2024年02月29日
【効率化】『家事から仕事まで使える がんばらない効率化』諏訪寿一

家事から仕事まで使える がんばらない効率化 (PHPエディターズ・グループ)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、昨日の前日ランキングの記事でも大健闘していた効率化本。下記問題でしっかり間違えた私にとって、この本は以前から気になっていたのでした。
アマゾンの内容紹介から。
Q.皿を10枚洗うとき、どちらがより効率的? 【A】すべての皿を洗剤で洗い、終わったらすべての皿を水ですすぐ。 【B】1枚ずつ皿を洗剤で洗い、すすぐ。これを繰り返す。 ⇒【A】と答えた人は知らぬ間に時間をムダにしているかもしれません! 本書ではついやってしまいがちな非効率なやり方を例に、効率化の本質を分かりやすく解説していきます。著者によると、効率化に必要なポイントは「ためない」「まとめない」のたった2つ。その理論にのっとれば、皿洗いひとつとっても、作業手順を少し変えるだけで、これまで以上にスピーディーに仕事を完了させることができるのです。この理論をもとに独自に編み出したのが、本書のタイトルにもなっている「がんばらない効率化」です。皿洗い、ナスのヘタ取り、バケツリレーなど、全9つの無料動画も用意。文章と動画による解説で、読んで発見、見て納得の一冊となっています。
中古が全く値下がりしていませんから、セール最終日の今日中であれば、このKindle版が900円弱お買い得です!

【ポイント】
■1.棚卸は月末にやるものという思い込み在庫管理は月末に棚卸をし、実地在庫とコンピュータ在庫の差異を訂正して実地在庫に合わせるのが一般的です。このとき、コンピュータ在庫が試算表の月末棚卸高となります。
箭内先生はこの「棚卸をし、実地在庫とコンピュータ在庫の差異を訂正」するという月末の作業を「毎日やればいい」と言うのです。(中略)
私はさっそくシミュレーションをしてみました。
月末の棚卸は15人で2時間、合計30時間をかけて行っていました。毎日なら2人で30分程度で片づけられますから、1日1時間×営業日数22日=合計22時間でできることになります。8時間の短縮です。そして実践したところ、そのとおりの結果となりました。おかげで月末の忙しさを大幅に緩和することができました。
これを社会全体でやれば、「月末は忙しい」という常識が変わっていくのではないでしょうか。
■2.一人分業からの一気通貫変換法
次は洗濯のシーンで考えてみましょう。現代の洗濯は洗濯機がやってくれますから、そのあとの取り込んでたたむ工程に注目して考えていきます。
ハンガーにかかった10枚のTシャツを思い浮かべてください。そのTシャツをハンガーごとラックから取り、ハンガーをはずして折りたたみます。折りたたむための作業台は、ラックのすぐそばにあります。
この場合、AとBとでは、どちらが早く10枚のTシャツをたたみ終えるでしょうか?A.ハンガー10個をラックから取り、いったん台の上に置いて全部のハンガーをはずす。そのあと全部のTシャツをたたむ先の皿洗いの動画を見た方は、もうおわかりですね。効率がよいのはBです。こちらも動画があるのでご覧ください。
B.ハンガー1個をラックから取り、ハンガーをはずしてTシャツをたたむ。それを10回、繰り返す
■3.バケツリレーすればするほど非効率
バケツリレーは複数人で行う分業の代表例ですね。「バケツリレーの要領で作業しよう」と言うと、ほとんどの人は「ああ、あの方法ね」と察しがつくと思います。
第1章で書いたやぐらを組む大人たちの話も、パイプを運ぶ大人たちがバケツリレー方式で作業をしていた、という内容でした。それがなぜ効率の悪い作業方法なのか、詳しくご説明していきます。
段ボール10個を2人で、10メートル先まで運ぶとします(巻頭のクイズ:2問目)。A.一人が中間地点まで運び、もう一人がそれを受け取って最終地点まで運ぶB.正解はBですね。意外でしたか? 予想どおりでしたか?
2人とも、それぞれ10メートル先まで運ぶ
Aは「複数人分業」、Bは「一気通貫」の作業方法です。複数の人がいると、協力して作業する分業のほうが効率的と思いがちですが、これでは「協力して、かえって時間がかかった」という残念な結果になります。
■4.掃除も「ためない」「まとめない」ほうが時間短縮
妻と話し合い、私の担当は窓と、床以外の拭き掃除にしました。そして私は1日に10分、掃除をすると決めたのです。
月曜日から金曜日まで、10分ずつ掃除をします。土曜日は予備日、日曜日はお休みです。(中略)
前に述べたように、草が成長してから草刈りをすると、3倍の労力が必要でした。窓掃除も同じです。窓にたまる埃や汚れもどんどん「成長」して、作業効率を下げてしまうのです。
たとえば、雑巾をすすぐ時間が増えます。なかなか汚れが落ちず、拭き方が変わってくるからです。年末にまとめて窓掃除をするというのは、窓掃除をしない時間に、埃や汚れをためてしまっていたことになります。
ですから、こまめに窓掃除をすることにより、窓掃除は10分×42週=420分=7時間(仕事の繁忙期や休養等を考慮に入れて1年を42週で換算)になりました。年末の大掃除が必要なくなりました。しかも、窓はいつもきれいです。
■5.お客様からの注文という情報も「ためない」
最速でお得意様に届けられたので結果オーライですが、これをもし、営業マンが受注してすぐに情報を会社へ伝えていたら、そのあとの作業はどう変わっていたでしょう。
営業事務は時間的にも精神的にも余裕をもって、伝票やピッキングリストを発行できました。物流のほうの時間配分によっては、物流の担当者は前日のうちにピッキングを済ますことができたかもしれません。
営業マンは14時から翌朝9時までの19時間、情報を流さずに止めていました。そのせいで翌日、営業事務や物流担当者の業務は多かれ少なかれ影響を受けてしまいました。電話でもメールでもチャットでもいいから当日のうちに伝えていれば、もっとスムーズに事が運んだはずです。
情報も「ためない」「まとめない」ことが、「がんばらない効率化」につながります。
【感想】
◆冒頭の内容紹介の問題はお読みになられたでしょうか?私も思いっきり【A】の「すべての皿を洗剤で洗い、終わったらすべての皿を水ですすぐ」でやっているのですが、これが非効率だったとは!?
本書ではこうした【A】or【B】のテストがいくつか掲載されており、いずれも実際にテストを行い、動画で検証しています。
その実験動画にQRコードが付されているので、スマホからだとそのまま確認できるのですが、さすがにここでその動画を貼るわけにもいかず……。
この皿洗いもなるほど、【B】の方が早く終わってはいるものの、それぞれ何回擦って、どのくらいすすぐか、とか基準を統一しているのでしょうかね(諦め悪し)?
また、洗剤をつけてある程度放置した方が、汚れが落ちやすい、という点は考慮していない気が。
実際、この問題では【A】と答えた人が8割を超えているのだそうです。
◆ということで、その洗剤の放置効果が関係ない問題としてセレクトしたのが、上記ポイントの2番目。
それでも私なら、【A】の全部ハンガーを外してから、全部たたむ方を選びますね……。
ただし、これも皿洗いと同じく、1個ずつやる方が効率的なのだそう。
というのも、外してたたんでいない状態は、製造業でいうところの「仕掛品」だから。
いちいち、手に取ったものを置いて、また取り上げる作業がムダなのだそうです。
◆それを複数人で行った場合が、上記ポイントの3番目。
こちらも、1人で最後まで運びきらない分、新たな「動作」が生じます。
特にこのケースの場合、単なる「受け渡し」だけではなく、「置く」「持ち上げる」といった、1人なら生じえない動作がある分、非効率なよう。
……ご丁寧にも本書では、3人バージョンと5人バージョンも行って、動画を用意してくれています。
ただ、見るまでもなく、重さや距離に問題が無ければ、それぞれが1人で運びきった方が効率的だと感覚的に思いますよね。
◆本書はこのように、ため込まないことを推奨しており、それは上記ポイントの1番目の「棚卸作業」も同様です。
……これ、毎日棚卸をやる方法として「倉庫を営業日数分で分割し、毎日分割したところを1か所ずつ棚卸する」という割愛した一文がないと分かりにくいですが(すいません)。
ただ、期末時点の棚卸さえが間違ってなければ、法的には問題ないので、感覚的に「毎日やろう」とはどなたも思えないのではないでしょうか?
この「年1回ベース」のものを「毎日」にしているのは、上記ポイントの4番目の「大掃除」も同じです。
むしろ、上記の皿洗いの「洗剤の放置効果」とは逆に、溜めないことによって、汚れが落ちやすくなるのなら、それはさらにプラスアルファの効果があるということ。
確かに日頃から少しずつ掃除をやっていれば、「大掃除」なんて必要ないですものね。
◆なお、上記ポイントの5番目の「情報」も、「ためてはいけない」という意味では、今までのものと同じです。
ただ、このケースは意図的に(ためといて)やろうとしたわけではないですから、ややニュアンスは異なるかも。
とはいえ、情報は止まったところがボトルネックになりますから、流れを極力止めないのが肝心ですね。
一般的に情報が来るまでの間、待っている方は何できない以上、下流(情報の)のことを意識した仕事の仕方を意識したいものです。
なお、著者の諏訪さんの会社では、議事録をその場でGoogle Workspaceを使って全員で完成させたり、社内データポータルサイトを皆で1時間半で完成させたりと、普通に効率化もすすめられている模様(スゲー)。
家事から仕事まで効率化したい方に!

家事から仕事まで使える がんばらない効率化 (PHPエディターズ・グループ)
第1章 「効率化」の前に知ってほしいこと
第2章 「がんばらない効率化」で未来は変えられる
第3章 「がんばらない効率化」に必要な5つの型
第4章 「がんばらない効率化」をコミュニケーションで飛躍させる
第5章 情報を「ためない」「まとめない」と、組織の成長が加速する
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【ITスキル】『効率化オタクが実践する 光速パソコン仕事術』ヨス(2018年07月19日)
【編集後記】
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