2025年08月25日
【参謀?】『The参謀 歴史に学ぶ起業家のための経営術』松本隆宏

The参謀 歴史に学ぶ起業家のための経営術
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、今月の「Kindle月替わりセール」からの1冊。私の本業も、参謀的な役割ですから、読まねば、と思っておりました。
アマゾンの内容紹介から。
【優れた経営者には優れた「参謀」がいる】
中国の三国志時代に蜀の初代皇帝となった劉備玄徳の軍師であった諸葛孔明。
織田信長、豊臣秀吉、徳川家康という戦国期の天下人3人の軍師をつとめた黒田官兵衛。
歴史に名を残す偉人たちの横には、常に「軍師」や「参謀」がいた。
しかし、それらの存在が重要視されたのは、歴史上だけではない。
古今東西の優れた経営者たちは、みな一様に、他人の力を借りる大切さを知っていた。
自分の前を歩んでいる先達--そんな「参謀」の重要性と必要性と知り、現代の起業家のための経営術を、歴史の偉人たちから学ぶ!
値引率が「69%OFF」とかなり高いため、このKindle版が900円以上お得な計算です!

【ポイント】
■1.10年前の自分に、もしも参謀がいたら?参謀を置くことをおすすめする際、私がいつも口にすることがあります。
それは、「現在の自分が、もし10年前の自分にアドバイスできたなら、今の人生はどう変わっていたと思いますか?」という質問です。
知識も経験も豊かになった今の自分が、10年前の自分を目の前にしたら、適切なアドバイスをできると誰しも思うのではないでしょうか。(中略)
しかし、過去の自分にアドバイスすることも、未来の自分からアドバイスをもらうこともできません。では、どうすればいいのか。完全に同じ自分ではないけれども、自分と同じような道を辿ってきた先達を見つけ、助言を仰げばいいのです。それが「参謀」です。
参謀のアドバイスがあれば、誰の意見も聞いていない自分より、大きな成果を手にできるはずです。
■2.困ったときの相談相手を間違えるな
経営の判断に迷ったとき、あなたが相談し、意見を聞く相手は誰でしょうか。
家族、配偶者、友達、社員、税理士……?
こんな質問を投げかけたとき、「妻に話を聞いてみる」「社員に相談してみる」などとおっしゃる経営者の方も少なくありません。
ビジネスの鉄則ですが、自分が前に進みたいのならば、自分の前を歩いている人に道を聞くべきです。しかし、多くの人は家族や社員といった自分の横、あるいは自分の後ろを歩いている人に相談してしまいます。当たり前のことですが、相談相手が違えば、導かれる結果も大きく変わってしまいます。
一方、2代目、3代目の経営者の方に多いのが、「困ったときは親からアドバイスをもらう」というものです。親御さんが先代経営者である場合は、ノウハウを聞く手もあるでしょう。
ただ、親子の間で「教える・教えられる」の関係が成り立つかというと、私は甚だ疑問です。
なぜなら、そこには「親子だからこそ」の難しさが付きまとうからです。
■3.「自分がやらなくてもよいこと」を聞く
参謀はその経験値の高さから、有益なアドバイスをたくさんくれるものです。
数々のアドバイスのなかでも特に耳を傾けたほうがいいと思うのは、「自分がやらなくてもよいこと」に関するものです。
人生には、魅力的なアイデアやビジネスはたくさんあります。やる気のある起業家であればあるほど、溢れるアイデアを実現したいと思うでしょうし、人脈が広がればそれだけおもしろい誘いも増えていくはずです。
ただ、すべてを自分で実現するのは、リソース的に不可能に近い。魅力的なオファーやチャンスがあったとしても、自分にとって必要のないものは切り捨て、本当に優先順位の高い事柄に時間を割くという戦略も、時に必要になるでしょう。
以前、私も参謀から「やらなくてよい」というアドバイスをもらい、後日、そのアドバイスの重要性を痛感した事例があります。
■4.素直に教えを乞う姿勢が大切
特に、経営者は他人のアドバイスを基本的には聞かない方や重要視されない方が多い傾向にあります。ですから、まずは自分の脳をリセットし、「これぞ」と思った話を乾いたスポンジのように吸収すべく、素直に教えを請う姿勢が大切になるのです。
コンサルタントを入れたり、誰かの講演会に行ったり、本を読んだりするときも、多くの人が「自分にとって耳当たりがよい言葉だけを取り入れたい」とどこか斜に構えてしまいがちです。
でも、そもそも何のために自分は新しい知識を取り入れようとしているのでしょうか。現在の自分に不満や悩みがあって、変わりたいという思いがあるからではないでしょうか。
そんなときこそ、自分が欲しいものを明確にして、乾ききったスポンジのように貪欲に情報を吸い取るべきです。
■5.腹が立つ人は「悪役」だと思う
ほかにも、嫌な人に遭遇したとき、私が意識しているのは「あの人は自分の人生における悪役をやってくれているんだな」という発想です。
ずっとハッピーな展開ばかりが続く映画は、ストーリーとしておもしろいものではないし、学びも生まれません。
時代劇の『水戸黄門』も、悪代官が出てこないと話はおもしろくありません。それと同じように、人生においても、悪代官ならぬ悪役がいなければ、気づきも生まれない。
そういう意味では、腹が立つような人に出会ったときは、「悪い役をやってくれてありがとう」と心の中で思うようにしています。(中略)
嫌な経験をした際は、「この経験を買った」と考えることも大切です。
その経験をしたおかげで、その失敗を二度繰り返さなくなります。
【感想】
◆当ブログでも以前、「参謀」をテーマにした作品を、下記のように扱ったことがあります。
参謀の教科書 才能はいらない。あなたにもできる会社も上司も動かす仕事術
参考記事:【仕事術?】『参謀の教科書 才能はいらない。あなたにもできる会社も上司も動かす仕事術』伊藤俊幸(2024年09月09日)

参謀の思考法――トップに信頼されるプロフェッショナルの条件
参考記事:【仕事術】『参謀の思考法』荒川詔四(2020年06月08日)
内容については、各レビューをご覧いただくとして、これらはいずれも「トップ」に仕えて、組織なり経営を上手く動かす役割の人を「参謀」と呼んでいました。
つまり同じ組織内で上下関係があって、あくまで参謀は「下」についているという形かと。
一方本書では、同じ組織内ではなく、外部からアドバイスして、正しい方向に導いてくれる役割の人を「参謀」と呼んでいます。
これは一般的にイメージする「参謀」とは、少々違うのですが、著者の松本さんがコンサルタント業を営み、「地主の参謀」と名乗られているからかもしれません。
◆さて、第1章では「参謀」の必要性について言及がなされており、上記ポイントの1番目はそこからのもの。
コンサルに対して、あまり肯定的に見られない方でも、「現在の自分が、もし10年前の自分にアドバイスできたなら」と言われたなら、それはアドバイスして欲しい、と思う方が多いと思います。
またこの章では、「なぜ、多くの経営者は『経営』を他人に習わないのか?」と言われていて、これも納得。
実際、私の顧問先のほぼすべてが、経営に関してコンサルタントを入れる、ということはなくて、コンサルを入れることがあっても「社内システム一新」ですとか「M&A」のような、特定の用途の場合だけです。
私も何かアドバイスができたらいいのですが、かつて経営不振に陥った某社の二代目社長にとある提案をしたところ、「経営に口を出さないで」と釘を刺された事もありまして……。
この社長も、適切な経営アドバイスをしてくれる「参謀」がいたら、頼ったのかもしれません。
◆続く第2章では、参謀の役割についてのお話が展開されます。
結局、現代のビジネスは、各分野の専門家を束ねる「ゼネラリスト」が必要であるとのこと。
なんでもこちらの調査によると、経営の相談相手がいる経営者は5割ほどであり、その7割が「顧問税理士・会計士」に相談しているのだそうです。
【右腕不在の経営者は孤独?】4割以上が、「経営の相談」ができる人がいない...半数近くが「経営の悩みに関する相談をしたい」と回答 | 株式会社未来塾のプレスリリース
かといって、上記ポイントの2番目にあるように、家族や社員に相談するのは良い手とは言えません(利害関係者かもしれませんが)。
また、親子間も必ずしも良いとは言えず、先代と仲が悪い経営者や、逆にトップの器でない息子に後を継がせようとする経営者もちらほら。
かくいうウチも、父は私が経験不足から的確な判断ができないと思い込んでいましたし、私も父のやり方が非合理的で謎でしたから、「難しさ」は確かにありました。
◆一方第3章は、参謀のあるべき姿について。
参謀の各種素養が挙げられているうち、「さまざまな経験をしている」という節から抜き出したのが、上記ポイントの3番目です。
なるほど「やらなくていいこと」が分かるのは、豊富な経験があってこそでしょうね。
実際、ここでは割愛しましたが、引用の最後の部分にもあるように、松本さんも「やらなくてもいい」アドバイスをもらって、「正しい選択ができた」わけですから、説得力がありました(詳細は本書を)。
さらに1つ飛んだ第5章では、参謀を受け入れる方の心構えを指南。
他にも言える話ではあるにせよ、教えを乞う以上、上記ポイントの4番目にあるように素直な姿勢が大切になのは、ある意味当然でしょう。
ただし、最後の部分に「乾ききったスポンジのように貪欲に情報を吸い取るべき」ではあるものの、いったん吸い取っても「合わない」と思ったのなら、全部吐き出しても構わないとのこと。
ただ、最初から否定するのではなく、まず一度は「この話を吸収しよう」という姿勢を持つことを忘れてはいけないのです。こちらもご留意ください。
◆なお、上記ポイントの5番目は、第6章の「目標を達成するセルフマネジメント」からのもの。
参謀のような相談相手がいない場合、自分自身をマネジメントする(セルフマネジメント)が重要になってきます。
6つほど項目が挙げられている中、ポイントの5番目は「嫌な感情との向き合い方を考える」というパートから抜き出しました。
この「悪役を演じてくれてありがとう」と思う前向きな考え方は、ぜひ身習いたいところ。
「苦労を買う」という表現もありますし、人生に起こるさまざまな出来事を、学びにしたいですね。
お求めになるなら、お得な今月中に!

The参謀 歴史に学ぶ起業家のための経営術
第1章 参謀=人生のコーチ。経営も人の力を借りていい
第2章 「参謀」というゼネラリストを置く重要性
第3章 参謀のあるべき姿
第4章 参謀とチームビルディング
第5章 参謀を受け入れるための心構え
第6章 目標を達成するセルフマネジメント
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【戦略?】『自衛隊元最高幹部が教える 経営学では学べない戦略の本質』折木良一(2018年02月20日)
【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。
投資の超プロが教える! カブ先生の「銘柄選び」の法則
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ファスト化する日本建築 (扶桑社BOOKS新書)
結構タイムリーなテーマの新書は、Kindle版が500円以上お買い得。

ゼロからはじめる 稼ぐ農業 必ず知っておきたいこと100
新規就農者向けの農業本は、中古が値下がりしていませんから、Kindle版が1400円以上お得な計算です!
【編集後記2】
◆一昨日の「Kindle本 季節先取りセール」の飛鳥新社分の記事で人気が高かったのは、この辺の作品でした(順不同)。
このプリン、いま食べるか? ガマンするか?
参考記事:【時間術】『このプリン、いま食べるか? ガマンするか?』柿内尚文(2024年11月27日)

新しい戦争の時代の戦略的思考

拝啓、アスペルガー先生 増補文庫版

名医が教える 炎症ゼロ習慣
よろしければご参考まで!
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