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2024年11月29日

【言語化?】『こうやって頭のなかを言語化する。』荒木俊哉


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こうやって頭のなかを言語化する。


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事にて、一番人気だった1冊。

著者の荒木さんの前作である『瞬時に「言語化できる人」が、うまくいく。』の実践編とも言える作品です。

アマゾンの内容紹介から。
10万部突破のベストセラー『瞬時に「言語化できる人」が、うまくいく。』の著者が、1000人以上のメソッド体験者の生の声を活かしながら、約1年という時間をかけて新しい言語化メソッドを開発!
それが本書の「言語化ノート術」である。
そもそも言語化力は、だれにでも必ず身につけられる能力だ。
「言語化を習慣にすること」
これができれば……だ。
ただ、これが本当に難しい。
そこで本書の「言語化ノート術」は、1日3分&3ステップで実践できる超シンプルな設計になっている。
時間をかけずに無理なく続けられる。
続けやすいから確実に成果が出る。
とにかく5日間だけやってみてほしい。
そのとき、あなたは確実に変わっている。

中古が値下がりしていない一方で、Kindle版は「15%OFF」とお買い得です!






【ポイント】

■1.思考とは自問自答
私はコピーを考えるとき、もう1人の自分に次々と問いかけをしながら、過去の経験を思い出したり、自分が感じていることを引きだしたりして、言葉を探っていきます。
 コピーライターがコピーを考える時間というのは、自分に問いかけをしながら自分で自分の話を聞いていく時間なのです。
 さらに言うと、その時間は、さきほどのラジオの事例からわかるように「自問自答」の時間でもあります。
 そもそも、「思考とは自問自答」です。
 この本の帯に「思考」という言葉が入っていますが、思考することは、自分で自分の話を聞くことと、まったく同じ行為なのです。
「思考量=自問自答する量」であり、「思考の質=自問自答の質」です。
 つまり、コピーライターは、自問自答を繰り返しながらコピーをつくっているのです。


■2.「できごと→感じたこと」の順番で聞く
 さきほどのネーミングの事例を振りかえると、コピーライターのEさんは、社長に会社名への思いを聞いていく際、こんな問いかけをしています。
どういうときに言いやすい会社名がいいと思われるんですか?
ほかに、電話以外でよく会社名を口にする場面はありますか?
 この2つの問いかけをきっかけに、社長の頭のなかが、どんどん言語化されていきました。ここに言語化につながる聞き方のコツがあるのですが、2つの問いかけの共通点は、なんだと思いますか? 少し考えてみてください。
 ……正解は、過去の印象的な「できごと」を思い出してもらうような問いかけになっているという点です。
 このように、まず「できごと」から聞いていくと、思いや意見は言語化しやすくなります。


■3.「のはなぜか?」を足して問いをつくる
 それでは、どうすれば、あなたがためたシンプルなメモから問いをつくれるのでしょうか? 実は、とても簡単な方法で実現可能です。
 その方法とは、
 ためたメモの最後に、「のはなぜか?」の6文字を足す。
 たった、これだけです。  
 さきほどのプレゼンのメモを例にすると、
プレゼン終了。テンション上がった。
 のメモに対して、
プレゼン終了。テンション上がった。 のはなぜか?
 のように、最後に「のはなぜか?」の6文字を足すだけです。これだけで、ためたメモを活用して、次から次へと自分への問いが自動生成されます。
 さきほど、問いを立てることが難しいとお話ししましたが、そのつまずきポイントを、このたった6文字で解消することができるのです。


■4.シンプルな1行の「結論」にまとめる
 さて、ノートから同じ言葉や似た意味の言葉、何度も出てくる印象的な言葉を見つけて印をつけたら、次は今の自分にしっくりくる1行にまとめていきます。
「まとめる」が少し抽象的なので、言いかえてみると、「問いに対する現時点での自分なりの『結論』を出す」ということです。
 今回の事例なら、「プレゼンでテンションが上がった」理由について、今のあなたが、どうとらえているか。それを、さきほど 前記 で印をつけた言葉をもとにシンプルな1行で結論づけていきます。(中略)
 今回のプレゼンの事例だと、たとえば、このようになります。
プレゼンでテンションが上がったのは、
相手に認めてもらえたから
 この「結論」には、正解があるわけではありません。自分なりにしっくりくる1行になっていたら、それで充分です。


■5.「言語化ノート術」で「具体」「抽象」思考に取り組む
 すでにお気づきかもしれませんが、この「具体」⇔「抽象」思考の過程が、実は「言語化ノート術」の実践過程と、ほぼ同じなのです。
step1「ためる」:「できごと+感じたこと」をメモする
     ↓
step2「きく」:頭に浮かんだ言葉をノートに書きだす
     ↓
step3「まとめる」:現時点での「結論」を1行で書く
 この流れは、まさに抽象化そのものです。
 さらに、ステップ3でまとめた「結論」をもとに、今後の「行動」まで言語化しておくことは、一度抽象化した思考を、再び具体化する試みといえます。
「言語化ノート術」は、実践するだけで「具体」「抽象」思考に取り組むことになり、自然とあなたの思考の質が高まっていくように設計されています。


【感想】

◆納得感が高い作品でした。

そもそも本書の前作に当たるこちらなのですが。

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瞬時に「言語化できる人」が、うまくいく。

参考記事:【言語化】『瞬時に「言語化できる人」が、うまくいく。』荒木俊哉(2023年04月06日)

発売が去年の4月で、すでに1年半以上経っているにもかかわらず、中古が1600円弱、とほとんど定価と変わらない人気ぶり。

実はこちらの本でもすでに、「『できごと』だけでなく『感じたこと』も思い出す」というTIPSや、今回とは形式は違うものの、メモを取ることで思考を深めるアプローチは行われていました。

それが本書では、特に「できごと」と「感じたこと」をフックとした「言語化ノート術」を作成することで、言語化力を磨く仕様になっています。


◆そこでまず、高い言語化能力を誇る職種であるコピーライターの、思考の根底にある「聞く」行為を分析。

まず前提として、コピーライターは「クライアントや生活者の話を聞く」と同時に、「自分自身の話を聞く」ことも行っています。

前者は類書にもあるからいいとして、後者はめったに見たことがありません。

それについて触れているのが、第1章から抜き出した上記ポイントの1番目。

ここで言う「ラジオの事例」というのは、「ラジオをもっと聴いてもらうには?」というお題で、「自分」と「もう1人の自分」が会話している、今回割愛した箇所をさしているのですが、なかなか器用なことをしているのだな、と(詳細は本書を)。

私も頭の中で独り言を言うことはありますが、2人の自分が会話する、という行為はしたことがありませんでしたし、正直上手くできる自信がありませぬ。


◆続く第2章からは、その「できごと→感じたこと」の部分を、上記ポイントの2番目として引用。

特に
まず「できごと」から聞いていくと、思いや意見は言語化しやすくなります。
というところが重要で、逆にストレートに相手の思いや意見を聞いても、相手はこたえてくれないのだそう。
 なぜなら、これまでお話ししてきたように、頭のなかにある思いや意見が「言葉」というかたちになっていないからです。言葉になっていないものは答えようがありませんので、ストレートに聞いても、うまく話してもらえないのです。
なるほど、納得。

さらにこのメソッドを発展させたのが、前述の「言語化ノート術」です。

具体的には第3章に詳しいのですが、まず、上記ポイントの3番目にあるように、「のはなぜか?」を足して問いを作成。

「できごと→感じたこと」は、比較的考えずにできるのですが、「のはなぜか?」が加わっただけで、一気に頭が動き出すのが分かります。

そしてその答えを、ノートの左側の問いの下に書き連ねる……と言葉で言っても分かりにくいので、Amazonの画像のリンクを張っておきます。

本書の「言語化ノート術」のフォーマット


◆さらに、「のはなぜか?」の答えとなる書き連ねた文章の中から、印を付けて整理。

最終的には、上記ポイントの4番目にある「シンプルな1行の『結論』」にまとめていきます。

なお、これは前述のリンク先の画像にあるように、ノートの右上半分に記す模様。

さらには、その下には、今後の「行動」まで言語化しておくのが理想です。
 このおまけのステップでいちばん重要なのは、「自分にとっては○○が大切だから、△△に取り組んでいく」ということまで、しっかり言語化しておくことです。
 このように今後の「行動」まで言語化しておくと、同じような場面のときに行動や判断の軸を持てるようになり、さらにいい成果や評価に結びつく可能性が高くなります。
こちらもぜひ挑戦したいところ。


◆ちなみに続く第4章では、実際に「言語化ノート術」を体験した方の実践課程が描かれていますので、こちらもお見逃しなく。

今回は優先順位の関係で割愛したものの、なかなかぶっちゃけベースで面白かったです。

そして上記ポイントの5番目は、第5章からのもの。

この章では「言語化ノート術」を実践することで得られるプラスの変化が紹介されています。

その1つが「質の高い思考を手に入れる」ことであり、具体的にはこの「『具体』『抽象』思考」。

当ブログでは細谷功さんの本を中心に、何度かご紹介している思考術です。

上記の「行動」まで言語化しておけば、そのまま「『具体』『抽象』思考」に取り組めるとあっては、これは実践せざるを得ませんね。


言語化を習慣にするために読むべし!

4569858228
こうやって頭のなかを言語化する。
第1章 言語化力の高い人がやっていること
第2章 こうやって自分の話を聞いていく
第3章 一瞬で思考がまとまる超効率メソッド
第4章 【実践】「言語化ノート術」5日間体験
第5章 「言語化体質」になれば、うまくいく


【関連記事】

【言語化】『瞬時に「言語化できる人」が、うまくいく。』荒木俊哉(2023年04月06日)

【キャッチコピー】『ひとこと化 人を動かす「短く、深い言葉」のつくり方』坂本和加(2023年03月03日)

【抽象化?】『メモの魔力 -The Magic of Memos-』前田裕二(2020年09月13日)

【言葉】『「言葉にできる」は武器になる。』梅田悟司(2018年10月08日)

【抽象化?】『具体と抽象』細谷 功(2017年04月03日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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当ブログでレビュー済みの黒川先生の新書は、中古が値崩れしていますが、送料を足せばKindle版がお得。

参考記事:【女性脳?】『妻のトリセツ』黒川伊保子(2018年10月22日)

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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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