2024年10月28日
【習慣化】『200万人の「挫折」と「成功」のデータからわかった 継続する技術』戸田大介
200万人の「挫折」と「成功」のデータからわかった 継続する技術
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事にて、一番人気だった自己啓発書。アマゾンの32件の平均が「4.8」という、かなり高評価な作品となっています。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
200万ダウンロード超!国内No.1習慣化アプリ「継続する技術」の開発者が膨大なユーザーデータから明らかにした、「続けられる人になる」たった3つの原則
まだ中古の値下がりがないので、Kindle版が僅差で一番お得です!
【ポイント】
■1.目標を下げると成功率が上がる「そうでしょ。それで、いろいろと分析をしたんだ。『目標に具体的な数字があるほうがいいか』とか『運動や勉強みたいな、習慣化する内容で差はつくか』とかね」
「ふむふむ」
「そんな分析を思いつく端からやってみて、かなりいろいろと学べたんだけど、その中でも群をぬいて重要な要素があったんだ」
「ほう! 何ですか、それは」(中略)
「目標の達成にかかる時間だよ。すぐ達成できる目標は続きやすい」(中略)
「成功率を左右する要因はいろいろあるけど、ここまで差が開くものはかなり稀なんだ。どうせやるなら、こういう重要なことから手を打ったほうがいい。同じ努力でも効果が出やすくなるから」
■2.何かの前か後に動く
「うん。『生活にどうしても必要な行動』は多いから、実は僕たちはけっこうちゃんと活動している。そしてこれは、習慣化にとってチャンスなんだ」
「ん? なんでですか」
「活動しているとき、僕たちは『だらだらモード』の外にいるからだよ。ベッドでゴロゴロしているときは面倒でも、シャワーを浴びに立ち上がったついでなら、ちゃんとゴミをゴミ箱に捨てられる気がしない?」 (中略)
「あ、そうかもしれないです」
「これが『だらだらモード』を脱した瞬間だよ。こういうタイミングを狙って、習慣化したい行動をするんだ。そうすれば面倒に感じず、スムーズに行動できる」
「なるほど! すごい作戦だ」
■3.どうしもできないときでも「何かする」
「何かを続けていると、『どうしても今日は難しい』というときは必ずやってくる。そういうときに『明日はやろう』ではなく、どんなに小さなことでもいいから、その日に何かをするんだ。それが、これまで積み上げてきたものをつなぎ止める」
博士は具体例を挙げました。
「『5分の筋トレ』ができないときは『30秒の筋トレ』とか『帰り道に少しだけ遠回りして歩く』くらいの、本当に小さなことでいい」(中略)
「なるほど」
その発想は、「人は1日休むだけで挫折する」「しかし行動が難しいときもある」という問題に現実的な折り合いをつけていて、理に適っていました。
それにより、これまで物事を「やる」「やらない」の二択で考えていた高橋くんは、「少しだけやる」という新たな選択肢を得ました。
■4.2日空いたら最初から
「まず筋トレとかを始めるとき、『30日続いたら成功』みたいなゴールを決めます」
「それはいいですね。終わりがあったほうが、がんばれそうですし」
高橋くんはそのアイデアを歓迎しました。
「それで毎日筋トレをしたら、1日目、2日目と数えていく。それが30日になったら成功」
「なんか楽しそうですね」
「そうでしょ。しかし、ここでリセットルール。2日連続でサボったら、1日目からやり直し。たとえば28日目時点でも2日連続でサボったら、また1日目から」(中略)
「『リセットは嫌だからやろう』って気持ちがなかったら、サボっても『まあいいか』と思っちゃうでしょ。そして『まあいいか』はあっという間に『もういいや』になって、習慣化は終わってしまう」
「なるほど。日数の更新が止まったら、習慣から心が離れてるってことですね。少し厳しいけど、たしかに効果はありそうだなあ」
■5.「しない」代わりに「何かを『する』」
「それも悪くはないんだけど、『しない』目標にはちょっとした技があってね。何かを『する』に置き換えるといいんだ」
そう言って博士は、いくつか例を示しました。◯◯しない目標の例「『1本減らす』とかだと、一日中誘惑に耐え続けないと達成できないでしょ? でも吸いたくなったときに『ガムを噛む』だったら、それをやった瞬間に達成だから、ストレスが小さくて続けやすいんだよね」
● おかしを食べない … 少しずつ小皿に分けて食べる
● おかしを食べない … ヘルシーなおかしにする(中略)
「おお、たしかにそれなら続きそうです」
「もちろん『ガムを噛んだのに本数が減らない』みたいな日もあるけど、それでも平均的には減っていくから、1日単位の結果に一喜一憂せず『ガムを噛んだ! よし』と思うといいよ」
【感想】
◆実は本書の結論は、アマゾンの内容紹介にも最初から掲載されています。原則1:すごく目標を下げるそれを踏まえて、具体例から考え方、実践の仕方等々について述べられているのが本書ということ。
原則2:動けるときに思い出す
原則3:例外を設けない
なお、冒頭の内容紹介の抜き出しだけでなく、アマゾンの内容紹介にも本書の形態が触れられていませんが、本書はいわゆる「夢をかなえるゾウ」メソッドが用いられています。
いわゆる、主人公的な人物が、メンター的な人物(本書だと「博士」)に教えを乞う、というパターンですね。
……上記ポイントで抜き出した部分の大半が会話文なので、言及しなくてもお気づきでしょうけど。
それを「分かりやすくて良い」とするか、「饒舌」と判断するかは、読まれる方にお任せするとして、自己啓発書にはよくあるパターンなので、その点についての是非の評価は個人的にはパスしたいと思います。
◆さて、内容についてはですが、まず上記ポイントの1番目は、「原則1」の部分のお話。
ただ、これはもう習慣化の王道的TIPSで、類書でもよく出てきます。
ちなみに割愛しましたが、本書では目標を「5分以内」と定めていますが、以前ご紹介したこちらの本では「2分」となっていました。
ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣
参考記事:【習慣大全?】『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』ジェームズ・クリアー(2022年01月28日)
また、こちらの本は、タイトルからしてその件をテーマにした作品なのですが、著者は「『腕立て伏せを1回する』ことを目標に掲げ、それがすべての始まりとなった」のだそうです。
小さな習慣
参考記事:【目標達成】『小さな習慣』スティーヴン・ガイズ(2017年05月26日)
さすがに「腕立て伏せ1回」というのは、目標としても低すぎる気はしますが。
◆また、上記ポイントの2番目は「原則2」に該当するお話。
こちらは、いわゆる「if-thenプランニング」に近い内容だと思います。
不安が頭から離れない、考えすぎてしまう。そんな人に試してほしい「If-Thenプランニング」思考法 | ライフハッカー・ジャパン
「if-thenプランニング」はこの本に詳しいのですが、他の作品でも違った名称で何度か登場していたハズ。
やり抜く人の9つの習慣 コロンビア大学の成功の科学 (コロンビア大学モチベーション心理学シリーズ)
参考記事:【科学的自己啓発書】『やり抜く人の9つの習慣 コロンビア大学の成功の科学』ハイディ・グラント・ハルバーソン(2017年07月01日)
さらには、これだけ対策を練ってもできないときには、上記ポイントの3番目にあるように「代わりに何かする」。
こちらも本書によると、あらかじめ何をするか決めておくと良いようです。
◆さて、ここまでは類書で見たことのある、ないしはそれに近い内容でしたが、本書の独自性は、残りの2つのポイントにありました。
まずは上記ポイントの4番目の「2日空いたら最初から」。
これはそもそも、毎日連続してやる前提(習慣の大半がそういうものですが)なのですが、博士(実際には著者)いわく、「1日まではセーフ」というのが、現実的な路線だったようです。
「そうだよね。ここはかなり試行錯誤を重ねたんだけど、どうもルールは厳しすぎても緩すぎてもダメらしい。『厳しすぎると逆効果』とか『緩すぎると意味がない』とかのバランスをとって、現実的に成功率をもっとも高めるのが、『1日まではOK』というルールだったんだ」もちろん、全部通して達成できれば、それに越したことはありません。
◆また、言われてみてなるほど、と思ったのが、上記ポイントの5番目の「〇〇しない習慣」の場合には、「何かを『する』」に置き換えるというTIPS。
確かに「しない」という行為に終わりはありませんが、何かを換わりにしてしまえば、ノルマは達成できます。
これは自分でも、可能な限り試してみたいところ。
もしくは、「何かをしない」ことを物理的に実現してしまう、というのが王道だとは思いますが(「テレビを観ないために処分する」等)。
いずれにせよ、本エントリでは割愛しましたが、データ分析というエビデンスを武器に説得力を兼ね備えた本書は、類書を読んでいる方でも得るところが十分あります。
何かしらの習慣を身につけたい方なら、ご検討ください!
200万人の「挫折」と「成功」のデータからわかった 継続する技術
賢者のからくり
はじめに
プロローグ:あるところにて
原則1. すごく目標を下げる
原則2. 動けるときに思い出す
原則3. 例外を設けない
応用と実践
おまけ:また、あるところにて
あとがき
【関連記事】
【科学的自己啓発書?】『ぼくたちは習慣で、できている。[増補版]』佐々木典士(2024年04月05日)【習慣大全?】『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』ジェームズ・クリアー(2022年01月28日)
【オススメ!】『習慣の力 The Power of Habit』チャールズ・デュヒッグ(2013年04月26日)
【目標達成】『小さな習慣』スティーヴン・ガイズ(2017年05月26日)
【科学的自己啓発書】『やり抜く人の9つの習慣 コロンビア大学の成功の科学』ハイディ・グラント・ハルバーソン(2017年07月01日)
【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。B02 地球の歩き方 アメリカ西海岸 2024〜2025 ロスアンゼルス サンディエゴ サンフランシスコ ラスベガス シアトル ポートランド
おなじみ「地球の歩き方」シリーズのアメリカ西海岸編は、Kindle版が1600円強お買い得。
うまくいかない人間関係逆転の法則
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【編集後記2】
◆一昨日の「早川書房 秋の大感謝セール」の記事で人気が高かったのは、この辺の作品でした(順不同)。イスラエル諜報機関 暗殺作戦全史(上)
Mine! 私たちを支配する「所有」のルール
イスラエル諜報機関 暗殺作戦全史(下)
偶然の科学
よろしければご参考まで!
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