2024年12月09日
【サプリHACK】『【新版】サプリメントの正体』田村忠司
【新版】サプリメントの正体
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、現在開催中である「東洋経済新報社 129周年記念キャンペーン」の中でも人気の高い健康本。このセールも明日までということで、飛び込みでレビューすることにいたしました。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
このサプリ大丈夫?と一度でも思ったら読む
×膝の痛みにはグルコサミン
×夏場に常温便で届く
×長く飲み続ける
×砂糖フリーのプロテイン
×含有量が多いほど性能が高い
製造側(医療機関向けサプリメーカー代表)だから書けた、業界のヤバい裏側とそれでも飲む価値のあるサプリメント
ベストセラーの最新版!
それでもサプリを飲みたいあなたへ
中古に送料を足すと、ほぼ定価並みですから、このKindle版が700円以上お買い得です!
【ポイント】
■1.市販のサプリメントには問題がまん延?ある大手企業がサプリメント事業に新規参入したいということで、打ち合わせしたことがありました。その企業では市場調査として、市販のサプリメントをいくつか買ってきて、2つのことを調べたそうです。
1つはパッケージ(表示)に記載されている通りの栄養素が確かに含まれているかどうか。
もう1つは「崩壊試験」といって、そのサプリメントが胃の中に入ったときに溶けて崩れるかどうかを調べるものです。サプリメントも医薬品も、胃の中で溶けなければ吸収できません。医薬品は溶けるスピードの基準がきちんと設けられていますが、サプリメントは食品扱いのため、そのような基準がないのです。
結果はどうだったでしょうか。
まず栄養素ですが、記載通りに入っている方が珍しいくらいで、多くが記載の値以下だったそうです。
また崩壊試験の方はというと、待てど暮らせど溶けないものがいっぱいあったそうです。固めるための添加物、 賦形剤を大量に入れて、しっかり固めてしまっているからでしょう。(中略)
栄養素がパッケージの記載通りに含まれておらず、その「少ない栄養素」さえも溶けないので吸収されないというのはジョークにもなりません。
■2.大規模な広告を打っているサプリメントはおすすめできない
テレビ通販でも有名な某サプリメント・メーカーの営業担当の方にお目にかかったことがあるのですが、その方は「うちの製品は品質がいまいちだから、お金を投入してマーケティングしなきゃならないんです」とおっしゃったのです。
私は啞然として、返す言葉もありませんでした。大量にCMを流していて、名前を出せばどなたもご存知であろう、あのサプリメント・メーカーです。
もちろん、こんなメーカーばかりではないと思います。「うちは赤字覚悟で1万円のサプリメントに6000円分の原料を使っている」という志のあるメーカーさんもあるかもしれません。しかし多くのメーカーはそうではないでしょう。
そういったことを総合的に考えると、テレビや雑誌などで派手に大規模な広告を打っているサプリメントは、おすすめできないといわざるを得ません。
■3.「サプリメント」を薬剤師さんから買う
ここで申し上げているのは、正確には「サプリメント」ではなく、ビタミンやミネラルを含んでいる医薬品のこと。薬局などで「第○類医薬品」という表示で販売されているものです。これらは、薬剤師や登録販売者のいるお店でしか買えないことになっています。
たとえばビタミンB群であれば、エーザイの「チョコラBB」やアリナミン製薬の「アリナミン」などが有名です。同じ「チョコラBB」にも、「医薬品」と「指定医薬部外品」や「食品」があり、もちろん医薬品の方が性能や品質は上と考えられます。
同じようにビタミンCを摂りたいならアリナミン製薬の「ハイシー」、ビタミンEならエーザイの「ユベラ」などがあります。
どちらにしてもドリンクタイプのものは、糖分や人工甘味料、香料などが含まれていることが多いので、カプセルや、錠剤タイプがおすすめです。
こうした医薬品の栄養剤は、激安サプリメントに比べたら高くつくでしょうが、むやみに高価なわけではありません。
サプリメント選びであれこれ迷うより、薬剤師さんに相談して、こうした医薬品から選ぶのが安心です。
■4.サプリメントも鮮度が大事
野菜や魚と同じように、サプリメントも「鮮度」が重要です。
特に、抗酸化物質と呼ばれる栄養素やオメガ3系脂肪酸などは、とても酸化しやすい性質を持っています。
いったん開けたらなるべく早く、できれば1カ月で飲みきってほしいと思います。長くても2カ月を限度としてください。
封を開けてから何カ月も置いておく方がいらっしゃいますが、湿気と酸素で栄養素はだんだんと減ってしまいます。せっかくサプリメントに含まれる栄養素をきちんと摂取できないのはもったいないですから、早めに飲みきることをおすすめします。
その意味でも大量買いはせず、飲みきれる量をこまめに買いましょう。通販などで「まとめ買いがお得」という売り方をしているところがありますが、サプリメントに関しては「まとめ買いは損」だと思ってください。
■5.悩みや症状に合わせたサプリメント(抜粋)
●便秘便秘便秘時にはグアガムなどの食物繊維や、ケストースなどのオリゴ糖、マグネシウムがおすすめです。腸の環境を改善するため、下痢の項目でご紹介する有用菌、グルタミン、ビタミンA、亜鉛も役に立つと思います。●下痢腸内の環境を整えるための有用菌、食物繊維、オリゴ糖、グルタミン、ビタミンA、ビタミンD、亜鉛などがいいでしょう。
有用菌は自分の体と相性のいいものを探すことをおすすめします。ヨーグルトやサプリメントがいろいろな会社から出ていますが、菌がそれぞれ違います。いろいろ試してみて、ご自分に合ったものを探してください。相性のいいものに巡りあえば、2〜3日で違いが実感できると思います。
なお、ヨーグルトを食べるときは空腹時を避けることをおすすめします。空腹時は胃の中の酸性が強く、ヨーグルトの乳酸菌が死んでしまうからです。
【感想】
◆かなりぶっちゃけた内容を含む作品でした。正直、ここまで書いていいのかな、と思うくらい。
著者の田村さんは、冒頭の内容紹介にもあるように「医療機関向けサプリメーカー代表」ということですから、私たち消費者に直接売るのではないにせよ、業界内部ではちょっとした問題にでもなりそうです。
特に上記ポイントの1番目なんて、サプリ業界全体に対するdisのようなものでしょう。
具体的な不良品の割合は書いていないものの、「栄養素があり」かつ「適切に溶ける」ことができなければ、サプリの効果は望みようがありません。
それにしても、食品扱いだからといって、基準がなくても良いものなのか……。
◆上と同じく第1章から引用した、上記ポイントの2番目はさらに輪をかけて問題アリ。
そもそも大量にCMを流しているサプリメーカーだなんて、数も限られていますし、それにこの話をした営業担当氏の会社以外も似たようなものかもしれません。
ちなみにテレビ通販でサプリを売る場合、田村さんが話を聞いた会社では、製品の売上のうち、テレビ局が6割、さらにその番組を企画した会社が残りの半分を持っていくのだそうです。
つまり、1万円の売値でも、メーカーに残るのは2000円のみ。
それなら、こうした宣伝費がかからないメーカー……たとえば、ネットワークビジネスならば?、という考えを先回りして、本書ではその件についても言及しています。
しかし、よく考えてみてください。流通コストがかからないといいますが、ディストリビューター(会員)には「報酬」が支払われています。 (中略)なるほど、確かに。
しかも、どのネットワークビジネスも「うちは他社よりコミッション(報酬)が高いから有利」といって会員を誘い合っています。これは、「うちは他社より流通コストが高いですよ」と宣言しているのと同じことです。
◆「それならどこで買うのが正解なの」という疑問に答えてくれるのが、本書の第2章。
上記ポイントの3番目は、ここから引用したものになります。
と言いますか、私も薬局で薬剤師さんに相談する、という手は目からウロコでした。
そういえば私も以前、胃痛のため「ガスター10」を買いに行ったところ、第1類医薬品ということで、薬剤師さんと話をした上で買った記憶が……。
この場合は、あきらかな身体的な問題(胃痛)があり、諸々確認されたわけですが、身体的な悩みレベルで同じようなことをすれば良いのでしょうね。
◆一方、第3章ではサプリの飲み方等が指南されています。
たとえばあまり考えたことはなかったのですが、薬の飲み合わせですとか。
また、タイミングも食事と一緒に摂るのがデフォルトではあるものの、空腹時や、逆に食後2〜3時間後が望ましいサプリもありました(詳細は本書を)。
そんな中、上記ポイントの4番目の「鮮度」も意識しておきたいところ。
私の場合は、効くか効かないか分からないサプリに大金をつぎ込めなくて、コンビニで売られているようなDHCの60日分がせいぜいでしたが。
◆なお、第4章では「お悩み・症状別栄養素の摂り方」と題して、6項目30症状ほどの具体的な栄養素が挙げられています。
上記ポイントの5番目はその中から「便秘」と「下痢」という、極めて私の個人的なお悩みの部分を抜き出したもの。
そういえば、以前類書で読んで、食物繊維のグアガムを含んだ製品を私も使い始めていたのでした。
サンファイバー 1kg
現在3袋目を消化中で、なかなかお通じには良い感じかな、と。
もちろん、他にもアンチエイジングから、糖尿病、疲労回復、更年期障害等々、数多くの症状がありましたから、ご自身にあった部分をご覧ください。
サプリメントと正しく付き合うために読むべし!
【新版】サプリメントの正体
序 章 アラフィフ女性Tさんのサプリメント事情
第1章 あなたの知らないサプリメントの正体
第2章 損しない、サプリメントの賢い選び方、付き合い方
第3章 何をどう飲めばいいのか──サプリメントのトリセツ
第4章 お悩み・症状別栄養素の摂り方
第5章 一番大事な身体の仕組みとサプリメントとの付き合い方
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【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。ネット社会を生きる10ヵ条
4年以上前に出た作品ですが中古が値下がりしておらず、Kindle版が1700円弱お得。
聞くチカラ
マツダミヒロさんのコミュニケーション本は、Kindle版が800円弱お買い得。
こうして、人は老いていく 衰えていく体との上手なつきあい方
私も既に読んだ方が良さげな1冊は、Kindle版が900円弱お得な計算です!
【編集後記2】
◆一昨日の「講談社 2024年ベスト」の記事で人気が高かったのは、この辺の作品でした(順不同)。信じ切る力 生き方で運をコントロールする50の心がけ
参考記事:【自己啓発】『信じ切る力 生き方で運をコントロールする50の心がけ』栗山英樹(2024年04月15日)
わが投資術 市場は誰に微笑むか
疲労とはなにか すべてはウイルスが知っていた (ブルーバックス)
温めれば、何度だってやり直せる チョコレートが変える「働く」と「稼ぐ」の未来
よろしければご参考まで!
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