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2025年02月07日

【"反"糖質制限】『医者が教える最高のやせ方 科学的に正しいお腹いっぱい食べられるダイエット法』梅岡比俊


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医者が教える最高のやせ方 科学的に正しいお腹いっぱい食べられるダイエット法


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、今月の「Kindle月替わりセール」で一番人気の健康本。

当ブログで何冊もご紹介してきた「糖質制限本」に真っ向から対立する「糖質フリー」のダイエットをうたった1冊です。

アマゾンの内容紹介から。
世の中にはダイエット法の本がたくさんあります。
なかには過激な方法を提唱するものもあり、医師の視点からは警鐘を鳴らしたくなるケースもあります。
医師である著者は、自身必要に迫られてダイエットに取り組んだものの、うまく減量できずに悩み、またその過程で感じた健康リスクについても危機感を持ちました。
多数の文献を調べ、とくに近年広く人気を博している低糖質をめざすタイプのダイエットに危惧を抱きます。
「糖質制限ダイエット」では、ほとんどの人がリバウンドしてしまうだけでなく、同時に心身の不調も引き寄せる危険性があるからです。
むしろ近年の各種の研究によれば、糖質制限を頑張るよりも、3食しっかりとお米を食べることのほうが、はるかにダイエット効果を期待できる、とされています。
糖質制限礼賛の世相に一石を投じ、おいしいごはんを食べるのを我慢しないでやせられる、科学的な方法を提唱します。

中古がまったく値下がりしていないため、このKindle版が700円以上お買い得となります!







【ポイント】

■1.糖質制限ダイエットは未だ明確なエビデンスがなく、安全性が確立されていない
 質制限については、例えば
・生命維持に欠かせない糖質を制限した食事を続けた場合、身体にどのような影響が出るのか?
・糖質制限をやめたあと、身体にどんな影響が出るのか?
・どの程度、糖質を制限するのがよいのか?
・糖質制限中のタンパク質や脂質の適切な摂取量はどれくらいか?
 といった点について、エビデンスに基づいた明確なノウハウや安全性がまだ確立されていません。
「糖質は1日60グラム以下がいい」と言う医者もいれば、「糖質は30グラム以下にすべき」と言う医者もいて、信頼できる基準がないのが現状です。
 日本糖尿病学会も2013年、「総エネルギー摂取量を制限せずに、炭水化物のみを極端に制限して減量をはかることは、長期的な食事療法としての遵守性や安全性など重要な点についてこれを担保するエビデンスが不足しており、現時点では薦められない」との声明を出した経緯があります。


■2.炭水化物はごはんで摂るのが一番!
 また、古くからお米を主食にしてきた日本人は、お米に含まれる栄養素との長い付き合いの結果、遺伝子レベルでその利用に適した体質を獲得していることも、お米を積極的に食べることを私がすすめる理由のひとつです。
 お米の主たる栄養素であるデンプン(重量の約78%)は、ブドウ糖が多数つながってできた物質です。身体のなかではアミラーゼという消化酵素により分解されて、腸などで吸収されます。
 この消化酵素アミラーゼの濃度にかかわる遺伝子AMY1の数が多いと、血液や唾液に含まれるアミラーゼの濃度が高くなってデンプンの分解がスムーズに行われ、結果として食後の血糖値が低く保たれ、血糖のコントロール状態も良好に維持されやすいとされています。
 AMY1遺伝子の数が多い人は、炭水化物に含まれる糖質を分解してエネルギーとして利用することに向いている、と言えるでしょう。


■3.お米の糖質は脂肪になりにくい
 ジャクア教授の時代になってから、人間が何を食べたらどう代謝するのかを24時間コンピューターで計測できるようになりました。
 この研究では被験者を2つのグループに分けました。10日間、「通常の食事に加えて1000キロカロリーの脂肪を食べるグループ」と、「通常の食事に加えて1000キロカロリーの炭水化物(糖質)を食べるグループ」です。
 そのうえで、それぞれのグループでの体脂肪の変化を測定しました。
 結果、追加で脂肪を食べたグループでは平均して1100グラムの脂肪がついていたのに対し、追加で炭水化物(糖質)を食べたグループでは90グラムしか体脂肪が増えていませんでした。
 つまりごはんなどの炭水化物(糖質)をふだんより1000キロカロリー多く摂取しても、そのうち体脂肪に変換されるのは、1日わずか10グラム未満ということです。
 一方で、余分に摂取した脂肪は、ほぼそのまま体脂肪に変換されてしまったと考えられます。


■4.「PFCバランス」を2:2:6の割合にする
 PFCバランスの「PFC」は、3大栄養素のそれぞれを英語で示したときの頭文字です。
 Pはタンパク質(Protein)、Fは脂質(Fat)、Cは炭水化物(Carbohydrate)です。
 自分に合ったPFCバランスで食事ができるようになると、自然に体重や体脂肪が落ち、腸内環境が改善したり、内臓機能が向上したりするとされます。
 一般的に、ベストな割合は「P2:F2:C6」とされています。
 つまり、タンパク質が2、脂質が2、炭水化物が6になる割合で食事を摂りましょう、ということです。
 厚生労働省の示している「日本人の食事摂取基準(2020年版)」でも、タンパク質13〜20%、脂質20〜30%、炭水化物50〜65%の割合で食事をするのが理想的なバランスだとされていますから、PFCバランスと大きなズレはありません。


■5.睡眠不足はどんどん太る
 2004年にアメリカのスタンフォード大学が行った研究調査があります。
 この研究では、睡眠時間と食欲との間に一定の相関関係があることが示されました。
 8時間睡眠の人と5時間睡眠の人を比べると、5時間睡眠で睡眠不足状態にある人では、食欲を増進させるホルモン「グレリン」の分泌量が8時間睡眠の人よりも約15%多く、食欲を抑制するホルモン「レプチン」の分泌量も約15%低かったとのことです。
 こうしたホルモンの分泌量の変化が起こるのは、睡眠時間が短くなると起きている時間が長くなるので、「グレリン」を増やして「レプチン」を減らし、私たちに食べ物を食べさせて、増えた活動時間に必要なエネルギーを確保しようとする身体の働きがあるためではないか、と考えられています。


【感想】

◆今さらなのですが、本書はタイトル、サブタイトルともに、糖質制限ダイエット(以下「糖質制限」と略します)のことには触れられていません。

一応、帯の下の方で「糖質を摂らなければ正しくやせません!」との文字が踊り、当然それに関する言及が最も多いのですが、あくまで「最高のやせ方」の本であって、糖質制限に異を唱えるだけの本ではないということ。

なぜこのようなことに触れているのかというと、本書は第1章〜第3章までは、広い意味で「糖質制限の是非」について述べているのに対して、第4章では睡眠、第5章では運動がテーマだから。

私は勘違いしていて、当初「途中から糖質制限と関係ないじゃん!」と思ったのですが、そもそも本書は「食」に関するだけの本ではありませんでしたね(すいません)。

もちろん、「私は糖質制限についてだけ読みたかった」という人もいらっしゃるかもしれませんが、一応「反『糖質制限』」の立場をここまで取った作品は、私は初めてでした。


◆さて、本書を第1章から見ていくと、まず第1章では糖質制限の問題点について言及。

上記ポイントの1番目の「エビデンスがない」というのは、以前から言われていることではありました。

ただ、これはまだ過渡期と言いますか、これからさまざまな研究結果が発表されていくのだと思います。

なお、この第1章ではほかにも、「食物繊維の摂取が減り、腸内環境が悪化する」ですとか、「筋肉量が減り、基礎代謝量が減少する」等々の項目がありますので、気になる方は本書にてご確認を。

特に後者の「筋肉量の減少」については、本当ならここでご紹介しておきたかったのですが、端折らずに引用するとかなり長くなるので、泣く泣く割愛しました。

私自身、糖質制限中に筋肉が減った実感があるので、同じような方はご留意を(私の場合、単に加齢によって筋肉が減った部分もあるでしょうが)。


◆逆に第2章では「お米を食べてダイエットをする」ことの利点がテーマです。

たとえば上記ポイントの2番目の「遺伝子」の話は私は初耳でしたが、「日本人は腸が長い」という民族的な身体特徴もあるくらいですから、まんざらではないかと。

同じく第2章からの上記ポイントの3番目の、「お米の糖質は脂肪になりにくい」という件も、私は知りませんでした。

ただ、ぶっちゃけ、ここで言う「通常の食事」が何キロカロリーか知りませんが、食事1食食べた後に、1000キロカロリー食べるってかなり大変ですよ?

こちらのサイトによると、「ご飯茶碗に軽く1杯(約150グラム)に換算すると234キロカロリー」だそうですから、お茶碗4杯強。

ご飯のカロリーはどのくらいありますか。:農林水産省

理屈ではそうなのかもしれませんけど、むしろ「通常の食事」レベルで、どう脂肪に変化するか知りたいところです。


◆続く第3章では、具体的に「お米を食べるダイエット」を指南。

大きく分けて6つのルールがあるそうなのですが、上記ポイントの4番目では、その中の1つである「PFCバランス」の部分を抜き出してみた次第。

私が糖質制限をキツ目にしていた頃は、この比率が「5:4:1」とか「4:4:2」でしたから、ここでのバランスとは違いすぎました。

もちろん、みるみる痩せるには痩せたのですが、夕飯を作るヨメの方が「大変だから勘弁して」と音を上げたという(すいませんでした)。

今は普通に食べてますけど、それでも「3:3:4」くらいでしょうか。

本書を読んで、糖質(特にお米)のメリットが分かりましたから、さらに「糖質多め」にシフトしたいと思います。


◆なお、上記ポイントの5番目は、睡眠がテーマである第4章からのもの。

類書でも触れていた気がしますが、改めて取り上げておきました(現在夜中の2時半)。

私は「5時間睡眠」すら満足に取れず、昼寝を合わせてやっとなので、肥満待ったなし!

先日読んだ本では、睡眠不足で認知症のリスクが高まることを実感しましたし、たとえ今は良くても10年後、20年後は後悔してそうですね……。

また、第5章の「運動」、巻末付録の「Q&A」も、ぜひ合わせてお読みください。


3食しっかり、お米を食べるべし!

B0D9Y8MH91
医者が教える最高のやせ方 科学的に正しいお腹いっぱい食べられるダイエット法
第1章 「糖質制限ダイエット」には危険がいっぱい!
第2章 お米を食べるとなぜやせるのか?
第3章 お米を食べるダイエットはこうして実践!
第4章 実は、睡眠不足は肥満の大敵です
第5章 運動を習慣化してもっと効率的にやせる!


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【糖質制限】『甘いもの中毒 私たちを蝕む「マイルドドラッグ」の正体』宗田哲男(2018年02月01日)

【糖質制限】『人類最強の「糖質制限」論 ケトン体を味方にして痩せる、健康になる』江部康二(2017年06月01日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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