2026年01月14日
【Z世代対策】『若手が伸びる会社が育成でやっていること』田島一貴

若手が伸びる会社が育成でやっていること
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、明日でセール終了となる「Kindle本 ビジネス・経済書セール」からの若手育成本。……すいません、版元のクロスメディアさんはまだ記事にしていなかったのですが、もう間に合わないのでこちらだけでも、と。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
若手人材の感性やアイデアを活かした商品開発を武器に急成長を遂げた企業の経営者が、イマドキ部下の育成に必要なコミュニケーション手法や仕事の教え方を解説!
「仕事の楽しさは失敗から学ばせる」
「入社すぐに教える5つの重要スキル」
「『若手に辞められたら困る』問題の解決策」など
著者が実践し、結果を残してきた育成のコツが満載!
若手部下のマネジメントに課題や苦手意識を抱える管理職・マネジャーの方におすすめの一冊。
中古がほとんど値下がりしていないため、このKindle版が900円弱お得な計算です!

【ポイント】
■1.正解を欲しがり、極端に失敗を怖がる若者たち今の若者の中には、「自分推し」と呼ばれる状態を貫き通そうとする人がいます。言葉にすると、次のような感じでしょうか。
「私は私を推してるんです。推しの自分に、失敗なんてかっこ悪いことはさせられません。だから正解のある仕事しかしたくありません」
けれども、仕事には正しいやり方があるものは少なく、マニュアルが存在することのほうが稀です。というより、正解を見つけてマニュアルを作るのが仕事です。昭和の上司と令和の部下の間に齟齬が発生するのは、そんなときです。部下は正しい答えを教わって、正解だけを行いたい。しかし、上司の手にもその答えはありません。正しい答えを作るために、みんなでビジネスをしているのだとも言えます。
若者世代は、タイパ・コスパのよさを求めて、「一番無駄がなく、最速で成功する法則を教えて欲しい」と主張しますが、会社に入社した以上、その法則を見つけることは自分の仕事です。それを自覚させることが、失敗を体験させる第一段階です。
■2.叱るときに大事なのはタイミングと具体性
私たち昭和世代は、親にも教師にも叱り方で気を遣われたことがありません。大勢の前で叱られることもよくありました。(中略)
今なら、人前で叱っただけでハラスメントと言われるでしょうし、こっそりフォローしようにも、一度植え付けられた不信感で聞く耳を持ってもらえません。そもそも、こっそりフォローする場所がありません。社内のタバコ部屋も、飲み会もなくなりました。(中略)
重要なのは、どの部分がどうしてダメなのかをミスしたタイミングで教えることです。叱るのではなく、指摘と失敗箇所の認識確認をします。どこが間違いなのかを教え、一緒にどうすればよかったかを確認することができればベストです。どんな小さなことでも、ミスがわかった時点で、その一点だけをわかるまで確認するようにします。
それを「あとから教えればいいか」と怠ると、間違った手順のまま完成まで進んでしまい、修正が余計に大変になります。1日でも1分でも早く、次の工程に入る前に間違いを指摘し、正しいやり方を一緒に確認することで会社に損失を与えずに済みます。
■3.「やり抜く力」を身につけさせるには?
令和世代全員が常にそうではありませんが、努力や粘ること=タイパ・コスパが悪い行為と捉えがちで、必死に頑張ること、無駄な汗をかくことを嫌がります。上司が「ここまで来たんだからもう少し粘りなよ」と言っても、粘るという行為にネガティブなイメージしかないので、やる気になれません。こういう場合は、先に共通言語であるKPIで説明します。たとえば、次にように言えば伝わるはずです。
「その施策のKPIはこの値でしょう? 君の報告では、そこまで達してないじゃない? でも、関係するこの数値を上げられれば、KPIも上がるはずだよね。そこまで続けた結果を知りたいんだよ」
説明の仕方次第で、こちらのして欲しいことをしてもらえるなら、上司は共通言語としてのKPIを使いこなすべきです。「施策の目的はこれ、KPI目標値はこれ、KPIがこれ以下の数値ならプランBCで継続、これ以上の結果が出れば終了」と具体的に説明し、継続と終了の条件も先に伝えます。「やり抜け」と要求するなら、どこまで到達したら「やり抜いたこと」になるのか、その条件を先に数値で伝えなくてはなりません。
■4.令和世代の転職はゲームのリセット
会社や上司に不満があるわけでもなさそうなのに、転職してきたばかりの若者が辞めてしまう話もよく聞きます。会社に理由も言わずに、フェードアウトするようにいなくなります。そういう人は、周囲と自分の能力を勝手に天秤に乗せて比べています。そのうえで、自分はここでやっていけるのかと自問し、ついていけなさそうだと判断すると、「やっぱりここは自分のいる場所ではなかった」と新天地を求めて去っていきます。
昭和世代には、会社を辞めることは大きな決断であり、前職を踏み台にキャリアアップできない限りは、辞めようとは思いませんでした。ところが、今の若者は退職をゲームのリセット感覚で行います。ここでつまずいても、またイチからゲームをスタートすればいい。他の会社に移れば、自分が活躍できる場もあるのではないかと考えて簡単に転職していきます。
そういう人は、おそらく次の職場でも同じようにフェードアウトしていく人です。上司は彼らの退職に責任を感じる必要は一切ありません。
■5.リファレンスチェックの重要性
リファレンスチェックとは、採用候補者の過去の同僚、上司、部下などにアンケート形式で候補者の評価を依頼することです。在職中でも退職後でも、前職の関係者からのリファレンスが提供されてくるかどうかが評価の分かれ目です。
円満に退職できなかった人の場合、元の職場の人たちとやりとりができないため、アンケートを依頼できずにリファレンスが提出されてくることはありません。きちんと提出してくれる候補者は少なくとも前職では問題がなかったと判断できます。最終面接が終わった段階で、これぞと思う人材にはリファレンスチェックを依頼するべきです。(中略)
私は最初、リファレンスチェックの有効性について半信半疑でした。しかし、実際に導入した身近な会社の事例を聞くと、リファレンスを提供できる候補者とできない候補者の違いが明確で、ここで振るい分けできることを知りました。リファレンスを提供できる人は、良い点も悪い点も含めて評価材料が増えるため、採用決定に大いに役立ちます。
【感想】
◆本書も私はハイライト引きまくりの巻。というのも、職場や実生活で、Z世代の方とコミュニケーションがある方は、彼らの生態なりをある程度ご存じだったり肌感覚で理解できているかもしれませんが、私にとっては「知らんかった」の連続だったわけでして。
一応、メディア等を通じてある程度の情報は得ていたものの、ここまで私の理解を超えていたとは、と多少ならずともショックを受けました。
たまたま私は一人で事務所を運営している関係で問題にならなかっただけで、もし今から会社で働き始めて(現実的にはあり得ませんが)、Z世代の方が職場にいたなら、うまくやっていけるのかどうか……。
ただし、彼らの行動については理解が難しくても、その背景を知っていれば「なるほど」と思わされる部分もあります。
たとえば本書の第2章から抜き出した、上記ポイントの1番目の「自分推し」という概念。
自分が推しならば、それは失敗はさせられないと思うはずです。
◆また同じ第2章からの上記ポイントの2番目の「𠮟り方」も気をつけたいところ。
まぁ、類書でも「褒めるときは皆の前で、叱るときは二人っきりで」等々言われてますから、さすがにおおっぴらに人前で叱る人は少ないと思いますが。
とはいえ本書によると、もし令和世代の部下が「この書類のミスを明日までに直せるかな」と上司に声をかけられた場合。彼らは、「明日までに直して欲しい」という指示だけを拡大解釈して、「私が頑張って作成した書類を上司にダメ出しされた。しかも明日までに直せと残業を強要された。これはパワハラ上司のいるブラック企業だ」と脳内変換してしまうのだそう。
そこでそれを避けるために、こんな会話が。
上司「君の作成した資料の完成度は大変すばらしいですね。あと、ここの部分だけ直すとさらによくなると思いますよ。忙しいと思うけど、いつまでなら修正できそうですか? そもそも可能ですか?」ここまでへりくだると、もうどちらが立場が上なのか分かりませんね。
部下「これくらいならすぐ直せます」
上司「そうですか。素晴らしいですね。ありがとうございます」
ではどう指示すべきか、については本書にてご確認を。
◆また、その指示ですが、抽象的ではいけないのは当然のこと。
第3章から引用した上記ポイントの3番目では、「やり抜く」とは何ぞやについて解説がされています。
そもそも昭和世代で「やり抜く」と言ったら、「試行錯誤を繰り返し、打つ手がなくなるところまでやる」ことを意味しますが、令和世代はコスパ・タイパを重視するため、一度結果が出たことに再挑戦することを避けがちなんですね。
そこで彼らに腹落ちするように伝えるためには、ここにあるように「KPIを使いこなすべき」とのこと。
ただ、業界や職種によっては、彼ら令和世代の感性やアイデアに学ぶことも多いはずです。
特に本書の著者である田島さんの会社は、化粧品関係なこともあって、その傾向が強い模様。
彼らにとっては「当たり前」な常識を、私たち世代が汲みあげてビジネスに活かさなければなりません。
◆一方第4章は、こうした令和世代の離職問題がテーマです。
元々私が新卒で入った会社の海外グループでは、全グループで一番離職率が高く、皆どんどん転職していたのであまり気にしたことがなかったのですが、確かに普通はキャリアアップで転職していた記憶が。
それが今では「ゲームのリセット感覚」ですか……。
もちろん、パワハラやセクハラが苦痛でやめるなら分かるのですが、「他の会社に移れば、自分が活躍できる場もあるのではないか」という考えは、昭和世代の私からしたら「何言うてますの」ですよ。
最後の一文である「上司は彼らの退職に責任を感じる必要は一切ありません」というのも、同意です。
◆さらに今度は受け入れる方のお話として「リファレンスチェック」が、上記ポイントの5番目に登場。
こちらは人材採用をテーマにした第5章から抜き出したのですが、リファレンスチェックがそんなに有効だったとは知りませんでした。
ただ考えてみたら、前述の「他の会社に移れば、自分が活躍できる場もあるのではないか」という人が入社希望で来たとしても、そのリファレンスが優れたものであるとは思えません。
もちろん、前の会社で問題を起こしていたら、提出自体も難しそうですから、さらにアウトでしょう。
なるほど、思ったよりも採用活動に効果がありそうですね。
Z世代を理解するために、昭和世代なら読むべし!

若手が伸びる会社が育成でやっていること
序 章 すれ違う昭和世代と令和世代の価値観
第1章 若手に伝えたい仕事で一生使える重要スキル
第2章 失敗を通して仕事の楽しさを教える
第3章 強みを見つけて成功体験を積ませる
第4章 「若手に辞められたら困る」問題の解決策
第5章 少数精鋭企業が実践する人材採用と育成の仕組み
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【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から、注目作を。
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