【抗ストレス】『それ、すべて過緊張です。』奥田弘美:マインドマップ的読書感想文

2025年04月30日

【抗ストレス】『それ、すべて過緊張です。』奥田弘美

【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、現在開催中である「Kindle本 (電子書籍) ゴールデンウィークセール第2弾」でも人気の高い健康本。

私自身、思い当たるフシがあるので、読んでみた次第です。

アマゾンの内容紹介から一部引用。

◆多忙すぎ、困難な状況 ‥高ストレスで緊張がほどけない状況が「過緊張」
「仕事が終わって家に戻ってからも、職場での出来事が頭から離れずなんだか落ち着かない」
「あのときの自分のした対応が、ちょっとまずかったかなあと気になって、休日もふっと不安になる」
「顧客や上司、同僚からいわれた言葉を、何回も思い出してしまいイライラして、家族にあたってしまう」
このような苦痛を感じ始めているなら、放っておいてはいけません
これらはいわゆる「過緊張」と呼ばれる状態でありその状態が続くと、高確率で心や身体に不調が起こってくるからです。

送料を加味した中古よりは、このKindle版が1000円以上お買い得です！

【ポイント】

■1.過緊張の要因はストレス

　職場や家庭で人間関係のトラブルが発生した、何らかのハラスメントを体験した、仕事で大きなプレッシャーを経験したときには、不安や緊張、恐怖、怒り、悲しみといった不快な感情が脳の大脳辺縁系というところで生まれます。
　人間にとって、あらゆるストレスは「敵が攻めてきた」と解釈され、「敵と戦うか、逃げなければならない」と信号が出されます。
　その信号が自律神経系の中枢である視床下部という脳の部位に伝わると、活動の神経である交感神経系を刺激して、活動モードがONになるわけです。
　脳が「敵と戦うか逃げるか」のひっ迫した状況と判断したからには、身も心も、ゆったりとリラックスはしていられませんよね。
　筋肉を緊張させて、心拍数や血圧、体温を上げて活動が眠気を追い払って脳を覚醒させて、臨戦態勢を作る必要があります。
　だから活動モードの交感神経系が、本来はゆったりリラックスモードの副交感神経系にチェンジしていかなければならない夜になっても、ずっと興奮し続け「過緊張」になるわけです。

■2.ITの発達で現代人は常にONタイム

　思い返してみれば、私自身も子供時代には、「午後9時以降は、よほどのことがない限り、他人に電話してはいけないよ」と、よく親から言われたものでした。家には固定電話が一台しかなく、夜9時以降に友達と電話するのは、相当困難を極めました。
　しかしIT機器の発達によって、家に帰っても世界各国の人と気軽につながって、いつでもどこでも会話や仕事ができるようになりました。友達はおろか親しくない人とも、いつ何時でもSNSやスマホを通じて、簡単にコミュニケーションがとれるようになりました。
　その結果、どんどんONタイムが長くなってしまい、心身をリラックスさせて休息するためのOFFタイムが反比例して十分に取れなくなってきたのです。
　たとえ仕事が終わっても、SNSや対戦ゲームなどで、たいして親しくもない他人とネットでつながって交流していると、自覚している以上に緊張したり気を遣ったりしていますので、OFFタイムの質も悪化しています。

■3.過緊張ケアには順番がある

　一般的に「心身がリラックスする」「ストレスに疲れた心を癒す」「身体の緊張を解きほぐす」と言われていることには、大きく分けて、3種類あります。
　それは、「休息（Rest）」「リラクゼーション（Relaxation）」「レクリエーション（Recreation）」です。
　ストレスケア関連の記事を読むと、「ストレス対処のための3つのR」として、よく紹介されています。
　メンタルケア関連の書籍やサイトなどで、ストレス対処法の3つのRとして紹介されている場合は、
①レスト（Rest）～休息・休養～
②レクリエーション（Recreation）～楽しみや気晴らし、趣味～
③リラクゼーション（Relaxation）～心や身体の緊張を緩める活動～
　の順番で紹介されていたりするのですが、過緊張のセルフケアの場合は、②と③が完全に逆になります。　
　すなわち、
①レスト（Rest）～休息・休養～
②リラクゼーション（Relaxation）～心や身体の緊張を緩める活動～
③レクリエーション（Recreation）～楽しみや気晴らし、趣味～
　というのが、過緊張をケアするための正しい順番です。

■4.脳の疲労は眠りで取る

　過緊張症状をキャッチしたら、まずはとにかくしっかり寝ましょう。心と身体が最高にリラックスして休息できる行為は、とにもかくにも睡眠です。
　睡眠を十分にとらないことには、身体も心も根本的に疲労を癒し、エネルギーを回復することができません。体力も気力も集中力も朗らかな明るい気分も、良質な睡眠が基本となって生み出されていきます（睡眠の詳しい効果や効能については、次章で詳しく解説します）。
　特に脳は眠らなければ、疲労のメンテナンスができません。自律神経の中枢は、脳の中にあります。過緊張状態のときは、自律神経のバランスが崩れかけています。まずはしっかり睡眠をとって脳を休ませないと、自律神経のバランスが改善しないのです。
　逆にいうと、睡眠がしっかりとれていない状態では、どんなに心や身体によいとされるケアや治療をやっても、効果は出ないといっても過言ではありません。
　とにかく、まずは睡眠をしっかりとれる態勢を確保しましょう。

■5.睡眠と食事が確保出来たらリラクゼーションを

　主に呼吸を落ち着かせ、筋肉の緊張を解くなどの精神を安定させる行為が、リラクゼーションです。
　例えば心地よく入浴して、身体をリラックスさせる。
　ストレッチやヨガ、瞑想などで筋肉の緊張をほぐし、呼吸を整える。
　自宅でアロマを焚いたり、音楽を聴いたり、気持ちが穏やかになったり笑ったりできるような動画やテレビをマイペースで楽しみ、心身の緊張をほぐす。
　散歩やウォーキングやサイクリングなどの、手軽にできて、かつ慣れている軽めの有酸素運動で、全身を心地よく動かす。
　自宅近くの行き慣れたマッサージやエステに行って施術を受けることも、ここに入ります。
　リラクゼーションは、前述したレスト（Rest）に比べて、ややエネルギーを使う行動ですが、慣れ親しんだ環境でゆったりリラックスできるために、心身の緊張をほどよく解きほぐす効果があります。
　レスト（Rest）がしっかりとれて心身のエネルギーレベルが回復したのちに、このリラクゼーションを行うと、相乗効果で過緊張がほぐれていきます。

【感想】

◆こちらの本、冒頭で触れましたように、当ブログで結構お求めいただいたので、それを踏まえて取り上げました。

ただ、購入された方々が、上記ポイントの1番目にあるトラブルやハラスメントに面してらっしゃるとしたら、少々気になるところ。

もっとも、本書の書影に掲載されている「仕事が気になり眠れない」「イライラがひどくてコーヒーをがぶ飲み」「いつも時間に追われ落ち着かない」程度なら、そうそう珍しいものでもないでしょう。

そういう意味では、現代人が多かれ少なかれ対象となっていると言えそうです。

ちなみに私自身は、めったにストレスを感じない方ではあるのですが、数年前の某顧問先の税務調査で、結構理不尽な調査官に接して、珍しく夜、寝付けないことがありました。

調査自体はそう長く続くものでもないですし、私のストレスも徐々に収まったのですが、あれが恒常的に続いていたら、まさに本書でいう「過緊張」そのものだったかと。

◆さて、本書の第2章では、「過緊張になりやすいタイプ」を5つ挙げています。

具体的にはこれまた表紙に載っているのですが、「完璧主義タイプ」「真面目がんこタイプ」「NOと言えない自己犠牲タイプ」「せっかち＆負けず嫌いタイプ」「心配性＆気疲れタイプ」の5つ。

本書ではチェックリストでどのタイプに該当するか（複数アリ）が判定できますので、こちらはぜひお試しを。

ただ、それ以前に上記ポイントの2番目で引用したように、現代人は常にONタイムであり、OFFタイムの休息が不足しているようです。

まぁ確かにひと昔前ならスマホはおろか携帯もなく、テレビも居間にしかなければ、夜は部屋で本を読むくらいしかすることがありませんでしたよね。

また、第2章では過緊張になりやすいシチュエーションも挙げられているのですが、確かに変化の多い3～4月や、昇進時、家族が怪我をしたときなどは、必要以上にストレスがかかってきそうです。

◆続く第3章では、過緊張のセルフケアを指南。

まず大事なのが、上記ポイント3番目にある「順番」のお話です。

これは本当にそうで、①のレストがなければ、②や③どころではないですし、私のような年になると、③までいける余裕も元気もなかなかありません。

これは類書でも指摘されていたんですが、中高年になると「遠出をするための早起き」がキツいですし、そもそもその疲れが翌日まで残ります。

普通の状態でもそうなのですから、過緊張のケアでレクリエーションまでいくには、かなりの準備や注意（近場で短時間等）が必要かと。

◆もっとも私の場合、そもそものレストが不十分であり、その一番の理由が、お約束の睡眠不足。

上記ポイントの4番目も「はいはい、分かってますって」と涙目になりつつも、大事なことなのでご紹介しました。

ただ、いつもの私は、単にブログを書いて夜更かししているのですが、前述の税務調査のときは、眠りたくても眠れなかったワケでして。

「過緊張だから眠れないのに、眠れとはこれ如何に？」と思ったら、本書では、まずカフェイン飲料を制限せよ、とのこと。

私も真夜中に少しでも早く寝付くべく、自宅では今や、こちらのノンカフェインのコーヒーしか飲んでおりません。

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そのおかげか最近は、なかなか寝付けない、ということはほぼなくなりました。

◆ほかにも、食事や運動についても指示がありましたが、もっとも特徴的だったのが、「超短時間型の睡眠導入剤」や、「依存症がおこらない新しいタイプの睡眠薬」の紹介があったこと。

これらについては、上記の対処法を行った上で、ダメだった場合に必要に応じて、ということなのですが、薬品名（商品名）をここで挙げるのは、一応自重しました。

ボリュームの関係で、どうしても本書の該当部分の全文をご紹介することができない以上、むりに引用することもないかな、と。

そして、上記ポイントの5番目では、レストに続いて行うべき、リラクゼーションの概略を抜き出してみました。

スポーツやイベント、コンサートといった、レクリエーションもいいですけど、まずはレスととリラクゼーションで、エネルギーレベルを回復してからにしてくださいね。

人生おだやかに過ごすために読むべし！