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2024年04月09日

【本質論?】『キャリアを切り開く言葉71 「自分の強み」に磨きをかける』北野唯我


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キャリアを切り開く言葉71 「自分の強み」に磨きをかける (角川書店単行本)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、現在開催中である「KADOKAWA 文芸&実用書フェア 極」からの自己啓発書。

おなじみ北野唯我さんの手による「名言」の数々に、思わずハイライトを引きまくりました。

アマゾンの内容紹介から。
2年間送り続けた「自分の人生を創る」ためのメッセージ
ベストセラー『転職の思考法』著者が今こそ若い世代に伝えたいこと。「強みにフォーカスせよ」「人気より信頼を取れ」「グッドアンセスターになれ」……。この短く強い言葉で、明日から働く力が湧いてくる。

送料を加味した中古よりも、Kindle版が500円強お買い得です!





03112013- Individuals with Disabilities Career Fair / US Department of Education


【ポイント】

■1.口癖を見直す
 前提として、僕には若い頃から口癖があります。
 それが「そもそも〜」という言葉。
 あるいは、「本質的には〜」という言葉もよく使います。
 しかし、先日「あ、そういえば最近はこの言葉を全く使っていない」と思ったのです。具体的には、この半年ぐらい「そもそも〜」とか、「本質的には〜」を全然使っていないことに気づいたのです。以前はおそらく、1日1回以上は使っていたはずです。
 それに気づいてからは、積極的にこの2つを使うようにしました。そうすると、びっくりするぐらい「いいときのパフォーマンス」が戻ってくる感覚がありました。
 つまり、僕にとっていいときのパフォーマンスは「本質論」を考えているときに起きやすい。そしてそのKPI(指標) がこの2つの口癖だったのです。(中略)
 だから、思考が本来のあるべき姿ではない状態を半強制的に元に戻すには「言語」、より正確には「口癖から見直す」という方法がとてもいい、ということなのかもしれません。


■2.イシューとソリューション「反比例の法則」
 最近、僕が気づいたことに「イシューとソリューション『反比例の法則』」と呼んでいるものがあります。
 ここでいう「イシュー」とは「課題、問題」のことで、「ソリューション」とは「解決策、提案」のことです。つまりこの法則が意味するのは、「イシューの難しさとソリューションの難しさは、反比例させたほうがいい」ということになります。
 より補足すると、
・イシューが複雑であるほど、ソリューションはシンプルであるべき、
 であり、一方で、
・イシューがシンプルであるほど、ソリューションは精緻なほうがいい、
 ということです。さらに簡潔に要約するならば、「問題が簡単なら、ソリューションは精緻で複雑にしよう。問題が難しいなら、反対にソリューションは簡単にしよう。そうしたほうがうまくいくことが多い」となります。


■3.差分分析をする
 マネージャー育成の方法論の1つに「差分分析」という方法があります。
 皆さんは、「どうやったら、部下やメンバーが自分の頭で考えるようになって主体的に動くようになるかな」と考えたことはありませんか?
 僕はあります。この問題にはもちろん解答が無限にあって「答えは1つ」ではないでしょう。ただ先日聞いた「差分分析」の話には「なるほど」と思う部分が多かったので、ここで紹介させてください。
 まずこの方法論を簡単に解説すると、
「うまくいったときと、うまくいかなかったときの差分を言語化してもらう。そして、3つのコツにまとめてもらう」
 ということになります。まさに、いいときと悪いときの「差分」を「分析」するものです。
 人によってはこれを自分自身でナチュラルにしているケースもあると思うのですが、肝は、これを「成長させたい当人に考えてもらうこと」です。なぜならこの差分分析をすると、知識が暗黙知から形式知になりやすい、つまり再現性が高まりやすくなるからです。


■4.自分の葬式から逆算する
 たとえば、これは僕がコミュニティのなかでもよくいうことでもあるのですが、僕が重要な意思決定の際に大切にするのは、
「自分の葬式のときから逆算する」
 ということです。
 具体的には、「この重要な意思決定は、自分の葬式のときにどんなインパクトを残すだろうか?」、あるいは、「自分が死んだとき、どんなお葬式に、どんな人たちが来て、どんな言葉を言ってほしいだろうか?」と想像します。その上で、「あぁ、こう言ってほしいな」「こう言われるのは絶対嫌だな」と思うことに関しては、その感覚に従います。
 一方で「この意思決定は、別にお葬式のときの弔辞に何も影響ないな」と思うことに関しては、「これは、短期的には自分にとっては大きくても、究極的にはどちらでもいい話なんだな」と理解したりします。


■5.夢は動詞で語る
 多くの場合、夢は「肩書き」で語られますよね。職業や、大学名などの名詞で語られるともいえます。
 でも、仕事や夢って本質は「動詞」です。
 たとえば、パティシエならば、「料理やお菓子を作って、人を喜ばせる」「 美味しい料理を作って人をもてなす」というのが本質。つまり「動詞」です。
 でもなぜか僕たちは、それを見失って、「状態」や「肩書き」で夢を語りがちです。
 これはデメリットも多いことです。というのも、夢を状態で語ると「パティシエになった時点」で思考が止まります。「ゴールに達した」ことになるので、当然それ以上のものになることは難しい。つまりは成長が止まってしまいます。
 では、どうすればいいかといえば、それが「夢をできるだけ動詞で語ること」なのです。
 たとえば「作家」になることが目標ではなく、「文章を書いて人を喜ばせる」ことが目標。「広告パーソン」になるのが目標ではなく、「広告や表現を使って企業の魅力を伝える」のが目標。
 こうやって夢を動詞で語ることで本質を見失わずにすみます。そしてその本質を忘れない限り、いつまでも成長するチャンスが生まれます。


【感想】

◆本書はその冒頭の「はじめに」にて、本書の出来上がった経緯について触れられています。

著者の北野さんいわく、
この本で紹介するメッセージは、僕が過去1000日以上にわたり、コミュニティのメンバーへ向けて発信し続けてきた“応援歌”ともいえるものから厳選したもの
とのこと。

上記ポイントの4番目でも登場しているように、本書では繰り返し「コミュニティ」というフレーズが出てくるのですが、途中までどのようなコミュニティであるのかは触れられていません。

一応第3章にて、具体名(事前審査型コミュニティSHOWS)が登場しており、ググってみたところ、このような感じで集まってらっしゃるらしく……。

KitanoYUIGA主催 事前審査型コミュニティ SHOWS CAMPFIREコミュニティ

ただし、本書内で数多く登場しているのは、北野さんご自身が、対談等された各界著名人(元横綱や格闘家含む)や経営者の方から聞いたお話や名言の数々です。

この辺は、さすがメディア露出も多い、北野さんならでは、といったところでしょうか。


◆さて、第1章のテーマは「マインド」。

格闘家の青木真也さんから聞いた「賭場に居続けることが大事」というお話も興味深かったものの、当ブログ的に向いていそうな、上記ポイントの1番目の「口癖」の方をセレクトしました。

本質的には、頭の中で何かを考えて、その結果として口癖が表出するのだと思いますが、逆に口癖を意識することで、思考を本来の姿にもっていく、という考え方は目からウロコ。

皆さんも、ご自身が良いパフォーマンスをしているときの口癖を、改めて意識すると良いかもしれませんね。

また、逆に悪いパフォーマンスのときの口癖も、今まで意識したことがなければ、この機会にチェックしておいていただきたく。


◆また第2章の「仕事術」から抜き出したのが、上記ポイントの2番目の「イシューとソリューション『反比例の法則』」。

こちら、最初にサラッと読んだときはピンと来なかったのですが、本書ではこのような具体例が挙げられていました。
 たとえば「人生を幸せに生きるとは?」といった、一見すると超抽象的で難しそうなテーマでも、この法則を当てはめると“ソリューションはシンプルであればあるほどいい”ということになります。たとえば「家族の信頼を第一にする」や、「自己実現のみを第一にする」などがソリューションとなるでしょうか。これが、「イシューが抽象的で複雑なら、ソリューションはシンプルであるべき」ということです。
なるほど納得。

ちなみに、普通であれば
・問題が簡単=解決策も簡単
・問題が複雑=解決策も複雑
と想像しますし、そう考えることも多いハズ。

ただし、そうではないから問題が問題としてありつづけている、という北野さんの指摘はなかなか鋭いですし、今後の問題解決の際にも活かしたいと思います。


◆一方、上記ポイントの3番目の「差分分析」のお話は、第3章の「仲間」からのもの。

北野さんご自身も、スランプ状態から脱したときは、この差分分析をしていたそうです。

具体例として、上記ポイントの1番目の「口癖」を挙げてたのですが、確かにパフォーマンスの低いときと高いときの違いに着目していますから、まさに「差分分析」と言えるでしょう。

さらに第4章の「インスピレーション」からは、上記ポイントの4番目の「自分の葬式から逆算する」のお話をセレクト。

最初にここを読んだときは、いわゆる「事前検死(プレモータム)」かと思いましたが、むしろ、カーネギーの名言(と言われる)
「己よりも優れた者に働いてもらう方法を知る男、ここに眠る」
に近いかもしれません。

そして、引用内でも言われているように、「お葬式のときの弔辞に何も影響ないこと」は、「短期的には自分にとっては大きくても、究極的にはどちらでもいい話」なんでしょうね。


◆最後のポイントの5番目は、第5章の「人生」から抜き出したもの。

類書でも、「動詞で語れ」的なTIPSは見かけたことはありましたが、「夢を動詞で」というのは、私は初めてでした。

というか、逆に本来動詞で語るようなことまで、私たちは「状態」や「肩書」で語りがちです。

……おそらくそれが楽だからなんでしょうけど。

それを「動詞で語る」ことによって、より本質に近づくという指摘は、これまた深く同意。

本書ではこういった、いわゆる「うまいこと言う」的なTIPSが数多く掲載されているため、冒頭でも触れたようにハイライトを引きまくった次第です。


自己啓発書好きなら一読の価値アリ!

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キャリアを切り開く言葉71 「自分の強み」に磨きをかける (角川書店単行本)
第1章 マインド 好きなものを掴んで離さない「握力」の話
第2章 仕事術 自分に「期待値」を発生させる!
第3章 仲間 「見えざる資産」にアクセスしてる?
第4章 インスピレーション 「未来の種」を一緒に見つけよう
第5章 人生 「自分の強み」にフォーカスする生き方


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【キャリアデザイン】『ハーバードの自分を知る技術 悩めるエリートたちの人生戦略マップ』ロバート・スティーヴン・ カプラン(2017年04月10日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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【編集後記2】

◆一昨日の「Kindle本 社会・歴史・哲学・政治書セール」の扶桑社分の記事で人気が高かったのは、この辺の作品でした(順不同)。

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参考記事:【自衛隊流?】『「もう歩けない」からが始まり――自衛隊が教えてくれた「しんどい日常」を生きぬくコツ』ぱやぱやくん(2024年04月08日)

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