【勉強法】『科学的根拠×タイムパフォーマンスを追求してわかった！　勉強法BEST100』めろん:マインドマップ的読書感想文

2025年03月27日

【勉強法】『科学的根拠×タイムパフォーマンスを追求してわかった！　勉強法BEST100』めろん

【Amazon.co.jp限定】科学的根拠×タイムパフォーマンスを追求してわかった！　勉強法BEST100(DL特典：未収録原稿)

【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事にて、一番人気だった勉強本。

当ブログ好みの「TIPS満載」系の1冊ということで、さっそくチェックしてみました。

アマゾンの内容紹介から一部引用。

“最短で効率よく結果を出せる”最良の勉強法は、巷の噂ではなく、科学がすでに示してくれています。
そこで本書では、１日たった２時間の勉強で「医師国家資格」「英検１級」「TOEIC900点超」を達成した医師が、究極の勉強法を100項厳選して紹介します。
日々の生活の中でなかなか時間を取れない、けれどやりたいことや目指す自分があるという現代人に読んでほしい、「タイムパフォーマンス」と「科学的根拠」を追求した勉強法です。
科学論文はもちろん、実際に著者がどのようにそれらを活用して勉強をし、結果を出してきたのかも解説します。
医者である著者が『note』で、有料記事（3,000円）ながら1000をも売り上げた、「コスパ最強の勉強法」をさらに詳しく解説し、待望の書籍化！

昨日出たばかりで中古は定価のままですが、Kindle版の値引もありませんから、お好きな方で！

【ポイント】

■1.繰り返し音読する

　ここで改めて、音読による学習効果を解説します。
　黙読と音読では、音読のほうが記憶に残りやすいことが明らかになっています。音読で記憶が促進される効果は、「産出効果（production effect）」と呼ばれます。
　音読は、視覚的に情報を読みながら声に出すことで聴覚を刺激し、さらに発話のための運動感覚も加わります。複数の感覚を同時に使うことで脳は活性化し、記憶の定着を促すのです。
　書いて覚えるのも運動感覚を使いますが、聴覚は活用しない上に非常に時間がかかります。
　音読は最強の学習法の1つなので、利用しない手はありません。英語では音読する人が増えてきましたが、英語以外の科目もガンガン音読していきましょう。

■2.誤答からも学ぶ

　選択式の問題を解いていると、正解を選べたことに満足してしまい、答えが合っているか否かだけの確認に終始してしまうことがあります。
　しかし、選択式の問題では、答え合わせに終始せずに、必ず「この選択肢はなぜ誤りなのか」を答えられるようにしましょう。正解を出すことより、正答に至るまでの思考プロセスが正しいかを確認するほうが重要です。
　これは実際に、科学研究でも示されています。(中略)
　また、選択肢が5択だった場合、不正解の選択肢の根拠も言えるようになることで、単純計算で5倍の知識が得られます。
　特に数値系の知識は、数値自体を暗記できているかを確認しておくべきです。
　例えば、「（ア）はAが1000という数値だから正解」なのを、（ア）を選ぶことで正解したことに満足してしまい、“Aが1000”という数値を覚えていない人が非常に多いです。
　この場合は、数値が変わったら対応できなくなってしまいます。

■3.英語学習では辞書を使わず、注釈が充実している教材を使う

　そもそも、辞書で調べるのは時間がかかります。紙の辞書は論外ですが、電子辞書も時間がかかります。また、単語を見つけても複数の訳や派生語が並び、どれが文脈に合う意味かを考えるうちに、勉強する時間がどんどん消費されてしまいます。
　結局、必要なのは文章中でどのような意味で使われているかだけなので、辞書で調べても他の訳などは覚えにくいです。
　初学者は、わからない単語をいちいち調べていたらすべて辞書を引くことになってしまい、途方もない時間がかかります。
　辞書が必要な勉強をしていると、机でしか勉強ができなくなり、勉強が進みづらくなるのでモチベーションも下がります。
　辞書を引く代わりに、親切で丁寧な注釈がついている教材を使うようにしましょう。
　親切な教材は注釈を見れば意味が書かれているので、いちいち辞書を調べる必要はありません。そういった教材を使って日本語訳に加えて注釈を見れば、すべての単語がわかるはずです。

■4.解答・解説が問題の近くにある参考書を使う

　ここでは、問題集形式の参考書の理想のレイアウトについてお伝えします。
　ベストなレイアウトは、解答・解説が問題の真下にある、あるいは見開きで書かれているものです。問題と解答・解説が同じページにあるというだけで、勉強効率は飛躍的に上がるからです。(中略)
　問題集ではありませんが、英語の勉強法で私が使っていた英単語の参考書『速読英単語』シリーズは、1つの英文が見開きで掲載されています。左側に英文、右側に日本語訳があるので、こちらも使いやすいと感じました。
　なお、「問題の近くに解答・解説があると、目に入ってしまい気が散るのでは」という人もいますが、手や紙で隠せば問題ありません。

■5.見直しの際の4つのポイント

①最初に解くときに印をつけておく
　1周目に解く際に、絶対に合っているものには◯、2択で迷っているものには△、全くわからないものには×をつけておくといいです。◯→△→×の順で見直すと、最後の時間まで難問に取り組めます。
②0点になってしまう可能性がある箇所
　解き終えた後にまずチェックするのは、名前や受験番号の書き忘れ、ミス、マークシートのズレなど、0点になってしまう可能性がある箇所です。最優先で見直すようにしてください。
③問題文の読み間違い
　次に、問題文の読み間違いがないか確認します。
　よくあるのが、「誤っているものを選べ」「正しいものを2つ選べ」という指示を見落としてしまう場合です。
　解く際にこれらの文言が出てきたら、◯をつけたりアンダーラインを引いたりして、強調するようにしましょう。
④時間があれば解き直す
　時間に余裕があれば、1から問題を解き直すのもおすすめです。

【感想】

◆内容的には「手堅い1冊」だったと思います。

「科学的」をうたうだけあって、海外での研究結果を適宜引用し、巻末にもしっかり参考文献も列挙されている仕様。

TIPSの1つ1つも、概ね同意しますし、特に反論するような部分もありませんでした。

……しいて挙げるなら、私は暗記する際に結構色を多色使いしていたのですが、それはアカンのだとか。

ただ、科学的にも多色使いは良くないそうで、単に私がレアなようです。

ちなみに往々にして、塾講師や家庭教師を経験されていない著者さんのコンテンツは、汎用性が微妙だったりするのですが、著者のめろんさんは、後輩の勉強を指導して、医学部で学年1位を取らせたそうですから、その辺もクリアしているのではないでしょうか（事例が少ないかもですが）。

◆ところで本書は、冒頭の内容紹介にもあったように、『note』で3000円のお値段で1000部売り上げている、こちらの「コスパ最強の勉強法」をベースにしているとのこと（最初の方だけ読めます）。

医師が教えるコスパ最強の勉強法｜めろん

私は残念ながら読んでおりませんが、上記記事内で挙げられている13冊ほどの勉強本のほとんどを、当ブログではレビューしていました。

カテゴリー；私と100冊の勉強本：マインドマップ的読書感想文（実際には100冊ではなくて350冊以上あります）

なお「コスパ最強の勉強法」では、これらについても評価した上でレビューを書いているそうなので、むしろそちらが気になるところ。

あの幻の、『キミにもできるスーパーエリートの受験術』が入っているのもポイント高いです。

キミにもできるスーパーエリートの受験術改訂版

……久しぶりにアマゾンで見たところ、現時点で89万円以上しているのは、さすがにどうかと思いますが。

◆上記ポイントについても、王道的でありつつも、類書ではあまり触れられていないものを中心としたつもりです。

さすがに第2章から抜き出した上記ポイントの1番目の「音読」は、どの本でも大抵触れられていますけど。

割愛したTIPSの中にも、「書いて覚えるのではなく、読んで覚えよ」的なものがあって、音読はまさにそれに沿うものでしょう。

また、第3章から引用した、上記ポイントの2番目の「誤答」の活用は、資格試験の勉強本でたまに見かける程度な気がします。

確かに言われてみたら、5択だったら5倍勉強できますよね。

◆一方、上記ポイントの3番目は、第4章の「英語勉強法」から抜き出したもの。

冒頭の内容紹介にもあったように、めろんさんは英検やTOEICを受験されていますから、これらの試験についての勉強法にも説得力があります。

洋書や洋楽、TEDを使った勉強法に批判的なのも、受験を考えてのことでした（詳細は本書を）。

また教材つながりで、参考書選びがテーマの第5章からは、上記ポイントの4番目をセレクト。

確かに問題と解答・解説が近いと、効率も良さそうです。

逆に「勉強効率という点で最も使いづらいのが、巻末に解答・解説がある参考書」とバッサリ。

　いちいち解答・解説を巻末に戻って確認しながら解いていくのは面倒ですし、時間もかかります。別冊解答も、参考書を読むのに両手を使わなければならず、電車の中など机から離れてする勉強の際には使いづらいです。場所も取ります。

そういえば、どの勉強本の先生のお話だか忘れましたが、巻末にあった「解答・解説」を切り離して使っている、という話もありましたし。

◆なお、上記ポイントの5番目の「見直し」のお話は、第7章の「試験直前と本番の注意事項」からのもの。

特に①の印をつけるやり方は、見直しできる時間があった場合、非常に役立つと思います。

これは普段の模擬試験等から実践していれば、復習の際にも活用できますし、可能な限り取り入れていただきたく。

もちろん、こうした当日のテクニック以前に、本番に至る前までに、本書を読んで万全の準備をすべきなのですが。

いずれにせよ、100ものTIPSがありますから、どんどん試して、自分に合うものを取り入れてみてください。

　
何らかの試験を受験される方なら、一読の価値アリ！

【Amazon.co.jp限定】科学的根拠×タイムパフォーマンスを追求してわかった！　勉強法BEST100(DL特典：未収録原稿)

序章最も効率的に最短で結果を出す勉強法「5つの原則」
第1章科学的根拠とタイパを実現する目標設定と勉強計画
第2章勉強の進め方と復習・記憶術
第3章最短で必ず結果を出すための勉強のポイントテクニック
第4章科学的根拠に基づくタイパ最強の英語勉強法
第5章タイパと成果を最大化する参考書選びの鉄則
第6章科学が証明するモチベーション管理
第7章試験直前と本番の注意事項