2025年12月04日
【食事】『予防医療の医師が教える 最小の努力で最大の効果を得る食事学』濱谷陸太

予防医療の医師が教える 最小の努力で最大の効果を得る食事学
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、まだ記事にはしていないものの、東洋経済さんの「130周年記念フェア 50%ポイント還元」からセレクトした食事本。「健康を考える上での食事」について極めてロジカルに論じた作品でした。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
忙しいビジネスパーソン必読
食事のメリットを最大化するには、「正しい知識と仕組み化が9割」
外食が多くても、めんどくさがりでも、冷凍食品でもできる!
「戦略的食べ方の科学」
「3つのステップ」で自分に合った効率的食習慣を見つけよう!
あなたを「がん・糖尿病・心血管病・高血圧」から守るメソッド
中古がまだ値下がりしていませんから、このKindle版が800円弱お買い得です!

【ポイント】
■1.「食事の構成」という視点が欠けている例えば、果物をたくさん食べるということは、その代わりに「何か他の食材の食べる量が少ない」ことを暗に意味しています。なぜなら、前述したように、カロリー摂取量は平均すればほぼ一定だからです。
この「代わりに何を食べるか」は、食事の健康効果を考える上で、極めて重要です。例えば、果物をあまり食べていない人と比較し、果物をたくさん食べる人が「相対的に何を食べていないか」考えてみましょう。代わりにお菓子を食べないのであれば、健康に良さそうです。
一方、代わりに野菜を食べないのであれば、健康に良いのかわかりませんよね。当然のようですが、このような事象を考慮している研究は、実はごく一部です。冒頭に紹介した「果物を食べると健康に良い」のような、よく聞く「科学的な」話はこれを考慮しておらず、「何を代わりに食べるか」ということも「平均」した結果です。そんなことは人や集団によって様々です。
つまり、最も信頼できる科学的根拠といっても「集団」の結果であり、「何を代わりに食べるか」という視点が欠けているということです。
■2.野菜ジュースの健康効果まとめ
●食習慣を改善することを目標とする場合、野菜ジュースの出番はあまりない(ジュースは食事でないため)
●すでに色んな種類の野菜をしっかり食べられている人が、野菜ジュースを追加することで得られる効果はあまり期待できない
●どうやっても野菜の摂取量が増やせない人の場合、野菜ジュースをサプリメントとして使う分にはそこまで悪いものではない
●野菜ジュースをサプリメントとして使う場合は、野菜ジュースを飲む代わりに「健康に悪い飲み物」の量を減らせていればなお良い
●野菜ジュースを選ぶなら、なるべく添加物の少ない、生の野菜に近いものにすべき
(詳細は本書を)
■3.食習慣の改善例
例えば果物を食べる習慣がほとんどなく、朝はほぼ毎日コンビニやスーパーで買った「菓子パン」を食べている人がいるとします。菓子パンから健康に良い栄養素を十分摂取することは望めないため、これが毎日のことでは、健康への被害が懸念されます。
そこで例えば、朝にバナナを1本必ず食べることとします。そうすることで、少なくとも果物の摂取量はかなり増えます。果物は1日最低200グラム食べることが推奨されていますが、バナナ1本で100グラムくらいです。バナナのカロリーは100キロカロリー弱で、菓子パンには及びませんが(400キロカロリー弱になるものもあります)、バナナを食べるおかげで「菓子パンを含むその他の食事」の摂取量が少し減ることが期待されます。(中略)
結果として、「果物の摂取量をかなり増やし、菓子パンの摂取量を減らす」という素晴らしい食行動改善法が、1日30〜50円程度でできるわけです。菓子パンを買う分が減ることを期待すれば、収支としてはむしろプラスになり得ます。
■4.飲み会が多い場合の食事法
体重増加の原因は本当に人によりますが、その中でも割と多くの方で有用かもしれない方法を紹介します。私は普段アメリカで過ごしていると体重(や摂取カロリー)はほぼ一定ですが、一時帰国した時に飲み会がどうしても増えてしまいがちです。そこでよく行うのは、「飲み会のない日は、飲み会で摂りすぎているものを少なくし、不足しがちなものを摂取する」という習慣です。具体的には、飲み会のない日の夕食を野菜と果物だけにしています。こうすると当然摂取カロリーは抑えられ、健康に良い栄養素を摂取でき、ある程度の満腹感も得られます。これを習慣化することにより、飲み会で摂取しすぎたカロリーをならすことが期待されます。(中略)
食習慣という観点から言うと、特に日本の飲み会で注意すべきなのは「塩分」です。特に和食の場合、出てくる食材は非常にバランスの良いことが多いです。ナッツや全粒粉はないことが多いですが、野菜や豆類、魚介が豊富に使われ、この点健康には良さそうです。しかし、やはり塩分だけは多めになってしまいます。
これは特に意識した方が良く、それこそ飲み会のない日は塩分を控えた方が良いわけです。
■5.がん予防・認知症に効くサプリ
がん予防について最もはっきりと効果が示されたサプリは、「マルチビタミン・マルチミネラル(以下総称してマルチビタミン)」と「ビタミンD」です。マルチビタミンサプリは世界中で非常にポピュラーであり、アメリカではなんと3分の1以上の人がマルチビタミンを日常的に服用しています。
マルチビタミンは一般的にそれぞれのビタミンをそれほど高くない用量で混ぜており、単独ビタミン剤ほど副作用がありません。たくさんあるマルチビタミンサプリの中で科学的検証が行われたのは一握りですが、これにより利益を得られる日本人はそれなりにいる可能性があります。
マルチビタミンのがん予防効果を大規模に検証した大規模な研究は3つほどあり、それらをまとめると、がん発症リスクを7%ほど低下させる、となっています。肺がんに限れば、25%程度のリスク低下が示されています。このうち個々の研究を見れば、より強力な効果を示したものもあります(男性で30%のがん発症リスク低下など)。(中略)
さらに最近の研究で、 マルチビタミンは高齢の方に対し認知症予防効果があることが示されてきています。これは非常に画期的な発見で、サプリ研究者・認知症研究者の中でかなり注目されています。
【感想】
◆食事本ということで、気軽に読み始めた本書ですが、色々と考えさせられることが多かったです。そもそも、多くの本で「健康にいい」「良くない」と言われている食材についても、そんなに簡単に白黒付けられるものではない、という指摘は目からウロコ。
たとえば第1章から抜き出した、上記ポイントの1番目で言われているように、「代わりに何を食べるか」という考え方は、類書ではついぞや見た記憶がありません。
ここが薬やサプリと違うところで、食事の場合、何かを食べたら、その分他のものが食べられなくなる、のは当然のこと。
結果、その食材を食べたことが良かったのか、代わりに減らされたものが良くなかったのかが、はっきりとは分からないワケでして……。
◆それに関連しているのが、第2章から引用した上記ポイントの2番目の「野菜ジュース」です。
私は多くの健康本で言われているように、「野菜ジュースは良くないもの」と決めつけて、ここ10年以上飲んだことがありませんでした。
ただし、ここで指摘されているように、元々が野菜を食べない生活をしている人だと、必ずしも悪くない、と。
さらには、その代わりに甘い清涼飲料水を飲んでいたのを止めたのなら、より健康にはプラスになります。
私は会社員時代、コンビニ弁当に野菜ジュースを合わせていたのですが、当時はひとり暮らしで、そこまで野菜を食べていなかったのですから、最適解ではないものの、「無しよりのアリ」くらいだったかもしれません。
逆に今は夕飯でしっかり野菜を摂ってますから、結局もう飲む必要もないのですが。
◆本書はこのように、単純に食材単独での○×をつけるのではなく、日頃からの食習慣から変えていくことを推奨。
その辺が掘り下げられているのが第3章で、具体例として抜き出したのが、上記ポイントの3番目の朝食のお話です。
まぁ菓子パンの場合、白黒つける以前に「食事としていいところ」がほぼない(よく「菓子パン」は「パン」というより「お菓子」とも言われますし)分、何に変えてもおそらく「改善」になるのでしょうけど、ここで選ばれたのが「バナナ」。
ちなみに私は「バナナは果糖が多い」ことから、実は避けていたのですが、果実は全体として「甘くて食後の血糖値は上がるけれど、長期的な糖尿病は予防する」のだそうです。
なお、ウチのムスコも、朝は菓子パンを買い食いしていたのですが、たまたまなのか今週から、菓子パンの代わりにバナナを食べているようで、これは良い傾向だな、と。
◆一方、上記ポイントの4番目の食事法は、著者の濱谷さんが実践されているものになります。
こちらは本書の第4章から抜き出したのですが、私もぜひ取り入れたいところ。
この「他の日と合わせて平均化する」考え方は、本書で言うところの「『1日3食』でなく『1週21食』の単位で考える」そのものだと思います。
なお、最後の第5章では、上記ポイントの5番目のような「サプリメント」についても言及。
少々デリケートなお話なので、詳しくは本書でご確認頂きたいのですが、ここに挙げたビタミンDは、単独でもがん予防効果が期待できるのだそうです。
またアメリカでのマルチビタミンの普及ぶりにはビックリの巻。
認知症の予防効果もあると聞いて、私もさっそく良さげなのを注文しました。

NATUREMADE(ネイチャーメイド) 大塚製薬マルチビタミン 100粒 100日分
ロジカルな食事本をこの機会にぜひ!

予防医療の医師が教える 最小の努力で最大の効果を得る食事学
第1章 なぜあなたは食事を人生の味方につけられていないのか
第2章 STEP1 「〇〇が健康に良い/悪い」という考えを捨てる
第3章 STEP2 自分の食習慣を知り、目標とする食習慣を定める
第4章 STEP3 食習慣を改善させる戦略を立てる
第5章 食習慣改善は「今」始めよう
【関連記事】
【食事術】『最新科学が証明! 人気精神科医が教える メンタルを強くする最強の食事術』ウーマ・ナイド(2025年07月07日)【健康食品の真実】『健康食品で死んではいけない』長村洋一(2025年05月06日)
【サプリHACK】『【新版】サプリメントの正体』田村忠司(2024年12月09日)
【健康】『「これ」を食べればサプリはいらない』田村忠司(2022年06月09日)
【食事本大全】『健康本200冊を読み倒し、自身で人体実験してわかった 食事法の最適解』国府田 淳(2020年09月20日)
【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から、いつものようにお買い得作品をご紹介。
東大教授が教える独学勉強法
参考記事:【真の勉強?】『東大教授が教える独学勉強法』柳川範之(2014年07月20日)

枕草子 上 (ちくま学芸文庫)

明治史講義【テーマ篇】 (ちくま新書)

「がん」はなぜできるのか そのメカニズムからゲノム医療まで (ブルーバックス)

メルロ=ポンティ 可逆性 (講談社学術文庫)

クジラの歌を聴け 動物が生命をつなぐ驚異のしくみ

はじめての人のための3000円投資生活 新NISA対応版

ゴダール革命〔増補決定版〕 (ちくま学芸文庫)

「先延ばしグセ」が治る21の方法

英検合格のための要約問題 予想問題集 英検1級、準1級、2級対応

西澤明洋の成功するブランディングデザイン:本当に良いモノをより良いカタチに導く デザインノートBOOK

読めない人のための村上春樹入門 (NHK出版新書)
いつもより、若干少なめになってしまいましたが、気になる作品がありましたらご検討ください!
この記事のカテゴリー:「健康」へ
「マインドマップ的読書感想文」のトップへ
スポンサーリンク
当ブログの一番人気!
Kindle月替わりセール
年間売上ランキング
月別アーカイブ
最近のオススメ
最近の記事
このブログはリンクフリーです




