2025年09月26日
【自己研鑽?】『不毛な時間をゼロにする』佐藤悠希

不毛な時間をゼロにする
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、今月の「Kindle月替わりセール」の中でも人気の1冊。当初タイトルを見て時間術系かと思ったのですが、意外な内容でした。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
「時間が溶ける人」のための救済の書。
何も生まない「不毛な時間」を、たちまち「生産的な時間」に変える超実践的アプローチ!
送料を加味した中古よりも、このKindle版の方が500円以上お買い得となります!

【ポイント】
■1.解像度を上げる3つの問い前項で「生活保護をもらわない程度に暮らせればいい」と言っていた20代のメンバー、シミズさん。若者にそんな夢のないことを言わせるなんて……、と自分自身にショックを受けたわたしは、翌日から諦めずに、「本当はどうしたい?」と、怪しまれない程度に、継続的にシミズさんに問いかけるようにしました。
「どうだったら最高?」
「何が大事? どうしてそう思ったの?」
彼女自身がまだ言葉にならない本当の願いを持っているはず。
そう信じていました。
じつはこの3つの問いかけには、それぞれ左記のような役割があります。「本当はどうしたい?」→【主体性】 を引き出す
「どうだったら最高?」→【未来への解像度】 を上げる
「何が大事? どうして?」→【多様性】 を認める
■2.頭の中に居座る「仕事」を「料理」で追い出す
私の知人に「仕事が忙しいときほど、おかずを作る」女性がいます。
彼女も「オフモード」にするのが苦手なタイプ。だから、頭のなかが仕事のタスクや悩みごとでパンパンにあふれたときは、頭を完全オフにする代わりに、あえて料理のことを考えて「代用オン」にするのだそうです。
「まずはお肉に下味をつけておいて、その間にサラダ用の野菜を洗いつつ、お湯を沸かして味噌汁を作る準備をして……」と料理中は大忙しですから、仕事のことなんて一瞬も考える暇がありません。
そうして20〜30分も料理をすると、思考が大渋滞してクラクションがブーブー鳴り響いていた頭のなかが、スーッと静かになっているのだとか。ご飯もできて、仕事も忘れられるなんて、一石二鳥というわけです。
もちろん料理でなくても構いません。ストレッチして体を動かしてみたり、家庭菜園をしてみたり、自分ひとりで集中できそうなことが思い浮かぶはずです。
うまく「オフにできない人」は、こうやって「代用オン時間」をつくるのもよいでしょう。
■3.「3秒ルール」で迷う時間を与えない
カリフォルニア大学バークレー校の自己制御研究では、「行動を起こすまでの意思決定に3秒以上かけると、『めんどうだ』と感じる度合いが約40%高まる」という結果が報告されています。
つまり、人は考え始めると、やらない理由を探し出し、面倒に思ってしまう。とにかく、脳が考える前に動く「3秒ルール」で迷う時間を与えないことが大切です。
たとえば、朝起きて、アラームを切ってから「どうしよう……走ろうかな……」と悩むと、二度寝のリスクが高まる。だからこそ、アラームを切った瞬間に上半身を起こし、スマホのランニングアプリを立ち上げる──そういう「3秒ルール」が効果的なのです。「どうしようかな?」と考え出す前に体を動かす。行動が起きれば、脳は「もう動いたんだから仕方ない」と後押ししてくれます。
■4.「嫌われたくない」と考えるのは時間のムダ
基本的に、他人の感情・評価・判断・行動は、自分には一切コントロールできません。こちらがどんなに誠実に振る舞っても、勝手にネガティブな印象を持たれてしまうこともあります。
逆に、どれだけそっけなく振る舞っても、本当は優しい人なのかもしれないと思われることもあります。
いずれにしても、他者がどう思うかは「他者の課題」なので、他者の課題に踏み込まない。これが人付き合いでは何より重要です。
さきほどのママ友とのケース。
わたしはその【課題を分離する】姿勢を学んでいたおかげで、「自分の課題」に集中したのです。自分にできることは、客観的な事実をもって訂正することだけ。
それをどう思うかは「他者の課題」です。
「嫌われないようにしたい」とか「変な空気にしたくない」と本能的に思ってしまうかもしれませんが、それは「他者の課題」なのでわたしがコントロールできることではありません。
■5.「怒っている人」は「困っている人」と思って接する
このあいだ、とあるコミュニティの会議でキレている男性がいました。(中略)
詳しい事情はわからなかったのですが、聞いているこちらもイヤな気持ちに……。
そこで「わたしにできることがあれば、手伝いますよ」と声をかけたところ、男性の怒りは静まっていきました。
じつは怒りは「二次感情」といわれ、その奥には本当の一次感情があると考えられています。
一次感情とは、不安、心配、困惑、落胆、後悔、悲しさ、寂しさ、ツラさ、悔しさ、恥ずかしさなどです。
たとえば、子どもが「連絡もなく遅くまで帰ってこない」とします。 親としては子どもの帰宅後、第一声で「なんで、連絡しないの!」と怒りを発動してしまうことでしょう。しかし、それは二次感情です。根底には一次感情の「心配」があります。
【感想】
◆冒頭の内容紹介は、そのままアマゾンの内容紹介の出だしの部分なのですが、ここだけ見ると、「時間術」ないしは「生産性向上」の本のようにも見えてしまう本書。実はその内容紹介の後半部分で、【アドラー心理学ベースの問いかけ】が重要なファクターであることが述べられています。
そしてその「問いかけ」こそが、第1章から抜き出した上記ポイントの1番目にある「3つの問い」。
「本当はどうしたい?」実は本書では繰り返しこの問いが登場し、具体的にどういう状況の人が、どう変化したかが明かされています。
「どうだったら最高?」
「何が大事? どうしてそう思ったの?」
たとえば上記のシミズさんも、これらの問いによって自分の頭で考えるように変化。
「昔、陸上部の部長だった経験を活かして、リーダーにチャレンジしてみたいです」と胸を張って宣言したのだそうです。
◆続く第2章では、さまざまな「不毛な努力」の排除に言及。
逆に個人的に興味深かったのが、「やる必要のある努力」を見極めるために、「Will/ Can/ Must」の3つの円のベン図を書いて、そこに自分のやりたいことやタスクをマッピングするTIPSでした。
……って、これこそ図を掲載しないと「何の事やら」なので、詳しくは本書にて。
一方で生産性を高めるためには、意図をもってダラダラするのが吉。
そこで上記ポイントの2番目では、「オフにできない人」のために、仕事とはまったく関係のないことで「代用オン」 にすることを推奨しています。
もちろん、料理ができない方なら、後半部分にあるようにご自分のお好きなことで、リフレッシュしてください。
◆さらに第3章では「習慣」がテーマとなります。
メインは「不毛な習慣」の方ですが、身に付けたい習慣の方としては、上記ポイントの3番目の「3秒ルール」をお試しアレ。
まぁ、この手のTIPSは「習慣化」がテーマの本にも詳しいですが。
そして第4章は、「人付き合い」がテーマでした。
そこから抜き出した、上記ポイントの4番目の「アドラー心理学」の考え方は、「課題の分離」と言われるもの。
他者がどう思うかは「他者の課題」なので、他者の課題に踏み込まない。これが人付き合いでは何より重要です。わかっちゃいるんですけど、ついつい他人を気にしてしまう私たち……。
◆最後の第5章は「会話」がテーマなのですが、正直第4章の「人付き合い」との区分けが微妙なところ。
ただ、上記ポイントの5番目で引用した「一次感情」「二次感情」のお話は、他者の感情を理解する上で、非常に重要だと思います。
ようするに、誰かとコミュニケーションをとるときに、怒りの表面だけ見て反論してしまうと、不毛な会話になってしまうということ。言うのは簡単ですけど、怒っている人を目の前にして、それを口にするのは、なかなか難しいのではないか、と(小心者のワタクシ)。
怒っている相手の「本当の感情は何かな?」と想像して、その一次感情を言葉にしてみると「わかってもらえた!」と収まることもあるわけです。
また、この章ではほかにも「大人の質問返し」「10点満点で点数を聞く」「勇気づける」といった効果のありそうなTIPSが収録されていますので、こちらも本書にてご確認を。
確かに「不毛な時間」がなくなる1冊です!

不毛な時間をゼロにする
第1章 不毛な時間をゼロにする「3種の問い」
第2章 不毛な努力をゼロにする
第3章 不毛な習慣をゼロにする
第4章 不毛な付き合いをゼロにする
第5章 不毛な会話をゼロにする
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【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。
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