【キャリアデザイン】『得意なことの見つけ方自分探しにとらわれず、すぐに行動できる技術』澤円:マインドマップ的読書感想文

2025年03月17日

【キャリアデザイン】『得意なことの見つけ方自分探しにとらわれず、すぐに行動できる技術』澤円

【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事にて一番人気だった1冊。

当ブログではおなじみである澤円さんが、キャリアデザインをテーマに書かれた作品です。

アマゾンの内容紹介から。

キャリアを自在にデザインできる「頭のいい人」の思考法
しんどい自己分析からの脱却。
軽やかに生きれば「得意」があふれ出す!
元マイクロソフト業務執行役員で『メタ思考』著者の実践的メソッド
あなたの「得意なこと」は何ですか?
この問いに答えられれば仕事も人生も大きく変わる

なお、当初よりKindle版が値下がりして、「10％OFF」とお買い得になっています！

【ポイント】

■1."ゆらぎ"をつくると自分だけに向けた情報が増える

　現時点である程度強い憧れや惹かれるものなどがあるなら、それを手掛かりにして考えるのはいい手ですが、それらがない人でも方法はあります。
　一例として、僕が会社員時代にやっていた、自分に効果的に〝ゆらぎ〟をつくる方法を紹介しましょう。
　ポイントは、自分に〝ゆらぎ〟をつくっていくには、日常生活におけるちょっとした行動で十分だということです。
　休暇で旅行へ行ったときに、周囲にお土産を配ることがありますが、僕がよくやっていたのは、それを平時に堂々と行うという方法です。
　コンビニで売っているお菓子でいいので、誰もが好きそうな、1つひとつが袋に入っている定番のお菓子を買い、「よかったらどうぞー」といって等しく全員に配り回るのです。(中略)
　そして、そんな行動をきっかけにして、お菓子を手渡すときに、ひとことでもいいので相手に話しかけるのです。これが、自分に〝ゆらぎ〟をつくるという行動のイメージです。

■2.言葉にした先にチャンスがある

　それこそ、みなさんは誰かに、「そうだったの？」「早くいってくれたらよかったのに」などといわれたことがありませんか？　この相手の反応が如実に表しているように、実はチャンスというものはどこか身の回りに潜んでいて、あなたによって引き出されるのを待っているという見方もできます。
「いってみるもんだな」という経験は、実によく起こります。そして、自分の思いを早くいえばいうほど、チャンスも前倒しで訪れます。
　ですから、なにかに興味関心があるのなら、とにかくそれについて誰かに発言するという小さな行動をしましょう。「やりたいことがわからない……」と深刻に悩んでしまう前に、ちょっとした行動によってチャンスを自ら切り拓いていきましょう。

■3.大事なのは、能力やスキルではなく「意思」

　お伝えしたいのは、特定の行動ができないのは、生まれ持った能力や身につけたスキルが理由ではなく、その多くが「意思」の問題だということです。
　僕は、よく講演やプレゼンの質疑応答の際に、「◯◯するための方法を知っていますか？」と質問されます。多くの人は、効率的なやり方や具体的な方法を知ろうとします。なぜなら、それを知れば、〝手っ取り早く〟ものごとを進めたり、解決したりできるからです。
　しかしこのとき、僕はいつも「方法論を知ったとしても、それを行う意思がなければ意味はないですよ」とお答えしています。
　確かに、成功率の高い方法に則って行動すれば、失敗を避けることはできるかもしれません。でも、「なぜそれをやるのか？」を本人が納得していなければ、その行動はおそらく個性が欠けた平凡なものとなり、あまり意味をなさないと思うのです。

■4.直感を重視する

　自分の行動すべてを経験として捉えて、自分で選んで前に進んでいくとき、僕はかなり「直感」を重視します。感覚としては、100パーセントに近いくらい直感で決めているので、親しい人からは「澤さんは、ずいぶん刹那的に生きているね」といわれるほどです。
　直感で行動する前提として、ルール（法律）は守りますが、それ以外の選択は、自分が「好きか嫌いか」「面白いか面白くないか」だけで選ぶようにしているのです。
「社会人としてやっておいたほうがいい」とか「嗜みとして知っておいたほうがいい」というような判断基準は、僕にとってはかなりどうでもいいことです。

■5.起きてもいないことを心配するのは馬鹿らしい

「好きか嫌いか」「面白いか面白くないか」という、自分だけの「直感」に従って生きることをすすめると、必ずといっていいほど「そんな生き方で大丈夫？」「リスクが大きいのではないか」などと聞かれます。
　つまり、それらの意見が意味するのは、多くの人が行動する前に自分で障壁を立ててしまい、足が進まなくなってしまうということです。
　これについて僕は、「起きてもいないことを心配するのは馬鹿らしいので、やってから考えればいいよ」と答えています。
　当然ですが、災害などの場合は、生存環境自体がコントロールできない状態になってしまうので、それに対して備えておくことは必要不可欠です。(中略)
　しかし、そうしたもの以外に対応するのは、僕はやはり「起きてからでも遅くない」と考えます。生存が脅かされていないことに対しては、恐れ過ぎる必要はないのです。

【感想】

◆なかなか興味深い作品でした。

内容を端的に言うなら、「『得意なこと』を探すなら、『自己分析』よりも行動してみよ」といったところでしょうか。

そこで、著者の澤さんが提唱するのが「ゆらぎ」なるものです。

それも、第1章から抜き出した上記ポイントの1番目で触れられているように、「日常生活におけるちょっとした行動で十分」とのこと。

具体例としてここでは、「定番のお菓子を買って配る」という行動が挙げられていますが、留意すべきは「ひとことでもいいので相手に話しかける」ことでしょうか。

　ここでのポイントは、行動することで貴重な情報（インプット）が増えていくということです。しかも、それは誰もがフラットにアクセスできる情報ではありません。
　自分で行動するからこそ、自分だけに向けた情報がどんどん増えていくのです。

私も旅行時のお土産くらいしかやってことありませんが、検討してみようかと。

◆さて、実際にやってみたいことが何かあっても、それに必要なツテなりチャンスがない場合もあります。

そういうときは、第2章から引用した上記ポイントの2番目にあるとおりで、「言葉にしてみる」。

日本人は奥ゆかしいのか、あまりあれしたい、これしたい、と言いませんが、「早くいってくれたらよかったのに」と後で言われるくらいなら、さっさと口にすべきでしょう。

実際、澤さんも琉球大学で講演をした際に、学生から「次のキャリアは？」と問われ、「大学の先生もひとつの選択肢かもしれませんね」と言ったところ、翌年、琉球大学から客員教員のポストの声がかかったのだとか。

もちろん、人事の判断やタイミング等もあったのでしょうけど、「言葉にした先にチャンスがある」と言えると思います。

◆続く第3章からの上記ポイントの3番目では、こうした行動がとれない場合の原因について言及。

結局多くの場合、方法論を知ったとしても、行う、という強い「意思」がなければ、知らないのと変わりないんですよね。

　自分の「得意なこと」がなかなか見つからないという人は、小さな過去の体験や出来事という「点」をつなげて探索してみようという意思が欠けている可能性があります。

このお話に続いて第3章の後半では、澤さんの「点」が7つ列挙されていました。

1.リスペクトを持って人と接する
2.「やりたいこと」は考える前にやる
3.年齢を言い訳にしない
4.すべては「ビジョン」からはじまる
5.やりたいことは自分で決める
6.肩書きと「得意なこと」に相関関係はない
7.滑走していればいつだって飛べる

詳細は本書にてご確認ください。

◆さらに本書の第4章でも「すぐ行動できる人になる」と題して、行動を促しています。

ちなみに澤さんの場合、上記ポイントの4番目にあるように「直感を重視」されている模様。

もっとも、「直感」と言ってもまったくの根拠レスではなく、過去の経験や知恵の蓄積の上澄みである可能性も高いので、まったく侮れませぬ。

羽生さんのこの本の内容紹介にも

直感は、一秒にも満たないような短時間でも、なぜそれを選んでいるのか、きちんと説明できるものだ。直感とは、自分自身が築いたものの中から萌芽するものであると著者はいう。

とありますしね。

直感力 (PHP新書)

参考記事：【棋士の思考法?】『直感力』羽生善治（2012年11月07日）

◆そして上記ポイントの5番目も、同じ第4章から抜き出したもの。

若干表現は違いますが、たまたま先日このようなポストが流れてきたので、思わず納得していたところでした。

報告を忘れていましたが、これ2024年の1年カウントしたところ、だいたい92.5%の心配事は起こりませんでした！
本当に1割以下しか起こらないんですね。

書き留め忘れた心配事もありますが、概ね記録が出て満足です。

因みに今年も続けて記録中です。 https://t.co/ZwBpTywyGA
— 植原翠𓅪授賞&重版🐈️招き猫 (@uehara_sui) March 8, 2025