2026年04月23日
【コミュニケーション】『コミュ力不要の社交術』古市憲寿

コミュ力不要の社交術 (新潮新書 1121)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも人気だったコミュニケーション本。従来のコミュニケーション本とはひと味違う、テクニカルな内容でした。
アマゾンの内容紹介から。
「大人になってから友達ができない」「人付き合いに疲れてしまう」――そんな人は多い。でも、社交はただの「技術」。本当にちょっとしたコツで、人間関係は楽になる。大人になってから多くの友人に恵まれたという著者が、トライ&エラーを繰り返して見つけた最適解を一挙公開。頑張りすぎないコスパの良い行動は、自分と周りの人がしあわせに生きることにもつながる。振る舞い方から思考法まで、超実践的な令和の処世術!
中古が値下がりしていませんから、「10%OFF」のKindle版がオススメです!

【ポイント】
■1.自分から誘う友達が多い人には共通点があることに気が付きました。
それは「自分から誘う人」だということです。
よく食事に誘ってくれる友人がいます。予定が合わずに断ってしまうことも多いのですが、彼は「気にしないで。僕からの誘いはメルマガだと思ってくれていいから」と言っていました。
「メルマガ」なんだから返事は適当でいいし、何なら無視してもいい。こう言ってくれると、断ることを重荷に感じなくて済みますよね。
ここには人付き合いの1つの極意がある気がします。
独断ですが、人から誘われて嫌な気になる人はほとんどいません。たとえ結果的に断るとしても、他人の好意を 無下 に断れる人はあまりいません。
生理的に無理という場合もありますが、それって確率的には少ないんですよね。
「これはさすがに行けないよなあ」という誘いでも、誘ってくれたこと自体には感謝の気持ちが生まれがちです。
■2.情報は差異からもたらされる
情報というのは差異(違い)からもたらされます。距離が遠ければ遠いほど、新しい情報は多くなります。
たとえば極端な話ですが、平安時代の人に会えるなら、藤原道長のような有名人でなくてもいいですよね。歴史に名前が残らなかった市井の人であったとしても、もし現代にタイムスリップしてきたら、世界中からインタビューが殺到するはずです。
もう少し現実的な話をしましょう。
たとえばマスコミ業界では常識とされることも、食品業界の人にとっては新鮮だったりする。もちろん逆もしかりです。
これを応用した「情報の転売屋」みたいな人がいます。たくさんのコミュニティに属しているから、ある会社で聞いたことを、次の会社でそのまま話す。それだけで「面白い人」の完成です。
何も「すべらない話」を探す必要はありません。自分にとっては当たり前だけど、他人にとっては「へえ」と思う話は何か。その中でも、今から会う人が興味を持ちそうな話は何か。そんな風に、情報の「差異」を探していくんです。
■3.嫌いな人はサンプルだと思ってみる
それはさておき、僕の場合、嫌いというよりも苦手という人のほうが多いです。そんな時は、相手のことを「サンプル」だと思うようにしています。
サンプルとは文字通り「見本」や「標本」という意味。要は、その人を研究対象にしてしまうということです。
「世の中にはこんな人もいるんだ」「なぜこの人はこのような行動を取るのだろう」と、とにかく相手を観察・分析する。大事なのは、観察そのものよりも、相手を「サンプル」だと思うことです。つまり「人間扱い」を止めてしまうんです。
子どもの頃、夏休みの宿題で「アサガオの観察日記」とかありませんでしたか。その時、アサガオが真っ直ぐ伸びようが、右に伸びようが、別にイラッとはしなかったはずです。それは朝顔を「サンプル」だと割り切っているから。
人間も同じようにサンプルだと思っていいんです。普通には付き合いたくない嫌な人も、「サンプル」だと考えれば興味深く見えてくるものです。
■4.「返事が早い」だけでも評価される
「仕事ができる」「仕事ができない」の基準は、業界や会社によって違います。ただ古今東西、これができて困ることはありません。
返事が早いことです。
返事が早い人はモテると書きましたが、返事が早い人は仕事もできます(と、思われやすくなります)。
返事が遅いということは、意思決定に時間がかかっているということです。だけど時間をかけてクオリティが上がるものというのは、そんなにありません。(中略)
返事の早い取引先や部下は安心感があるので、次の仕事や指示も振りやすくなります。これは部下側から見ると、「チャンスが多く回ってくる」ということになります。その分、経験を積めるということです。
とにかく「返信が早い」「時間を守る」といった基本的なことを心がけるだけでも、一気に仕事のしやすい人に思われるはずです。
■5.その人が失敗したとき、許せるか
誰かのせいで思うような成果が出ないことってありますよね。
もし仕事相手がもっとスピード感のある人だったら。もし上司がもっと決断力のある人だったら。もし部下がもっとできる人だったら──。
そんな不満を抱えている人はたくさんいるはずです。でも、そんな風に思う場合、実は責任の一端は自分にあることも多いのです。(中略)
僕は誰かと仕事をするかどうかを決める時、「その人が失敗した場合、自分はその人を許せそうか」を1つの基準にしています。
基準は何でもいいのですが、大切なのは、選択の段階で自分が納得しているかどうか。納得した上での決断なら、結果がどうあれ自分で責任を持てます。「違うほうを選べばよかった」という後悔を残さないためにも、最初の「納得」が不可欠なのです。
【感想】
◆新書の割にはハイライトを引きまくった作品でした。ただし、それは本書のテーマである「社交術」絡みの部分だけでなく、「それ、社交術とは違くない?」というところまで様々。
たとえば本書の第6章の「ツール篇」では、AIの使い方から速読術、さらには英語の勉強法にまで触れられています。
しかもこれがまた、かなり面白くて、こちらからも抜き出したくなったのを自重したという。
続く第7章の「旅行篇」や第8章の「メンタル篇」も同様で、時間があったら本書でもう1本記事を書きたかったくらいです。
いずれにせよ、今回上記ポイントで抜き出したのは、少なくとも「相手あって」のTIPSに限定してみました。
◆まずは第1章の「社交篇」からは、上記ポイントの1番目の「自分から誘う」……なんですが、これってなかなかにハードルが高そうですが。
しかしそんなときは、古市さんいわく
そう思った時は、こう考えるようにしています。「自分はみんなから誘われるのを待つような人気者なのか」と。そう言われてしまうと、返す言葉もないのですが。
さらにはその延長線上にあるのが「パーティ」です。
ちなみに古市さんは、自分の誕生パーティを自分で開くそうなのですが、誕生パーティに限らず、会の主催者は「参加者を選べるので、自分が嫌な人と顔を合わせる必要がない」という指摘はなるほど納得。
そしてこの「嫌いな人」対策は、第3章の「人間関係篇」から抜き出した上記ポイントの3番目にも通ずるところがあります。
「嫌い」という「感情」を切り分けて、「サンプル」にしてしまう、というTIPSは、目からウロコでした。
◆1つ戻って第2章の「会話篇」からは、上記ポイントの2番目を。
基本的に会話は「聞くこと」を本書でも推奨しているのですが、「話の面白さ」を求めて登場したのが、この「情報は差異からもたらされる」という部分になります。
結局のところ、最後の「自分にとっては当たり前だけど、他人にとっては『へえ』と思う話は何か」を意識せよ、ということでしょうね。
ちなみに中高年である私は、イマドキの中高生の間で流行っているテレビ番組や曲に結構興味があったりします。
逆に私のようなオサーンが、昔話をすると嫌がられそうなので、注意が必要ですが。
◆一方、第5章の「仕事篇」からは、上記ポイントの4番目の「返事が早い」を。
これはもうお約束というか、仕事をする上での重要TIPSと言えると思います。
特に今やSNSで、ほとんどの人が「既読の有無」を体験してしまっている以上、読んだか読んでないかのところから気になっちゃうわけですし。
たとえコミュ力に自信がない方でも、ここを押さえるだけでも、そこそこの評価が得られるのではないかと。
そして最後のポイントの5番目は、少し飛んだ第8章の「メンタル篇」からのもの。
他責すぎるのも、かといって自責過ぎるのも問題ですから、どこかで基準を決めておかなくてはなりません。
その点、この「その人が失敗した場合、自分はその人を許せそうか」という基準はかなり妥当だと思います。
◆ところで本書の巻末に第9章として「Q&A篇」が収録されているのですが、こちらも非常にユニークでした。
まず初っ端の「プレゼントに何を贈ったらいいか迷います」という質問に対して、「『情報』を付けられるものがいい」として、何かしら語れるストーリーがある品々が並んでいるという。
たとえばこちらの【アラン・ミリアのジュース】については、
お酒を飲まない人にはこれ。「フランス大統領もお気に入り」という最強のタグが付きます。ワインボトル入りで高級感があるのに、千円〜二千円台で買えます。とあって、アマゾンでググってみたら、確かに良さげ。

アランミリア メルロー種 赤 グレープ ジュース 1000ml
自分では普通、買おうとは思わない価格帯ですが、プレゼントとしてはポイント高そうです。
……他の質問は「社交術」とは違うものが多かったのですが、こちらなら「大アリ」ですよね!
テクニカルな社交術と知的生産術が好きな方に!

コミュ力不要の社交術 (新潮新書 1121)
1 社交篇 仲間の増やし方
2 会話篇 口下手のコミュニケーション術
3 人間関係篇 気楽に人とつきあう
4 人生篇 生き方を設計する
5 仕事篇 コスパよく働く
6 ツール篇 便利に生きる
7 旅行篇 快適にどこへでも
8 メンタル篇 心地よく過ごす
9 Q&A篇 こんなときどうする? プレゼントに何を贈るか
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【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」からのお買い得品をご紹介!
ウソを見破る統計学 退屈させない統計入門 (ブルーバックス)

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今日は昨日に比べると非常に豊作なのですが、『ウソを見破る統計学』『非IT人材で成果が出る DX成功ルール』『複利で伸びる仕事術』辺りは読んでみたいですね!
【編集後記2】
◆一昨日の「Kindle本 春爛漫大セール」の「人文・思想」分の記事で人気が高かったのは、この辺の作品でした(順不同)。
数学を武器にしてみよう! 東大理三・ミス東大が教える、誰でもできる勉強法

増補改訂版 スマホ時代の哲学 なぜ不安や退屈をスマホで埋めてしまうのか (ディスカヴァー携書)

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ご参考になりましたら!
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