2025年01月27日
【認知症予防】『もの忘れをこれ以上増やしたくない人が読む本 脳のゴミをためない習慣』松原英多

もの忘れをこれ以上増やしたくない人が読む本 脳のゴミをためない習慣 (講談社+α新書)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、現在開催中である「もう、会話のネタに困らない! 398円均一『雑学本』フェア」の中でも、個人的に気になっていた1冊。認知症の母を見るにつけ、私自身も心配になって読んでみた次第です。
少々長いですがアマゾンの内容紹介から。
「人の名前が出てこない」あなた! これ以上悪化させない「予防法」を、今一番売れている脳活性化の本の著者が教えます! たとえば「ガムを毎食1枚噛むだけ」など自然と生活に取り入れられるものばかり。
「予防に勝る治療なし!」世界最前線の研究や東洋医学をもとに教える、最もシンプルで最強の実践書です。
「おもいッきりテレビ」に23年間レギュラー出演していた著者の松原先生。80代後半でも現役で活躍する健康長寿の松原先生が実践するのが、もの忘れが悪化する「その前」に、原因である脳のゴミをためない習慣。
認知症になったら治す決定打はまだ見つかっていません。だからこそ予防! 最大の予防は脳循環をよくすること。そのためにまず何をすればいいか。歯周病や糖尿病の治療、毛細血管を鍛えること、咀嚼や睡眠にも大きな予防効果があります。
さらに、認知症に進行させる「面倒くさい」の10の悪影響はとくに要注意と指摘。加齢で起こる「面倒くさい」心理は、記憶力低下も、車庫入れの失敗も、運動する気も人づきあいも、うつ傾向まで呼び込む、まるで認知症に導く落とし穴だったのです。心と体両面から脳の神経細胞をダメにするゴミ(アミロイドβ)を、ふだんの生活の中で撃退しましょう。人生100年、悠々生きる基本が、「その前」に脳のゴミをためない習慣なのです。
中古は値崩れしていますが、送料を加味すれば、このKindle版の方がお得となります!

【ポイント】
■1.認知症は症状が出る前から予防するまず考えられるのが「認知症も軽症ならば治るかもしれない」です。しかし認知症は想像以上にしたたかな疾患です。軽症であっても超軽症であっても、進行性の難治疾患です。そして「認知症には確立された治療法がない」。
治療法がなければ予防でいこう。そうです。予防です。
しかし予防にも問題があります。開始時期です。開始時期をいつにするかが予防の最重要点です。軽症でも超軽症でも、認知症になってしまえば疾患です。疾患になれば予防でなくて治療です(その効果も定かでない)。◎認知症は超軽症でも難治性の疾患。この3つの条件を考え合わせれば、認知症予防の開始は認知症の前、すなわち何も症状がない「その前」から始めるべきことも、おわかりになるでしょう。
◎現在、認知症の確実な治療法はない。
◎予防にはタイミングが重要。
治療法がなければ予防です。「予防に勝る治療なし」です。
本書では、「その前」からの予防を最重要と考えて、お話を進めてまいります。「脳のゴミをためない」ようにするのが最善の策です。「その前」が大事ですし、ためない方法は、知ってしまえば当たり前のことばかりです。
■2.脳のゴミは睡眠中に押し流される
脳内にアミロイドβがたまり、アルツハイマー型認知症が発生します。
アミロイドβは老廃物であり、老廃物は脳循環によって押し流される運命にあります。
にもかかわらずアミロイドβはたまり続け、多くのアルツハイマー型認知症が発生しています。(中略)
ここで睡眠が登場します。
驚くことに、睡眠中にグリア細胞が縮むというのです。グリア細胞が縮めば、隙ができる。縮んだ結果、脳神経細胞の周囲に「大きな隙間」ができます。
毛細血管の血流は、この隙間を伝って脳の細部に入り込む。そしてアミロイドβを押し流してくれるのです。
この間、免疫も活躍します。アミロイドβという生体の敵に対して、猛烈果敢に挑戦する。かくてアミロイドβは全滅。人類は認知症から救われる。とはいかないのが浮き世の常です。
浮き世の常であろうがなかろうが、隙間の存在は素晴らしい。しかし、隙間の働きは、良質の睡眠があってこそ生まれます。良質な睡眠がなければ、アミロイドβ除去も難しいと言えます。
■3.気温が低いと認知症は悪化する
気温が低いほど、アルツハイマー型認知症は悪化することも確認されています。
アルツハイマー型認知症マウスも寒さに弱く、寒いほど認知症の症状が目立つようになりました。
マウスだけでなく、人間も老化すると低体温になり、免疫も低下し、認知症の度合いも進みますし、認知症になりやすくもなります。
同実験でも、マウスを4度ほどの寒い気温に24時間さらしたところ、脳のタンパク質(アミロイド β やタウタンパク)が異常に蓄積され、アルツハイマー型認知症の症状が悪化したそうです。
一方で体温を上昇させると、1週間ほどで脳のタンパク質異常蓄積状態も緩和されたとあります。
■4.歯周病も認知症の原因
マウスの実験では、歯肉に注射された酪酸が、血流に乗って脳に入り込み、さまざまな酸化異常を引き起こしたことを示しています。
歯周病では、歯周ポケットと呼ばれる歯と歯肉のあいだから、健康人の10〜20倍もの酪酸が検出されます。大量の酪酸が血流によって脳に運ばれ、認知症を起こすのだと、容易に推定されます。
そうです。歯周病は日本人の多くが罹患している国民病です。具体的には日本人の約80%が罹患。80%といえばほぼ全員です。そして歯周病菌は、記憶の海馬まで酸化させるのです。
歯周病も、アルツハイマー型認知症の立派な原因に格上げです。
ここまでわかったら、さっそく歯周病を治療しましょう。
ほぼ全員に認知症の原因ありでは、日本の将来も危ぶまれます。認知症は容赦なく襲いかかりますからね。
■5.食後1枚ガムを噛むだけで予防に
軟食すぎて、どうしても咀嚼回数が足りない。こんなときは、食事後にガムを嚙みましょう。
政府のすすめるひと口30回から、1回の食事での必要咀嚼回数を考えますと、1500回という数字になります。(中略)
ひと口30回は「よく嚙め」の方便です。
とはいえ、現代の咀嚼回数は620回。大不足です。
メーカーによって違いますが、1個のガムを味のなくなるまで嚙むと、咀嚼回数は700〜1200回になります。ここに現代の咀嚼回数620回を足せば、なんとか合格するではありませんか。「転ばぬ先の杖」よろしく、「ボケる前のガム」です。
現代人が咀嚼回数を増やしたら、かならず認知症は大激減するはずです。
【感想】
◆非常に納得感の高い作品でした。言われてみたら結構怖い話なんですけど、皆さんそこまで深刻に考えてないような。
とにかく現時点において、認知症の治療法は確立されていないようです。
つまり、良くて現状維持、基本悪化する一方ということ。
具体的には、上記ポイントの1番目にあるように、症状が現れる前からたまり始める「脳のゴミ」を、少しでもためないようにしなくてはなりません。
◆その1つが、上記ポイントの2番目に掲げる「睡眠」です。
いやもう、このお話は類書でも読んでましたし、私も重々知ってますから!
……と言いつつ、あい変わらず今夜も寝るのは、夜中の3時過ぎになるのは確定なんですけどねw
今回割愛しましたが、もう1つ効果があるのが深呼吸とのこと。
坂を上ったり階段を上がるときに、一歩ごとに深呼吸をすると、十分に酸素が補給されて脳にも好影響があるそうです。
◆一方、悪影響の際たるものが、上記ポイントの4番目の歯周病。
歯周病が、心筋梗塞や糖尿病等々、さまざまな病気に悪影響を与えることは私も本で読んでいましたが、新たに認知症も加えなくてはなりません。
私は一応、年4回の歯の定期健診をして、歯周病をケアしていますから、今後も続けたいと思います。
……4回の検診のうち、2回は自費(保険が効くのは半年で1度)なので、1回1万円を超えちゃうんですけどね。
また、順番が逆になりましたけど、上記ポイントの3番目の気温の件は盲点でした。
さっそく暖房をガンガンに聞かせて、少しでも認知症の発病を遅らせようとしております。
◆逆に、図らずも実践していたのが、上記ポイントの5番目に挙げた「ガム」。
しかも、キシリトール入りだと、虫歯にも多少なりとも効果があるのではないでしょうか。
ただし注意したいのが、噛めば噛むほど、歯には負担がかかっている、ということです。
私は様々なデンタルケア本を読むようになってから、新規の虫歯はできたことがない(被せもの下で虫歯ができたのは別)のですが、ガムの噛みすぎのせいか、歯の根元にひびが入ってしまいました。
結果、その部分だけ、ブリッジ治療をすることになり、フロスを通せなくなちゃったんですけどね。
まぁ、噛むにしてもほどほどでいきましょう。
認知症になりたくない方なら要チェックです!

もの忘れをこれ以上増やしたくない人が読む本 脳のゴミをためない習慣 (講談社+α新書)
第1章 警戒すべきは物忘れより「面倒くさい」だった
第2章 脳のゴミをとる脳循環をアップさせる習慣
第3章 なぜ「予防に勝る治療なし」か
第4章 歯周病や糖尿病が脳のゴミを増やす
第5章 食後1枚のガムから脳が蘇る習慣
第6章 中年期からの軽い運動が最強の習慣
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【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。
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