スポンサーリンク

       

2024年11月21日

【脂肪肝】『みなさん、脂肪肝をナメすぎです! - 生活習慣病のリスクを下げる最新知識』栗原毅,栗原丈徳


4847062256
みなさん、脂肪肝をナメすぎです! - 生活習慣病のリスクを下げる最新知識 - (ワニブックスPLUS新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、ネットサーフィンしていて目についた健康本。

私自身、健康診断で「脂肪肝気味」と指摘されていますから、無視できませんでした。

アマゾンの内容紹介から。
健康診断で指摘されていても、具体的な症状が出ないためスルーしてしまう人が多い脂肪肝。今、日本では、脂肪肝の人が激増している。糖質過多の食事、運動不足、ダイエットといった現代人特有の生活習慣が、脂肪肝に直結しているのだ。じつはこの脂肪肝、我々が想像するよりはるかに危険な状態であり、あらゆる生活習慣病のベースにはこの脂肪肝があるという。見方を変えれば、脂肪肝を治せば、病気になるリスクを確実に低減させることができるのだ。
脂肪肝の危険性を訴え続けてきた著者が、そもそも脂肪肝とは何か、そしてスルーしてしまうことの深刻なリスク、また脂肪肝を治すための方法を解説する。

まだ中古が値下がりしていないので、Kindle版の値引がなくとも気にしなくてもいいかな、と……。






【ポイント】

■1.目立った症状が出ないからこそ、危険に気づきにくい脂肪肝
「沈黙の臓器」などと称される通り、肝臓は多少の不具合があっても、わかりやすい悲鳴を上げることなく、けなげに必死で働いてくれます。肝臓に痛みを感じる神経がないことも異変に気付きにくい原因の1つだと考えられます。
 いよいよ限界がきてしまえば、倦怠感や 黄疸 などの症状が見られるようになりますが、そのころにはすでに肝硬変などの深刻な状況に陥っていることがほとんどですし、肝がんにしても何かしらの自覚症状が出て検査を受けたら、相当に進行した状態だったというのはよく聞く話です。
 それは脂肪肝の場合も例外ではありません。
 隠れ脂肪肝の段階ではもちろんのこと、中性脂肪の蓄積が30パーセントを超えるような重度の脂肪肝になっていても、これといって目立った症状はありません。肝機能検査の数値から脂肪肝の可能性が指摘されたとしても、そのまま何もせずに放置してしまう人が多いのも、脂肪肝だからといって別に痛くも痒くも辛くもないからだと思います。
 けれども脂肪肝を放置することは、さまざまな病気のリスクに我が身をさらすことでもあることを決して忘れてはいけません。


■2.非アルコール性の脂肪肝の原因は、脂肪ではなく糖質の摂りすぎ
 炭水化物は、もっとも分子の小さい単糖類であるブドウ糖や果糖に分解されてから、体内に吸収されます。
 そのうちのブドウ糖は、腸を取り巻く毛細血管から血中に取り込まれ、門脈という血管を通って肝臓に直接運ばれたあと、そのまま各器官の細胞に供給され、エネルギー源として消費されます。
 摂りすぎたり、使いきれなかったブドウ糖があると、肝臓はそれをグリコーゲンに変えて貯蔵します。貯蔵されたグリコーゲンは、血液中のブドウ糖が不足した際には肝臓の働きによってブドウ糖に戻され、ふたたび血液中に放出されます。
 ただし、グリコーゲンの貯蔵量には限度があります。だから、ブドウ糖が限度を超えて送り込まれた場合には、肝臓はそのブドウ糖から中性脂肪を生成するのです。


■3.毎食の主食の量を1〜2割減らすことから始めてみる
「糖質ちょいオフ」のポイントは、ご飯やパンなどの主食をこれまでより1〜2割ほど控えめにすることです。
 例えば、いつもお茶碗に中盛のご飯(150g)を食べている場合、それを小盛り(120g)にすれば、それだけで10.7gもの糖質を減らすことができます。それを3食続ければ、合計で約32gもの糖質を摂らずに済ませることができるのです。
 また、6枚切りの食パンを8枚切りのものに変えた場合は、糖質は6.3g少なくなります。朝食は毎日パンを2枚食べるという人なら、6枚切りを8枚切りに変えるだけで、12.6gも糖質を減らすことができるわけです。
 脂肪肝や肥満の方には、私は何よりもまずこのような「糖質ちょいオフ」を勧めています。みなさん最初は、「たったこれだけで本当にいいのですか?」と驚かれるのですが、きちんと実行できた方の脂肪肝や肥満は速やかに改善していきます。


■4.意外と和菓子よりも洋菓子の方が安心
 栄養成分表を見てみると、思うより糖質量が控えめのものもあり、例えば小麦粉の使用量が比較的少ないシュークリームなら一個あたりの糖質量は20gくらいです。これくらいの糖質量であればおやつとして食べたとしても、許容範囲だと思います。
 次々に新商品が発売されるコンビニスイーツの糖質量は30〜40gといったところでしょう。たまに食べるぶんには問題はないですが、毎日食べたいという場合には誰かとシェアしたり、2日に分けて食べるなどして、15〜20g程度に抑えたいところです。最近増えている一個食べても糖質は10g以下というようなロカボスイーツを選ぶ、という手もあります。
 洋菓子よりも和菓子のほうがヘルシーだというイメージがあるかもしれませんが、糖質量はむしろ和菓子のほうが総じて高めです。洋菓子には生クリームやバターが多く使われていて、これらの油脂の効果で血糖値の急上昇も抑えられます。そういう意味では、和菓子より洋菓子のほうが安心だと言えるかもしれません。


■5.経済格差が健康格差を生む
 脂肪肝の患者さんが増えている背景には、年々顕著になっていく格差社会が暗い影を落としているのではないかと私は感じています。
 例えばこの本で問題視した果糖ブドウ糖液糖などの異性化糖も価格を抑えるため、安いものほど多く使われているようです。あらゆるものに使われているとは言え、健康をお金で買うことができる人たちであれば、それを使わない商品を手に入れることは不可能ではありません。
 世界的に見ても、「肥満・脂肪肝・糖尿病」などは貧困層で急速に増えています。なぜなら安いものに頼ろうとすると糖質に依存した飲料・食事になりがちだからです。わが国も、この10年程で「決して豊かな国」とは言えなくなってきました。この先に、さらに格差が広がるようようであれば、肥満・脂肪肝・糖尿病が増加の一途を辿ることになるのではないでしょうか。


【感想】

◆正直な話、脂肪肝というのは、お酒飲みの人がかかる病気であって、私には無縁だと思っていた時期もありました。

実際、脂肪肝にもアルコール性と非アルコール性があって、原因からして分かりやすい前者に対して、後者はあまり知られていないかも。

しかし実はこの後者の方がかなり問題らしく、本書の「はじめに」によると、健康診断におけるALT値が20を超えていたら、「『隠れ脂肪肝』の状態」なのだそうです。

……昨年の今頃の診断結果が見当たらないのですが、私はお医者さんに指摘されていますから、余裕で超えていそうな気が。

ただし、第1章から引用した上記ポイントの1番目にあるように、具体的な症状(痛み等)がまったくないので、そのまま暮らしてても。特に問題ないんですよね。

とはいえ、着々と肝臓には脂肪がたまっていっているのですが。


◆そして、勘違いされやすいのが「脂肪肝」と言っても、その原因となるのは、食事に含まれる脂肪のせいではない、ということ。

むしろ問題なのは、普段の生活における糖質の摂りすぎです。

第2章からによる上記ポイントの2番目では、その仕組みについて一応述べましたが、結局は糖質が悪いということ。

この糖質というのは、普段の食事やおやつ、さらに意外なところでは果物によるものであり、特に果物はかなりの悪影響を与えるようです。
 果物には、ビタミンや酵素も豊富なので、たくさん食べることで健康になれると考えている人は多いかもしれません。
 けれども、そこに多く含まれる果糖のリスクに目を向けずに摂りすぎてしまえば、知らぬ間に脂肪肝を発症し、それがさまざま病気の引き金にもなりかねないことをどうか忘れないでください。
私も一時期、健康のために、毎日せっせとドライプルーンを食べていた時期がありまして、これはかなり良くなかった模様。


◆しかし、こうした脂肪肝もどきの状態は、頑張ればリカバリーできるそうで、その方策について述べられているのが、本書の第3章と第4章です。

まず第3章では食事対策が登場しており、上記ポイントの3番目の「主食減らし」は、その王道とも言えるでしょう。

私がガチで糖質制限していた頃は、ご飯も一切食べなかったのですが、これはこれで別の問題があるので論外。

逆にこうした「ちょいオフ」ならば、実践できる方も多いと思います。

なお、減らした主食の分は、たんぱく質で補えればベスト。

私も小腹がすいたら、こんな感じの豆腐バーをよく食べております。

B0DLP14LD4
アサヒコ 豆腐バー 日高昆布と大豆 1本


◆また第4章でも、食事の話は出てきており、そこから抜き出したのが上記ポイントの4番目。

なるほど、カロリー的には和菓子より洋菓子の方が高いものの、糖質、という点から見たら、洋菓子に軍配が上がるのですか。

今まではコンビニスイーツもカロリーしか見てませんでしたが、これからは糖質量も見なくては。

そして最後のポイントの5番目は、実は巻末の「おわりに」から引用しました。

値段を気にしてファストフードやジャンクフードばかり食べていると、太ること以上に、脂肪肝のリスクが大きくなってしまうとは。

この話題も、今まではアメリカの話のような気でいましたが、すでに私たちも他人事ではありません。

さっそく今日から、健康的な食事や、今回割愛した運動も意識したいと思います。


脂肪肝をナメないために読むべし!

4847062256
みなさん、脂肪肝をナメすぎです! - 生活習慣病のリスクを下げる最新知識 - (ワニブックスPLUS新書)
第1章 軽く見てはいけない脂肪肝
第2章 脂肪肝と無縁な人はほとんどいない
第3章 怖い脂肪肝も意外なくらい治しやすい
第4章 血糖値を下げない工夫で脂肪肝はどんどん改善する
第5章 脂肪肝に効くオーラルケアと運動習慣
第6章 多くの誤解が人々の健康を脅かす


【関連記事】

【健康】『ズボラでもラクラク!1週間で脂肪肝はスッキリよくなる』栗原毅(2024年07月08日)

【健康】『名医・専門家に聞く すごい健康法』週刊新潮 (編集)(2023年10月27日)

【内臓脂肪?】『内臓脂肪を最速で落とす 日本人最大の体質的弱点とその克服法』奥田昌子(2018年01月28日)

【腹凹】『「腹」を8センチ減らす技術』金塚陽一(2012年12月14日)

【食生活】『世界のピークパフォーマーが実践する脳を操る食事術』石川三知(2017年08月09日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

B0B68VDCG3
教養としての「会社法」入門

確かに普通に働いている分には、あまり気にする必要もない「会社法」を分かりやすく解説した1冊。

送料を足した中古よりは、Kindle版が900円弱お買い得です!


この記事のカテゴリー:「健康」へ

「マインドマップ的読書感想文」のトップへ
Posted by smoothfoxxx at 08:00
健康このエントリーを含むはてなブックマーク

スポンサーリンク