2024年04月15日
【自己啓発】『信じ切る力 生き方で運をコントロールする50の心がけ』栗山英樹

信じ切る力 生き方で運をコントロールする50の心がけ
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、現在開催中である「講談社 50%ポイント還元キャンペーン」からの注目作。先日土井英司さんがメルマガで、「最後まで名エピソード、名言のオンパレードで、赤ペンチェックがものすごい数になりました」と言われていたので、すでにお読みの方も多いかもしれません。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
大谷翔平の二刀流も、WBCの世界一奪還も、「信じ切る力」がなければ実現しなかった。
信じること、信じられることによって、毎日が変わり、生き方が変わる。
その結果、人は大きく成長していく。
運とは、日々の行動の積み重ねで、コントロールするもの。
神様に信じてもらえる自分になるしかない。
ダメな自分に向き合い、相手にただ尽くし、日常のルーティンで「信じ切る力」を磨き続けた栗山英樹の、真摯で“実践的”な人生論。
野球を知らない人にも、中学生にも、ビジネスパーソンにも、すべての人に読んでほしい1冊です。
中古に送料を足すとほぼ定価並みですから、Kindle版が1000円弱お買い得です!

PNC Park - Pittsburgh, PA / dangaken
【ポイント】
■1.「なりたい」と「なる」の決定的な違い「なる」選手は、これだけは絶対にやる、というものを持っています。やっぱり「なりたい」選手とは違う。「これだけは命がけでやるんだ」というものがある。
しかし、そのスイッチは自分でしか入れることはできないと僕は思っています。
誰に何を言われるまでもなく、「もういいから放っておいてくれ。これだけは絶対にやるから」という状態になるまで、どうやったら持っていけるか。これは、監督として常に考えていたことでした。
人は、自分が決めたことでなければ、やり切れないのです。人から「こうしろ」と言われているだけでは、最後の最後、行き切れない。行き切るためには、自分で決めて自分でやらなければいけないのです。
■2.チャンスはこんな人にやってくる
僕自身には、人と比べたら大して苦しい経験はありません。でも、世の中を見ていると、苦しんでいる人が一気に前に進むときというのは、「この人は頑張っているから、なんとかしてあげたい」という思いのようなものがまわりに生まれていくのだと感じています。(中略)
ただ、チャンスをもらえることが最も大事なことなのです。チャンスをもらえたら、自分で勝負するしかない。
みんなが欲しいのは、チャンスなのです。実は結果以前に、チャンスを手に入れることが簡単ではないのです。
そう考えたら、チャンスを手に入れる価値に気づけると思います。どんな人がチャンスを手に入れるのか。どんなことをしていると、チャンスを手に入れられるのか。どういう人に、人はチャンスを与えたくなるのか。
本当に頑張っていたら、誰かが見ていて、チャンスを与えます。いつも努力して、頑張り続けている姿は、誰かの目に留まる。そして間違いなく、神様も見ている。努力は絶対に無駄にはならないと僕は信じています。
■3.今だけにとらわれない
努力はしていても、結果が出ないことはあります。でも、そこで一番もったいないのは、結果が出ないことを嘆くことです。結果が出ていないこと以上に、嘆いていることがもったいないと思うのです。
今は結果につながっていないかもしれない。しかし、それは10年後、20年後、30年後に意味をもってくるかもしれないのです。相手が野球選手なら、僕はこう言うかもしれません。
「野球の世界だけで結果を出そうと思うな。求められるのは、生き様なんだよ。姿勢なんだ。なのに、こんなことをやっていたら、神様は応援してくれないぞ。お前のためにもならない」
僕自身、若い頃は結果が出せませんでした。ところが、驚くべき未来が待っていました。誰にでも、そのチャンスはある。ただし、そのためにはやるべきことをしっかりやっておくことが大事になるのです。今、結果が出せなかったとしても、その努力が思わぬ形で未来に生きてくる可能性は間違いなくあるのです。
■4.挨拶負けをしない
ファイターズの監督室のボードにずっと書いていた言葉が「挨拶負けをしない」でした。
人間関係の7割は、挨拶から崩れると言われています。
「どうしてあいつは、挨拶をしないのか」
「挨拶ひとつできないのか」
などと思われたら、どんな世界でも、印象はすこぶる悪くなるでしょう。
ただ、挨拶は、下の人が上の人にする、というイメージがあります。しかし、僕は逆だと思っていました。上の人から下の人に挨拶をすることで、すべてはうまくいくと思ったのです。そうすれば、「どうしてあいつは」もなくなる。
監督が自分から挨拶をすれば、選手たちは必ず反応します。だから、挨拶は自分からすると決めていました。先に選手に挨拶をされたら、向こうの勝ち。僕は、「挨拶負け」をしないよう、心掛けていました。
■5.自分にとってのいい悪いという要素を捨てる
とにかくチームを勝たせることこそが、説得力だと僕は思いました。そしてチームを勝たせるには、一人ひとりのことを思うしかありませんでした。もし、自分のことなどが入り込んだら、それは絶対にできないと思いました。(中略)
自分のことを優先しない、という点では「無私」という考え方と言えるかもしれません。ただ、無私は自分を捨てていることを意味するわけではありません。
考えたり、決断をしたりするときに、自分にとってプラスかマイナスかをその根拠にしない。そういう発想を一切、捨てるということです。
そして、僕が改めて感じるようになったのは、自分にとってのいい悪いというのは、何かを判断するときには、むしろ逆に作用してしまうケースが少なくないということでした。
だから、目的を果たすためには、自分にとってのいい悪いという要素を捨て去ってしまったほうがいいのです。違う言い方をすれば、やるべきことだけに集中する。それに対して、正しいか、間違っているかを判断するのです。
【感想】
◆私自身、それほど野球を熱心に観ていた記憶がないからかもしれませんが、本書の著者である栗山さんは、スポーツキャスターとしてのイメージが強いです。というのも、当時ニュースステーションで頻繁に拝見していたから。
本書では、メインキャスターの久米宏さんからダメ出しされたお話等もあって(それもハイライトを引きました)、さまざまな事から学びを得ていたことが伺えました。
……あら、そのお話が記事になってますねw
栗山英樹が「久米宏からのダメ出し」で学んだ事 「きれいにしゃべったところで、伝わらない」 | リーダーシップ・教養・資格・スキル | 東洋経済オンライン
一方で、現役時代はヤクルトにテスト生として入団し、何とか一軍に這い上がるも、若くして引退したのは、メニエール病に苦しんだから、というのも、お恥ずかしながら、本書で初めて知りました。
この病気の症状(激しい回転性のめまいと難聴・耳鳴り・耳閉感の4症状が同時に重なる症状を繰り返す内耳の疾患)を考えたら、普通の生活をするのだって大変なのに、それでプロ野球選手として活躍するのは、それは無理というもの。
ただし、栗山さんご自身は「命まで脅かされているわけではない」「もっと苦しんでいる人だっている」と考えて、「目が回ったらどうしよう、ではなく、目が回っても野球をやってやる」と気持ちを切り替え、治療しつつプレーされたのだとか。
◆エピソードはこうした栗山さんご自身のことだけではなく、もちろん、本書のタイトルにも深く関連した、WBCの準決勝のメキシコ戦の舞台裏についても詳細に触れられています。
公式の動画がフルタイムのものしか見つからないので、最後の村上選手のサヨナラのシーンを頭出ししておきますが(音声が左側しか出ないのはデフォルトなのでしょうか?)。
そもそも、この試合まで絶不調だった村上選手を起用し続けた、監督の栗山さんもスゴイですし、それに応えた村上選手もアッパレでした。
この場面に関して栗山さん曰く、「最後は誰でやられたら、納得がいくか」。
「お前でやられたら、オレは納得がいく」他にも「信じ切る」お話は何回か出てくるものの、エピソードとしては、この場面を上回るものはなかなかないだけに、タイトルにも据えるのも分かる気がします。
これこそが、決め手だったのです。
「信じ切る力」とは、そういうことだと僕は思っています。信じている、の一歩先にあるもの。どこまで本気で自分が信じられるかということ。
◆もっともエピソードの登場回数としては、やはり大谷選手が一番でした。
なにせ栗山さんは、キャスター時代に高校生の大谷選手を見る機会があり、監督1年目にドラフトで指名(その際にはいろいろ賛否両論がありましたが)。
その数年後には一緒に日本一にもなり、そしてWBCで再び監督と選手として遭遇していますから、エピソードには事欠きません。
……私は大谷選手の本も、栗山さんの本も今回が初めてなので、過去の作品に掲載されているエピソードが、本書にどのくらいあるのかはわからないのですが、土井さんが「赤ペンチェックがものすごい数」というのも分かります。
と言いますか、上記ポイントの1番目から3番目は、特に大谷選手のお話ではないのに、すべて当てはまってしまっているというのが、すでに常人とは違う気が。
◆たとえばポイントの1番目で言えば、大谷選手は二刀流を「できるかできないか」ではなく「やる」。
WBCでも世界一に「なりたい」ではなく「なる」、と言ってたのが分かりやすい形で現われたのが、あの「憧れるのをやめましょう」発言でした。
ポイントの2番目だと、最後の「いつも努力して、頑張り続けている姿」というのがまさにそう。
かつてはイチロー選手が求道者のようでしたが、大谷選手も負けていません。
そして3番目の「今だけにとらわれない」で言うなら、試合のある無しにかかわらず、大谷選手は毎日筋トレをかかさずおこなっていたのだそうです。
試合や疲労の事を考えて、トレーニングを休んだ方が、というトレーナーに対して「今日の試合のこと以上に、今やっておかないといけない」と言っていたのだとか。
実際、それでここまで結果を残している以上、先見の明があったとしか言いようがありませぬ。
◆逆の上記ポイントの4番目は、栗山さんご自身ならでは。
下の人に対して自分から先に挨拶をする、というのは、ムスコが私に対してだけではなく、誰に対してもろくすっぽ挨拶ができないのにカリカリ来ていた私にとっては目からウロコでした。
また、上記ポイントの5番目の「無私」という考え方は、特に人の上に立つ方にとっては、意識していただきたいところ。
ここに気がつけたのは、選手として大した実績のなかった自分が、当時優勝争いをするようなチームだったファイターズの監督に就任したからだ、と栗山さんは言われています。
当時の栗山さんのたった1つの判断基準は、「選手のためになるかならないか」だったとのこと。
確かに目的に対しての最適解を求める、という意味では、私たちビジネスパーソンでも同じですね。
極めて真っ当な自己啓発書をお読みあれ!

信じ切る力 生き方で運をコントロールする50の心がけ
第1章 信じ切るということ
第2章 ダメな自分をどう信じるか
第3章 すべてのことに、意味がある
第4章 「信じ切る力」を育てる日常のルーティン
第5章 相手を、信じ切る
第6章 神様に生き様を認めてもらう
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【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。
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【編集後記2】
◆一昨日の「講談社 50%ポイント還元キャンペーン」の記事で人気が高かったのは、この辺の作品でした(順不同)。
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参考記事:【職場のガン?】『職場を腐らせる人たち』片田珠美(2024年03月30日)
よろしければ、ご参考まで!
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