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2024年04月03日

【自己啓発】『好きな人が、好きなことは、好きになる』福田淳


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好きな人が、好きなことは、好きになる


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは先日の「未読本・気になる本」の記事の中でも、特に読んでおきたかった1冊。

ジャニーズ事務所の新会社社長となった、福田淳さんの自己啓発書です。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
連続起業家として話題の経営者・福田 淳が贈る待望の新刊!
本書は「好きなことが見つからない」「すぐ飽きて、一つのことが続かない」という人に向けて、「好きなことがなくてもいいじゃない。そして、好きなことがコロコロ変わってもいいじゃない」という著者のメッセージ、エッセンスを込めた一冊です。
どうすれば好きなことを次々とやっていくチカラを手にすることができるのか。
タレントエージェント事業、米国ロサンゼルスでのアートギャラリー経営、カリフォルニア全域と沖縄におけるリゾート施設展開、無農薬農場開発、出版事業、その他M&Aと出資、スタートアップ投資等、ジャンルレスな連続起業家として注目を集める話題の著者・福田淳が、「常識にとらわれないマインドセットの極意」について、わかりやすい言葉でお届けします!

まだ単行本は発売されていませんが、一足先に配信されたこのKindle版は、「20%OFF」と大変お買い得です!





STARTUP CTO / ceonyc


【ポイント】

■1.お金は貯めるのではなく使う
 昔から関西のビジネスマンは、「人にお金を使ったほうがええよ」って言います。人にお金をあげたり、突発的に面白いと思ったものを買ったり、理屈では説明できないお金の使い方をするんです。「そうしたらいつか、お金は戻ってくるから」って言うんです。
 でも普通、そんなふうには考えられないじゃないですか。散財したお金が戻ってくるなんて。
 でも実際は、銀行の定期預金よりも複利がついて戻ってくる。なぜなら、お金はストック(じっとしている)よりもフロー(自由に動き回る)するほうが性に合っているからです。そうしてお金自身が、筋力をつけるんですね。
 ただ、生きたお金の使い方をしなければ、お金の筋力はつかない。じゃあどうやってその目利き力をつけるのかというと、たくさんのムダ遣いから学ぶしかないんですね。 
 だからどうぞ、お金は貯める一方ではなく、時々は使ってくださいね。
 お金はじっとしていると、日々衰弱していくのです。お金を使うために、世の中の出来事にたくさんの興味関心を持ちましょう。それこそが、ビジネスマン自体の筋力アップとなるでしょう。


■2.起業家は自分の使命を追求する
 経営者の集まりに行くと、そこはお金儲けをしたい人たちが多いから、当然お金儲けの話になるわけです。「何か」をやってお金儲けをするわけですが、その「何か」というものが社会に役立つ、あるいは自分のやりたいことの実現である、というのでなければ、僕にとってはお金儲けそのものが人生の無駄では、と感じます。
 ITの会社を14年経営しましたけれども、競合の半分以上の社長さんが東京からいなくなりました。「お金、お金、お金」と言っているから、脱落したんだと思っています。会社というのは、社会に対するコミットメントがあってやるものだから、それなしに「お金」だけを目指すと、短期的にはよくても長期的にはダメになる。起業家は自分の使命を見つけたら、それが後から変わってもいいから、「いまはこれ」と思っている間はそれを大切にして、追求するべきなんです。そこに「1ミリでも近づこうとする人間」だけしか、社会は受け入れてはくれない。
 自分の考えが社会とつながっている時間と空間だけが利益になるし、儲かる。そして儲かるというのは、「社会の需要を掘り起こした」ということを意味することなんだと思います。


■3.現代アートは儲かる
 日本では米国に比べると、現代アート市場が5%にも満たないんです。ところがパンデミックが始まって、突然日本でも、現代アートブームがやってきました。きっかけになったのはSBIオークションです。米国では現代アートは立派なポートフォリオとなっています。2020年の夏から1年間、特に欧米のいろんな資産形成を見ると、現代アートへの投資は年率17%もの高利回りだったのです。2番目に大きな不動産の利回り13%を上回りました。もちろんその他の金融投資の利回りは10%以下。
 つまり質の高いコミュニティであれば、小さくても需給関係が成立するんですよね。日本の状況はというと、20年遅れて、テック系によるスタートアップの成功例が出てきました。その連中が稼いだお金は高級車や高級レストランに費やされましたが、ここ数年はアートやサウナへ投資することがブームとなっています。グローバルにおける日本を見るときには、そのような世界の潮流を知っておく必要があると思います。


■4.ビジネスマンは仮説を立証する
「良い商品が開発できない」とか「どうしたら商品がヒットするのか」とか、そういう相談が来ることがあります。
 で、お話をお聞きしていると、ほとんど問題点は1つなんです。「なぜ売れないか?」ばかり考えているんです。その商品が社会の新しい需要を喚起させるポイントについては、考えていないんです。
 売れる売れないの前に、ビジネスマンには仮説が必要なんです。「こんな商品があったらいいな」というSF的な着想がまずあって、それを立証する旅なんです、ビジネスマンの仕事は。
 イーロン・マスクは、毎日毎日ロサンゼルスの渋滞の中で車を運転して苛立った経験から、「高速地下道路があったら渋滞がなくなるんじゃないか」とトンネル掘削企業「ザ・ボーリング・カンパニー」をつくった。必ずしも順調に進んでいないけれども、それでもそれを実現させるためのすごい努力をしている。すごくないですか?
 どんな仕事に就いている人も、社会との接点を自分なりの新しい解釈で説明できる人しか、本当の意味での成功はできない。


■5.合わないと思ったら無理しない
 頑張ろうとやってみたことでも、途中で合わないと思ったら無理して続けることないんです。時間の無駄かもしれません。なんなら、その会社は辞めちゃっても構わない。
「おいおい、3年ぐらいは我慢しろよ」って言う先輩いるかもしれませんけど、僕のまわりには3年我慢しないで成功した人はいっぱいいます(笑)。そこにルールなんて、何もないんですよ。
 僕自身、勢いで会社を辞めちゃってますから。人のためではなく、自分のために生きているのです。就職活動が始まると、企業は「信念の人」みたいなものを前提に求人計画を立てて、「そういう人が欲しい」って言いがちですが、僕自身はそんな社員にはなれなかった。気が散って、すぐ飽きちゃって投げ出してしまう。だけど飽きるってことはまた別に新しい関心事ができるわけで、そういう生き方でもいいんじゃないかなと思います。
 わがままかもしれないけども、人の顔色を窺ったり、他人から言われたことばかりやっていたりしても、やっぱりつまらない。意に沿わないことは途中で投げ出しても、自分自身が充実していたい。それを貫けば、まわりにも少しは影響を与えることができるんじゃないかな、と都合よく考えています(笑)。


【感想】

◆世間一般的には今、福田さんといえば「株式会社STARTO ENTERTAINMENTの社長」ということになるのだと思います。

ただ、私はたまたま、5年ほど前にこの記事を読んでおりまして。

芸能界はもう、のんの様なケースを出しちゃいけない。マネジメント社長が語った真意:BuzzFeedNews

こちら当時、はてブホッテントリに上がって、ブックマークが490ほどついていますから、他にも読まれた方も結構いらっしゃるかもしれません。

そしてこの記事を読んで素直に感じたのが、芸能界のいびつさと、それに立ち向かう福田さんの心意気でした。

ですから、ジャニーズの新会社の社長に、福田さんが決まった、と聞いた際には、きっとこの問題も近いうちに解決に向かうのでは、と思ったのですが、ぶっちゃけ、今ひとつよく分かりません。

確かに、誰が社長になろうとも、旧事務所の持つ膨大な著作権等の権利を買い取るにはお金が必要ですし、実際問題どういうスキームでやればいいのかも、私の知っている限り見えていないのですが。


◆一方で本書は、冒頭の「はじめに」で触れられているように、福田さんが関心を持たれた文化人、知識人の方、87名と約10年間に渡りトークを繰り広げたオウンドメディア「トークド」が元になっています。
 本書は、そんなエネルギーをいただいた対談相手の方のトークではなく、それを受けて、僕がどういう話をしたのかを抜粋し、さらに僕の「いま」の言葉を加筆してまとめたものです。
確かに上記引用部分のみならず、本書自体を読んでも、言われなかったら対談からもってきたとは分からないでしょう。

しかも、具体的に相手が誰で、どのような話の流れで、その発言が出たかも、知る由もありません。

……もっとも、よくある「ネットに掲載されている連載をそのまま本にしました」というパターンよりは、よほど手間ひまがかかっていることはご留意ください。


◆そして、そのせいなのか、あえてなのか、STARTO ENTERTAINMENTの話や、旧ジャニーズ関係のお話は一切出てきません。

もっとも本書は、書下ろしではなくて、トークという元ネタがあって、その連載の最後が2023年9月なのですから、別途追加で書かない限り、出しようもありませんけど。

ただし、あとがきにサラッと
 中でも、STARTO ENTERTAINMENTの社長になったのは青天の霹靂だった。誰がこんな展開を予想しただろうか? いちばん驚いたのは、日本中ではなく自分だよ。
とはありますから、完全に「無視」しているわけでもありません。

結局本書は、本来、これらの問題とは別の形で注目を浴びるハズだった、「連続起業家」である福田淳さんが、主張したかったさまざまなことを、まとめたものと言えると思います。


◆実際に中身を見ていくと、まず、上記ポイントの1番目の「お金を使う」というお話は、類書でも見かけるもの。

ただ、「たくさんのムダ遣いから学ぶしかない」とまでは、なかなか言い切ってなかったかと。

むしろ、無駄遣いで言うなら、上記ポイントの3番目の「現代アート」こそ、起業家で手を出している人が多い印象がありました。

それも私は「アブク銭の無駄遣い」とまで考えていたのが、実際には大間違いで、そんなに利回りがよい資産だったとは!?

ググったらこんな記事もありました。

IT系起業家が買いまくる「アート投資」の超熱狂 値上がり見越して、マネーが大量に流れ込む | 最新の週刊東洋経済 | 東洋経済オンライン


◆また、連続起業家だからこそ言えるのかも、と思ったのが、上記ポイントの2番目の「使命を追求する」というお話。

「お金」だけを追求してはいけないのと同時に、「社会の需要を掘り起こす」という観点は、起業を目指す方には意識していただきたいところ。

それにしても、14年で半分の競合がいなくなった、というのは非常にシビアですね。

同じく起業を目指すなら、上記ポイントの4番目の「売れる売れないの前に、ビジネスマンには仮説が必要」という指摘はごもっとも。

確かに「こんな商品があったらいいな」から生まれた新製品は、世の中にたくさんありそうです。


◆そして最後のポイントの「合わないと思ったら無理しない」も、メンタルがやられないようにするためには大事なこと。

もっとも「3年我慢する」なんて、今どきあまり聞かないかもしれませんが。

確かに福田さんや私の世代だと、転職はあまり一般的ではありませんでしたが、最近は違うでしょうし、合わないまま続けるのは、お互いにとってハッピーとは言い難いと思います。

ところで、ひと通り読んできて気がついたのですが、本書では福田さんの「俺ってスゲー」話がほぼありません。

それは対談という元ネタの関係かもしれないにせよ、結構珍しい気が。

もちろん、本当は裏でかなり努力もされていて、華々しい成功話も多々あるであろうにもかかわらず、奥ゆかしい方なのだと想像。

ひょっとしたら、それが連続起業を成功する秘訣なのかもしれませんね。


連続じゃなくても起業したい方に!

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好きな人が、好きなことは、好きになる
第一章…「嫌い」も「好き」になる

第二章…「興味ない」も「好き」になる

第三章…ひとつの「好き」もたくさんの「好き」になる


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【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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