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2024年07月29日

【モメンタム?】『クヨクヨしない すぐやる人になる 「心の勢い」の作り方』川野泰周,恩田 勲


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クヨクヨしない すぐやる人になる 「心の勢い」の作り方


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、現在開催中である「Kindle電子書籍 ポイントキャンペーン」の中でも人気の高い自己啓発書。

当ブログでは何冊かレビューしたことのある、僧侶で精神科医の川野泰周さんが、コンサルタントの恩田 勲さんとタッグを組んで書かれた作品です。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
なぜ米国人は、マインドフルネスを実践すると行動力が上がり、日本人は動けなくなるのか!?
ChatGPTを開発したアメリカの起業家サム・アルトマンも、斬新なアイデアより、資金よりも大切にしている「モメンタム=勢い」とは?
科学的に「すぐやる人」になる、マインドフルネス×モメンタムの教科書

中古がまったく値下がりしていませんから、このKindle版が800円弱お買い得となります!






【ポイント】

■1.「マインドフルネス」から「モメンタム」へ
 しかし、私にはかねてより問題意識がありました。従来のマインドフルネスは、リラックス効果を通じて心のマイナスをニュートラルに戻すことは得意としていますが、人を力強く行動に駆り立て、心をニュートラルからプラスへ持っていくには、さらなるアプローチが必要なのではないかと。マインドフルネスはあくまでも心の中の自浄力を活用した取り組みであり、上向きに引っ張り上げるよりは、「心を整える」ことに主眼を置いた手法だからです。(中略)
 マインドフルネスの「その先」とは何か。暗中模索を続けるなかで、私はビジネスの世界に「モメンタム」という考え方があるのを知りました。モメンタムの不足こそ、「なんだかパッとしない」心の状態の原因であり、「動けない」人たちの一番の共通点。マインドフルネスはモメンタムとセットで実践することでアップデートされ、より多くの人の人生を支えられるようになる。今は、そんな確信を持っています。


■2.マインドフルネスで先延ばしグセを改善する
 香港教育大学で行われた研究によると、339人の大学生を対象に6ヶ月間にわたってアンケートを実施したところ、マインドフルネス傾向のレベルと先延ばしグセに、反比例の関係があることがわかったのです。つまり、マインドフルネスの傾向が高いと先延ばしグセの傾向が低く、マインドフルネスの傾向が低いと先延ばしグセの傾向が高いということ。また、マインドフルネスレベルを向上させると、先延ばしグセ傾向が減少することもわかりました。「また、先延ばしグセが出そうだ」と思ったら、その場で瞑想しましょう。集中力、判断力が向上し、行動の邪魔をしていたネガティブな想念も消えて、「今、この瞬間」やるべきことに意識を向けられます。


■3.スマホを置いて「10分散歩」
 スマホは、マインドフルネスの「天敵」といってもいいかもしれません。暇さえあればスマホをいじり、食事も会話もスマホを見ながら。さらにはSNSをチェックしたり、ゲームをしたりと、脳が休まる暇がありません。(中略)
 私がおすすめしたいのは、10分でいいので、スマホを持たずに散歩に出かけることです。歩行瞑想とは違い、歩くことが目的ではありません。スマホに触ろうにも触れない時間をつくるために、歩くのです。私(川野)は毎晩、お寺で飼っている柴犬の「太郎」を散歩させながら、この時間をつくっています。
 しばらく歩くと、不思議なことが起こります。スマホに向けて消費していた注意容量が温存されるため、それまで見落としていたものが目に飛び込んでくるようになるのです。例えば、季節の草花や、街かどにできた新しい飲食店。「あれ、こんなところにこんなものが」。この感覚が、マインドフルネスで気づきのレベルがアップしているサインです。


■4.人の手を借りてモメンタムを高める
 自分が心から「楽しい」「面白い」と思うことを、素直にやる。モメンタムを高める最もシンプルな方法です。
 そのせいでしょう。趣味を持つ人はモメンタムが高い。対照的に、趣味がない人はモメンタムが低い傾向があります。(中略)
 もっとも、趣味を持たない人が、努力して趣味を持とうとしても、なかなかうまくはいかないこともあるでしょう。「好きだ」という感情がないまま、「こうすればモメンタムが発動するはずだ」と頭で考えて没入しようとするのですが、どこか手応えがなく、心が動きません。
 そんなとき、おすすめなのは自分には馴染みのないジャンルの「マニア」から力を借りることです。一般には見向きもされないものに熱狂しているマニアの方たちは、きわめてモメンタムが高い状態にあります。そういう人たちのそばにいると、不思議と、自分のモメンタムのレベルが引き上げられていくのです。


■5.思い出の曲を「ワンフレーズ」だけ歌う
 これまでの人生を振り返り、あなたが最もモメンタムが高かった頃の情景を思い浮かべてください。当時よく聴いていた曲や、カラオケで歌っていた歌はありませんか? そんな歌には、当時のモメンタムを呼び覚ます力があります。
 私(恩田)が営業担当としてハイパフォーマンスを発揮していた時代には、X Japanの『紅』がよく流れていました。今でも、モメンタムが落ち込んでいるときに『紅』を聴くと、たちまちモメンタムが蘇るのです。
 他にも、聴けば必ずハイになる曲があるなら、音楽再生アプリでいつでも聴けるようにしておきましょう。私なら、野球応援の定番曲である『コンバットマーチ』や、映画『ロッキー』のテーマ曲、燃える闘魂・アントニオ猪木の入場曲『炎のファイター/アントニオ猪木のテーマ INOKI BOM-BA-YE』は外せません。


【感想】

◆冒頭でも触れたように、著者のお一人である川野さんの作品は、下記関連記事にもあるように、2冊ほどご紹介しておりました。

いずれもベースにあるのは、いわゆる「マインドフルネス」的な考え方であり、本書もそういう意味では、その延長線上にあります。

ただし、本書が若干異なるのが、内容紹介や上記ポイントの1番目に登場する「モメンタム」という考え方。

本書のまえがきには「モメンタム」に関してこのように説明されていました。
 それは「パッとしない状態」から心を引っ張りあげて、さらに活力を与えるような、心的エネルギーのこと。「心を落ち着かせる」のがマインドフルネスだとするなら、「心を勢いづかせる」のがモメンタムといえます。
 実は本来、マインドフルネスとモメンタムは「2つで一つ」のもの。マインドフルネスのルーツである禅には、「心を落ち着かせる」要素だけではなく、「心を勢いづける」モメンタムの要素が多分に含まれているからです。
今まで当ブログでは、川野さんの作品以外にも、「マインドフルネス」を扱った作品を何冊か取り上げていましたが、このようなアプローチは他には無かったと思います。

ちなみに欧米人は、元からポジティブな人が多く、モメンタムがもともと高いところにあるため、マインドフルネス単独でも効果があるのだとか。


◆さて、そのモメンタムを働かせる前に、まずはマインドフルネスをマスターすべし。

本書の第2章では、マインドフルネスのさまざまなやり方が紹介されています。

ただし、川野さんの著作や他のマインドフルネス本と内容的にややかぶるのでその辺は割愛。

もっとも上記ポイントの2番目にある、マインドフルネスが先延ばしグセを改善する、という指摘は初めて知りましたので、ご紹介させてもらいました。

まさにマインドフルネスは、本書のタイトルにもある「すぐやる人になる」に効果があったワケですね。

また、上記ポイントの3番目の「10分散歩」も、スマホを持たないだけで注意容量が増える、というのは、耳イタイところ。

確かに私も、エレベーターに乗ったらスマホを見てしまうのですが、昔であればその時他のことを考えたり、他のことに注意を向けていたのですから、あえて見ない、という取り組みも必要かもしれません。


◆そして第4章からは、いよいよモメンタムに関するアドバイスが登場します。

実はモメンタムには、行動をトリガーにしてヤル気を起こす「着火モメンタム」と、勢いを持続させる「燃焼モメンタム」の2つがあるのだそう。

まず第4章では「着火モメンタム」の方法がいくつか紹介されており、呼吸法やら運動やらがある中、興味深かったのが、上記ポイントの4番目の「人の手を借りる」方法です。

もちろん、本来であれば、自分が没頭する趣味を持つのが一番なのですが、「マニアのそばにいるだけ」でモメンタムのレベルが上がる、というのは目からウロコでした。

実際、著者の恩田さんは、タレントの狩野英孝さんがYouTubeでしているゲーム実況を楽しまれているのだとか。

一方私は当ブログでも何度かご紹介しているように、藤井風さんを応援してまして、先週久しぶりに新曲が出たのでさっそく聴きまくっております。




◆続く第5章は「燃焼モメンタム」がテーマ。

自分のヒーローの「決めポーズ」や、マンガの「決めゼリフ」も効果があるとのこと。

個人的には、上記ポイントの5番目なら、比較的簡単に取り入れられそうな気がします。

ちなみにここで挙げられている「ロッキーのテーマ」は、かなりベタですが、大学時代のゼミの先輩が、就活時にテーマソングにしていて、実際に某テレビ局に合格したので、侮れません。

また、割愛した中では、「ペットとの会話」も
「決してネガティブな言葉が返ってこないから、安心できる」
という点で秀逸かも(単純w)。

さっそく私も、我が家の飼い猫に、夜中に話しかけたのは言うまでもありません。


モメンタムを手に入れるために読むべし!

4492047492
クヨクヨしない すぐやる人になる 「心の勢い」の作り方
1章 「心の勢いづけ」の差が、仕事・人生に差をつける
2章 「心の勢い」で動ける人になる
3章 行動する人になるためのステップ1 心の雑音を断ち切る
4章 行動する人になるためのステップ2 心を鼓舞する
5章 行動する人になるためのステップ3 燃焼モメンタムを焚く
6章 燃焼モメンタムを生み出す心の土台をつくる


【関連記事】

【休息法?】『「精神科医の禅僧」が教える 心と身体の正しい休め方』川野泰周(2018年10月29日)

【自己肯定感】『人生がうまくいく人の自己肯定感: 努力より、環境より、才能より大事なもの』川野泰周(2018年08月06日)

【マインドフルネス】『心が整うマインドフルネス入門 〜ビジネスエクゼクティブが実践するニーマルメソッド〜』ニーマル・ラージ・ギャワリ(2024年05月27日)

【マインドフルネス・ランニング】『心を整えるランニング』ウィリアム・プーレン(2018年03月28日)

【ペップトーク?】『たった1分で相手をやる気にさせる話術ペップトーク』浦上大輔(2017年08月14日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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ウィトゲンシュタイン 論理哲学論考 シリーズ世界の思想 (角川選書)

一応「初学者向け入門書」を自称する1冊は、Kindle版が1100円弱お得。

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あなたは、あなたなりに生きれば良い。―――自分の無意識に気づき、それを認めれば、道は拓ける (三笠書房 電子書籍)

加藤諦三先生の自己啓発書は、中古が値崩れしていますが、送料を足せばKindle版がお買い得。

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【編集後記2】

◆一昨日の「Kindle電子書籍 ポイントキャンペーン」の文藝春秋さんの記事で人気が高かったのは、この辺の作品でした(順不同)。

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デヴィッド・ストーン・マーティンの素晴らしい世界 (文春e-book)

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世界の最新メソッドを医学博士が一冊にまとめた 最強脳のつくり方大全 (文春e-book)

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会話の科学 あなたはなぜ「え?」と言ってしまうのか (文春e-book)

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もう明日が待っている (文春e-book)

よろしければご参考まで!


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