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2025年08月28日

【実践】『はじめる力』安野貴博


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はじめる力


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、今月の「Kindle月替わりセール」の中でも、読んでみたかった1冊。

昨年の都知事選や、先日の参議院選で名を馳せた、チームみらいの安野貴博さんの現時点での最新作になります。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
本書は、「本来は石橋をたたいて渡るタイプ」でありながら、政治経験も地盤もゼロで都知事選に立候補した著者が、その心配に負けず、ものごとを「はじめる技術」をまとめました。
・取っても問題ないリスクの見分け方
・失敗が「学び」や「経験値」に変わる考え方
・「はじめる」ためのチームビルディング など、
「やりたいことがある」「いつか何かをやりたい」と思っている人が、
読むだけで何かをはじめたくなる、はじめる後押しをしてくれる1冊です。

中古に送料を足すと定価を上回りますから、このKindle版が800円以上お買い得です!







【ポイント】

■1.一次情報を得るために、普通より一歩踏み込む
 そんな私ですが、何か特別な情報源を持っているわけではありません。みなさんと同じようにネットのニュースやSNSを見て、気になる情報や新しく発表されるプロダクトがあれば、それについてちょっと調べてみる。
 そんなことなら自分もやっているよ、という声が聞こえてきそうです。
 まさにそうなのです。私が特別な何かをしているわけではないのです。ただ、違いがあるとすれば、私はそこから一歩踏み込んで、興味が湧いたらなるべく手触り感のある情報を取りにいくことを心がけています。今や情報をどう処理するのかという点では差はつきません。だからこそ、入力情報で差をつけることを考えています。
 たとえば、新しく発表された技術があれば、実際にそれを触ってみる。それをつくった人に話を聞きにいく。メディアで見聞きする情報は、誰かが加工した二次情報ですから、より一次情報に近い情報を取りにいったほうがよいということです。
 実際に触れてみると、人から聞いたり、用意された説明を読んだりしただけでは見えてこないものが見えてきます。


■2.皆が同意しないインパクトのある未来を語る
 みんながなんとなく想定している未来は、語り直す意味がありません。改めて提示されたとしても気づきが少ないからです。
 誰も想定していないけれどインパクトのある変化こそ、語ることに意味があります。
 そもそもイノベーションは議論が巻き起こりそうなアイデアから生まれる、といわれます。インパクトのあるイノベーションは、既存の常識や枠組みを壊し、新しい視点が取り入れられているため、反対意見も出やすいのです。
 たとえば、Airbnbは、誰がここまで普及すると思ったでしょうか。
 当初、「見知らぬ人の家に泊まるのは危険」「誰が自宅を貸すのか」と思う人は多かったはずですし、現行法の問題もありました。しかし、創業者たちは信頼性を高める仕組みを整え、レビュー制度やホスト保証を導入。利便性を向上させることで、徐々に受け入れられていきました。
 誰もがそれに同意しませんから、議論になりますし、反対意見や批判にもさらされたことでしょう。
 しかし、それは単にほかの人がAirbnbの可能性に気づいていないだけだったのかもしれません。


■3.リスクの形を事前に調べる
 都知事選のときも、そうでした。
 4月の中旬頃に選挙に出るのはどうかと検討しはじめたものの、なにしろ未知の分野ですから、どんな問題が起こり得るのか見当がつきません。
 そこで、事前のリサーチとして、詳しそうな人に話を聞くことにしました。(中略)
 そのときに質問したのは、主に次の2つです。
・どのように選挙活動を行なったのか?
・出たときにどういうアップサイド(プラスの面)、ダウンサイド(マイナスの面)があったのか?
 特に後者については、「嫌がらせを受けたことはありますか?」「職を失うようなことはありましたか?」といった、経験者以外には見えにくいリスクについても確認しました。
 そこで出馬したら変な人に狙われて、家庭も崩壊して……なんてことを言われたら考え直そうと思っていたのですが、話を聞いていると、真面目に選挙活動をしている分には、仕事にも特段影響も出ず、そんなにリスクはなかったと。
 だとすれば、お金の面のリスクはあるけれど、損失はある程度の範囲内に収まるだろうと判断できました。ダウンサイドは限定的で、アップサイドはかなり大きい。先の例でいうとコールオプションを買うときのリスクと同様です。だったら出ようと意思決定できたわけです。


■4.小さな中間ゴールをつくっておく
 ゴールが大きすぎたり、遠すぎたりすると、途方もなくて、どこからはじめてよいのかわからなくなることもあるでしょう。
 そのとき、成功を100、今いる地点を0とすると、その100と0の間に10くらいのゴール地点を見出すことができれば、チャレンジするハードルは下がります。
 たとえば、スタートアップで、いきなり「あのロケットで月に行きます」と言っても、大半は「まあ無理でしょう」と言われますし、もしかしたら本人も「無理かもなあ」と感じてしまうかもしれません。
 でも、たとえば、その前の段階として「再生利用可能なロケットをつくる」という目標を10地点ぐらいのところにおいてみる。そして、さらにその前の段階として「1つのブースターエンジンを設計してつくってみて、燃焼試験に成功する」という0.1地点くらいの目標を立てる。
 また、フルマラソンに挑戦したい人なら、最初は5キロの初心者向けのレースからはじめて、10キロ、ハーフマラソンと、少しずつ目標を長くしていくということが考えられます。
 すると、ゴールまでのやるべきことも明確になりますし、少しずつ、手に届く成功を重ねていくことができます。
 結局最終的に成功できるかどうかは、ゴールまでの段階をうまくデザインできるかということだと思うのです。


■5.意見が分かれる2つのパターン
 意見の違いが生まれる理由を考えると、大きく2つのパターンがあります。
1 情報の違い:自分と相手が持っている事実(ファクト)、見ている事実が異なり、それが判断に影響を与えている場合
2 解釈の違い:同じ事実をもとにしていても、そこから導き出す理屈や結論が異なる場合
 情報の違いであれば、お互いの知識を共有することで簡単に埋められることが多いでしょう。「実はこういう背景があって……」と話すだけで理解が進むこともあります。(中略)
 一方、解釈の違いの場合は、その意見をつくり出している構造、ロジックの流れを明らかにして、どこで意見の違いが生まれていて、それは埋められるのか、という議論をしていくのがよいと思います。
「旅行に出発する日に台風が来る」という天気予報を見て、1人は「やめよう」と言い、もう1人が「それでも行こう」と言ったとします。お互いに話していくと、最初の人は「台風で飛行機が揺れるから嫌だ」と考え、もう1人は「翌日から晴れるのだから、行きたい」と考えていることがわかりました。それであれば、「揺れない移動方法に変えたらどうか」「翌日の出発にしてはどうか」と折り合えるところを探ることはできます。


【感想】

◆今回、月替わりセールの対象作品の中に、本書を見つけたときは「読んでみようかな」とは思っていました。

ただし、セール記事を書いて、即、読んだわけではなく、結局あと数日という、月末ギリギリになってしまったわけでして。

その理由を考えると、やはり本書を読んで得られるものが何なのか、タイトルだけでは今ひとつ分かりにくいことがあったと思います。

もちろん、アマゾンの内容紹介を読めば、「あれも書いてある」「これも書いてある」とはなるものの、かえって「じゃあ何が主たるテーマの本なの?」と私はなってしまいまして。

そこで読み終えてから、自分の中で本書をジャンル分けというか、似た内容が書かれているのが何かを考えた場合、もっとも近いのは「起業本」であろうと。

そういう意味では、タイトルが「はじめる力」なのは、正解でしょう。


◆なお、本書で登場する事例は、やはり選挙のお話が多いものの、そもそも安野さんはAIエンジニアでもあり、その側面からのお話もアリ。

たとえば上記ポイントの1番目の一次情報の件は、似たような話が類書でも登場しますが、安野さんはひと味違います。

なにせまだ、VRが流行る前に、世界に先駆けて6人同時プレーができるVRアトラクション施設を体験するために、オーストラリアのメルボルンまで出かけたというくらい。

また、上記ポイントの2番目の「同意しない未来」も、起業に通じるもの。

今でこそ、Airbnbも当たり前のように存在しますが、何もなかった状態で、このアイデアを他人に語ったら、ほとんどの人が同意しなかったと思います。

もっとも、皆が「いいね」と思わないアイデアを出す(しかもインパクトのある)、というのもなかなか難しいかと。


◆また、上記ポイントの3番目のリスクのお話は、本来起業でこそ語られることが多いもの。

しかし、事例としては上記のように選挙ネタが扱われており、これがまた納得できるものでした。

ちなみに今回割愛した「安野さんが話を聞いた『詳しそうな人』」というのは、
国会議員、都議会議員、台湾のデジタル発展部の元大臣オードリー・タンさん、過去都知事選に出馬された家入一真さん
という面々。

特に安野さんとポジション的に似た家入さんには、かつて都知事選に挑戦する姿を見て、背中を押されたところがあったのだそうです。

なお、引用部分の最後の方にある「先の例でいうとコールオプションを買うときのリスクと同様」というクダリは、本書でこの前の部分で述べられている、「3つのリスクの取り方」で触れられていました。

こちらも詳しくは本書を読んでいただくとして、要は「マイナス側に限度があり、プラス側は広がっているタイプ」を指しており、分かりやすい例では「1枚300円で、それ以上を失うことがない一方で、当たれば億単位の収入がある」宝くじのようなパターンとのこと。

安野さんはこのパターンのリスクを推奨しており、都知事選もそう判断されたワケですね。


◆一方、上記ポイントの4番目の「小さな中間ゴール」は、起業本もですが、自己啓発書でもおなじみのTIPS。

ただ、実行するのに、「細かく刻め」という安易なものではなく、「ゴールまでの段階をうまくデザインせよ」という指摘は、心したいものです。

さらには、上記ポイントの5番目の意見の相違のお話は、自分の中では2つに分けていなかったので、自戒を込めてセレクト。

確かに単純な「情報の違い」であれば、情報の共有で解決します。

逆に「解釈の違い」だと、どちらかというと、説得や交渉に近いでしょう。

この辺は、両者の違いをはっきり意識して、対処したいと思います。


何かをはじめるために読むべし!

B0F2LLR72V
はじめる力
第1章 変えられる未来は今ここにある
第2章 小さくはじめる技術
第3章 「はじめる」ためのチームと文化をつくる
第4章 「はじめる」社会をつくりはじめる デジタル民主主義2030プロジェクト


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【オススメ】『小さく賭けろ!―世界を変えた人と組織の成功の秘密』ピーター・シムズ(2012年04月05日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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気くばりのススメ 人間関係の達人たちから学んだ小さな習慣

おなじみ中山ヒデちゃんのコミュニケーション本は、5月に出たばかりで中古値下がりしていないため、Kindle版が1100円以上お得。

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自動車ビジネス

やはり4月に出たばかりの自動車業界本は、Kindle版が1200円弱お買い得。

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小売ビジネス

同じタイミングで出た小売業界本は、Kindle版が1100円以上お得な計算です!


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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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