【有料noteの秘訣?】『ｎｏｔｅ副業の教科書』安斎響市:マインドマップ的読書感想文

2024年11月22日

【有料noteの秘訣?】『ｎｏｔｅ副業の教科書』安斎響市

【本の概要】

◆今日ご紹介するのは先日の「未読本・気になる本」の記事の中でも人気の1冊。

私、個人的にも、noteにおける文章術やマネタイズの考え方について、学ぶところが多かったです。

アマゾンの内容紹介から。

会員登録数777万人を超えた、話題の文章投稿プラットフォーム「note」（ノート）。
その特徴は、誰でも自由に投稿できること、そして、自分の創作物に値段を付けて売ることで「お金を稼げる」こと。
一般会社員のnote活用成功例であり、noteをきっかけに書籍4冊を出版、独立も果たした筆者が書く、誰でも今日から初期投資ゼロ・在宅マイペースで副収入を得る方法のすべて。

中古が値下がりしていない一方、Kindle版は若干ですがお求めやすくなっています！

【ポイント】

■1.noteの4つの収益手段

　noteでお金を稼ぐ手段は、大きく分けて以下の4つです。
1.　有料記事
　個別の記事に、「最後まで読みたければ300円」など値段を付けて、有料で売る
2.　有料マガジン
　マガジンを作って、複数の記事をセットにして「5本セットで2,000円」などで売る
3.　定期購読マガジン/メンバーシップ
　定期的に記事を書き続けて、「月500円で読み放題」など、読者に定額サブスクで読んでもらう
4.　サポート
　読者やファンからのサポート（いわゆる投げ銭、YouTubeで言うスパチャ）で課金してもらう
　本書で主に説明していくのは、1つ目の「有料記事」の作り方と売り方についてです。
　4つの収益化手段のうち「1. 有料記事」がすべての基本で、まずは1を上手くやれなければ、2～4についても結局は不可能だからです。

■2.noteは集客に強い

　noteはSEOに極めて強く、Google検索からの流入が相当な割合であります。ただ記事を書くだけで、Google検索経由で読んでもらえる可能性がそこそこあるのです。
　多くのブロガーが個人ブログの検索順位を上げるために日々四苦八苦しているときに、noteユーザーは最初から「検索上位を取れる優先権」を与えられているようなものです。
　同様に、プラットフォーム内の回遊率が高いのも大きなメリットです。つまりは、自分で頑張ってSNSなどで一生懸命宣伝したりしなくても、一定数の人はnoteの中で記事を見つけてくれて、自然と読んでくれます。(中略)
　簡単に言えば、ブログとはちがって、何の影響力もない無名の人が初めて記事を書いても、数百人～数千人単位の読者に読まれる可能性があるということです。

■3.無料記事で需要の有無を見極める

　例えば、私が有料記事を書く前に、トライアルで書いて無料公開していた記事は、下記の4つです。
・「私たちは、もう『英語から逃げられない』世代。」
・「日系大手企業は30歳までに退職するべき、たった1つの理由」
・「差別をしているのは誰か？」
・「大企業事件簿① オッパブはコミュニケーション」(中略)
　そして、私の予想に反して、「英語学習の話」はあまり読者からの人気がなく、それよりも「大企業からの転職」というテーマの方がずっと多くの人に読まれるという事実が分かりました。
　当初は、英語をテーマに発信をしようと考えていた私ですが、数字は残酷です。ほとんど誰も読まない英語の話よりは、大企業の働き方、20代～30代のキャリア、転職活動などについて書いた方が多くの人に注目してもらえるんだな、ということを思い知りました。
　その末に、完成したのが、最初の有料記事です。
・【外資系転職】 LinkedIn（リンクトイン）を転職に100%活用する方法

■3.「9割無料」記事をトライアルで書いてみる

　記事の冒頭にちゃんと「有料記事ですが、9割は無料で読めます」と注意書きをしておくと、多くの人は試し読みしてくれます。
　やはり、300円や500円程度であっても、「有料」というだけで読むのをやめる人は一定数います。そういう人たちの心理的なバリアを外してあげるために、「9割無料」という手法を使うのです。そのために、きちんと「ほぼ無料で読めること」を冒頭に明記してください。
　そして、ここで最も大事なのは、「9割無料の有料記事」と言いつつ、無料部分だけでも十分読む価値のある内容にすることです。
　肝心の核心部分を有料パートに隠したり、無料パートだけだと読む価値がないような文章を書いてはいけません。絶対にダメです。
　無料パートだけでも「面白い」「勉強になる」と思ってもらえるからこそ、その先の有料パートも読みたいという期待が生まれるのです。

■5.結論から話してはいけない

　通常、ビジネスでは「結論から話せ」とよく言われます。前置きがやたらと長くて、途中の経緯を細かく説明されても時間の無駄だから、とりあえず結論だけ先にくれ、というのが一般的なビジネスパーソンとしての心構えでしょう。
　しかし、今説明しているのは「上司への報連相の仕方」や「提案書の書き方」ではありません。「有料noteの売り方」です。note記事を有料で販売するという目的を前提にすると、絶対に「結論から話してはいけない」のです。
　第3章で散々、「有料noteの内容は、生々しいリアルな実体験のストーリーを語るのが大事だ」と書きました。
　忘れないでください。あなたが売っているのはストーリーです。
　ストーリーの結末を最初に書いてしまったら、台無しです。その文章を最後まで読む理由がなくなります。すでにクライマックスを知っているのにお金を出すなんて、もってのほかです。

【感想】

◆長らくブログを主戦場にしている私にとっても、非常に興味深い内容でした。

そういえば、私の周りでもnoteを書いている方は結構いらっしゃいます。

特に現在ハマっている藤井風氏のファン界隈の方は、自分のブログを持たず、Twitterやインスタと並行して、noteで長文を書かれている感じ。

詳しくアクセス数を聞いたことはないですが、余裕で私のブログを追い抜いているような気がします（「藤井風氏の話」というだけで読む人が多いので）。

その辺のアクセス関係に関しては、第2章から抜き出した、上記ポイントの2番目でも触れられているところ。

今どき安定してSEOが強いというのは、かなり有利だと思います。

しかも「プラットフォーム内の回遊率が高い」のであれば、きちんと作り込めば、その分、反応も高いかと。

◆しかし、本書の目的とするところは、アクセス止まりではなく、その先である「収益」です。

そしてnoteの収益手段は、順番が逆になりましたが、上記ポイントの1番目にあるとおりで4パターン。

私は1～3までの記事は見た記憶があります。

中でも一番多いのは、1番目の「有料記事」（もちろん、無料が一番多いですが）。

かつ、この「有料記事」がクリアできないと、他の3つは不可能とのことです。

実際、本書ではその有料記事の妥当なお値段や、文字数の目安等についても触れられているのですが、今回はとりあえずネタバレ自重しました。

◆代わりにそういった細かいこと以前の、有料記事執筆までの流れを確認しておきます。

具体的には第4章から抜き出した、上記ポイントの3番目から。

ここにあるように、まずは完全な無料記事で、読者ニーズを探ります。

その結果、自分の思惑とまったく異なる結果が出ても、それに従うということ。

私も未読本記事で、「この本は人気があるだろう」と思って取り上げた作品が、微妙な反応だったことが結構あるので、この感覚はよく分かります。

◆さらに同じ第4章から引用したのが、上記ポイントの4番目の「9割無料記事」。

これはnoteの有料記事における、一番のキモだと思います。

つまり、読者にしてみたら「完全無料記事」ではない以上、普通に考えて「無料記事よりは内容がある」印象を受けるハズ。

しかも、その内容の9割をタダで読めるという「お得感」もあります。

特に残り1割を読ませられるか否かの工夫（目次の付け方）は、結構目からウロコでした（詳細は本書を）。

◆一方、第5章ではnote独自の文章術のお話が登場。

驚いたのが最後のポイントの5番目の「結論から話してはいけない」というTIPSで、これは私が今まで読んできた文章術本の9割以上に反するものです。

理由は納得するものの、下手に長文を読ませて、最後の結論が役に立たなかったら、もう2度と読んでもらえなさそうな……。

他にも見出しの入れ方や期待値のコントロール等、普通の文章や書籍とは異なるロジックがありますから、noteに挑戦される方なら、本書は必読だと思います。

ちなみに本書の著者である安斎さん含め、「noteの売上トップ1000人の年間平均売上は1100万円を超えている」のだそうですから、これは当ブログの読者さん的にには、挑戦してみても良いのでは？

文章好きの副業として、有料noteは要チェックです！