2025年05月29日
【ご機嫌?】『「機嫌よくいられる人」の習慣、ぜんぶ集めました。』川嵜昌子

「機嫌よくいられる人」の習慣、ぜんぶ集めました。 (青春新書プレイブックス P 1226)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事にて、一番お買い上げいただいている作品。テーマ的にそこそこ人気はあるだろうな、とは思っていましたが、まさかのトップで思わず私も読み始めてしまいました。
アマゾンの内容紹介から。
世の中には、怒ったり不機嫌になったりせず、いつも上機嫌に見える人と、なんだか常に不機嫌な印象の人がいる。
その差は、その人の性格に起因するだけでなく、実は日頃の「習慣」に──本書は、いつも「機嫌がいい人」の習慣を、日常生活、行動心理、メンタル、思考法など、さまざまな側面から紹介する。
中古がまだ値下がりしていない一方、Kindle版は、定価より1割弱お買い得となっています!

【ポイント】
■1.「すみません」ではなく「ありがとう」と口にする毎日、機嫌よく過ごしている人は、不機嫌なことの多い人よりも、「ありがとう」という感謝の言葉をよく口にしている。
たとえば、閉まりかけたエレベーターに飛び込んだとき、先に乗っていた人が「開」のボタンを押してくれた。あるいは、両手に荷物を持っていて、手がふさがっているとき、近くにいる人がドアを開けてくれた。
こういった場合、相手にかける言葉は「すみません」と「ありがとう」のどちらかだろう。自分なら、どう言われたらうれしいのか。そう考えたら、これらのシーンで選ぶべきなのは「ありがとう」だ。(中略)
ギリギリで飛び込んできてちょっと迷惑だな、とエレベーターの「開」のボタンを押してくれた人が内心では思っていたとしても、「ありがとう」と言われたら、「あ、いいことをしたみたいだな」とうれしくなるものだ。
相手の気分がよくなれば、自然と自分も上機嫌になる。「ありがとう」1日20回以上言う人は、まったく言わない人と比べて、幸福度が1.5倍以上高いという調査もあるほどだ。
これからは「ありがとう」を口グセにしてみてはどうだろう。
■2.怒りに点数をつけて客観視する
腹の立つような状況に陥っても、不思議と冷静さを取り戻せる。そう見える人は、自分の怒りの感情に点数をつけて、うまく対処しているのかもしれない。
「この怒りは2点ほどだから、まあいいか」「かなり腹が立つ。それでも6点程度の怒りレベルなので、コントロールするのは難しくない」といった具合だ。(中略)
腹が立ったとき、その感情がどれくらいのレベルなのかを考えると、自分の怒りに対して客観的になれる。それだけでも、怒りをやわらげる効果がある。
怒りのレベルがわかったら、これまでに経験した過去の怒りと比較することもできる。あのときはいまと同じ程度に腹が立ったけど、次の日にはもう忘れていた。だから、いまもそんなに深刻にならなくてもいい。このように考えられたら、一時的な感情に振り回されないで、冷静に対処しやすくなる。
■3.イライラしている人には近づかない
ランチを食べに入ったカフェ。隣のテーブルから、何だか不穏な空気が漂ってくる。2人連れの客が眉をしかめて、職場の悪口ばかりを話しているのだ。
ネガティブな話を聞くつもりはなかったが、自然と耳に入ってくる。すると、そのうち自分もだんだん気が滅入ってきた……。
こういったことは実際にあり得る。他人のイライラした気分や怒りは、近くにいる人に伝染してしまうからだ。
このメカニズムは「情動伝染」という言葉で説明される。情動とは、強くて一時的な感情のこと。楽しそうな人を見たり、そばにいたりすると、その強い感情が移って、自分も楽しくなってくる。
怒りや悲しみなども同じで、怒ったりふさぎ込んだりしている人の暗い感情は、まわりにじわっと伝染してしまう。
■4.「この程度でよかった」とポジティブに考える
友人が海外旅行から帰国。不運なことに、現地でスリにあったという。「大変だったね」と声をかけると、「いやあ、スリ程度で済んでよかったよ。あれが強盗だったら、命が危なかったかもしれない」という答えが返ってきた。
何かイヤなことが起こった場合、自分の不運を嘆くクセのある人は、この友人の考え方を見習ってみたいものだ。
友人のような目にあったとき、「本当についてない」「なんで、海外になんか行ったのか」「やめておけばよかった」などと、ネガティブなことばかり思うタイプの人は、新しいチャレンジに対して及び腰になりやすい。
笑顔で前向きに生きたいのなら、「この程度で済んでよかった」とポジティブな考え方ができるように習慣づけておこう。
■5.自分の「当たり前」を他人には押しつけない
部下が考えた企画を見て、「なんだ、この非常識な企画は。あいつの頭のなかはどうなっているんだ」と眉をしかめる。会話がかみ合わず、「こんな当たり前のことを、なんで、わからないのか」とイラッとする。
自分が正しいと思っているから、こういったモヤモヤした気分になるわけだ。しかし、その考え方は本当に正解なのだろうか。
人によって、「当たり前」は違うし、「常識」も食い違っている場合がある。人間関係を良好に保つうえで、ここは非常に大事なところだ。無視すると、他人とぶつかって不愉快な思いをすることが多くなる。
自分の考え方が100%正しいわけではない。こうわかっている人は、意外な言動をされても、「そういう考え方もあるのか」と対応できるものだ。
【感想】
◆いわゆる「大全本」に近い、TIPS集とも言えるこのシリーズ。当ブログでは過去3冊もご紹介しております。

「続けられる人」の習慣、ぜんぶ集めました。 (青春新書プレイブックス P 1221)
参考記事:【習慣術】『「続けられる人」の習慣、ぜんぶ集めました。』吉井雅之(監修),ホームライフ取材班(編集)(2025年01月23日)

「長生きする人」の習慣、ぜんぶ集めました。 (青春新書プレイブックス P 1209)
参考記事:【健康】『「長生きする人」の習慣、ぜんぶ集めました。』工藤孝文(監修)(2024年03月22日)

「やせてる人」の習慣、ぜんぶ集めました。 (青春新書プレイブックス P 1207)
参考記事:【ダイエット】『「やせてる人」の習慣、ぜんぶ集めました。』工藤孝文 (監修)(2024年01月25日)
手堅いテーマを選び、それに関連した書籍を集めて、その中から有益なTIPSを抜き出して、1冊の本にまとめる、というスタイル。
ぶっちゃけ安易なやり方だと思いつつも、私もついつい読んでしまうんですよね……。
しかも、レビューする前から何冊かお求めいただいているくらいですから、編集方針としては全然「アリ」なんだと思います。
◆そして今回のテーマが「機嫌よくいられる人」というもの。
中でも第1章がまさにそうで、「自分の機嫌を取る」ためのTIPSが豊富に収録されています。
そこから抜き出したのが、上記ポイントの1番目の「ありがとう」で、「すいません」と言いがちな私は耳イタイ限り。
他にも目からウロコだったのが、「朝のベッドメイクを習慣にする」というもの。
何でも「小さなミッションでいいので、達成感を得てから1日をスタートすると、大きな目標を達成しやすい」そうで、ベッドメイク以外でも、自分に向いているものがあれば、それでも構わないのだそうです。
私は朝から腕立て伏せをしたりしているのですが、こうしたミッションをクリアすることで、「今日も一日頑張ろう」と前向きになれるのだとか。
◆ただし本書はこうした「機嫌よく」するためだけではなく、帯にもあるように「機嫌悪く」しないための方策もカバーしています。
その代表とも言えるのが、第2章で取り扱われているアンガー・マネジメント。
おなじみの「6秒ルール」もありましたが、関係書籍に必ず出てきますから、今回は割愛しました。
代わりに上記ポイントの2番目では、「点数をつけて客観視する」方法をご紹介しております。
もちろん、「売り言葉に買い言葉」みたいな状況だと、それどころではないのですが、ご存知なかった方は、一度お試しください。
◆続く第3章では「感情コントロール」がテーマですが、ここでは単にマネジメントするのが「怒り」から「感情」に変わった感じ。
基本的に「機嫌よくなる」というよりは、「機嫌悪くならない」ためのTIPSが続いています。
例えば上記ポイントの3番目の「イライラしている人には近づかない」というのもその1つ。
そういえば以前行ったレストランで、カウンターに座って食事をしていたら、目の前の厨房でコックさんが一緒に厨房にいる奥さんを延々と叱っていて、閉口したことがありました。
こちらは別に叱られているわけではないのに、緊張して味も分からず。
もちろんその店には2度と行っていないのは、言うまでもありません。
◆一方第4章のテーマは「前向きになる」ということで、扱われていたのがポジティブシンキング。
これはいわゆる「考え方」の問題(「シンキング」というくらいですから当たり前ですが)なので、上記ポイントの4番目のTIPSは、実に有益だと思います。
私も母が特殊詐欺にあって、そこそこの額の預金をだまし取られた際も、「この程度でよかった」「命が無事でよかった」と思うように心がけましたし(怒りに震えながら)。
また、1つ飛んだ第6章では「悩まない」ことがテーマなのですが、そこから抜き出したのが上記ポイントの5番目です。
実はここに出てくる「当たり前」と同じようにキーとなるのが、本書に何度も出てくる「べき」という考えの押し付けで、これを他人に対して持つと、怒りにとらわれてしまう次第。
「当たり前」も「べき」も、それこそ人によって違いますし、自分の考えだけが正しい、と思わないことが、「機嫌よくいられる」ための大きなキーだと思いました。
機嫌よくいたい方なら要チェックの1冊!

「機嫌よくいられる人」の習慣、ぜんぶ集めました。 (青春新書プレイブックス P 1226)
part 1 機嫌よくいられる人の「自分の機嫌を取る」習慣、ぜんぶ集めました。
part 2 機嫌よくいられる人の「腹が立ったとき」の習慣、ぜんぶ集めました。
part 3 機嫌よくいられる人の「感情コントロール」の習慣、ぜんぶ集めました。
part 4 機嫌よくいられる人の「前向きになる」習慣、ぜんぶ集めました。
part 5 機嫌よくいられる人の「気持ちを切り替える」習慣、ぜんぶ集めました。
part 6 機嫌よくいられる人の「悩まないため」の習慣、ぜんぶ集めました。
part 7 機嫌よくいられる人の「上手に怒る」習慣、ぜんぶ集めました。
part 8 やってはいけない!「機嫌が悪い人」の習慣、ぜんぶ集めました。
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【怒りの本質論】『怒りに負ける人、怒りを生かす人』安藤俊介(2016年03月25日)
【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。
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マネジャーの全仕事 いつの時代も変わらない「人の上に立つ人」の常識
定価自体も高いマネジメント本は、中古もまだ高いため、Kindle版が1600円強お得な計算です!
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