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2024年12月13日

【スキルアップ】『トップコンサルタントの「戦略的」勉強法』横山信弘


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トップコンサルタントの「戦略的」勉強法


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事にて、一番人気だった作品。

「絶対達成」シリーズでおなじみの横山信弘さんが、「社会人のための学習法」を指南する1冊です。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
仕事で結果を出し続ける人は「過去」「現在」「未来」に何をどうやって学ぶの?
35歳でコンサルタントに転職し、トップに上り詰めた著者が「20年間毎日」実践している最強独学システム!
「フェルミ推定」「ロジックツリー」「ピラミッドストラクチャー」「アクティブリスニング」「ZOPA」「BATNA」「PMBOK」、さらには「AIスキル」など計20種、コンサルタントだけではなくビジネスパーソン必須の“仕事で役立つ知識・スキル”を最短最速で身に付ける!
与えられて取り組む学生時代の勉強とは全く異なる、新人もベテランも一生使える「社会人のため」の学習法とは?
「時間がない」「何を学べばいいか分からない」も完全解決!

まだ中古が値下がりしていませんから、Kindle版とお好きな方で!







【ポイント】

■1.「フェルミ推定」する上での2つの心構え
 フェルミ推定するときは、次の2つのことに気を付けよう。
(1)割り切り
(2)スピード
 まずは割り切りだ。そのことについて詳しく知らないのに、精緻な答えなど出せるはずがない、と割り切る。 (中略)
フェルミ推定にはスピード感が大事だ。採用面接では、5〜10分程度で解答しなければならない。そのため、どこで妥協するか。その妥協ラインを常に考えておかなければならない。
 採用面接ではなく、新事業を考えるとき、マーケットを分析するときなら、たっぷり時間はある。とはいえ、1時間も2時間もかけてフェルミ推定すべきではない。考えすぎるとやり抜く力が落ちる。フェルミ推定に慣れないうちは、精度が低くても、必ず時間を決めてやり抜くようにしよう。キーワードは「Quick&Dirty(「完成度は低くても素早く」という意味)」である。


■2.相手の頭を整理する
 質問には「相手の頭を整理する」というとても便利な機能がある。意図していなくても、誰かに質問をしていたら、
「君のおかげで、なんだか頭が整理できたよ」
 と言われたことはないだろうか。何気なく質問するだけでも、相手が自発的に考え、頭を整理するのに役立つことがある。
 相手の頭を整理するには、5W2Hの疑問詞を使って質問しよう。そして、そこで出てきた情報を仕分けしてあげるといい。
 効果的な質問をすることで、相手の頭は整理されていく。コツは2つだ。とりあえず、この2つだけを覚えておけばいい。
●要るものと要らないものとを分ける
●順番どおりに並べる
  要るものと要らないものとを仕分けするには、目的や目標について質問するのが一番早い。目標と達成時期が具体的になれば、自動的に何が必要で、何が必要でないかがわかってくる。そして質問によってアクションの解像度を上げられる。何を先にやらなければいけないのかも、おのずと気付くことだろう。


■3.交渉力を身につけるための私の学習法
 最後に、私が交渉力を活用してやっている事例を紹介する。それは「トレードオフ」が発生した場合のときだ。トレードオフとは、両立できない関係性のこと。たとえば一般的に、
価格が安い&品質が高い
 は両立しないと言われる。(中略)
「圧倒的に安く、最高品質の製品がほしい」と言われても現実的には難しい。私どものようなコンサルタントの場合、トレードオフの関係になるのは品質と納期の関係が多い。また、
納期が短い&品質が高い
 も両立しづらい。ある程度の品質を求められれば「少し時間がかかります」と言わざるを得ない。(中略)
「そんなに時間をかけられない」
「そこまでの人員をプロジェクトに参加させることは難しい」

 このように言われたら、どこが「落としどころ」なのか考える。最善策ばかりを考えていると、物事が進まない。


■4.同じ著者の本を読む「垂直読書」の3つのメリット
 1つ目のメリットは、やはり著者の思考パターンをしっかり理解できるようになることだ。
 1冊や2冊では無理だが、連続して4〜5冊をシャワーを浴びるように読んでいると、まるで「かばん持ち」をしているような錯覚を味わうことがある。(中略)
 2つ目のメリットは、1つの視点にとらわれない多角的な思考が手に入ることだ。「垂直読書」を続けていると、
「こんな成功者でも、このような時代があったなんて」
「こんな気持ちの切り替え方があるのか。やはり違うな」

 と、驚くことがある。(中略)
 小宮一慶氏の『ビジネスマンのための『読書力』養成講座』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)という書籍を私はよく読み返す。この書籍の冒頭には、小宮氏が幼いころに「読書音痴」であったことが書かれてある。そして読書を通じて財務の知識を得たり、コンサルティングの腕を磨いたりしたとも書かれてあり、驚かされる。カリスマ的な恩師に鍛えられたわけでもなかったわけで、大変勇気づけられる内容だ。
 このように、困難な状況をどう乗り越えたのか? その具体的な解決策を見つけ出せるのも大きい。これが3つ目のメリットである。


■5.デジタルスキルを習得する
 IT人材とは、IT技術に精通しており、情報システムの設計や開発、導入、運用を担う人材だ。会社の中でいえば情報システム部門で働いている人がIT人材と言えるだろう。(中略)
 つまりIT企業に転職する気がない限り「プログラミング」や「データサイエンス」を勉強する必要はない。
 いっぽうデジタル人材は、導入されたIT技術、情報システムを活用して会社に貢献したり、新しい付加価値を生み出したりする人を指す。すべてのビジネスパーソンが対象だ。(中略)
デジタル人材は成果を出すためにITツールを「使いこなす」ことが求められる。ハッキリと書こう。IT人材に必要なスキルと比べ物にならないほど簡単だ。苦手意識がある人はそれを克服し、覚えて慣れるだけでいい。
●上司に報連相するとき
●お客様との商談の準備をするとき
●企画書のフォーマットを標準化するとき
 このようなシチュエーションで最先端のデジタル技術を日々使いこなしていく。それだけでデジタルスキルを身に付けることは可能だ。


【感想】

◆かつては「勉強本ブログ」とまで呼ばれていたほど、勉強本を読み漁ってきた私にとっては、本書は類書とはかなり異なったアプローチをしている作品のように感じました。

もちろん、受験を目的としない勉強本(個人的には「広義な意味での勉強本」と呼んでいます)も、それなりには読んできたものの、それらとも異なるテイスト。

思うにそういった勉強本は、冒頭の内容紹介で言うなら「ビジネスパーソン必須の“仕事で役立つ知識・スキル」のうちの「知識」を身に付けるためのものだったかと。

一方本書は、知識もさることながら、どちらかというと「スキル」を身に付けることにフォーカスしています。

ただし、「ビジネスパーソンが、仕事で必要なスキルを身に付けるための本」というのは、当ブログでは「ビジネススキル」というカテゴリーでまとめており、いわゆる「仕事術本」と呼んでいる次第。

本書もあまり考えずに、たとえば「フェルミ推定やロジックツリーを"勉強"しよう」みたいに思って買うと、「あれ?」となりかねない気がします(老婆心ながら)。


◆もっとも、ただ本を読んで、知識を得るだけ満足している人に比べたら、スキルとして身につけた方が良いのは当たり前のこと。

本書は冒頭の内容紹介にあるような各項目ごとに、事例を付して理解を促し、ビジネス上で実践できることを目的としています。

この辺は、ただでさえ収録項目が多いのに、触りから実践までカバーする関係上、コンテンツはぎゅう詰め状態に。

おかげでハイライトもかなり引きまくったのですが、ボリュームの関係で大半はスルーせざるを得ませんでした。

と言いますか、上記ポイントの1番目の「フェルミ推定」ですとか、3番目の「交渉力」とか、当たり前ですけど、それだけで本が1冊書かれているテーマですからね?

実際、「フェルミ推定」より「ピラミッドストラクチャー」の方が、全体としてはハイライトの量が多かったですし、人によって響くポイントも違ってくると思います。


◆また、上記ポイントの2番目は、「質問力」の節からのもの。

著者の横山さんはコンサルタントだけに、クライアントに対する質問をすることで、相手の頭を整理しているそうです。

ちなみにこれは「質問の3大機能」の中の1つで、残りは「知らないことを知る」「相手に考えてもらう」の2つ。

なるほど、3つとも大事……だからと言って、全部抜き出すわけにもいかないですし、後は本書にてご確認ください。

それにしても、この次の節は「コーチングスキル」ですし、そのまた次が、上記ポイントの3番目を抜き出した「交渉スキル」という充実ぶり。

お約束の「ZOPA」や「BATNA」は、リンク先でご覧いただくとして(他力本願)、ここでは「トレードオフ」のお話を抜き出してみました。

確かにこの部分は両立のしようがないですから、本書が指摘するように「落としどころ」を探るのが正解だと思います。


◆一方下記目次にあるように、最終章であるPart4は「職場以外」での勉強法を解説するもの。

さっそく上記ポイントの4番目では、「垂直読書」という読書法が登場します。

これは特定の著者を選び、その著作を一気に精読するというもので、横山さんはここにも出てきている小宮一慶さんや、田坂広志さん、細谷功さん等々の作品はどんなテーマの内容であろうが、買って読むようにしているのだとか。

なお、このすぐ前には「水平読書」という読書法も紹介されており、こちらはテーマに沿った作品を10冊ほど読むというものです。

コンサルタントが、未知の業界の知識を得る際によくやっている読書法ですし、こちらも併せて身に付けていただけたら、と。


◆そして上記ポイントの5番目は、リスキリングの絡みで話題になっている「デジタルスキル」のお話。

プログラミングやらインターネットセキュリティの勉強をしようか、と思われている方がいらっしゃるかもしれませんが、横山さん曰く「IT企業に転職する気がない限り『プログラミング』や『データサイエンス』を勉強する必要はない」とのことです。

逆に必須なのが、ここでも挙げられているような各シチュエーションでのデジタル技術の活用。

手はじめに挙げられていたのが、「自分の使うアプリの基本操作を完全に理解する」ことで、その際、「メニュー」と「ヘルプ」を使いこなせるすべきなのだとか。

……私はスマホを始めたのがかなり遅く、未だにちょっと苦手意識があるので、この辺は何とかしなくてはいけませんね。

なお、一番最後の節で解説されていた「分解統合練習」は、プレゼンをテーマに練習法が解説されていましたが、こちらもぜひマスターしたいところです(詳細は本書を)。


これからの時代を生き抜くために読むべし!

B0DK83MN6G
トップコンサルタントの「戦略的」勉強法
Part1 トップコンサルタントが教える超効率的な戦略的勉強法とは?
Part2 トップコンサルタントが日々実践している「コンセプチュアルスキル」勉強法
Part3 トップコンサルタントが日々実践している「ヒューマンスキル」勉強法
Part4 トップコンサルタントが「職場以外で実践している」勉強法


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【読書力】『ビジネスマンのための「読書力」養成講座』小宮一慶(2008年09月19日)

これは凄い! 『成功する練習の法則』を便利にする8つのツール(2013年07月22日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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ほんとうの定年後 「小さな仕事」が日本社会を救う (講談社現代新書)

当ブログでもレビュー済みの新書は、Kindle版が300円以上お得。

参考記事:【定年後】『ほんとうの定年後 「小さな仕事」が日本社会を救う』坂本貴志(2022年08月19日)

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ネガティブフィードバック 「言いにくいこと」を相手にきちんと伝える技術

結構ハイレベルと思われるフィードバック本は、Kindle版が1000円弱お買い得。

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管理職の手帳 BASIC100 部下に慕われ、上司に頼られる仕事のヒント

当ブログの読者さん向きの中間管理職本は、Kindle版が1200円以上お得な計算です!


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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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