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2024年11月18日

【コミュニケーション】『ずるい聞き方 距離を一気に縮める109のコツ』山田千穂


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ずるい聞き方 距離を一気に縮める109のコツ


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、現在開催中である「Kindle (電子書籍) ポイントキャンペーン」の中でも人気の高いコミュニケーション本。

TIPSを列挙するのに「100」ではなく「109」というのも珍しいと思ったら、下記にもあるように、著者の山田さんは記者になられる前に、渋谷109の店員さんだったからではないか、と。

アマゾンの内容紹介から。
109のカリスマ店員から有名週刊誌記者に転身、憎めない“ずるさ”で驚異の“収穫率”を誇る著者。「幼少期の話題で旧知の仲と錯覚」「『イエス』質問×2が会話の突破口」「主語は『私たち』で仲間に」など現場で培った技を一挙公開。

中古が値下がりしていませんから、このKindle版が900円弱お買い得です!






【ポイント】

■1.質問には同じ質問を聞き返す
 こちらから話題を振ったわけでもないのに、相手のほうから何か質問されたら、自分にも同じことを聞いてほしい合図だと思ってほぼ間違いありません。そのときは、相手の欲求を満たすためにも、聞かれたことは必ず聞き返すようにしています。
 取材中に、こちらの質問に答えるより先に「最近、旅行しました?」と聞かれたら、旅行の話がしたいというサイン。そこで、「最近、近場には行きましたけど、○○さんはどちらか旅行されたんですか?」とすぐにバトンを返します。
 このケースは仕事やプライベートでも本当に多いので、聞かれたことには手短に答えて、すぐに聞き返す。このワザは常に意識しておきたいですね。


■2.「ご存知のように」で抵抗感をなくす
 大学教授や専門家をはじめとした識者に話を聞くとき、私が前置きでよく使う言葉が「ご存じのように」です。
 これも一種の褒め言葉で、「あなたのような博識な方はすでにこの話は知っていますよね」と暗にほのめかしているので、「いや知らないです」と言われたことはありません。(中略)
 接客業でもこのワザはよく使いました。
「お客さまだったらすでにご存じだと思いますけど、今この服が大人気で売り切れそうなんです。すでにお持ちですか?」と言って、すでに持っていたら「やっぱり! さすが早いですね」と褒めます。
 もし持っていなかったら「○○さんだったら絶対似合うから、一枚持っていると使えますよ!」と褒めて推すと、ほぼみなさん買っていきました。
 いずれの場合も「ご存じだと思いますけど」は、「お客さまはそもそも流行に敏感な方なので」という褒めを含んでいるので、「追い褒め」をしているわけです。


■3.指摘しても相手の気分を害さない「もったいない」
 以前、すごく博識で仕事もできる上司が、ありえないほど汚いデスクで仕事していて、しかも来客から丸見えでした。
「○○さんはいつも仕事を完璧にこなして取引先からも信頼されているのに、このデスクを見られて『結構だらしない人なんだな』と思われたらすごくもったいないですよね。もう少し片づけたほうがいいと思いますよ」
 こうやんわりと注意したら、「そうかな」とボソッとつぶやいて翌日からちょこちょこ片づけ始めたのです。これがもし、「○○さんのデスクは汚すぎるから片づけたほうがいいですよ」という言い方だったら、「うるさいな」と反感を買うことも。
「もったいない」には、あなたには素晴らしい魅力や能力があるという意味が込められているので、誰も言われて悪い気はしないのです。


■4.仲良くなりたい人には「りそうのあなた」の質問を
 仕事や人生における理想の人と出会ったら真っ先に思い出す質問のキーワードが「りそうのあなた」。これは、私が3年ほど前から意識して使っている語呂合わせです。
り → 流行の「り」で、今その人の中で流行っているもの
そ → そばにあるもの。相手の持ち物や周りにあるもの
う → 生まれ故郷や出身地の話
の → お酒を飲むの「の」。一緒に飲みたいと思った人には「飲むのは好きですか?」と聞いてみる
あ → 空いている日(お休みの日)に何をしているか
な → ナンバーワン。好きな食べ物、趣味、仕事でもいいのでその人にとっての「ナンバーワン」
た → 最近、楽しかったこと
 どれも、理想の人に近づきたいときはもちろん、相手との会話に行き詰まったときも、話を縦に掘り下げ横に広げたいときも使える質問ワザです。


■5.「話を聞いて欲しいだけの人」に余計なアドバイスをしないためには
 では、相談されたら何と言えばいいのでしょうか。
「とりあえず話を聞かせてくれる?」
 これが正解です。悩みがある人は、話をすることで気持ちや考えを整理していきます。そうしているうちに、話しながら自分で答えを導き出すことも多いのです。
 ですから聞き役のほうは、
「そのとき、○○さん(相手)はどう思ったの?」
「それは辛かったね……。○○さんは、本当はどうしたかったの?」
 と、相手を主語にして、相手の気持ちを確認、想像しながら話を聞くだけでいいのです。最後には、相手が「あ、そっか。私はこうするしかないのか。よし、じゃあこうしよう!」と解決策も見えてきて、スッキリした表情になり、「話を聞いてもらってよかった」と思ってくれるはずです。


【感想】

◆ユニークな経歴を持つ著者(山田さん)が書いた作品だけあって、普通のビジネス書とはひと味違った作品でした。

もちろん、109個もTIPSを挙げる以上、ネタ被り的なものも散見はされるのですが、ご本人のキャラゆえのチカラ技もあったりして、必ずしも私たちが実践できるとは限らないものもチラホラと。

そもそも山田さん自身、109の販売員から記者に転身された際には、「元気でおしゃべりなギャル」テイストだったらしく、周囲の人から「騒がしい」と怒られたこともあったそうです。

要は根本的な部分がバリバリの「陽キャ」な方なわけですから、ビジネス書好きな当ブログの読者さんの中には、この時点で「ちょっと無理かも」と思われる方もいらっしゃいそうな。

実際、そういったキャラだからこそハマるTIPSもいくつかあったのですが、上記ポイントではそういったモノはスルーさせていただきました。

同様に、芸能人やその家族からコメントをもらうようなケースで活きるTIPSも、汎用性が低くて、普通のビジネスパーソンにはほぼ関係ないかな、と。


◆逆に上記では汎用性が高いと思われるものをピックアップしたのですが、たとえば第1章から抜き出したのが上記ポイントの1番目。

こちらからの振りに関係なく、相手から質問が来たとしたら、それは相手はその話がしたいから、というのは、なるほどその可能性は非常に高いです。

この場合、調子に乗って自分語りせずに、
聞かれたことには手短に答えて、すぐに聞き返す
ようにしなくてはなりませんからご注意を。

また、第2章から引用した「ご存知のように」は、かつて隣の職場で実践している女性がいました。

確かにそれなりに効果は挙げている(からこそ使っている?)ようではありましたが、多用されると何となくハナにつくんですよね、これ……。

だから、取材や接客のように、一期一会的なケースはいいんですが、使いどころや使う相手は、一応気をつけた方がいいかもしれません。


◆一方、躊躇なく推したいのが、第3章から抜き出した上記ポイントの3番目の「もったいない」。

こういう指摘は、そもそもYOUメッセージではなく、Iメッセージで発すべきものでしょう。

◢◤アイメッセージとは?◢◤意味や使い方、ユーメッセージとの違いを解説 – ルートテック|ビジネスライフとキャリアを応援する情報メディア

「もったいない」も、「私」が感じた印象ですから、Iメッセージの一種のハズ。

さらには、上記引用部分の最後にもあるように
「もったいない」には、あなたには素晴らしい魅力や能力があるという意味が込められているので、誰も言われて悪い気はしない
という利点もあります。

……私も子どもたちに頭ごなしに言うのではなく、こういう言い方をすればよかったような(反省)。


◆また、1つ飛んだ第5章から抜き出した、上記ポイントの4番目の「りそうのあなた」は、山田さんのオリジナルコンテンツかと。

一応ググったのですが、全然ヒットしないので、ご自身で編み出されたものなのだと思います。

なお、使い分けについては割愛してしまったのですが、こんな感じで。

・見た目がオシャレ⇒「流行」「持ち物」

・相手がお酒好き⇒「お酒」

・「出身地」⇒まず自分から開示する

・趣味の話から広げる⇒「休日」「楽しかったこと」「ナンバーワン」


なるほど、これは使えそうです。


◆そして最後のポイントの5番目は、第6章からのもの。

「相談されても解決してはいけない(特に女性からの)」という話は、当ブログでも長年に渡って主張してきましたが、その延長線上にあるTIPSです。

ただし、類書だと「話を聞くだけ」のように、パッシブな姿勢(それだけでもアドバイスするよりマシですが)でしたが、本書はどちらかというとアクティブ。

「相手の気持ちを確認・想像する」という作業は、私はあまり記憶にありません。

なお、女性相手だと普通ないと思いますが、もし「アドバイスが欲しい」と言われたら、
「これは1つの考えとして聞いてもらっていい?」と前置きした上で、「私はこう思う」という文脈で伝えてください
とのことで、これは全面的に同意したいところ。
間違っても、「あなたはこうしたほうがいい」と相手を主語にしてはいけません。
というアドバイスにも、私は深くうなずいた次第(何かを思い出して)。


コミュニケーションスキルをアップさせたい方に!

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ずるい聞き方 距離を一気に縮める109のコツ
第1章 その気がない相手がつい本音を語ってしまうワザ
第2章 気分よく話してもらう魔法のワザ
第3章 心のガードを一瞬で外すワザ
第4章 リスクを一発で回避するワザ
第5章 ずるさを愛嬌に変えるワザ
第6章 聞く前に人が離れていくNG行為
第7章 あざとくてもゆるされる"聞き上手"の習慣


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【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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改訂新版 書く技術・伝える技術 (スーパーラーニング)

当ブログでも人気の高い倉島保美さんの文章術本。

中古がそれほど値下がりしていませんから、Kindle版が1000円以上お買い得となります。


【編集後記2】

◆一昨日の「Kindle (電子書籍) ポイントキャンペーン」の中央公論新社分の記事で人気が高かったのは、この辺の作品でした(順不同)。

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モチべーションの心理学 「やる気」と「意欲」のメカニズム (中公新書)

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カラー版 美術の愉しみ方 「好きを見つける」から「判る判らない」まで (中公新書)

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「定年後知的格差」時代の勉強法 人生100年。大学で学び、講師で稼ぐ (中公新書ラクレ)

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生き物が老いるということ 死と長寿の進化論 (中公新書ラクレ)

よろしければご参考まで!


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