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2025年10月07日

【自己啓発】『ムーンショット ──元NASA宇宙飛行士が明かす、不可能を可能にする方法』マイク・マッシミーノ


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ムーンショット ──元NASA宇宙飛行士が明かす、不可能を可能にする方法


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、現在開催中である「Kindle本 プライム感謝祭 秋の特別セール」における注目作。

普通なら体験できないエピソードの数々に、思わずハイライトを引きまくりました。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
元NASA宇宙飛行士が明かす、不可能を可能にする方法
問題を解決し、逆境でもリーダーシップを発揮し、途方もない夢を諦めることなく追求するためのマインドセット
著者のマイク・マッシミーノは、宇宙を探査するという幼いときからの夢を叶えた元NASAの宇宙飛行士である。NASAでの経験や洞察を、だれもが人生最大の目標を達成するための実践的ガイドとしてまとめたのが本書である。本書では、実現不可能とも思える非常に難しい目標を達成する方法として、宇宙飛行やその他の人生経験から得た「10の貴重」な教訓を、ウイットに富んだ筆致で惜しみなく明かしている。

送料を加算した中古よりも、Kindle版が600円弱お得です!







【ポイント】

■1.「100万分の1」はゼロではない
 事実、宇宙飛行士に選ばれる人はごくわずかで、自分が選ばれる見込みは絶望的だ。  
(ばかげてる。100万分の1の可能性だなんて……)  
 だけど、少し考えてみる。MITの輝かしい学位を生かして、宇宙への夢をつなぐために頭を働かせる。
(100万分の1は、ゼロではない)
 たしかに0.0000001は、ものすごく小さな数だ。小数点のあとにたくさんのゼロが続いて、最後に1がつく。だが、これは定義上、ゼロではない。ゼロの末尾の1が消えるのは、チャレンジしないときだけだ。物事が本当に不可能になるのは、初めからチャレンジしないか、逆境に直面して諦めるときだけ。諦めてしまえば、結果は明白。100パーセント、目標は達成できない。
 その夜、私はほとんど諦めかけていた。もちろん、そんなことはこれまで何度もあった。それでも、素早い思考と意志、そして決意によって、私の100万分の1の可能性がゼロになることはなかった。


■2.声を上げる
両足が地面についた瞬間、顔を上げると、ベガスがひどく真剣な表情で私の目をまっすぐに見つめていた。彼はわめき散らしたり、怒鳴ったり、癇癪を起こしたりはしなかったが、私が一緒に飛び立った、あの人懐こくて愛想のいい男は、もういなかった。
「今夜のことから君がいちばんに学ぶべきは」ベガスは力を込めて率直に言った。「何かおかしいかもしれないと思ったら、声をあげないといけないということだ。変更後の方位を見落としたのは、俺のミスだ。それは俺の責任だし、そのせいで2人とも死ぬ可能性があった。でも、俺たちが今夜、危うく死にかけたのは、君が声をあげなかったせいでもある」
 私はうなずいた。彼が言っていることの重みがひしひしと身に沁みて、ひどく落ち込んだ。  
「なあ、マス(マッシミーノ)。俺の飛行時間が数千時間で、君がたったの数時間でも、そんなことは関係ない。君は声をあげないといけないんだ。間違っていてもかまわない。俺が状況を見て、それが間違いなら、間違いだと伝える。それでも、俺は声をあげてくれたことに感謝する。わかったか?」  
「わかりました」  
 教訓が得られた。


■3.「好感貯金」をする
 そこで、リーダーシップにおいて何より大切なことを貫くために、まずは「好感貯金」をしよう。必要なときに、いつでもすればいい。チームメイトが気にくわないことをしたときや、同僚が問題を解決しようとして新たな問題を引き起こしたときなど、何であれ相手に不快感を抱いていると気づいたら、とにかくその場ですぐに自分を止めよう。その不快感にこだわってはいけない。否定的な考えを肯定的な考えに置き換えるのだ。同僚や配偶者、子どもがあなたのためにしてくれた素晴らしいこと、彼らのもっている素晴らしい資質をひとつ思い浮かべよう。否定的な考えが人間関係を損ない、チームの士気を下げ、素晴らしい一日を台無しにする前に、対処するのだ。
 私生活でも仕事でも、周囲の人の大切にすべき点、尊敬できる点はたくさんある。忘れないでほしい。だからこそ、そもそも彼らは私たちの人生の一部になったのだから。


■4.30秒ルール
 CJの「30秒ルール」とは、「30秒間は、後悔することを自分に許そう」という意味だった。私は、30秒ルールを自分の生活に合わせて次のように変えている。ミスをしたら、30秒間は後悔することを自分に許そう。反省する時間をもとう。惨めな気分に浸ろう。自分を責めよう。自分を打ちのめそう。ひどいことでも何でも言いたいことは全部自分に言おう。ただし、隣に座っている人を怖がらせないように、心のなかで静かに言おう。
 後悔するのは当たり前のことだ。失望するのも自然なことだ。逆に、そうした感情を押し殺したり、ないものとして否定したりするのは、健全とは言えない。そうした感情を抱くことを、自分に許す必要がある。ただし、30秒以内にとどめなければならない。そのあとは、前に進むべきだ。30秒間、暴言を吐いたら、もう忘れよう。後悔は過去に置いていこう。その先、あなたの役に立つことはないからだ。そこからは、目の前のやるべきことや目標に向かって進んでいこう。


■5.変化を受け入れる
 さらにスペースX社は、クルーが介入することもできる緊急事態のほとんどで、コンピューターが介入するほうが実際には安全であることを示した。自動は手動より安全だったのだ。それが判明した時点で、私たちは「よし、それならいい。生還したいからな」という雰囲気になった。スペースシャトルは手動の乗り物であるがゆえに、クルーは 起こりうる すべてのことに責任を負い、万が一に備えておく必要があった。そのため、ありとあらゆる不測の事態に備えるために、たゆみない訓練をした。
 最近、私の最初のミッションでパイロットを務めたデュアン・キャリー(愛称、ディガー)に、そのミッションのために受けた訓練のうち、宇宙で使わなかったものがどれくらいあったか尋ねてみた。彼の答えは、99.99パーセントだった。自動制御される新型宇宙船では、そもそも起こりそうにない「万が一」のほとんどをコンピューターが処理するため、訓練時間が大幅に短縮されることになった。


【感想】

◆冒頭でも触れたように、極めて独自性の強い(宇宙飛行士となるための訓練等)エピソードが本書の魅力の1つです。

ただし、そのお話から得られる教訓まで触れると、ボリューム的にとんでもない量になるので、基本的には割愛しました。

ちなみに著者のマッシミーノ氏は、「2度の宇宙滞在中に4度の船外活動をして、ハッブル宇宙望遠鏡に関する2つのミッションを完遂した」とアマゾンの著者紹介にあるのですが、幸いにも2度の宇宙滞在中に、生死にかかわるようなピンチには遭遇しなかった模様。

とはいえ、上記ポイントの2番目にあるように、訓練中に事故にあいかけたり、そこまではいかないにせよ、大きなミスを何度かおかしています。

実際、そういったミスから得られた教訓は、深い学びとともにありますから、読んでいて納得できるものでした。

ちなみに、このポイントの2番目の教訓は、以前読んだ本にあった、「昔は『パイロットの考えは絶対』であり、副操縦士は意見ができない雰囲気」を思い起こさせます。

そしてその風習を改めたことで、事故が減ったワケですから、いかに「声を上げる」ことが大切なことか……。


◆また、順番が逆になりましたが、上記ポイントの1番目の「『100万分の1』はゼロではない」というのは、わが国でいうと、『スラムダンク』の「諦めたらそこで試合終了ですよ」そのものですね。

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SLAM DUNK 6 (ジャンプコミックスDIGITAL)

マッシミーノ氏は、2度書類審査で落とされ、3度目は書類は通ったものの、選考課程において「視力」という(当時はレイシックがまだなかった)、どうにもできない理由により、再度落とされてしまいます。
 私は打ちのめされた。ここまで10年だ。人生のうちの10年を、この目標に向かって努力することにかけてきた。怒るべきか、悲しむべきか、苛立つべきか。どう感じるべきか、わからなかった。全身が麻痺していた。100万分の1の可能性がゼロになった、そう思えた。
しかしここから彼は、あきらめずまたさらに挑戦します。
 ならば、やるべきことは、ただひとつ。視力をあげる方法を見つけること、だ。
最終的に宇宙飛行士になれていますから、結果は明らかなのですが、その過程は本書にてご確認を。

とはいえ、一般論として「生存者バイアス」の可能性もありますから、皆さんがそれぞれの夢を追う場合は、自己責任でお願いします。

……実際本書には、マッシミーノ氏が出会った宇宙飛行士志望者が登場するのですが、研究者としてあらゆる面で自分を上回っている彼が、1度の不合格でその道を諦めたことを知り、マッシミーノ氏はショックを受けたんですよね。

彼は研究者として成功しましたが、果たして宇宙飛行士に挑戦し続けていたら、どのような人生になったのやら。


◆一方上記ポイントの3番目の「好感貯金」という言葉は、私は初めて知りました。

これはチームで活動する宇宙飛行士ならではとも言えますが、とにかくリーダーはチーム全員に敬意を持つ必要があるのだそう。

これはマッシミーノ氏が受けた、ある講義の講演者であったアラン・ビーン氏(人類で4番目に月面を歩いた人)が、若い頃にベテラン船長から受けた教訓になります。

その船長から
「リーダーシップで何より大切なことは、チームのすべてのメンバーに敬意をもって、全員を大事にする道を探ることだ。優れたリーダーになりたければ、それを学んだほうがいい」
と言われたものの、ビーン氏はすぐには納得できなかったのだとか。

ただ、その後船長の振る舞いや、チームメイトたちの扱いを見て考えを改め、ビーン氏もその教えを守るようになります。

そしてまた、マッシミーノ氏もそれを真似て、チーム内で異端児的なあるメンバーにも敬意をもって接し、うまくいくようになったとの事。

……この辺もエピソード自体がそこそこ長いので、要約でお許しください。


◆また、上記ポイントの4番目の「30秒ルール」は、すぐにでも取り入れられそうなTIPSでした。

私の場合、後悔したとしても、それを押し殺す習性が身についているため、自分を責めたり打ちのめすなど、考えたことがありません。

それでも、心のどこかで引きずるくらいなら、30秒間だけでも感情を開放するのも良いのかも。

さらに上記ポイントの5番目はTIPSというよりも、時代の流れを感じさせるお話でした。

思えば、あのチャレンジャー号の爆発事故により、NASAは方針の転換を余儀なくされ、その後おなじみ(?)スペースX社も宇宙事業に参入してきます。

自動が手動を上回る安全性ならば、もはやトレーニングも不要になりますから、宇宙飛行士の資質自体も従来とは変わってくるわけで。

マッシミーノ氏も、あることをきっかけに宇宙飛行士を諦め、その後は華麗に転身していくのですが、その辺のいきさつは本書をご覧ください。


学びの多い1冊です!

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ムーンショット ──元NASA宇宙飛行士が明かす、不可能を可能にする方法
はじめに
100万分の1はゼロではない
全員が泳力試験に合格するまで、誰ひとりプールを離れない
声をあげよう
訓練を信じ、装備を信じ、チームを信じよう
状況をさらに悪化させる可能性は常にある
リーダーシップで何より大切なこと
ヒューストン、問題が発生した
30秒ルール
感動しよう
転機をとらえよう
エピローグ


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【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書【宗教編】 公立高校教師YouTuberが書いた

人気シリーズの宗教編が日替わりセールに登場。

送料を足した中古よりは、Kindle版が1100円以上お買い得です。


【編集後記2】

◆一昨日の「Kindle本 プライム感謝祭秋の特別ポイントキャンペーン」の「ビジネス・経済」カテゴリーの記事で人気が高かったのは、この辺の作品でした(順不同)

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新・臆病者のための株入門 (文春新書)

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よろしければご参考まで!


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