スポンサーリンク

       

2025年08月08日

【語学学習】『1年で5ヵ国語をマスターした私の外国語「同時」習得法』清野孝弥


481563338X
1年で5ヵ国語をマスターした私の外国語「同時」習得法 (SB新書 700)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも一番人気だった語学学習本。

当ブログでも勉強本でおなじみの河野玄斗さんや西岡壱誠さんが大絶賛しているということで、さっそくチェックしてみました。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
1年で5ヵ国語を独学でマスターした現役東大生が伝授。
複数の外国語を"短期間"で"同時"に習得する極意とは!?
勉強の常識「順番にコツコツと」を覆す、誰でもできる方法論。

上記告知時と違って、Kindle版もわずかですがお買い得となっています!






【ポイント】

■1.外国語習得の基準とは?
 5ヵ国語を習得したと言うと、「全ての単語や文法を覚えたんですか?」と勘違いされやすいのですが、そんなことはありません。
 日本人でも日本語の難しい慣用表現や熟語表現に知らないものがあるように、英語やフランス語、スペイン語、ドイツ語、中国語でもまだまだ知らない表現はあります。(中略)
 ただ、外国語を習得するという基準が曖昧だと目標を立てにくいと思われる方もいるかもしれません。
 一個明確な基準を提示するのであれば、「外国語辞書をその言語で理解できるか」 が、外国語を習得したと言える分岐点になっていると思います。英語であれば、英英辞書だけで理解できるか、が習得の判断基準ということです。
 この基準を満たしていないと、難しい単語や文法などに出会うたびに、母国語で考えることになり、その都度、言語脳を切り替えてしまうことになります。
 そうすると、円滑なコミュニケーションが取れなくなってしまいます。
 まず、皆さんに押さえておいていただきたいのは、外国語で話しているときは、その外国語でしか考えていないということです。


■2.英語学習には発音記号の読み方を覚える
 英語ではスペルの書き方と発音の仕方があまりにも不規則であるため、英単語帳などに載っている発音記号の読み方を一通り覚えてしまうのがおすすめです。
 発音記号をあやふやに覚えた状態で、英語の発音が綺麗になっている人を、少なくとも私は見たことがありません。
 もし発音記号を覚えずとも英語が流暢になっているのだとすれば、それは海外留学や外国人との交流経験など、生の英語に触れる時間が圧倒的に多いからであって、紙やペンを使って英語を学んだ成果ではありません。
 皆さんの多くは、生の英語に触れる時間よりも、日本語で生活する時間の方が長いでしょう。そのような場合には、発音記号を覚えて、それによって正確な発音を理解し、意識的に勉強する必要があるのです。


■3.生成AIで日本語から修正してもらう
 とにかく言語学習の最初は、シンプルな単語と文法で外国語を理解するということが重要なので、生成AIを活用して様々な日本語文を、シンプルな日本語文を経由してシンプルな英語文に直してもらい、「ああ、私が言いたかったことってこんなに簡単な英語で説明できるんだ!」というアハ体験をしてみるとよいでしょう。
 大体、「これって英語で何て言うんだろう?」と悩むときは、元の日本語が不明瞭なことが多いです。だからこそ、そんなときは生成AIを活用して、日本語を修正してもらい、その上でわかりやすい英語を教えてもらえばよいのです。(中略)
「次の日本語文を、英語初学者が使いやすい構文と語彙に書き換えたうえで、英語に翻訳してください。」
 たったこれだけ、入力すればいいのです。


■4.アクティブコール勉強法とは?
 どういった勉強法なのか、一言で説明すると、生成AIと電話をし続ける勉強法です。 ChatGPTの有料版では、生成AIと音声会話ができる機能がついています(無料版では制限あり)。この機能を活用して、隙間時間などにAIと外国語で会話をするのが、この勉強法の特徴です。(中略)
 5分や10分程度の短い隙間時間でも、かなり面白いトピックや論点を生成AIは提示してくれますし、何より、人間では不可能なくらい高い精度で、インターネット上の情報をもとに話をしてくれます。
 使い方次第では、外国語学習という 範疇 を超えて、教養を身につける勉強法としても活用できますし、意外とくだらない話でも真面目に生成AIは話に乗ってくれます。自分の趣味嗜好に合わせて、会話内容を調整してみてください。


■5.単語学習は「1単語9秒」で
 9秒間で行うことは、次の図に示した合計4つのステップです。
・単語の綴りに目を通す
・単語の発音を真似する
・日本語での意味を覚える
・例文に目を通す
 メインは発音の真似と意味を覚えることで、通常はここに時間をかけすぎるものなのですが、あえて9秒という時間制限を設けて、パッパッと単語帳を読み進めていくのがおすすめです。
 当然、1回単語を見ただけでは全く覚えられません。おそらく1分もしたら記憶から抜け落ちてしまうことでしょう。
 しかしそれで構わないのです。この作業は無駄になっておらず、確実に脳内に情報として蓄積されていくのです。次回、また同じ単語を見たときに「ああ、これ見たことあるかも」と思えたら、それは有効に単語学習ができているという証です。
 この感覚を徐々に「見たことある気がする→こんな雰囲気の単語だった気がする→この意味だった気がする→ああ、覚えている!」と、確かなものにしていけばよいのです。


【感想】

◆なかなかにハードコアな勉強法でした。

と言いますか、当ブログでも何冊もの英語(語学)勉強本をレビューしてきましたが、東大生ないしは東大卒の著者さんというのは、ほぼいなかったのではないでしょうか?

普通の勉強本ならいくらでもいるのに、語学本となるとあまりいないのは、勝手なイメージですけど、地頭よりも勉強法や使っているツール等が、語学には大事だからだと思っていたワタクシ。

ですからお恥ずかしい話、著者の清野さんが東大生であることは本書を読み始めた時点では認識していませんでした(注:アマゾンの内容紹介にはキチンと記載されています)。

ところが1年で5ヵ国語をマスターしたタイムスケジュールを見て、「これはおかしい、ヤバすぎる」と妙に思って肩書をチェックし、やっと現役東大生であることに気がついた次第。

そこで、まず申し上げておきたいのが、本書のTIPSを実践するには、それなりの地頭が必要な可能性がありますし、たとえ実践できたとしても、その結果が期待どおりとなるかは、保証できないということ。

従来の語学本では、根性を出して実践すれば、結果が伴うと思われるものが多かったのですが、少なくとも「1年で5ヵ国語をマスター」というのは、それなりに地頭が必要だと思います。


◆ちなみにその「マスター」の基準については、上記ポイントの1番目にある通り。

私は本書を読む前は、書名にある「5ヵ国語」とは、てっきり「ある程度の日常会話の受け答えができるレベル」程度だと思ってました(何せ「1年で5ヵ国語」ですし)。

ところがどっこい、「外国語辞書をその言語で理解できるか」というのですから、結構なレベルです。

私も英国に短期留学した際には、英英辞典を使っていましたが、そのレベルを他の言語でやれ、と言われても無理でしょう。

一応私は高校時代から第二外国語でドイツ語を学んでおり、簡単な自己紹介程度ならドイツ語でもできましたが、「外国語で話しているときは、その外国語でしか考えていない」というのとは雲泥の差ですから。


◆この時点で、英語以外の学習については、実のところ諦めました。

せっかくの複数外国語学習の本なのに、著者の清野さんには申し訳ないです。

ただ、英語学習本としては、極めて優秀だと思いましたので、その英語勉強法について、以降のポイントでは抜き出してみました。

まず上記ポイントの2番目の発音の重要性は、類書でも言われているところ。

私は発音記号の勉強はしてこなかったので、もし今後履修する機会があれば、そこからやり直してみたいと思っています。


◆また、昨今の英語学習本の何冊かでも言及されていましたが、今後は生成AIをいかに活用するかがキモとなるのではないでしょうか?

そう言う意味では、上記ポイントの3番目と4番目は、いずれも「生成AI」ありきの勉強法。

特にポイントの3番目の「いったん外国語向けの日本語に翻訳してもらう」(本書では「プリエディット勉強法」と命名されています)というやり方は「目からウロコ」でした。

ちょっと長くなりますが、具体例を引用しますと
次の日本語文を、英語初学者が使いやすい構文と語彙に書き換えたうえで、英語に翻訳してください。
日本語文: 浮世絵は、日本の江戸時代に発展した日本の絵画スタイルで、当時の庶民の生活や娯楽を表現しています。西洋の画家にも大きな影響を与えたことから、世界中で高く評価されています。
すると、
日本語: 浮世絵は、江戸時代の日本で生まれた絵のスタイルです。 ふつうの人たちの生活や楽しみをえがいています。 この絵は、外国の画家にも影響をあたえました。 今では、世界中で高く評価されています。
英語訳: Ukiyoe is a style of painting from Japan’s Edo period. It shows the life and fun of ordinary people. It gave ideas to Western artists. Today, it is loved around the world.
 といった形で、生成AIは、英語初学者に優しい英語を教えてくれます。ただ機械翻訳するよりも、英語学習に役立つようなシンプルな英文を学ぶことができます。
なるほど、納得。


◆また上記ポイントの4番目の「アクティブコール勉強法」は、まさに生成AIならではのもの。

私も生成AIに、テキストで質問し続けると会話のようになりますが、それを音声でやってしまうわけですね。

さらに上記ポイントの5番目の「1単語9秒」も、ロジックは分かりますが、なかなかハードでしょう。

とにかく後半部分にあるように、接触頻度をあげることで、脳に「その情報は重要である」と認識させるわけですから、これまた理にかなっています。

なお、今回は割愛しましたが、オススメサイトやリスニング教材、さらには重要な表現30選をQRコードでダウンロードできる等々、至れり尽くせり。

少なくとも英語だけしか勉強しない方でも、本書は十分読む価値があると思います。


語学学習者なら要チェックで!

481563338X
1年で5ヵ国語をマスターした私の外国語「同時」習得法 (SB新書 700)
はじめに マルチリンガルになるのは難しくない!
第1章 1年間で5ヵ国語を身につけた外国語「同時」習得法とは?
第2章 5ヵ国語を話すマルチリンガルの脳内をのぞいてみよう!
第3章 5ヵ国語の特徴と傾向を知ろう
第4章 外国語「同時」習得の鉄則と上手な勉強法
第5章 5ヵ国語を並べて外国語「同時」習得を実践してみよう!
第6章 これから新たな外国語学習を始める方へ
おわりに 外国語を学ぶのに、遅すぎることはない


【関連記事】

【語学】『ゼロから12ヵ国語マスターした私の最強の外国語習得法』Kazu Languages(2024年05月10日)

【語学】『使える語学力 7ヵ国語をモノにした実践法』橋本陽介(2015年07月04日)

【英語学習】『7カ国語をモノにした人の勉強法』橋本陽介(2013年08月04日)

【言語学習】『外国語独習法』大山祐亮(2025年04月25日)

【英語学習】『1億人の英語習得法 日本人が最短ルートで英語をマスターする方法』斉藤淳(2025年06月17日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

B08YYFVL6R
体がバテない食薬習慣

暑さでバテ気味の身体にはありがたい1冊は、Kindle版が900円以上お得。

B097C2JG9M
精神科医が教える病気を治す 感情コントロール術

病気を治すためのユニークなアプローチ法を指南する作品は、Kindle版が400円強お買い得。

B09DXVTCLN
マンガでわかる ネコさんが教える疲れリセット教室 体と心のどんより、重だる〜をスッキリ!

疲れを癒すリセット本は、送料を足しても中古の方がお得ですが、その差は数十円なので気になる方はご検討ください!


この記事のカテゴリー:「私と100冊の勉強本」へ

「マインドマップ的読書感想文」のトップへ

スポンサーリンク