2025年01月23日
【習慣術】『「続けられる人」の習慣、ぜんぶ集めました。』吉井雅之(監修),ホームライフ取材班(編集)

「続けられる人」の習慣、ぜんぶ集めました。 (青春新書プレイブックス P 1221)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事で、トップクラスの人気を誇った習慣術本。監修の吉井雅之さんは、習慣系の本の専門家であり、まさにこの本のテーマにピッタリだと思います。
アマゾンの内容紹介から。
ダイエット、糖質制限、筋トレ、貯蓄、自炊、資格の勉強…世の中には「続けられる人」と、長続きせず「続けられない人」がいる。
その差は、その人の能力でも、心の強さなどではなく、ただただ「習慣」にあるのだ。
本書は、「続けられる人」の習慣を、日常生活、行動心理、メンタル、思考法、脳科学など、さまざまな側面から紹介します。
中古がまだ値下がりしていない一方、Kindle版は、「10%OFF」とお求めやすくなっています!

【ポイント】
■1.期限を決めて始めて、クリアしたら再スタートする体を引き締めたいから筋トレに励む。健康のために早寝早起きを習慣にする。新しい知識を得るために本を読む。このように新しいことに取り組みはじめたものの、何となくやる気が続かなくなる場合がある。
息切れしてしまう原因のひとつが、いったいいつまで頑張ればいいのか、というモヤモヤした思いだ。とくにゴールが明確でないことを続ける場合、しだいにモチベーションが弱まっていきやすい。
こうした挫折をしないで、上手に長く続けられる人は、はじめるときに期限を区切る。「とりあえず、1か月続けてみよう」などと考えてスタートするのだ。無事に1か月続けられたら、「よくやった」と自分をほめて、次の1か月先に向けて再スタートを切る。こうすれば、長く続けやすいものだ。
■2.まったく違うことを考えて気をそらす
ダイエット中なのに、スイーツを食べたくなった。禁煙しているのに、タバコを吸いたくなった。こういった誘惑に駆られたとき、挫折しないで続けられる人は、まったく違うことを頭に思い描く。
誘惑からどうやって気をそらすのか、独ビュルツブルグ大学の研究を参考にしてみよう。実験の対象者がチョコレートを食べる前に、(1)食べたらどんな気持ちになるのかを紙に書く、(2)食べること以外の使い方はないか考えて書く、(3)南米のチリに関するテキストを読む。こうしてから実際に食べてもらい、おいしさを5点満点で評価してもらったところ、チリについて学んだ(3)のグループが群を抜いて低く評価した。
無関係のことを考えただけで、その良さをそれほど感じなくなったわけだ。何かの誘惑に駆られて、習慣を破りたくなったときのために覚えておこう。
■3.「ほしい」と思っても1週間待つ
貯金額を増やすためには、やはり節約することが大切。にもかかわらず、お金を貯めようとしているのに、つい衝動買いをしてしまう人がいる。このクセをなくさない限り、貯金の習慣は絶対に身につかない。
じつは、人間は遠い将来のことよりも、いま手に入るものの価値を大きく感じやすい。この傾向のより強い人が、いま目の前にあるものに対して、「ほしい!」という気持ちを止められなくなってしまうのだ。
自分がこういったタイプだと自覚しているのなら、「ほしい」と思っても、すぐに買ってはいけない。とりあえず、1週間待ってみよう。それでもまだほしいという気持ちが強ければ、本当に手に入れたいものだと判断して購入する。このルールを守れば、衝動買いでお金を減らすケースが減り、貯蓄を続けられそうだ。
■4.「お酒を飲まない」ではなく「ノンアルビールを飲む」
お酒をやめよう。こう思っても、なかなかすぐにはやめられない。毎日は飲まないほうがいいとは思っていても、風呂上がりにはまずビールに手が伸びる。そして1杯が2杯、2杯が3杯と増えていく。これでは、いつになっても禁酒、節酒は難しい。
本当にお酒を控えたいと思うのなら、考え方を変えてみよう。上手に何かを続けられる人は、「〜しない」ではなく「〜する」と前向きに考える。この方法にならってみるのだ。
たとえばビールの場合、単純に「飲まない」と思うのではなく、「ノンアルコールビールを飲む」という前向きな行動に変えるのだ。この考え方を応用して、「寝酒をやめる」ではなく、ほど良く疲れて眠気を覚えるように「昼間、運動をする」と転換させる手もある。こうしたポジティブな思考が、習慣を変えるコツのひとつだ。
■5.食器をひとまわり小さなものにする
ダイエットが続かない理由のひとつは、食べる量が減ることにストレスを感じるからだ。たった、これだけか……と我慢するのに耐えられなくなり、とうとう気持ちが切れて、満足するまで食べるようになる。
そこで、ダイエットを続けられる人は、ストレスをなくすためにひと工夫。家では少し小さめな茶碗でごはんを食べている。
小さな茶碗を使うと、ごはんをやや少なく盛っても、何となく大盛りに見えるものだ。これで脳はあっさり錯覚し、しっかり食べた気になる可能性が高い。
じつは、満腹感は実際に食べた量とはあまり関係がなく、皿が空っぽになったときに脳が感じるものなのだ。ストレスなくごはんの量を減らせる裏ワザとして、覚えておいて損はない。
【感想】
◆いつもどおりの「『〜人』の習慣、ぜんぶ集めました」シリーズのパターンを踏襲した作品でした。特にエビデンスは付さずに(ただし巻末に一応「主な参考文献」と「主な参考ホームページ」の列挙アリ)、とにかくTIPSを大量(130超)に紹介している感じ。
私もそれなりに「習慣術」「続ける技術」的な作品は読んできましたから、王道的なテクニックは、もちろん知ってはいました。
たとえば
・小さく始める辺りは、たいていどの習慣術の本でも述べられており、当然本書でも言及が。
・細かく分ける
・ゆるく続ける
もちろん多くの本で触れられているということは、それだけ大事な話ではあるのですが、上記ポイントではスペースの関係で5つしか挙げられない以上、それらは「殿堂入り」ということでパス。
……細かく知りたい方は、下記関連記事のレビューでもサラッとご覧いただければ、と。
◆代わりに抜き出したのが、上記のポイントで、たとえば上記ポイントの1番目は第1章の「はじめ方」(第1章から第9章まで、すべてカギカッコ内だけが変えられています)からのもの。
確かに期限が定まってないと、「いつまで頑張ればいいのか」と心が折れることもあるかもしれません。
その点、最初に期限を決めておけば、そこを目標に頑張れること必至。
そしてそこまで行けたら、再度スタートすればいいんですね。
ただし、ここでは触れられてませんが、ゴールの喜びに浸っていて、再スタートを切るのが遅くなり、結果離脱してしまったら元の木阿弥ですからご注意を。
◆また、1つ飛んだ第3章から抜き出したのが、上記ポイントの2番目です。
この「気をそらす」というアプローチは、いわゆる「マシュマロテスト」でも、一部の子どもたちが見せていた記憶が。
……今私は真夜中にこの記事の下書きをしていて、お腹が空いてきたのですが、ブログに集中すれば我慢できるハズですね。
一方、さらに飛んだ第6章のテーマは「お金」であり、そこから引用したのが、上記ポイントの3番目。
ほしいものがあっても、いったんは我慢する、というTIPSは読んだことがありましたが、我慢できない人の根底にあるのが、双曲割引に近い考え方、というのは目からウロコでした。
ただ、ネットではそれを逆手にとって、「残り●個!」みたいな煽りを入れてくるのですが。
◆一方、上記ポイントの4番目は、第7章の「健康」からのもの。
もちろん、ここのお話は健康絡みなのですが、「『〜しない』ではなく『〜する』と前向きに考える」という発想の転換法は、もっと幅広く使うことができるでしょう。
私も甘いものを食べる代わりに、先日の記事でもご紹介した、「いか耳チップ」を食べていますし。
また、第8章の「ダイエット」からは、上記ポイントの5番の部分を引用。
この「食器を小さくする」みたいな物理的な解決法は、個人的には大好きなので、やや有名ですけど選ばせてもらいました。
ただ、私はこれは「ナッジ」的なもの(おかわりに行くのが面倒)なのかと考えていたのですが、実際に脳が錯覚するんですね。
実際に我が家は、普通のお茶碗よりひと回り小さいタイプを使っており、知らぬ間にダイエットできていたのかもしれません。
お値段の割にTIPSが詰まった1冊!

「続けられる人」の習慣、ぜんぶ集めました。 (青春新書プレイブックス P 1221)
第1章 続けられる人の「はじめ方」の習慣、ぜんぶ集めました。
第2章 続けられる人の「行動」の習慣、ぜんぶ集めました。
第3章 続けられる人の「考え方」の習慣、ぜんぶ集めました。
第4章 続けられる人の「毎日」の習慣、ぜんぶ集めました。
第5章 続けられる人の「勉強」の習慣、ぜんぶ集めました。
第6章 続けられる人の「お金」の習慣、ぜんぶ集めました。
第7章 続けられる人の「健康」の習慣、ぜんぶ集めました。
第8章 続けられる人の「ダイエット」の習慣、ぜんぶ集めました。
第9章 続けられる人の「運動」の習慣、ぜんぶ集めました。
第10章 「続けられない人」の習慣、ぜんぶ集めました。
【関連記事】
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【目標達成】『小さな習慣』スティーヴン・ガイズ(2017年05月26日)
【編集後記】
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志高く 孫正義正伝 新版 (実業之日本社文庫)
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