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2024年04月04日

【報連相?】『シン報連相 一流企業で学んだ、地味だけど世界一簡単な「人を動かす力」』曽和利光


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シン報連相 一流企業で学んだ、地味だけど世界一簡単な「人を動かす力」


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは先日の「未読本・気になる本」の記事の中でも、トップクラスで人気の高かった仕事術本。

社会人の常識として、一応知っているツモリだった「報連相」ですが、改めてその重要性と奥深さを本書で学ぶことができました。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
一見古臭いと思われがちな「報連相」は、社会人になれば真っ先に身につけるビジネスマナー・スキルの1つです。
しかし、若手・ベテラン問わず、報連相ができている人と、そうでない人が多く存在するのも事実。
当然ですが、どれだけ能力が高くても、その前提となるコミュニケーションで噛み合わなければ、良質なアウトプットはできません。
人事として2万人以上の採用候補者を見てきた私は、より一層「報連相」の重要性が増していると考えます。
なぜなら、働き方が多様かつ自由になり、リアルなコミュニケーションが減っていく時代の中で、効果的に人を動かし、大きな仕事のチャンスをつかむために、 「報連相」は大きな力を発揮してくれるからです。
そして、仕事ができる人ほど、凡事を徹底する重要性を誰よりも知っているのです。

上記未読本記事の時点では用意されていなかったKindle版も「5%OFF」にて配信されています!





November Executive Board Meeting / AFGE


【ポイント】

■1.報連相は仕事の基本
 例えば、コンサルティングや建設現場などのプロジェクトで、
「このプロジェクトの進捗が予定よりも遅れていて、営業日数ベースで目標の80%程度の状況です。このままで行くと予定には間に合わないので、取り急ぎお耳に入れておいてください」
 と早めに「報連相」しておけば、プロジェクトの責任者である上司は「わかった。とりあえずなんとかする」と、必ず対策を考えたり、指示を出してくれたりするはずです。まさに「報連相」によって、上司が動いてくれたわけです。
 こうした細かなコミュニケーションをせずに、問題が発覚するまで溜め込んでしまうと、「なぜ今まで黙っていた!」「もっと早く言ってもらいたかった」となるのがオチです。


■2.クリティカル・パスに関する報連相は絶対に怠らない
 もしも、「ちょっと報連相が遅れただけなのに、ものすごく上司に怒られた」という経験がある人は、その業務がクリティカル・パスだった可能性大です。
 仕事の大枠を抽象的に把握できていない若手の、「大して重要な仕事ではないのに」「ちょっと遅れただけなのに」という自分本位のゆるい認識が、実はプロジェクト全体を滞らせてしまっていたのかもしれません。(中略)
 とはいえ、自分に割り振られた業務がクリティカル・パスかどうかは、プロジェクト全体を把握し切れないメンバーにとっては判断が難しいものです。そこで、無用なトラブルや評価ダウンを避けるためにも、こまめな報連相をしておく方が有効な手段です。
 仕事が遅れていたり、トラブルが起きたりすると、「怒られそうだから言いたくないな」と報連相を先延ばしにする人や、うやむやな状況のまま業務を済ませようとする人もいますが、これは完全に逆効果です。


■3.チャットでの報連相で注意すべきこと
 口頭による報連相の代わりになるのが、LINEやSlackといったテキストチャットです。
 特に、どうしても直接の連絡が取れないけれど、至急一報を入れておきたい場合、まずはチャットでの報連相を優先しましょう。メールよりもすぐ目に入りやすいので、口頭に準ずるスピードで伝わります。
 また、上司がどうしても手が離せず、電話にも出られない場合でも、チャットなら最速で見てもらえる可能性があるでしょう。口頭で取った確認や指示された内容の証跡として残すのにもチャットは便利です。
 なお、「既読がつき、読んでくれたかどうかわかるから」という理由でチャットを活用する人がいますが、口頭での報連相ができる環境で、緊急時など口頭で伝えるべき際にチャットを使うのはおすすめしません。
 既読になったからと言って、相手は報連相の内容まで理解してくれているかまではわかりません。単にチャットツールを立ち上げているだけで、実際には読んでいない可能性もあります。
 重要な事柄ほど、口頭をメインに、チャットはあくまでサブとして使い分けるようにしましょう。


■4.大事なことはしつこく具体的に確認する
 例えば、今すぐにでも取り組んでほしい仕事があって「できるだけ早くやって」と指示したつもりが、本人は「できるだけ早くということは、自分のペースで進めてもいいんだ」と捉えてのんびり構えてしまうかもしれません。
 この認識のズレをなくすには、自分の指示やアドバイスをどのように捉えたのか、相手に言わせることが大切です。
 例えば、「念のための確認だけど、今話したことをどんな風に理解したかを説明してみてくれるかな」とか、「今話し合って決めたことを、確認のためにまとめておいて」などと、部下がどのような認識をしているのかを確認しましょう。
 実際にこのような確認をしてみると、意外に部下は「全然わかっていない」場合も多々あります。特に大事な内容ほど、相手がどのように理解し、どんなアクションを取ろうとしているのか、細かく確認をしましょう。


■5.上司のことを徹底的にパクる
 部下の立場からできることとして、少々泥臭く昭和的な方法ですが、上司の懐に飛び込み、接点を増やすのも有効です。実際に、若手世代でも実践している人を結構見てきました。
 例えば、上司が集まる飲み会に、勇気を出して顔を出してみるのも良いでしょう。「共通の話題がない」「話している内容がわからない」と不安に思っても、まずは相槌を打ちながら話を聞くだけでもOKです。(中略)
 また、上司を観察しまくって、徹底的にパクる(TTP)のも有効です。
 人は「類似性効果」といって、自分と共通部分がある人に親近感を覚えるものです。TTPを実行すれば、共通部分が増えるわけですから、その分相手からの親近感が増えるということです。
 薩摩藩の下流藩士だった大久保利通は、時の国主である島津久光に近づくために、久光の唯一の趣味だった囲碁を覚えて距離を詰めたという逸話がありますが、徹底的にパクるとはこういうことです。
 私も長く人事の仕事をしてきましたが、第一線で活躍している人ほど、この徹底的にパクることに対するプライドが低いように思います。


【感想】

◆いにしえの時代から伝わっていると、私自身思っていた「報連相」。

本書によると歴史は意外と浅くて、実は1982年に山種証券社長の山崎富治氏が広めたのが始まりとされているのだそうです。

一方、私がビジネス書を読み始めた15年ほど前は、やはりビジネスパーソン(特に若手)にとっては必須と言われていたこの作業も、ちょっと前には「むしろ不要では?」と言っている作品もありました。

実際、このような記事も日経ビジネスから出ていますし。

報・連・相(ほうれんそう)を禁止せよ:日経ビジネス電子版

ただ、普通の企業では「何となく」、報連相を続けているのではないでしょうか?


◆一方で本書は、報連相を改めて問い直しているとも言えるもの。

たとえば第1章の「なぜ『まずは報連相』なのか」では、上記ポイントの1番目にあるように、自己防衛機能があることに言及しています。

さらには「若い人こそ『報連相』に力を入れよう」と題して、3つのメリット列挙。
1.「上司には見えていない部分」をアピールできる
2.仕事の自由度が上がる
3.上司からのフォローやサポートが受けられる
いずれも詳しくは本書にてご確認ください。


◆続く第2章の「『上司』の頭の中を知ろう」では、上司の置かれた状況や仕事量についても検証しています。

読めば読むほど、適切な報連相があるのとないのとでは、えらい違うな、と思う次第。

中でも怖いのが、上記ポイントの2番目にある「クリティカル・パス」(プロジェクト内で最も全体スケジュールに大きな影響を及ぼす作業)に関わる報連相を怠った場合です。

とはいえ、下のレベルだとどれがクリティカル・パスかは分からないでしょうから、遅れやトラブルが生じたら、すぐさま報連相するのが無難でしょうね。


◆一方第3章の「仕事のできる人が報連相でやっていること」では、具体的な報連相のテクニックが登場。

たとえば「相手に合わせて『具体と抽象』のバランスを取る」などは、指摘されて「ごもっとも」と思わず納得しました。

実際、相手が事情をよく知っていれば、普通は要点を絞った方がいいですが、逆に知っている場合でも、業務がうまく進んでなかったり、プロセスをアピールしたければ、「具体的」であるべき!

また、伝える方法も、直に口頭で行うこともあれば、複雑な場合はメールの方が向いているとのこと。

さらには上記ポイントの3番目で挙げたテキストチャットも、適宜活用したいところです。

ただし、ここでも触れられているように、下手に「既読」を信じてしまうと、足元をすくわれかねないのでご注意を。


◆また、第4章の「『報連相をされる側』になったら」では、今度は上司として報連相を受ける側での注意点が。

当たり前ですが、上記ポイントの2番目のときとは反対側で、トラブル等の悪い知らせも「歓迎」しなくてはなりません。

そして上記ポイントの4番目にあるように「大事なことはしつこく具体的に確認する」。

内容いかんによっては、ネガティブフィードバックを行わなくてはなりませんが、その際の注意点も詳しく書かれていましたので、ここはぜひお読みいただきたい部分でした。

なお、第5章の「報連相をバージョンアップさせる『おじさんリテラシー』」は、極論を言えば、いわゆる「じじい殺し」みたいなもの。

人生で大事なのは「ジジ殺し」のスキルである 「サードドア」で奇跡のルートが開かれる | ワークスタイル | 東洋経済オンライン

その中では正攻法なTIPSとして、上記ポイントの5番目の「TTP」を抜き出してみました。

もちろん「TTP」自体は広く知られるものですが、「おじさんリテラシー」として試してみても良いかもしれませんね。


今だからこそ報連相を究めるために読むべし!

429540957X
シン報連相 一流企業で学んだ、地味だけど世界一簡単な「人を動かす力」
第1章 なぜ「まずは報連相」なのか
第2章 「上司」の頭の中を知ろう
第3章 仕事のできる人が報連相でやっていること
第4章 「報連相をされる側」になったら
第5章 報連相をバージョンアップさせる「おじさんリテラシー」


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【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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