【堀江式】『体力が９割　結局、動いた者が勝つ』堀江貴文:マインドマップ的読書感想文

2025年10月30日

【堀江式】『体力が９割　結局、動いた者が勝つ』堀江貴文

【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事にて、一番お買い求めいただいた1冊。

おなじみ堀江貴文さんが、そのイメージとは裏腹に（？）、体力の重要性を主張されている作品です。

アマゾンの内容紹介から一部引用。

仕事もプライベートも、成功は「体力」で決まる！
ホリエ式・勝者のコンディショニング術！
「僕は体調管理に徹底的にこだわってきた。奮闘するすべての人にこの本を捧げたい」（堀江貴文）
体力に自信がない人には、それを補い、賢く戦うための戦略を。
体力に恵まれた人には、そのアドバンテージを最大化し、突き抜けるための手段を。
――体力は拡張できるのだ。

Kindle版の値引はないものの、中古はまだ値下がりしていませんから、お好きな方で！

【ポイント】

■1.重要なのは「やり抜くエネルギー」を整えること

　自己啓発書の教えの大半は、普通の人が実践するにはかなりハードなのである。たとえば「アウトプットが大事だ」と学び、「毎日の学びをSNSに投稿しよう」と決意したとする。最初の数日はいい。モチベーションが高いからこなせるだろう。問題はその先だ。継続できるかどうかだ。
　仕事でクタクタに疲れて帰ってきた夜、今日もスマホを手に「よし、投稿しよう！」と思えるだろうか。「今日はいいか」と、ついソファでくつろいでしまいかねない。翌日も同じ調子だ。意気込んではじめた投稿は完全にストップ。再開されることはない。
　やる意志はあるものの、続ける体力がない。これが「三日坊主」の正体だ。
　日々、仕事で消耗し、人間関係のストレスでも消耗している。となると、新しいことに挑む余裕はとうぜん失われる。やらないのは気合いが足りないからじゃない。根性がないからでもない。ただ単に、心も体もエネルギー切れになっているのである。

■2.「完璧主義」ではなく「完了主義」を目指す

「もう少し準備が整ったらやります」「ちゃんとリサーチしてから動こうと思ってる」
　プライベートでもビジネスでも何かに挑戦する際、そう口にする人にかぎって結局、動かない。熱意がないから？　勇気がないから？　あながちそうとも言い切れない。むしろ逆だ。クオリティの高い仕事をしたい。中途半端なことはやりたくない。そんな立派な心意気を持つマジメな人ほど動かない。いや、動けないのである。
　なぜか？　完璧を目指そうとするからだ。完璧なタイミングで始動し、完璧な成果をあげる──。それはもはや実力どうこうの話ではない。完璧なんて存在しないのだ。奇跡の領域である。(中略)
　ようするに完璧主義は何も成しえないのだ。頭でっかちの案山子である。完璧にやろうとするな。大切なのは「完了主義」だ。
　100点を狙わず（そもそも狙えない）、とにかくいったん最後までやってしまう。 60 点でいい。何よりもすみやかに作業を終わらせることを重視する。その完了主義こそが最終的に高いクオリティを実現するのだ。

■3.マッサージ代をけちらない

　ハードな仕事や、特別な運動のあとの疲れは誰でも自覚しやすい。でもあなたの足を引っ張る本当に厄介な疲れは、普段の生活のなかで知らず知らず蓄積される。
　油断すると、現代人の体はあっという間に凝り固まってしまう。特に長時間のデスクワークや立ちっぱなしの仕事をしている人は要注意だ。血流が滞り、老廃物がたまることで体が緊張してしまう。そしてその緊張状態を放置してしまえば、自律神経が乱れ、血管が収縮し、さらに体がこわばっていく。負のスパイラルである。
　そんな堕落した体で仕事の質が上がるはずもない。パワフルな作業能力も、クリアな思考力も整った体あってこそだ。
　マッサージ代をケチってはいけない。信頼できるプロの技術にしっかり対価を払い、短時間でコンディションを引き上げる。体という重要な資本をつねにメンテナンスしておく。
　それは未来への自己投資だ。あなたの能力をいかんなく発揮していくための投資なのだ。

■4.すきま時間に「その場ふくらはぎ運動」をする

　僕がよくやるのは「その場ふくらはぎ運動」だ。直立して背伸びをする要領でかかとをリズミカルに上下させる。それだけの単純な動きである。でもこれが侮れない。数分で息が弾み、ふくらはぎに確かな負荷がかかるのを感じ取れる。
　下半身には全身の筋肉の大部分が集中している。なかでもふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれ、血液を心臓に送り戻す重要なポンプの役割を担う。その場ふくらはぎ運動は血流も促進させる優れた下半身トレーニングなのだ。僕はそれを講演会や打ち合わせの前のすきま時間に行っている。分刻みのスケジュールでもやれるわけだ。
　ハーフスクワットや腕立て伏せもそうだ。器具も着替えも広いスペースもいらない。すきま時間でできる。自室や無人の会議室なら誰に気兼ねすることもないだろう。

■5.弱点は誰かにゆだねる

　外注の費用がもったいないと躊躇うのは悪手だ。考えてみてほしい。苦手な作業に費やしているその時間をあなたの得意分野に充てたとしたらどうだろう。あなたにとって有益なものをより多く生み出せるはずだ。
　専門家に任せるのか。あくまで自力でやるのか。目先の出費に惑わされてはいけない。専門家に払う費用は、機会損失のコストに比べれば安いものだ。(中略)
　何を外注に回すべきか。その基準は明快だ。
　①自分の心が躍らない作業　
　②他人がやっても大して成果が変わらない作業　
　③自分よりもうまく、速くできる人がいる作業
　これらはどれもあなたがやるべき仕事ではない。さっさと外注しよう。それで浮いた体力と時間を使って得意なことに集中したほうが賢明だ。
　苦手な作業を手放すとストレスも減る。すると思考がクリアになる。パフォーマンスが向上する。仕事は格段に楽しくなるだろう。とうぜん良い成果が出やすい。

【感想】

◆当ブログとしては、久しぶり（3年超）の堀江さんの作品でした。

しかもその切り口も、従来の堀江本とはひと味違うもの。

と言いますか、普段「生産性」をうたう堀江さんの口から、体力の重要性を聞かされるとは思いませんでした。

ただ、堀江さんの有料メルマガを読んでない人（含む私）にとっては、日頃の堀江さんのスケジュールの過密さは、想像できないものではないか、と。

ちなみに本書の「はじめに」にの冒頭では、堀江さんのハードスケジュールぶりが記されているのですが、こんな感じです。

　北海道のニセコでパウダースノーを滑り倒した足で、そのまま新千歳空港へ直行。ウェアも乾かないうちに深夜便でバンコクへ飛び、到着したらすぐミーティング。午後は物件視察。現地のキーマンと会食のあとは夜の街へ。泥のように眠った翌朝はゴルフコンペ、そして夜には日本へ帰国。
　東京に戻ったら今度は福岡へ日帰り出張。合間に打ち合わせや動画収録、夜は会食を3件ハシゴ──。
　これは特別な1週間のスケジュールではない。僕の日常だ。こんな生活をもう何十年も続けてきた。

それは周りの人が「体力オバケ」というのも当然ですわな。

◆そして第1章では、その「体力」の重要性がテーマ。

さっそく上記ポイントの1番目では、自己啓発書を実践するにも体力が必要である旨、言われています。

……そりゃ、前述のようなスケジュールをこなしている人にとっては、「できて当然」かもしれませんが。

また、体力同様「コンディション」を整えるのも重要である、とのこと。

これらは睡眠や運動、食事等々にも左右されるということで、本書でもそれぞれについて言及されています。

◆また1つとんだ第3章では「やる気」がテーマであり、上記ポイントの2番目の「完了主義」のお話を抜き出してみました。

正直、体力のお話とはちょっとベクトルが違うと思うんですが、「完璧を目指さずに完了を目指す」というTIPSは、私自身、若い頃完璧主義だった分、これからは意識して仕事をしていきたいな、と。

続く第4章は「体力回復」ということで、いわゆる「健康本」のお話に近いもの。

ここでは私自身「耳イタイ」睡眠時間のお話が当然登場するのですが、類書でも言われていることなので割愛しました。

逆に上記ポイントの3番目のマッサージは、金かけてでも行け、と言ってるのが珍しくてセレクト。

ちなみに堀江さんがお好みなのは、どの店舗でも一定のクオリティが期待できる「タイ古式マッサージ」だそうです。

◆さらに第5章では、いよいよ「体力」の作り方がテーマ。

ただし筋トレ本等とは違って、具体的に何をどうやれ、というお話はほぼありませんでした。

その中で私でも実践できそうなのが、上記ポイントの4番目の「その場ふくらはぎ運動」です。

実際、私も本書を読みつつやってみたのですが、それなりに効果がありそうな。

何でも堀江さんは「自分の血糖値をモニターできるパッチ型センサーをいつも装着している」そうなのですが、

炭水化物を食べたあと、その場ふくらはぎ運動をすると血糖値の数値が明らかに抑えられる。

のだとか。

これはぜひ、お試しいただきたいところです。

◆なお、それでも「体力」に不安がある方はどうすればいいのか？

その回答として、本書の第6章では「他動力」をテーマにしています。

　他人の力を頼ることで、テコの原理のように自分のパフォーマンスを何倍、何十倍にも増幅させられる。僕はこれを「他動力」と呼んでいる。僕のあらゆる活動の根幹を成している思想だ。

確かに、体力に余裕がある人なら、自分でやってしまおう、と考えるかもしれませんが、余力がなければ他に頼むしかありません。

特に弱点であるならば、上記ポイントの5番目にあるように「外注」に出すのがベスト。

ここで挙げられている3つの基準に当てはまるのであれば、迷わず任せてしまうべきでしょうね。

結局、動いた人が勝ちます！