2024年02月25日
【76フレーズ】『できるリーダーは、「これ」しか言わない 76のすごい言葉』伊庭正康
できるリーダーは、「これ」しか言わない 76のすごい言葉
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、現在開催中である「Kindle本ポイントキャンペーン」の中でも気になっていた1冊。ただし版元のPHP研究所さんは、まだご紹介していないので、本書の方が先になっているのですが。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
忙しすぎるリーダー必読!
たったひと言で部下が自ら動き出す「魔法のフレーズ」。
中古がまったく値下がりしていませんから、このKindle版が900円お買い得となります!
Leadership As A Service / Luigi Mengato
【ポイント】
■1.「われわれができることで考えない?」営業なのにいつも社内にいて、取引先への訪問がおろそかになっている部下がいたとします。理由を聞くと、「そもそも人手が足りなくて業務量が多すぎる」「アシスタントもいないので、すべて自分でやらなくてはならない」と会社への批判のオンパレード。そんなときには、このひと言です。👱♂️:「われわれができることで考えない?」このひと言で、他責だったメンバーの意識が切り替わります。それでも言い訳をしてくるメンバーには、「では、われわれができそうなことを3つ考えた上で、良い案がないなら諦めよう」などと伝え、前を向かせるようにしましょう。
■2.「今から考えると、どうすべきだったのかな?」
「いったい、どうしてこんなことを……」と思いたくなるようなケアレスミスを繰り返す部下はいませんか。そんな人に効果的なセリフを紹介しましょう。「今から考えると、どうすればよかったかな?」です。(中略)👦:「本当に申し訳ございません」まどろっこしい、と思いませんか。「先に相談しなさい」とひと言伝えればいいだけの話だと。でも、あえて「今から考えると?」と尋ねることで、今の自分と切り離して、客観的な視点で冷静に「考えさせる」ことができるのです。ミスの再発防止にはこれが最も効果的です。
👱♂️:「私自身もちゃんと把握していればよかったのだけど、今から考えると、どうすべきだったのかな?」
👦:「先に課長に相談をするべきでした」 (中略)
■3.「どんな理由があったの?」
「なんで+否定」の質問はできるだけ避けましょう。単に理由が知りたいだけだったとしても、相手はミスをなじられているような気になるものです。
なぜなら、「なんで+否定」の質問には「当然やるべきだ」というニュアンスが入っているからです。英語の「why not」に、「もちろん」というニュアンスがあるのも、同じ理由からでしょう。
代わりに使うべきは「どんな理由があったの?」というひと言です。👱:「連絡しなかったのには、どんな理由があったの?」どうでしょう。ほんのわずかな違いではありますが、これだと責めているというより、「純粋に理由が聞きたい」というニュアンスが強くなるのがおわかりいただけると思います。
👨🦳:「時間を守れなかったのには、どんな理由があったの?」
■4.「別の考えがあるとしたら?」
自分の意見に固執する人がいます。議論の流れ的にも、周囲の人の反応からも明らかにその意見が違うとわかるのに、絶対に自説を曲げない人。
私が管理職だったときも、このような部下がいました。その人を説得するために、会議がいつまでも長引いてしまうことも。こうなると、他の部下が委縮してしまったり、自由に発言できなくなるなど、会議がストレスフルな場になってしまいます。(中略)
そして、その際に使ってほしいフレーズがあります。それがこの「別の考え方があるとしたら」です。👱♀️:「貴重な意見ありがとうございます。一方で、これとは別の考え方があるとしたら、どうでしょう? Aさん、いかがですか?」上司があえて、「別の考え方があるとしたら、どうでしょう?」という振り方をしているので、話を振られたAさんも気兼ねなく反対の立場を取ることができるのです。
■5.「○○さんだからこそ、言います」
当時、年上の部下を多く抱えていた私は、どうしても遠慮してしまって言いたいことを言えず、悩んでいました。そのことを相談したところ、その役員の方はこう言ったのです。
「叱らないと、なめられるよね。こう考えるといいよ。『叱るということは、期待をかけることだ』と。その上で、年上には、『どうしたんですか! あなたほどの人が……』と添えて、そうなった理由を聞き、改善を求めるといい」
確かに当時の私は、遠回しに示唆するような言い方しかできておらず、年上部下になめられていたところがあったかもしれません。このアドバイスに従うことで、徐々に言いたいことが言えるようになりました。それに従って、年上部下の態度も変わってきたように思います。
【感想】
◆部下がいない私でも、非常に参考になる作品でした。実際、昨今の社会情勢を鑑みるにつけて、強い言葉を使いにくくなっているのは事実ですから、部下に対して詰問と取られかねない言い方は避けなければならないでしょう。
典型的なのが上記ポイントの3番目にある「なんで+否定」のパターンです。
言う方は理由が知りたいだけでも、言われた方は非難されていると感じること必至。
そもそも「なんで?」という疑問詞を使うこと自体、相手の行動が理解できていないのは明らかですから。
ここで使うのが「どんな理由」……なんですけど、ぶっちゃけ理由を問うているのは変わりませんよね?
それでも確かに、「純粋に理由が知りたい」ように感じるので、これは使ってみなくては。
◆また、「あるあるパターン」なのが、上記ポイントの1番目。
とにかく他責にしたがる人は、できない理由を挙げるのだけは得意です。
そこで否定から入らせないように、肯定(できること)から、逆算していくというのは、目からウロコ。
著者の伊庭さんいわく、このフレーズは伊庭さんが講師を務める管理職研修でも、「これは使える!」とおおいに喜ばれているのだそうです。
続く上記ポイントの2番目も、失敗を客観視する上でも秀逸なフレーズかと。
おかげで、過去のミスを踏まえた上で、今後はどうすべきかも、冷静に考えることができます。
なお、これはあるメーカーでの実話だそうで、上記では割愛しましたが、上司は再発予防策を考えさせた上で、「萎縮せず、どんどん挑戦して欲しい」と励ましたのだとか。
◆一方、上記ポイントの4番目は、「自分の意見に固執する」困った人がいるケース。
ただ、短いとは言え私の会社人生でも、そこまで頑固な人には、お目にかかった記憶はありません。
とはいえ、これが頭の固い上司や、思いついただけのことを口にする役員だったらいくらでもいるでしょう。
そこでそういう場合に、相手の意見を立てた上で、仮定の形で意見を募るのは「アリ」ではないか、と。
ちなみに、この節の最後には「ちょっと厳しめの言葉」として
「その意見の根拠となる事実を教えてください」というのが挙げられていましたが、さすがにこれは、上司や役員には使えないかも。
◆そして最後のポイントの5番目は、発言するのには慎重にならざるを得ないフレーズです。
これは「相手のことを尊重している」「期待をかけている」からこそ、「叱る」ということを表している次第。
ほかにも
「○○さんほどの人が、珍しい」といった表現が紹介されており、いずれも相手を立てつつも、咎めています。
「○○さんらしくないですね」
なお、これらも年上上司だけでなく、普通に部下にも使えそうですよね。
ただし、日頃からあまり出来が良くない部下に「○○さんほどの人が」なんて言ったら、皮肉にとられかねないので、その辺は注意してください。
パワハラを回避して、部下に動いてもらうために読むべし!
できるリーダーは、「これ」しか言わない 76のすごい言葉
第1章 メンバーが「自ら進んで動き出す」言葉
第2章 部下の本音を引き出す言葉
第3章 議論や会議を「超生産的」にする言葉
第4章 チームの思考レベルを上げる「フレーム」の言葉
第5章 「この人についていきたい」リーダーの言葉
第6章 響くほめ方、嫌われない叱り方
第7章 トラブルを防ぐ「リスクヘッジ」の言葉
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【編集後記】
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