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2024年06月24日

【知的生産術】『読む・聞く、まとめる、言葉にする』松尾美里


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読む・聞く、まとめる、言葉にする


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、本来ならば明日の未読本記事用に、と予定していた知的生産術本。

当ブログでも人気である、インプット&アウトプットのスキルが学べる1冊です。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
「読む・聞く、まとめる、言葉にする」は、あらゆる仕事やプライベートで使える一生モノのスキルになります。
書籍要約サービス「flier(フライヤー)」の編集者・ライターである著者が、読む・話を聞くといったインプットコツ、情報を上手に整理しまとめるコツ、『読む・聞く、まとめる、言葉にする』文章や会話による「言葉にする」コツを紹介していきます。

中古がまだ値下がりしていない一方、Kindle版は「18%OFF」と、新刊であるにもかかわらず、大変お買い得になっています!







【ポイント】

■1.「読む・聞く、まとめる、言葉にする」で1つのスキル
 メンバーとの1on1を例にとりましょう。
 メンバーが話をしやすい空気をつくろうと、相槌やうなずき、ペーシング(話す速度を合わせる) といった非言語的な工夫を心がけている方はいらっしゃると思います。
 もちろんそれらも効果的ですが、もう1つ有効なのが、相手の言葉や想いをまとめて言語化することです。
「あなたの大事にしているのは、こういうことですか?」
「あなたの伝えたいことは◯◯だと受け取ったけれど、どうかな?」
 などと、的確にまとめて、言語化する。これにより、相手は「私の言いたかったことが伝わった」という感覚を得て、さらに心を開いてくれるようになります。
 つまり、1on1というもの1つとっても、「聞く」スキル単体で完結するのではなく、「聞く」「聞いたことを整理する」「その内容をコメント(アウトプット) する」というプロセスでできています。
 究極的にいうと、現代のあらゆる仕事は、この「読む・聞く、まとめる、言葉にする」でできていると考えています。さらには、これらのスキルは独立しているものではなく、4つで1つのスキルとして身につけることで、より効果的に力を発揮できるものです。


■2.積極的に自己開示する
 特に初対面の場合は、相手も緊張していることが多いはず。相手に質問して共通項を探るのもよいですが、こちら側から自分の体験や感想を短く語ることが、話の呼び水になるケースもしばしば。
・商談先のオフィスに行くまでの道のりで見かけたものについて共有する
・チームのメンバーが映画好きなら、1on1の最初でメンバーがおすすめと語っていた映画の感想を伝えてみる
・相手が「大阪府出身です」と言ったら、大阪に行ったエピソードを話してみる
 このように、仕事に関する話だけでなく、プライベートの話を織り交ぜるのが効果的です。些細なことでいいので、自分から積極的に開示していくと、相手も気兼ねなく、自分自身の体験や感じたことを話しやすくなります。


■3.「共感」と「俯瞰」を同居させる
 たとえば、悩んでいる本人が動揺しているときに、一緒に動揺していても「この人に頼っていいのかな」と不安になりますよね。部下の悩みや感じていることに共感を示しつつ、同時に冷静に俯瞰的に思考しなければいけません。
 上司が、部下の気持ちに寄り添いつつも、課題の本質を捉えようとする冷静さも備えていると、部下も信頼して話ができるようになります。(中略)
 まず、話を聞く際は、相手に興味を持って、全身で相手の言葉や非言語的な情報も読み取れるように意識します。極端にいえば、憑依するくらいに相手の言葉・語りに熱心に耳を傾けているイメージです。(中略)
 その一方で、時間配分を考えたり、この場で語られていることは何なのだろうと、読者代表として全体を俯瞰しながら場を客観視したりする自分も必要です。
 両方のバランスをとることは難しいのですが、「相手に共感する自分」「全体を俯瞰する自分」の2つを保つようにしています。


■4.メモの内容を掘り下げるために役立つ問い
 掘り下げるのに役立つ問いとは何か。
 それは、「Why」と「How」を使うことです。
 たとえば、こんな問いを投げかけてみましょう。
・なぜ自分はそんなふうに感じたのか?
・〇〇に対する感情は、どんな価値観からきているのか?
・この気づきや発見がある「前」と「後」で具体的に自分はどう変わったか?
・この気づきは今後自分の考えや人生にどんな影響を与えそうか?
・どこに違和感を抱いたのか?
 など。特に1つ目の「なぜ自分はそう感じたのか?」という、「原因」を探る問いは比較的自問しやすいものです。(中略)
 掘り下げる際のポイントは、経験したことに対して「感情が動いた瞬間」を見逃さないことです。「この考え方は斬新!」「こういう伝え方は心がザワザワする!」「このカフェはすごく居心地がいいな」。こんなふうに感じたら、自分に取材してみましょう。


■5.書いて、減らして、まとめる
 書きながらまとめる。話しながら言いたいことをまとめる。聞きながら文章にまとめる……。これらはどれも、同時に進めようとするとハードルが高いことです。プロであってもレベルの高い作業であり、上手にまとめられないと感じるのも無理はありません。
 このような場合は、「書く」と「まとめる」を分けて考えるのです。
 話を聞いたり、本や文章を読んだりしたあと、自分一人になったとき、いったん頭に浮かんだことをすべて書き出してみましょう。
  まずは言いたいことを まとめようと思わずに書く。書ききったら、そこから大事だなと思う要素を抜き出し、文章を削っていきましょう。
「書いて、減らして、まとめる」
 そうすることで、それぞれのプロセスに集中できて、「まとめる」が上手になります。


【感想】

◆冒頭でも触れたように、当ブログの鉄板のテーマである、「読む」「聞く」「書く」「話す」を扱った作品でした。

ただし、「書く」と「話す」の2つは、本書では「言葉にする」に集約され、その前段階として「まとめる」という作業が入っています。

もちろん「書く」や「話す」も、考えもなしに行っているのではないのですが、本書は「言葉にする」の前段階として、「読む」か「聞く」があって、それを「まとめた」上でアウトプットする、というフローを前提としているかと。

そういう意味でも、上記ポイントの1番目にあるように「4つで1つのスキル」というのもうなずけます。

さらにこの部分を抜き出した第1章では、「読む・聞く、まとめる、言葉にする」を実践することによる、5つの効果を列挙していましたので、本書を手に取られたらぜひご確認を。

ちなみに、その初っ端が、アウトプットを前提にしていると、「読む・聞く」のチカラがつく、というもので、これはまさにその通りだと個人的にも思います。


◆続く第2章ではインプットがテーマ。

上記ポイントの2番目の「自己開示」は、相手に話をしてもらう際には、意識的に行いたいところです。

……もちろん、それほど親しくもない状態で、重い話題はタブーですけど。

なお、この自己開示は、相手に親しみを持ってもらうために行うのだと思っていましたが、本書によると「返報性の原理」が働くからなのだそうです。

また、同じ第2章からは上記ポイントの3番目のTIPSもセレクト。

さすがに一緒に動揺したりはしないでしょうけど、そのくらい親身になりつつも、常に冷静に、それこそ「俯瞰」できないといけないわけです。

これは面談でもインタビュー(私たちは普通しませんが)でも、意識しておかねばならないTIPSだと思われ。


◆一方第3章は、まとめる前段階として「メモる力」を大々的に取り上げています。

ただし、一般的に私たちが行っているインプットの時点のメモ(「インプットメモ」)だけではなく、記事や企画書につなげるメモ(「アウトプットメモ」)も用いるのが本書の特徴。

それぞれの特徴ややり方にも触れられていますが、その両者に共通するのが上記ポイントの4番目の「メモの掘り下げに役立つ問い」です。

特に「Why」の方は、トヨタが「なぜなぜ分析」と呼んで実践しているのはおなじみかと。

それに加えて、引用した「感情が動いた瞬間」という視点は、新鮮でした。


◆そして上記ポイントの5番目の「書いて、減らして、まとめる」は、第4章の「まとめる習慣」からのもの。

この「書く」と「まとめる」を分けて考える(「分ける習慣」)、というのは、似たようなTIPSが他のシーンでも色々ありました。

たとえば「アイデア出し」と「そのから使うものを選ぶ」のもそうですし、要は頭の中で、違うベクトルの作業を同時に行わないのがポイントでしょう。

また、最後の第5章では「言語化」がテーマでした。

ここでは「要約」のトレーニングがいくつか明かされているのですが、その1つが「『一言で言うと?』トレーニング」なるもの。

こちらが要約前と後とで、ドラスティックに変わっているのですが、いかんせん要約前の文章をボリューム的に載せきれないので、割愛せざるを得ませんでした(スイマセン)。


インプットとアウトプットのスキルを高める1冊!

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読む・聞く、まとめる、言葉にする
第1章 良い言語化の秘密 良い言語化は、「読む・聞く」から始まる
第2章 インプットの習慣 「話を聞く」と「情報を読む」スキル
第3章 メモする習慣 インプットとアウトプットをつなげるスキル
第4章 まとめる習慣 「思考」と「情報」を整理するスキル
第5章 言語化する習慣 まとめて言葉にするスキル


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【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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