スポンサーリンク

       

2024年06月05日

【アドラー流】『超訳 アドラーの言葉』岩井俊憲(編訳)


B0CQLSRX68
超訳 アドラーの言葉 (ディスカヴァークラシック文庫シリーズ)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、作品数が少なくてご紹介できていない、ディスカヴァーさんのポイント還元セールからの自己啓発書。

おなじみアルフレッド・アドラーの名言を、アドラー心理学の大家である岩井俊憲さんが編訳した作品です。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
発売約1か月で早くも2万部突破!
「自らを受け入れ、運命を切り拓け。」
「何を与えられて生まれてきたかではなく、
与えられたものをどう生かすかが大事なのだ。」
アドラーの言葉をわかりやすく「超訳」した名言集が登場!

中古があまり値下がりしていませんから、このKindle版が700円弱お得な計算です!






【ポイント】

■1.条件付きの向上心をもつな
「もし自分が怠けさえしなければ、大統領にだってなれる」と考える人がいる。この人の向上心は、「条件付き」の向上心だ。「もし」「〜でなければ」という条件が付いている。本当の向上心とはいえない。自分のことを過剰に高く評価していて、自分は社会にとって役立つ立派な人間だと思い込んでいる。
 もちろんこれは、幻想だ。しかしながら人間は、幻想であっても満足してしまうことが少なくない。
 そして勇気が足りない人は、たとえ幻想の自分でも満足する。自分が弱いことがわかっているために、逃げ道を用意して逃げようとする。向き合わず、逃げることによって実際よりも強くて賢い幻想の自分を作り上げているのだ。


■2.野心は「巨大な虚栄心」を隠しているだけ
 虚栄心や尊大という言葉の代わりに、「野心」という言葉を使うことがある。美しい響きのある野心という言葉を使うことで、印象の悪化を避けようとするときにだ。
 誇らしげに、自分がどれだけ野心があるかを語る人が少なくない。場合によっては「努力する姿勢」だけの意味で使うことがある。
 しかしながらこの野心は、「社会に貢献する仕事や公共に役立つ場合」にかぎり、認めることができる。だがほとんどの場合、野心とは「巨大な虚栄心」を覆い隠そうとしているにすぎない。


■3.結婚には「共感力」がいる
 恋愛や結婚は、社会におけるどんな人間関係よりも、よりいっそうの「共感力」を必要とする。「相手の立場に立って考える」という特別な能力が欠かせないのだ。
 結婚に向けて準備ができていない人というのは、他者の目で見て、他者の耳で聞いて、他者の心で感じるというトレーニングをしてこなかった人といえる。


■4.怒るのは「他人を支配したい」から
 人間の力を追求するがゆえの支配欲を象徴する情動は、「怒り」だ。怒っている人は、いま抱えている問題を「いち早く、力ずくで、打ち負かす」という目的をはっきり示している。
 こうした知識をもっていれば、「怒っている人」というのは、「力をふりしぼってひたすらに優位性を示したい人」だということがわかる。認められようとする努力は、しばしば権力を得ようとする陶酔感に変わる。
 この種の人は、自分の権力(自分には力があるという感覚)が少しでも脅かされると、怒りを爆発させる。
 彼・彼女らは、これまでの経験から、怒りを示すことで、最もたやすく他人を支配することができ、自分の意志を押し通すことができると感じている。


■5.人間のものの見方は十人十色
 人間のものの見方・とらえ方は十人十色だといえる。人はそれぞれ、出来事・経験をその人なりの受け止め方でとらえる。
 だから大切なのは、その人が「どのような経験をしたか」ではなく、「その経験をどう受け止めたか」である。


■5.勇気と訓練で成長する
「遺伝」の論理は、教育や心理学の理論と実践においては、強調すべきではない。
「誰だって、なんだって達成できる」と仮定すべきなのだ。もちろんこれは、人間に「遺伝的な要素」に違いがあることを否定しているわけではない。
 重要なのは、「もって生まれたもの(遺伝的な要素)をどう使うのか」ということだ。
 だからこそ、教育が非常に重要なものになるのだ。
 よい教育とは、能力があるかないかにかかわらず、人を成長させることだ。能力がない人であっても、勇気と訓練によって偉大な能力といわれるまでに成長することもできる。
 適切な教育がなされていれば、「能力がない」という自覚は、大きな業績を残すほどの刺激を人に与えるものだ。


【感想】

◆一部、引用部分が少ないものがありましたので、今回は久々にポイントを6つ選んでみました。

本書はこのように、「アドラーの言葉」として抜き出されたもののボリュームが、一定ではありません(そもそも一定である方が変ですが)。

下手をしたら、長めの小見出し程度のものもあったりで、抜き出す際にも短いものばかりや、長いものばかりにはならないよう、一応気をつけております。

また、名言本によくあるパターンとして、ひと言二言程度の「名言」に、著者の解説が延々と連なるものがありますが、本書は冒頭の「編訳者はじめに」と巻末の「編訳者おわりに」以外は、アドラーの著作から抜き出したもののよう。

上記では割愛しているものの、実際には各言葉の最後に、もれなく出典の作品名が明記されていましたから、多分そういうことなのだと思います。

ちなみにタイトルにも「超訳」とあったので、原文を大幅に逸脱した「意訳」の激しいものが出てくるかと身構えていたら、むしろおとなしめ(原本に比較的忠実?)な印象を受けました。


◆さて、下記目次をご覧いただくとお分かりのように、本書は各テーマごとの10の章から、合計168の「言葉」が選ばれています。

たとえば上記ポイントの1番目は第1章から引用したもの。

言ってることはもっともで、いわゆる「俺はまだ本気出してないだけ」仕草はいかんのですね。

また、続く第2章から抜き出した上記ポイントの2番目の言葉も、似たようなお話。

私の周りでは「野心」などという言葉をついぞや聞いたことがありませんが、むしろスタートアップ界隈では、必要な要素の1つだと思っていました。

ただ、これらも「『社会に貢献する仕事や公共に役立つ場合』にかぎり、認めることができる」そうですから、その旨ご留意を。


◆さらに第3章では、上記ポイントの3番目のような「結婚ネタ」が連発されていました。

いわく「結婚できるのは『社会性を身につけた人』だけ」「批判ばかりする人は結婚する資格がない」等々、「できない」「資格が無い」と断言された方にとっては、耳イタイお話が続いています。

とはいえ確かに、「共感力」がないと、結婚はできても衝突が起きやすいですし、本書ではどのようにすれば共感力が身につくかまでは指南していませんから、本書の第3章を読んで気になられた方は、関係書籍を読まれると良いかと。

Amazon.co.jp : 共感力

一方、上記ポイントの4番目はちょっと飛んで、第6章からのもの。

なるほど、怒っている人というのは、感情の表現ではなくて「優位性を示したい」ワケなんですか。

確かに機嫌が悪くなったり不愉快そうな態度を表して、「相手を支配」しようとする人は良くいますよね。

逆にそれを理解していると、対処もしやすいと思います。


◆かなり短めですが、続く第7章から引用したのが、上記ポイントの5番目。

この「その経験をどう受け止めたか」という部分に関連して、本書の冒頭の「編訳者はじめに」で、著者の岩井さんはこのように言われています。
 例えば、親から虐待を受けた経験のあるすべての人が、非行に走ったり人生が苦しいだけのものになるわけではありません。親から虐待を受けたからこそ、自分の子どもには虐待しないと固く決心し実行する人や、虐待を防止する活動をする人だっています。
 つまり、「親から虐待を受けた」という経験だけで、その後の人生は決まらないのです。
 建設的な方向に行くか、非建設的な方向に行くかは、自分で選べる。 そういうことを説いているのです。
こうしたアドラー心理学の考え方については、不幸な過去を肯定しているようにも読めますから、人によっては「冷たい」と感じられるかも。

私自身は、アドラー心理学以外でも似たような見解を類書で読んだことがありますし、分からなくもありません。

ただ、もし自分がトラウマレベルの過去を何か抱えていて、そこに他人から「どのように受け止めるかが大事」と言われたら、感情的には「カチン」と来かねませんが。


◆さらに飛んで第10章からは、上記ポイントの6番目を抜き出しました。

ここで、「『遺伝』の論理」に関して「強調すべきではない」とは言っていますが、否定はしていません。

つまり上記ポイントの5番目と同じように、その影響を認めるものの、その後の行いでリカバリーや成長は可能と言っている次第。

ただし、ポイントの6番目の方では、自分自身ではなく「教育」の重要性を述べていますから、「成長」する当事者が違います。

これは子育てに関しても同様ですから、我が家でも2人の子どもが、私を上回るよう子育てに励まなくては……と言いつつヨメ任せなんですけどねw


あなたの人生の、道しるべになる言葉がここに!

B0CQLSRX68
超訳 アドラーの言葉 (ディスカヴァークラシック文庫シリーズ)
編訳者はじめに
「働く」ことの意味
人間関係の悩み
愛・パートナーシップ
教育において大切なこと
勇気をもつ
ライフスタイル(性格)
人間とは何か
劣等生・劣等感・劣等コンプレックス
共同体感覚について
学び、理解したことを実践せよ
編訳者おわりに


【関連記事】

【自己啓発】『「今、ここ」にある幸福』岸見一郎(2021年07月05日)

【コミュニケーション】『アドラー流 たった1分で伝わる言い方』戸田久実(著),岩井俊憲(監修)(2015年03月06日)

【アドラー流?】『子どもをのばすアドラーの言葉 子育ての勇気』岸見一郎(2017年02月22日)

【コミュニケーション】『人生を変える勇気 - 踏み出せない時のアドラー心理学』岸見一郎(2016年07月08日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

B0CYQ1ZQF1
ネガティブクリエイティブ つまらない人間こそおもしろいを生みだせる (扶桑社BOOKS)

気鋭の映像作家・クリエイティブディレクターの藤井亮さんの作品。

中古に送料を足すと定価を上回りますから、Kindle版が1200円以上お買い得です!


この記事のカテゴリー:「自己啓発・気づき」へ

「マインドマップ的読書感想文」のトップへ

スポンサーリンク