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2025年11月09日

【発想法】『「面白い!」を見つける ――物事の見え方が変わる発想法』林 雄司


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「面白い!」を見つける ――物事の見え方が変わる発想法 (ちくまプリマー新書 509)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、次回の未読本記事で取り上げようと思っていたアイデア本。

面白そうなので、フライングで読んでしまいました。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
自由な発想の持ち主は、世界をこう見ている。
意外さを観察し、型をずらして、面白がる。
『デイリーポータルZ』編集長の「だったらいいな」を現実にするやり方。

中古はまだ値下がりしていませんが、Kindle版は若干ですがお買い得になっています!






【ポイント】

■1.上を見よう、もしくは下を見よう
 歩くときはあえて上を見ると、いつも見えてないものが見えて、意外な発見につながります。人ってあまり上を見て歩かないんですよね。例えば、新宿の靖国通りのカラオケ館の屋上はお城のようにとんがっています。あそこがVIPルームだったら面白いですよね。それともオーナーの部屋でしょうか。案外室外機が詰まっているだけだったりして、でもそれもいい。意外さが見つかればそこから想像を膨らませられます。
 新宿の古いビルの壁に、もう存在しない信用金庫の名前が残っていたり、大都会でも上だけ見ると昭和みたいな雰囲気が残っていて面白いですよ。上ってあまり見る人がいないから、意外に無防備なものが残ってます。
 ふだんよく上を見る人は意識して下を見てください。いつも見ていないところを見ると、意外な発見や驚きがあります。
 いつも使う出口と逆の出口から出てみたり、エスカレーターではなく階段を使うだけでも視点が変わり、発見があります。
 でも朝にやると会社に遅刻します。


■2.要素に分けて、片方をずらす
 私がよくやるのが、対象を要素に分解して、それぞれをずらす方法です。
 例えば、すごく美味しいミートソースのパスタがあったとします。この感激を人に伝えたい。そのまま伝えてもいいですが、ずらして人の気を惹くようにしたいときにどうするか。要素のひとつをずらす方法です。
「ミートソースのパスタ」は、「ミートソース」と「パスタ」に分けられる。「パスタ」の属性は「小麦粉でできている」「麺類」「白い」があります。
「麺類」に注目してずらすと、「ミートソースそば」「ミートソースうどん」などのバリエーションが出てきます。やってみて美味しかったら麺類なんにでも合うミートソース、と言えます。
 注意して欲しいのは、ずらす要素はひとつだけにすること。ミートソースとパスタの両方をずらすと、肉味噌うどんになってなにをやりたかったのか分からなくなります。冗談のようですが、記事を力作にしようとして要素の両方をずらして組み合わせが無限になって記事が書けなくなる、というのはよくある落とし穴です。


■3.「意外性」と「共感」があるならそのままで
 ずらさなくてもいい場合もあります。素材そのものに「意外性」がありつつ、その意外さが「共感」してもらえる場合です。「聞いたことがあるけどやったことはない」はその典型です。
 くす玉を割るとか、札束風呂に入るとか、意外性の塊のような存在です。それはそのままやればいい。「くす玉を割る、しかもトイレで」などとずらしてしまうと意外性がふたつになってしまって難易度があがってしまう。素直に「わーやりたーい」と思えない。
 やったことがないけれどやってみたいことは、たくさんあります。金メダルをもらって嚙んでみたいし、棒高跳びでバーをクリアした人が、ガッツポーズしながら落ちてくるのもやってみたい。落ちてるのにガッツポーズしているなんていう状況は、棒高跳び以外ないですよね。
 私がスポーツに縁遠いからスポーツの例ばかりになってしまいましたが、これらはそのまま体験する、もしくは体験できる施設があれば、それを取材することで伝わります。


■4.感情の言葉は抜く
 楽しいことも辛いことも、感情の言葉を抜きに書いた方が迫力がでる気がします。死ぬかと思った体験を読者から集めた私の書籍『死ぬかと思った』では、「痛くて辛すぎました」と感想をつづった文章より、「靴に血がたまってました」といった行動の方が真に迫ったので、編集するときには投稿からオーバーな感想の部分を削っていました。
「好きなこと、面白かったことを生き生きと書きましょう!」と言われても、照れくさいですよね。
 そんな時は、メモや写真を他人のものと思って「この人のことを書こう」と、第三者の視点になると書きやすくなります。2人以上で行って写真を撮ってもらうと、実際に第三者の視点も同時に得られますよ。
 そしてそれは「赤の他人が見て、これは面白いだろうか?」と一歩引いて見る効能もあります。


■5.タイトルのテクニックは無視しよう
 ネットメディアでは「○○ってホント?」とか「○○の意外な真相」など、結論を明かさずにクリックさせようとするタイトルをよく見ますが、私はそういうタイトルにはしません。「コーヒーとコーラの美味しい配合は8:2」とか、タイトルに結論を最初から書いてます。(中略)
 そもそも、「自分がやってることは、一般には興味を持たれないことだ」っていう諦めがあります。だからタイトルでできるだけサービスする、結論を早めに書くことを心がけています。
 ネットでよくある「タイトルのテクニック」は、気にしない方がいいです。
 そもそもああいうテクニックは内容が大したことない記事を魅力的に見せるために作られたものです。むしろ過剰に使われすぎて、記事そのものが安っぽく見えることがあります。興味のあることに熱意を持って、身体を動かして調べた魂みたいな記事をわざわざ安っぽく見せる必要はありません。


【感想】

◆著者である林 雄司さんらしいテイストの作品でした。

林さんといえば、ご存知「デイリーポータルZ」のウェブマスターおよび編集長として知られるお方。

デイリーポータルZ

このサイトもかなり長い歴史があるの(2002年からだそう)で、有名なのだと私は思っていますが、逆に今の若い方は知らなかったりするんでしょうかね?

当ブログとしては、以前、林さんのこちらの作品をご紹介しておりますが。

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世界のエリートは大事にしないが、普通の人にはそこそこ役立つビジネス書

参考記事:【オススメw】『世界のエリートは大事にしないが、普通の人にはそこそこ役立つビジネス書』林 雄司(2014年04月12日)

とにかく林さんを筆頭に、ユニークなライター陣が揃っていて、よくはてなブックマークの人気エントリーに記事が掲載されているのを見かけます。


◆もちろん、各ライターさんごとに持ち味なり特徴はあるにせよ、本書は林さんの考える「面白さ」を定義し、その作り方を指南したもの。

そういえばたまに、「こうすれば面白い!」とか「爆笑必至!」的なフレーズを売り文句にしているアイデア本を見かけますが、ぶっちゃけ中身を読んでも、そこまで面白いと思えない作品もあったりします。

その本の時点で面白くない以上、それを読んでも効果は期待できないのは言うまでもなく(実際に読了したものの、レビューを断念したこともあります)。

それに比べると、本書は「『デイリーポータルZ』が面白い」と思う方なら、ハマるであろう可能性は高いです。

個人的に好きなのは、懐かしのこの記事とか。

ペリーがパワポで提案書を持ってきたら(デジタルリマスター版) :: デイリーポータルZ

後、以前もご紹介したこの記事あたりも(めっちゃくだらないんですがw)。

ハトが選んだ生命保険に入る :: デイリーポータルZ


◆さて、本書にはこうしたユニークなアイデアを生み出せるようなテクニックが、いくつも収録されています。

たとえば本書のパート2から抜き出した上記ポイントの1番目もその1つ。

その前や付近を何度も歩いたことはあるのですが、こんな風になっているとは気がつきませんでした。



また、パート3から引用した、上記ポイントの2番目もテクニカル。

そもそも「ずらし」という手法は、林さんが得意とするところで、上記のペリーのパワポ記事も、「パワポ」というビジネスシーンの要素にペリーという「ずらし」が入ってできています。

実際、「ミートソースそば」も「ミートソースうどん」も、ソースが美味しければ全然「アリ」かと。

逆に最後の「両方ずらし」は、デイリーポータルZのライターさんと違って、私たちのような一般ビジネスパーソンはやらないと思いますが。


◆さらに、上記ポイントの3番目のお話もパート3からのもの。

「ネタ」自体に魅力があれば、それだけでもいいワケですね。

ちなみに「意外性」があるかどうかは分かりませんが、私も以前、バンジージャンプをやったことがありました。

散々並んで、ドキドキしながら順番を待つものの、いざジャンプしたら数秒で終わり。

もっとも、終わってからのビヨンビヨンという余韻が収まらないと回収できないので、その時間も入れると長いのですが、あれはまさに飛ぶ前と後も含めて「バンジージャンプ」なのだと思いました。


◆一方、パート4ではこうしたアイデアをアウトプットする際のテクニックが登場。

デイリーポータルZはウェブサイトなので、記事の投稿という形をとるのでしょうが、私たちはブログやSNSで用いることができるハズです。

それにしても、上記ポイントの4番目で今さら知ったのが、『死ぬかと思った』シリーズは、林さんが書かれたものだったんですね。

なるほど、おおげさな感情の表現よりも、実際の行動の方が説得力があったと。

そしてポイントの5番目のタイトルのテクニックは、大方のウェブサイトの逆をゆくもの。

Yahoo!のトップ記事やその下のサムネイル付きのニュース群は、クリックさせることだけを考えているようなものなので、この手のタイトルをよく見ます。

しかし林さんはこれを「安っぽく見えることがある」とバッサリ。

これは私も気をつけたいと思います。


ユニークな発想をしたい方なら要チェック!

4480685421
「面白い!」を見つける ――物事の見え方が変わる発想法 (ちくまプリマー新書 509)
パート1 そもそも「面白い」とは?
パート2 「面白い」の探し方
パート3 「面白い」のふくらませ方
パート4 「面白い」を発表しよう
さいごに 「面白い」に人が集まる


【関連記事】

【オススメw】『世界のエリートは大事にしないが、普通の人にはそこそこ役立つビジネス書』林 雄司(2014年04月12日)

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【アイデア】『考える術──人と違うことが次々ひらめくすごい思考ワザ71』藤原麻里菜(2021年01月29日)

【オススメ!】『面白いとは何か? 面白く生きるには?』森博嗣(2019年09月12日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から、お買い得本を列挙します(私もさっそく1冊買いましたw)!

B00BB1ZRDM
はじめての言語学 (講談社現代新書)

B0794VBWQ4
史記1 本紀 (ちくま学芸文庫)

B07W6BYVM9
職場の「パワハラ」「モラハラ」の悩みを解決しあなたらしい人生を取り戻す方法

B07XZ28TQT
まんがでわかる 妻のトリセツ

B08CDN6MG6
マンガでわかる中学社会 歴史上巻 (COMIC×STUDY)

B0BHJKZRTG
聞く技術 聞いてもらう技術 (ちくま新書)

B0DJGJD3H9
A03 地球の歩き方 ロンドン 2025〜2026

B0DLN6SM3W
C13 地球の歩き方 シドニー&メルボルン 2025〜2026

B0DZ21JN44
A16 地球の歩き方 ベルリンと北ドイツ ハンブルク ドレスデン ライプツィヒ 2025〜2026

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1分音読 毎日脳活スペシャル 言えたらすごい!脳を鍛える!早口ことば

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きちんと伝わる説明の「型」と「コツ」: アナウンサーが教える「言葉の力」を磨く技術 (三笠書房 電子書籍)


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