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2024年08月12日

【成功法則?】『ツキの方程式 ――人生は思いがけず変化する』マックス・ギュンター


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ツキの方程式 ――人生は思いがけず変化する


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、現在開催中である「Kindle本(電子書籍) 夏セール」における注目作。

事前に想像していたよりも深い記述が結構あって、思わずハイライトを引きまくりました。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
本書が追及するのは、人生のどんな局面においても変わらず使える方程式である。つまり、誰もが不運を遠ざけて、幸せになるためのものである。そのためには、人とのつながりや自分自身の考えや行動が重要になる。
具体的な方法。それは――1)人間関係を広げる努力を惜しまない。2)事実の重なりや経験からくる直感をはたらかせる。3)チャンスを逃さず勇気ある決断を下す。4)間違ったとわかったらすぐに撤退する。5)事前に悲観的推測に基づいて行動する。――の5つである。
幸運はいつ訪れるかわからない。ならば、その幸運がくる確率を上げ、そのときにしっかり使める体制にしておく必要がある。多くの人を幸運に導いてきた本書が、その方法を教えてくれる。

中古は値崩れしていますが、送料を考えるとKindle版が300円強お買い得です!






【ポイント】

■1.ランダム理論を超える「何か」
 たとえば、何かベンチャーを始めようと思う人は、その前に「運試し」をすべきだ、と彼は言う。
 ギャンブルをしてみてもいいし、または個人的に何か意味のあることで、自分のちょっとした賭けが当たるかを試すのもいい。もしカジノに行ったとしたら、最初は小さく賭けてみて、その日の運がどの程度かを確認する。それで、今日は運が良さそうだとわかれば、大きな賭けに出るのだ。
 ランダム理論では、こんなのはまったくのナンセンスである。はじめに少しの間、幸運が続いたとしても、それは運がその後も続くことを意味しないからだ。(中略)
 ところが、リドルにとってはそうではない。そして、ほかのギャンブラーや投機家など、運に賭けることを生業としている人たちの多くにとっても、そうではない。リドルによれば、運とは「何らかの方法(具体的にどんな方法かは彼も知らない)で、ある人が成功する可能性を、一定期間、高くしたり低くしたりする神秘的な力」である。なかには、この力がどうはたらくかを自分は知っている、と豪語する人もいるが、リドルは謙虚に、その点に関しては何の意見も言っていない。彼が言っているのは、しばらく幸運が続くときには、それを少し前に察知できる、ということ、限られた範囲だが、運を自分の都合の良いように利用できる、ということだけだ。


■2.直感に十分な情報の裏づけがあるかを確かめる
 直感は、前触れなく不意に訪れるものである。突然、わけもわからず「きっとこうに違いない」と強く感じる。その直感が果たして正しいのか否か、どうすれば判断できるのだろう。そのヒントはC・C・ハザードの言葉の中にある。彼はこう言っている。
「不意に直感が湧いたとき、私は自分にこう問いかけます。『それは本当に確かか? ちゃんと根拠はあるか?』と。もちろん、仮に根拠があったとしても、それが具体的にどんなものなのかわかることはまずありません。いくら考えてもわかる見込みはないでしょう。しかし、根拠があるかどうか、またその根拠がどのくらい確かかは、自分に問いかければわかるんです。『もし直感が正しいなら、無意識のうちに根拠となる情報が大量に得られていることになる。自分はそれだけの情報を得られる立場にいると思うか? たとえそれがどんな情報かわからなくても、情報を持っていることだけは確かだと思えるか?』。問いの答えがすべてイエスで、しかも直感が強力なものなら、私はそれに従います」


■3.不運を主張する人の多くは「受け身」
 前述のアブラハム・ワインバーグ博士は、「自分を不運だという人の多くは、非常に『受け身』な人たちです」と言う。  
「運の悪い人たちは、チャンスを生かすべく自ら積極的に動くようなことはなく、ただ起きた出来事にそのまま身をまかせてしまいます。変化を恐れる人が多く、ときには、まったくリスクのない変化でさえ嫌がります。ともかく、状況が変わることが嫌なのです。客観的に見て何も害がなくても、変わるというだけで嫌悪するのです。リスクが実際にどのくらいなのか、よく確かめずに、即座に『そんなギャンブルみたいなことはできないよ』と拒否してしまう。しかし、実はギャンブルでも何でもない。ただ、自分が馴染んでいる場所に居続けたくて、言い訳をしているのです」


■4.ラチェット効果で大損を避ける
 ローブの方法を簡単にまとめると、次のようになる。
 まず、購入する株を選ぶ。(中略)
 購入の翌日、予測もつかない事態が生じて、株価が急落することもあり得る。また、株価は確かに上がるけれども、短い間だけで、その後すぐに下がってしまうこともある。運が良ければ、長期間にわたって上がり続けることもあるが、いずれにせよ、事前に予測はできないし、ましてや、起きることを思い通りに操ったりはできない――他人の行動を操ることができないのと同じだ。実は株式投資も、一部は完全に偶然に左右されてしまうのである。
 とはいえ、1つ確かなこともある。それは、遅かれ早かれ、どの株であれ、価格が下がるときは必ずあるということだ。そのときに「ラチェット効果」をはたらかせるのが、ローブのやり方である。
 自分の所有する株の価格が、購入後の最高値よりも10パーセントから15パーセント下落したら、その株は即座にすべて売却してしまう。その価格が、購入時の価格より高くても安くても関係なく、必ずそうするのだ。


■5.不確実さを受け入れる
 ミシガン州立大学の経営学教授、ユージーン・エマソン・ジェニングズ博士も、自身の研究の中でそのことを確かめている。博士は、企業経営者のどのような資質が成功・失敗を分けているのかを長年研究し、その結果を『Executive Success(経営者の成功)』 という本にまとめた。
 この本の中で博士は、失敗しやすい経営者には2つの特徴が顕著に見られる、という興味深い見解を示している。その1つは、「自分だけは不運に襲われない」と思っていること、もう1つは、「人生で起きるあらゆる出来事を自分の意のままにできる」と思っていることである。
「経営者の仕事は、計画を立てて、その通りに物事を進めていくことです。しかし実際には、偶然、あるいは何かの間違いによって、思いがけず起きることはとても多いのです」と博士は書いている。そして、ずっと成功を続ける経営者は、そういう不測の事態への精神的な備えができているのだという。だから、突然不運に襲われても、混乱したり気力を失ったりすることはない。反対に失敗しやすい経営者は、不運に対する心の準備がないので、ちょっとしたことで簡単にうろたえてしまう。


【感想】

◆本書の著者であるマックス・ギュンターの作品は、当ブログではKindleセールの際に対象作品として、こちらの本を何度かご紹介しています。

B00F36MGDU
マネーの公理

こちらがまた、日経BPさんから出ており、レビューも800超ついて評価平均が「4.3」という人気作ですから、今回ご紹介した作品も、その辺の自己啓発書の著者が書いた作品よりは、はるかに説得力はあるかと。

実際、ギュンターも冒頭の「はじめに」でこのように述べています。
 私は20年以上にわたり、千人を超える人々の人生について調べ、また直接話も聞き、「運の良い人」と「運の悪い人」それぞれにどういう特徴があるのか、両者にどういう違いがあるのかを探ってきた。その結果、運の良い人には見られるが、運の悪い人にはほとんど(あるいはまったく)見られない、という特徴が主に5つあるとわかった。
そして冒頭の内容紹介でも触れているこの「5つの特徴」についても、本書の半分を過ぎた辺りから、丁寧に掘り下げている次第。

逆に、そこまでのパートで「『運』とは何か」という広大なテーマについて触れられており、こちらも参考になりました。


◆まずは第2部が「科学的な見解」であり、その筆頭に挙げられているのが、上記ポイントの1番目の登場する「ランダム理論」です。

これは
1.「絶対に起こらない」ということは何もなく、あらゆることは起こり得る
2.起こり得ることは、必ずいつか起こる
という、身も蓋もないもので、どんなに神秘的な出来事であっても、確率的にゼロでなければ、いつか起こりうるということ。

つまり、ルーレットで15回黒が出てもおかしくはないですし(頻度は低いですが)、逆に16回目から15回連続で赤が出ることもありるワケです。

それを踏まえて、上記ポイントの1番目では、ラスベガスのデューンズクラブの社長で、下記の本を書いたメジャー・A・リドルの考えをご紹介しました。

B0007DZVLS
The weekend gambler's handbook,

なお、リドルはランダム理論に精通しているそうで、この本における確率計算にも誤りはないそうなのですが、それでもこういう考え方をする人が一定数いる、というお話であり、俗に言う「ツキ」「ツイてる」という状態に近いのだと思います。

また、続く第3部では「神秘的な見解」として、「数秘術」「占星術」「予知夢」といった事象についても触れられていますが、この辺は興味のある方にお目通しいただけたら、と。


◆そしていよいよ第4部では、上記の「5つの特徴」が展開されています。

それぞれについて、解説した部分を抜き出しても良かったのですが、それではあまり芸が無い(?)ので、それぞれの特徴の中からハイライトしたのが上記ポイントの2〜5番目。

まず上記ポイントの2番目は「直感」に関するものであり、ここで言う「直感」は、一般的な「直感」とは異なることが明らかにされています。

つまり無意識下の情報や記憶がある場合に限って有用なものであり、逆に宝くじやスロットマシンで何かを感じても、その種の直感は信用できない、ということ。

また、直感が自分の願望に沿っている場合、疑ってかかった方が良いのだそうです。

なぜならその多くが「偽装をした願望」だから……って、これはぜひ意識しておきたいところですね。


◆さらに上記ポイントの3番目は「勇気」のパートから抜き出しました。

なるほど、勇気をもって、新しい環境に飛び込む人の方が、運がめぐってくる可能性が高いのに対して、運が悪い人は変化を嫌う、というのは納得できます。

もちろん軽はずみな行動は避けねばなりませんが、それを一歩踏み出せない「言い訳」に使わないようにしなくては。

そして上記ポイントの4番目にある「ラチェット効果」というのは、「自分のしていることが悪い方向に転がり始めたら、その動きを止める」ことを言います。

引用部分に出てくるローブとは、投資家のジェラルド・M・ローブのことであり、彼はこの投資方法により、1929年や1969年に市場が壊滅的になっても大損を免れたのだとか。

B00WWRMK5M
投資を生き抜くための戦い ──時の試練に耐えた規律とルール

……今回のセールで、この本も大変お求めやすくなってますね。


◆なお、最後のポイントの5番目は、「5つの特徴」からは分かりにくいのですが、最後の「悲観的推測」の部分から引用しています。

過去読んできた「運」や「ツキ」の本では、むしろ楽観的であることが推奨されていた記憶があるのですが、本書ではある意味「真逆」。

ラスベガスのあるギャンブラーも「ギャンブルの弱い人に限って、負け方に対する見通しが甘い」と言っているそうで、少なくとも過度に「楽観的」なことは良くないようです。

実際、上記ポイントの5番目の「失敗しやすい経営者」も同様であり、不測の事態への心の準備が足りません。
 成功した経営者に共通するのは、どんなに慎重に計画を立てても、その計画を狂わせるようなことは絶対に起きる、と理解していることである。もちろん、計画が狂えば良い気分ではないが、それで挫折することはない。計画の狂いがすべて自分のせいだとは思わないからだ。「責任の一端は自分にあるかもしれないが、どうしても不運に襲われるときはあるから仕方がない」と考えるのである。
要は、自分の思い通りになることと、ならないことの区別がついているということ。

逆に「頑張っていれば、きっと良いことがある」という昔ながらの倫理観があると、どうにもならないことでもあがいてしまい、さらに泥沼にはまってしまいますから、まじめな方ほど気をつけていただきたく……。

いずれにせよ、本書によって「ツキ」や「運」に対して、新たな知見を得られたのは収穫でした。


実生活からビジネスまでお役立ちの1冊です!

B091XNB189
ツキの方程式 ――人生は思いがけず変化する
はじめに 運をめぐる不思議な旅
第1部 旅の始まり
 第1章 運の良い人、悪い人
 第2章 2つの数奇な人生
第2部 運とは何か――科学的な見解
 第1章 ランダム理論
 第2章 超能力
 第3章 シンクロニシティ理論
第3部 運とは何か――神秘的な見解
 第1章 数字
 第2章 運命と神
 第3章 占星術と予知夢
第4部 運を良くする方法 運をめぐる不思議な旅 いよいよ核心へ
 第1章 運の良い人は社交性に富む
 第2章 運の良い人は直感力が強い
 第3章 運の良い人は勇気がある
 第4章 運の良い人はラチェット効果をはたらかせる
 第5章 運の良い人は悲観的推測に基づいて行動する


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【幸運!?】『ラッキーな人の法則』に学ぶ7つの法則(2011年12月17日)

【羽生流】『結果を出し続けるために (ツキ、プレッシャー、ミスを味方にする法則)』羽生善治(2010年12月13日)

「運のいい人にはワケがある! 運を鍛える《ゴリラ》の法則」 リチャード・ワイズマン(2005年07月13日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

B012A47N44
新装版 墜落遺体 御巣鷹山の日航機123便 (講談社+α文庫)

毎年、この時期にセールになるこちらの作品は、Kindle版が300円以上お得。

B016BLIG84
保育者が知っておきたい 発達が気になる子の感覚統合 Gakken保育Books

読む人を選ぶ1冊は、Kindle版が1000円弱お買い得となっています!


【編集後記2】

◆一昨日の「Kindle本(電子書籍) 夏セール」のSBクリエイティブ分の記事で人気が高かったのは、この辺の作品でした(順不同)。

B0BTYPPFPV
瞬時に「言語化できる人」が、うまくいく。

参考記事:【言語化】『瞬時に「言語化できる人」が、うまくいく。』荒木俊哉 (2023年04月06日)

B08PK8VRTK
地頭が劇的に良くなるスタンフォード式超ノート術

参考記事:【超ノート術?】『地頭が劇的に良くなるスタンフォード式超ノート術』柏野尊徳(2021年03月23日)

B08XQJ66JB
英語 2語トレ 世界標準の英語が話せる“言語習得の科学”に基づく学習法

B09DL1SRWS
あてはめるだけで“すぐ”伝わる 説明組み立て図鑑

よろしければご参考まで!


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