなことはありません。法律は理解が基本ですので、理解することをすべて諦めてしまえば合格することはできません。そこで、理解する努力をどこまでするかという基準となるのが、「30 ページ」というノルマです。1日のノルマを30ページとしたのであれば、30ページ進むというのは絶対なのです。つまり、図で言うと、横軸の30ページというのは絶対に守り、そのノルマを達成するうえで、できる限り理解していくというのが、正しい姿勢であり、みなさんに本試験までの絶対のルールとして頂きたいことです。
■3.シャドウイングを採り入れる
六法をご覧になりながら、シャドウイングを行って下さい。このシャドウイングを行うことにより、非常に効率的に条文を体得することができます。(中略)
しかし、これまで司法書士試験の学習においてはあまり採られていない方法ですので、「効果があるのかな?」と疑問に思われている方もいると思います。それは、通常の感覚です。私がご説明しただけでは、〈実感〉がありません。
よって、本書冒頭の「本書を読む際の注意点」の「行動力」でもご説明しましたとおり、まずは実行してみて下さい。そうすると、「問題を解いている時も、自然と条文のフレーズが頭の中を流れる」「書く練習をしていないのに、自然と申請書のフレーズが頭の中を流れる」というようになります。そこで初めて、この音声学習の効果を実感して頂けると考えています。
■4.検索先を一元化する
この図が何を表しているかというと、「ある知識が問われた時に、どこを思い出すか(どこを検索するか)を決めておく」ことです。本試験に持ち込めるのは自分の脳だけなのですから、Aという知識はテキストという引き出し、Bという知識は六法という引き出しというように、検索先を変えても不都合はありません。知識によっては、テキストよりも六法のほうが引き出しやすいということがあります。それならば、六法を検索先にするべきです。
このような考え方ですので、知識によっては「トイレの壁」でも、「携帯電話の待受画面」でも構いません。 「トイレの壁」を検索先にするとは、私が受験生であった頃に実際に行っており、現在も受講生の方に同様の方法を採って頂いていることなのですが、テキストに掲載されている非常に出題頻度の高い表を自宅のトイレの壁に貼るということです。(中略)
このように「検索先の一元化」という発想でいけば、1つの教材に書き込んだり、貼り付けたりする作業がなくなります。従って、検索先の一元化であれば、情報の一元化の問題点がなくなるわけです。
■5.マーキングの仕方
なお、アンダーラインとマーカーのどちらにするかは、好みで決めて下さい。
色は、一色にする必要はありません。次の色使いはあくまで参考ですが、私が講義や自身の学習で使用している色使いです(なお、私はアンダーラインを使用します)。・赤……試験に出る箇所なお、独学ですと、そもそもどこにアンダーラインやマーカーを引いてよいかがわからないことが普通です。青は、理由・趣旨ですのでわかると思いますが、赤の試験に出る箇所などは、最初はわかりません。それを判別するツールは、「カコ問」です。テキストを読んだ後にカコ問を解くことになりますが、その時に、その肢の正誤を判断するにあたってポイントとなった知識が赤でアンダーラインやマーカーを引く箇所になります。
・青……理由・趣旨
・緑……複数の知識に関係する視点
・黒……試験に出ない(中略)
そして、カコ問からテキストのポイントがわかったら、まだ出題されていない要件などが次に赤でアンダーラインやマーカーを引く箇所になります。この時点ではある程度学習が進んでいますので、どのあたりが試験でポイントになるかがわかります。
【感想】
◆久しぶりに「ハードコア」な勉強本でした。実は本書を購入する前に、アマゾンレビューをいくつかチェックしたのですが、その時点でかなりの勉強量を要求されることは分かっておりまして。
確かに著者の松本さんは「合格までに平均4年は当たり前」の司法書士試験を、「法律知識ゼロから、独学で、わずか5ヶ月で、一発合格」したくらいですから、生半可なやり方ではないことは明らかです。
むしろこの設定でラクして受かっていたら、それはもう地頭の差としか言えないわけで、再現性がありません。
そこでまず、勉強法以前に勉強量を問うているのが、上記ポイントの1番目です。
こちらはビジネスパーソン向けに勉強期間1年間の兼業受験生を取り上げましたが、専業受験生ですとこれがもっとハードで、5か月で合格するには「1日13〜14時間」勉強せよとのこと。
ちなみに松本さんは1日17〜20時間程度勉強されていたそうです。
◆勉強時間を設定したら、次は1日当たりにこなすテキストのページ数を検討。
上記ポイントの2番目にあるように、30ページと決めたら、その30ページは死守するのだそうです。
その代わり、各論点の理解度は、まちまちであっても良く、割愛した図でも論点のうち半分は理解度MAXまで届いていないものの、それでもOK。
完璧にしようとしてテキストを計画どおりに回せなければ合格できませんが、ノルマ達成を絶対にして理解に穴がある状態ならば合格できますので、ご安心下さい。穴を最後まで埋めようとするのが試験勉強ですが、最後まで埋まらないのが試験勉強です。なるほど納得!
◆一方、個別の勉強テクニックも本書では登場しており、その中でもまったくの初耳だったのが、上記ポイントの3番目の「シャドウイング」です。
もちろん「シャドウイング」自体は、英語勉強本では普通に良く出てくるものの、英語勉強本以外で紹介されているのに遭遇したのは初めてでした。
ちなみに本書では、英語の場合と、条文の場合のシャドウイングのやり方が解説されているのですが、条文の場合でもやり方自体は、普通の英語のシャドウイングと同じな模様。
音源が先にスタートして、それにちょっと遅れて同じ内容で発声していく、おなじみのスタイルです。
いずれにせよ、こうした法律系の資格試験勉強でシャドウイングに効果があるのなら、司法書士試験だけでなく、他の試験の受験生の方も試してみても良いかもしれませんね。
本書で紹介されていたシャドウイング本も、一応ご紹介しておきます。

シャドーイング・音読と英語習得の科学
◆さらに「検索先の一元化」というテーマについて論じているのが、上記ポイントの4番目。
これはいわゆる「情報の一元化」と相対するものであり、「情報の一元化」というのは、良くあるまとめ本に情報を集約させるようなことを言います。
普通の勉強本では、むしろ「情報の一元化」を推奨していることが多く、そのまとめ本を会場まで持って行って、直前まで勉強するよう指導していたりするのですが、松本さん曰く「試験中には 持ち込めませんよね?」とのこと。
さらにはまとめ本を作るのに時間がかかることを指摘し、引用部分にあるように「ある知識が問われた時に、どこを思い出すか(どこを検索するか)を決めておく」のが良い、と。
実際、トイレの壁に覚えたいことを貼る、というTIPSは、我が家でもムスコの受験時には実践していましたっけ。
ただ、個人的には「まとめ本」スタイルも捨てがたいんですが(ちゃぶ台返しw)。
◆そして上記ポイントの5番目では、マーキングに関するアドバイスが。
専門学校だと、引く箇所や色まで指定される(私の通った専門学校はそうでした)ことを考えると、独学前提の本書では、このアドバイスは有益だと思います。
ただ、以前も触れたように、私の場合は同じ単語やフレーズを同じ色やマーキングで囲んで、その色の位置で暗記していたので、基本的にマーキングに関してはコメントできる立場ではないのですが(苦笑)。
……とあれこれ書いてきたものの、実はここまでで、まだ本書の半分強という有様。
個人的にはこのお値段なら「買い」なのですが、本書の具体例のほとんどが、司法書士試験に沿ったものであるため、その部分については今回割愛しましたし、私も良く分かっておりません。
司法書士試験の受験生でないと、理解できない部分がそれなりにあることを理解された上で、ご検討いただきたく……。
それでも考え方自体は納得の1冊!

予備校講師が独学者のために書いた 司法書士5ヶ月合格法
第1章 相手(試験)を的確に知ることから戦略が生まれる
第2章 受験勉強全体を貫く理念
第3章 どれくらいの努力を積み上げれば受かる試験なのか?
第4章 本試験にたどり着くための「ノルマ達成の発想」
第5章 教材(三種の神器ではなく四種の神器)
第6章 検索先の一元化VS情報の一元化
第7章 アウトプットの常識を変える
第8章 「読み込み」をしないテキストの読み方
第9章 カコ問分析とは「帰納的推測」である
第10章 学説問題の二極化に一石を投じる第三極
第11章 「記述特有の対策は不要である」と言える時代は終わった
第12章 決戦当日(本試験日)の戦略
第13章 答練・模試に対する誤った考え方
第14章 覚悟から生まれるモチベーション
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【非常識勉強法】「ごく普通の人でも難関資格に受かる非常識勉強法!」石井和人(2008年09月14日)
【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から、お買い得作品をご紹介!
世界のスープ図鑑:独自の組み合わせが楽しいご当地レシピ317

データサイエンスのための数学 データサイエンス入門シリーズ

ひらめかない人のためのイノベーションの技法

生薬と漢方薬の事典

ルイ・ボナパルトのブリュメール18日 (講談社学術文庫)

レヴィナス 「顔」と形而上学のはざまで (講談社学術文庫)

つげ義春日記 (講談社文芸文庫)
……今日も全体の半分以上(12冊/20冊)がUnlimited対象作品だったのですが、この中では『ひらめかない人のためのイノベーションの技法』が、唯一当ブログ向きな気が。
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