2026年02月12日
【読書術】『読書思考トレーニング ――AI活用でロジカルにアウトプットする技法』中崎倫子

読書思考トレーニング ――AI活用でロジカルにアウトプットする技法 (ちくま新書 1901)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事にて大人気だった読書術本。当ブログでもおなじみである山口周さんご推薦の注目作です。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
限られた時間で、効率的に本を読み、自分の血肉とし、成長につなげるには?
本を読んだままにせず、読書を通じて主体的に思考し、アウトプットとして外部に発信できる形にする──そのための実践的な技法は、トレーニングで誰もが手にすることができます。
生成AIの力も効果的に借りながら、知的生産の起点としての読書という営みを高めていきましょう。
なぜ、何を、どう読むかを明確化すれば、メモから仮説へ、発信できる意見へと、誰でもクリティカルな読書ができる!
働いていても「本が読める」方法が、ここに。
中古が値下がりしていない一方、Kindle版は若干ですがお求めやすくなっています!

【ポイント】
■1.「Why(読む目的)」は、直近のアウトプットが必要か否かで判断する具体例を考えてみましょう。例えば、読んだ本の内容をすぐに何かしらの成果物として形にすることを要求されることがあります。その場合、限られた時間内に目的に合った成果物を出さなければなりません。そもそも、成果物を出す期限が決まっている以上、本を読む時間は限られています。その限られた時間を最大限有効に使うためには、必要な本を予め絞り込み、効率的な読書を行うのではないでしょうか。言い換えれば、目的に合った本を漏れなく読むと思います。
一方、特にアウトプットとしての成果物が要求されないとき、どんな本を読み、どのような読み方をするでしょうか。自分の興味や関心に従って本を選び、ゆっくりじっくりと味わいながら読むのではないかと思います。
つまり、「成果物を出す」というアウトプットが直近で求められるときと、求められないときとで、「どんな本を読むのか」「どのように本を読むのか」が変化します。言い換えると、「Why(なぜ読むのか?)」によって「What(何を読むか?)」と「How(どう読むか?)」を、変えなければならない、ということになります。
■2.まず具体から始めよ
では、アウトプットを目的とした場合について、まずは未知の分野の選書方法を説明しましょう。
自分が知らない分野の本を読む場合は、基本的には「具体⇒抽象」の順で本を読んでいきます。
具体的な方法論や事例を先に読むのは、経験が不足した状態で一般論や理論を学ぼうとすると、理解が難しいことが多いからです。また、一般論や理論は、前提となる経験や知識を求められることも多々あり、何の経験・知識も持たずに読もうとすると、挫折してしまうことがあるからです。
本を読むときには、まず方法論を学びたいというように実用をメインにしたい場合と、学術のように理論から入りたい場合の2種類に分けられます。
実用メインの読書は、すぐに本に書いてある内容が実践できるよう、まず具体的な事例や方法、手法を多く収集し、その後で理論・原理原則で裏付けるという選書をします。
■3.思考のための読書の具体的な方法
本を読むときは、最初に要旨の部分に着目し、具体例のところは少し速度を上げ、緩急をつけて読むようにします(既知の分野では、自分にとって新しい知識・情報が得られるところはゆっくり、既に知っている知識・情報は速く読みます)。
単語単位では、「つまり」「要するに」のような、これまでの議論をまとめるような言葉や、「言い換えると」「換言すると」のように、同じ内容を別の表現をして繰り返すことを示す言葉が用いられるところに注意します。これらの言葉が出てきた箇所は、議論で重要なポイントとなるところです。これらが文中に出てきたときは、前後の箇所をよく読むようにすると、著者の意見を理解しやすくなります。
読んでいる途中で引っかかりを感じた部分は付箋を付けておき、必要ならば、後で利用できるように、Google Keepなどにメモとして保存しておきます。
■4.NotebookLMで読書の効果を最大化する
NotebookLMとは、Googleが開発した生成AIを利用した情報集約・整理・分析用のアプリです。先述したとおり、ウェブサイトやYouTubeの情報、手持ちのPDFファイルや音声ファイルなどから情報を集約し、チャットでそれを引き出すことができます。チャットでは、質問が自動生成され、そこから選んで情報を引き出すことができます。そのほかにも、動画や音声による概要やマインドマップなどを作成することができます。
繰り返しになりますが、NotebookLMは、ユーザーが指定したソース(情報源) 以外を回答の生成に利用しないため、誤回答の生成(ハルシネーション) を起こしにくいという特性があります。
これらの特性から、1冊の本の概要が知りたかったり、複数の本の内容を比較・統合したかったりするときに、NotebookLMを利用することができます。
■5.執筆の味方としての生成AI
文章を書く際の強い味方が生成AIです。第4章までは思考の整理や考えの壁打ち相手として紹介してきましたが、執筆の際にも利用しない手はありません。
ただし、大切な注意点があります。生成AIに代筆させるのではなく、生成AIと対話することによって自分の思考を言語化・文章化していくという発想で利用することです。文章を書くのが大変なのは、自分の中にふわっとしたイメージを持っていたとしても、それをうまく言語化・文章化できないからです。生成AIとの対話を通して、ふわっとしている自分の考えを明確に言語化・文章化していくのです。それはあたかも、コーチングで自分が問題に対する解決策を発見する過程とよく似ています。
生成AIを使って執筆するときも、最初から完璧な形を目指すのではなく、生成AIとの対話を通して少しずつ完成形を目指していく姿勢が必要です。生成AIというツールを使うときも、きちんと使いこなさなければと思ってしまうかもしれません。ですが、生成AIも「習うより慣れろ」で手を動かしていくうちに使えるようになるという側面が大いにあります。いろいろ自分で試してみて、どのような挙動をするか、反応を見ながら使っていくことも大切です。
【感想】
◆ある意味「ブログを書くために本を読んでいる」ような私には、納得しきりの作品でした。上記ポイントの1番目は、本書の序章から抜き出したのですが、まさに本書のテーマとも言えるもの。
私の場合、毎日ブログをアップしている関係上、投下できる時間は1日どころか、17時過ぎに仕事を終わってから寝るまで(だいたい夜中の3時)の10時間しかありません。
もちろんその間に帰宅したり、家事をやったりした上で本を読むわけですから、読む本が厚くなるとインプットにも余計に時間がかかります。
つまり1日で読み切れる本でないと、穴が開いてしまうわけですから、選書もそういう形で制限があるわけで。
かつて、どうしても読んで記事にしたかった本を、1週間がかりで読み、かつ、並行して別の本を読んでブログ投稿していたことがありますが、かなりキツかった記憶が(遠い目)。
◆もう1点、時間制限とは別に、読んで自分の中で「何となくレベルで理解できた作品」をどうするか、という問題もあります。
つまり自分の中で、ブログ記事として、自信を持ってアウトプットできるレベルまで至れなかった作品も、お蔵入りの可能性が大。
ただ、こういう作品って、無理にアウトプットせずに、自分の中で「醸成する」のでもいいと思うんですよね。
その後の新たな知識や情報、視点を得ることで、ふいに「ストン」と理解できることもあるでしょうし。
もっとも私の場合、そういう「記事にできない」本に時間を費やすわけにもいかないので、途中で読むのを諦めております。
この辺は、アウトプット前提なのが、あまり宜しくない方向に向かわせているな、と。
◆いずれにせよ、本書の中でも私が注目していたのは、「アウトプットを目的とした場合」の読書です。
その際の選書方法について触れているのが、第2章から引用した上記ポイントの2番目。
私はついつい、得意な分野を選びがちですけど、未知の分野なら「具体的な方法論や事例を先に読む」べきなんですね。
最近の私にとっての「未知の分野」といえば、生成AIなんですが、なるほど「具体的な方法論や事例」が多く載っている本が望ましいわけですか。
もう1つ、昨年あたりから手を出し始めたのが「株式投資本」でして、先日この本を読んだら、結構具体的だったので、ついにiDeco始めちゃいましたしね。

普通の人のための投資: いちばん手軽で怖くない「ゆとり投資」入門
参考記事:【堅実投資?】『普通の人のための投資―いちばん手軽で怖くない「ゆとり投資」入門』桶井 道(2026年01月21日)
◆また、同じ「アウトプットを目的とした読書」でも、「思考を伴うか否か」という違いがあります(本書では2軸のマトリクス表になっていますが)。
前者が「思考のための読書」であり、後者は「情報のための読書」。
この観点からいうと、当ブログで扱っている作品のほとんどが「情報のための読書」に該当すると思います。
……「思考を伴わない」というと語弊がありますが、とりあえず「書いてある情報が大事」という意味ではそうかな、と。
では逆に、普段行わない「思考のための読書」のやり方が、どういうものかというと、第3章から抜き出した上記ポイントの3番目にあるとおり。
「つまり」や「要するに」等の単語は、あまり意識したことがありませんでしたが、これからは注意したいと思います。
◆……とここまでサブタイトルにある生成AIが登場しておりませんでしたが、アウトプットがメインとなる第4章以降では活躍しだしますのでご安心ください。
その第4章から引用したのが上記ポイントの4番目。
NotebookLM自体、あまり当ブログでは取りあげてこなかったのですが、「指定したソース以外を利用しないため、ハルシネーションを起こしにくい」というのは知りませんでした。
さらには第6章では生成AIを使って、文章を書く方法についてもアドバイスが。
上記ポイントの5番目にもあるように、「生成AIに代筆させるのではなく、生成AIと対話する」のがキモなようです。
また、割愛した第5章では「NotebookLMと議論をする」やり方も紹介されていましたし、これは取り入れたいところ。
私自身は、まだ生成AIは調べものがほとんどで、文章を依頼したのはお歳暮のお礼状の文面くらいなのですが、今後生産性を高めるために、もっと活用せねば、と今更のように思いました。
特にアウトプット目的の読書をする方なら要チェック!

読書思考トレーニング ――AI活用でロジカルにアウトプットする技法 (ちくま新書 1901)
序 章 読書法の全体像
第1章 なぜ本を読むのか?
第2章 何を読むか?
第3章 どう本を読むか?
第4章 どう記憶・記録するか?──アウトプットの下準備
第5章 メモから仮説へ──どう言語化するか?
第6章 読むこととアウトプットの最強の関係
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【編集後記】
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