【疲労回復】『仕事の質を高める休養力』角谷リョウ:マインドマップ的読書感想文

2025年10月16日

【疲労回復】『仕事の質を高める休養力』角谷リョウ

【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、たまたま目にした疲労回復本。

著者の角谷リョウさんの作品は、過去2冊ほど読んだことがあるので、こちらもチェックしてみました。

アマゾンの内容紹介から一部引用。

休まない働き方から、休みを戦略的に取る時代へ―。
「とにかく頑張る」「疲れは美徳」─
そんな価値観で走り続けてきた私たちは、いま確実に限界を迎えています。
残業時間は減り、便利なツールは増えたのに、なぜか疲労スコアは年々上昇。
週末に温泉へ行っても、マッサージを受けても、月曜にはまたぐったり…。
そんな“疲労沼”から抜け出せない現代人に本書は根本的な解決策を示します。

元からこのKindle版は、定価の「17％OFF」なのですが、現在それに「34％ポイント還元」がついて、実質「46％OFF」と大変お買い得になっています！

【ポイント】

■1.エナジードリンクの「効いている気がする」ワナ

エナドリのワナ①　偽りの覚醒メカニズム
　カフェインは脳の疲労信号を一時的にブロックします。つまり「疲労を感じないようにしている」だけで、実際は体の奥底で疲労がモリモリ蓄積中。「元気になった！」は、はっきり言えば錯覚なのです。　
　効果が切れたときに襲う〝反動疲労〟は、ゾンビみたいなだるさ。モンスターを飲んでいたつもりが、気づけば自分が疲労モンスターになっていたというオチです。
エナドリのワナ②　糖分スパイクの恐怖
　エナジードリンク１本に角砂糖10個分（約50グラム）の糖分が含まれています。ドカンと血糖値が上がって「イケる！」と感じた後は……急降下。インスリンが暴走して強烈な眠気と甘いものへの渇望が襲う。　
　これ、ビジネスでたとえると「短期融資でキャッシュフロー回してたら利息地獄で潰れました」みたいなものです。

■2.リカバリーウェアに効果はあるのか？

　リカバリーウェアを着て寝るのは、おもに運動をハードに行って肉体疲労があるケースです。ちなみにリカバリーウェアの多くは一般医療機器認証を受けていますが、これは疲労効果に対して認証しているのではなく、遠赤外線による温熱効果と血流促進効果に対する認証なのです。
　リカバリーウェアの最大の特徴は「血行を促進させること」「筋肉のハリを軽減すること」にあります。
　デスクワーク中心の現代のビジネスパーソンが寝ている間に血行を促進させて調整するといったトリッキーな考え方もあるかもしれませんが、基本的には睡眠中は自然で肌触りの良い素材（コットンやシルクなど）で手足が解放されているパジャマで寝る方が理にかなっています。
　実際に私も含めてほとんどのクライアントが、主観的にもデバイスのデータでも、普段の日中の過ごし方ならパジャマの方がむしろ回復感や睡眠スコアが良いのです。
　けしてリカバリーウェアを否定しているのではなく、盲信せずにうまく使いましょうということを言いたいだけです。

■3.睡眠の質を確実に上げるエプソムソルト

　もちろんマグネシウムは食べ物やサプリで摂ることも可能。でも、サプリは腸から吸収しにくかったり、摂りすぎるとお腹がゆるくなることもあります。寝る前にそんなリスクは避けたいですよね。
　エプソムソルトなら、入浴するだけでマグネシウムの経皮吸収が期待できます。
　英国バーミンガム大学の研究では、19人の被験者が1週間エプソムソルト入りのお湯に12分間入浴した結果、16人の血中マグネシウム濃度が平均35％アップしたそうです。尿中の濃度も約2倍に。これなら無理なく取り入れられそうです。(中略)
「でも高いんでしょう？」と思いますよね。
　実は、ネットで1キロあたり500円～1000円程度で買えます。1回200グラム使っても1回100円程度。缶コーヒーより安いです。
　美容効果もあり、入浴で汗がたくさん出て（30分で約650ミリリットル＝ペットボトル約1本分）、むくみ解消や肌のすべすべ感が得られるとも言われています。アトピーの人がエプソムソルト入浴で5割改善したというデータもあります。

■4.自宅で簡単にできる自然を使った免疫力回復法

　まずは観葉植物を買って置くだけで劇的な効果があります。観葉植物は「マイクロネイチャー」といってかなり自然の効用が期待できます。多くの研究結果でストレスホルモンが40％近く減ったり、POMS（気分プロフィール検査）というテストでも観葉植物を部屋に入れただけで疲労が18％下がり、活力が32％上がったという報告もあります。
　デスクに小さな「デスクガーデン」を置くだけでも、同じような効果が期待できるようです。そして驚くなかれ、人工植物「フェイクガーデン」でも実際の植物の60％くらいの回復効果があります。さらに言えば、植物の画像をスマホやパソコンの壁紙にするのも効果があります。実際の自然に比べてスマホでは30％、パソコンでは40％も回復効果があるという研究結果が出ています。
　そしてなんと高解像度のテレビだと、実際の自然の50％以上の効果があるそうなので、ぜひ活用してみてください。

■5.午後は「クワイエット・ウェイクフルネス」する

正規のパワーナップ（20分以上）を習慣にするのはハードルが高いので、今回は習慣化率が高く、疲労回復効果が高い「寝ないミニナップ」をおすすめします。ミニナップはパワーナップのショート版ですが、5～10分ただ目を閉じて休むだけです。これだけで午前中に溜まった軽度の疲労レベルなら、リセットしてくれるくらいの回復効果があります。
　実際に寝なくても、目を閉じているだけで回復効果があることが研究によりわかっています。
　近年はこの目を閉じるだけの行為が「クワイエット・ウェイクフルネス」と名付けられて、さまざまな研究が行われています。なかでもUCLA医学部が行った「たった10分目を閉じるだけ」の実験でも、「集中力が23％向上」「眼精疲労が34％低減」「ストレスホルモンが28％低減」と驚くべき効果が実証されています。
　これは目を一定時間以上閉じると、脳内のグリア細胞が脳のゴミをいっせいに掃除し始めるからです。ですから、今まで「オフィスでは寝られない」「30分も寝ていられない」という理由でトライしてこなかった方には、ぜひやっていただきたいです。

【感想】

◆よくよく見てみると、上記で抜き出したものがグッズばかりでした。

もちろん本書全体としてはそういうわけではなく、むしろメインとなるのはアマゾンの内容紹介で割愛した部分にある「3ステップで心身をリセットする“戦略的休養”という新しい習慣」。

具体的には本書の「はじめに」から引用した、次の3つのステップになります。

ステップ❶「疲労を出す」＝疲労・脳・胃腸・モノ・情報の「不要」を全部出す
ステップ❷「完全に休む」＝徹底的に「休み切る」
ステップ❸「充電する」＝出し切って休ませた心身を充電する

つまり、このステップを踏まずに睡眠や休養、ケアを行っても、疲労を完全回復することはできない、と著者の角谷さんは主張されている次第。

一方で、世にはびこる（？）誤った疲労回復法についても指摘がされており、たとえば第1章のコラムでは、上記ポイントの1番目のエナドリが槍玉にあがっています。

愛飲されている方もいらっしゃるかもしれませんが、「疲労を感じないようにしているだけ」ということは、実際にはさらに疲労が蓄積されていることになりますから要注意！

◆また、こうした「誤った休み方」が列挙されているのが本書の第2章です。

上記ポイントの2番目の「リカバリーウェア」もこの章からのもの。

なるほど、リカバリーウェアはむしろ、肉体疲労に効果ありなんですね……って、デスクワーク中心のビジネスパーソンだとちと微妙なところ。

これは実は、同じ第2章にあった「アスリート愛用のマットレス」も同様で、運動しない普通の人にとっては、「かえって睡眠の質を下げる可能性すらある」のだそうです。

逆に角谷さんのオススメは、「適度な高反発で寝返りしやすく、体に触れる部分は低反発でリラックスできる二重構造」の製品だとか。

こちらは角谷さんがChatGPTに質問して推奨された製品（メーカー？）なのですが、名前を挙げるくらいですから、納得されているのだと思います。

Amazon.co.jp : コアラマットレス

◆続く第3章から、いよいよ前述の「3ステップ」についての言及が。

第4章の「疲労を出す」に続いて、第5章の「完全に休む」のコラム欄から引用したのが、上記ポイントの3番目の「エプソムソルト」です。

これは当ブログ初登場であり、私も聞いたことがありませんでした。

アマゾンでググると、色々出てくるのですが、これは金木犀の香りだそう。

BASSPA エプソムソルト選べる10種類の香り硫酸マグネシウム入浴剤計量スプーン付き (3kg, 金木犀)

これからの季節にピッタリかも。

ちなみに、アロマはアロマで別途推奨されており、「脳に直接届き、脳疲労の主役である前頭前野や扁桃体にアプローチすることができる」のだそうです。

ただし

残念ながら100円ショップなどで売られている合成香料のアロマオイルでは脳に届かず、単なるリラックス止まりです。目安としては無印良品クラスの商品からが本物になりますので、本気で回復したい人はケチらないでください。

とのことですので、ご留意を。

◆そして第6章では、ステップ3の「充電する」に言及。

上記ポイントの4番目の植物ネタはここから抜き出しました。

緑が目に優しいとかリラックスする、という話はよく聞きますが、免疫力まで回復させるとはビックリですよ。

しかもフェイクでも実際の植物の60％レベルの効果があり、パソコンやスマホの壁紙でもそれなりに効くと知ったら、これは試さないわけにはいきませぬ（さっそく壁紙を変えました）。

さらに上記ポイントの5番目の「クワイエット・ウェイクフルネス」は、最後の第8章からのもの。

「実際に寝なくても、目を閉じているだけで回復効果がある」という話は以前から類書で読んでいましたが、今回

「たった10分目を閉じるだけ」の実験でも、「集中力が23％向上」「眼精疲労が34％低減」「ストレスホルモンが28％低減」

というUCLA医学部の結果を見て、「眠れなくとも目を閉じよう」と決意を新たにしました。

でもほんとは数分でも意識が失えると、頭がスッキリするんですよね。

疲労を取り除きたい方なら一読の価値アリ！

仕事の質を高める休養力

第1章現代人を悩ませる「疲労」の正体
第2章まちがいだらけの「休み方」
第3章疲労をゼロにする「出す」「休む」「充電」の3ステップ
第4章ステップ1疲労を出す―疲労・脳・胃腸・モノ・情報の「不要」を全部出す
第5章ステップ2完全に休む―徹底的に「休み切る」
第6章ステップ3充電する―出し切って休ませた心身を充電する
第7章蓄積疲労をゼロにする週末リセット術
第8章疲労を溜めない生活習慣