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2024年02月01日

【健康】『80歳の壁[実践篇] 幸齢者で生きぬく80の工夫』和田秀樹


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80歳の壁[実践篇] 幸齢者で生きぬく80の工夫 (幻冬舎新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、現在開催中である「幻冬舎 電本フェス 前夜祭」の中でも、個人的に読んでおかねば、と思った健康本。

80歳までいかなくとも、将来の生活に向けて、今のうちから読んでおきたい1冊です。

アマゾンの内容紹介から。
肉を食べるなら朝から、それも牛肉・豚肉・鶏肉をまんべんなく。週5日・20分歩くと、認知症発症率が40%下がる。よい睡眠のためには「夜牛乳」と「6分間読書」を。入浴は午後2~4時が最適等々。「我慢しないで、やりたいことだけする生活」に、お金も手間もかからない、ちょっとした工夫をプラスするだけで、あなたも「80歳の壁」を楽しく越え、人生で一番幸せな20年を生きる幸齢者に。和田式・医者と病院の選び方も必見。大ベストセラー『80歳の壁』がさらに具体的に進化した、決定版・老いのトリセツ誕生!

中古に送料を足すと、ほぼ定価並みとなりますから、このKindle版が400円以上お得な計算です!






【ポイント】

■1.「腹八分目」ではなく、「腹九分目」を心がける
 じつは、年をとっても、体が必要とするカロリー量は、思うほどには変わりません。(中略)
 しかし、現実には、若い頃の「8割」も食べている高齢者は、ごくまれです。唐突なようですが、私は、それを貝原益軒の『養生訓』の悪しき影響と見ています。3世紀以上も前のこの本の影響で、日本では「腹八分目」が健康上の「国是」のようにされてきたからです。
 実際、高齢になると、今も「粗食」をむねとする人が少なくなく、高齢者の多くは、必要カロリー量を摂取していません。そして、低栄養状態に陥り、筋肉量が落ち、フレイル(健康な状態と要介護との中間の状態)への道を歩んでいる人が少なくないのです。高齢になると、食欲が落ちていくにもかかわらず、「腹八分目」を心がけたりすると、いよいよ栄養不足になって、寿命を縮めることになりかねません。
 たしかに、40〜50代までは、「栄養の摂りすぎ」による生活習慣病が心配です。しかし、高齢になると、低栄養状態によるフレイル化のほうが、よほど心配なのです。


■2.ホルモン補充療法を試してみる
 ホルモン補充療法は、アンチエイジング(老化予防)に大きな効果のある療法で、男性を例にとると、筋肉量、骨量が増加し、体脂肪が減り、精神的にも元気になり、記憶力がよくなります。最近の研究では、男性ホルモンが多いと、「やさしくなる」こともわかってきました。私は、自分でもこの注射を打っていますが、元気が出て、疲れにくい分、人にやさしくでき、対人関係がよくなるような実感があります。
 補充の方法は簡単で、男性には男性ホルモンを飲み薬や注射で、女性には女性ホルモンを錠剤や飲み薬で投与します。ただし難点は、日本では更年期障害の病名がつかないと、保険がきかないことです。他の先進国には、その効果の大きさから、保険のきく国もあるようですが、日本ではそうなっていないのが現状です。
 というわけで、費用はそれなりにかかるのですが、明確なエビデンスのある療法であり、効果が当てにならない健康食品にお金をかけたりするよりは、よほど賢明なお金の使い方だと、私は考えています。


■3.骨だけでなく、脳を守るためにもカルシウムを摂る
 高齢者の場合、カルシウムが不足すると、脳機能が低下し、記憶力が悪くなることがわかっています。そのメカニズムは、おおむね以下のとおりです。
 脳の中で、情報や刺激は、神経伝達物質の放出によって、神経細胞の間を伝わっていきます。カルシウムは、その「放出スイッチ」の役割を果たしています。そのため、カルシウムが不足すると、神経伝達物質が出にくくなってしまうのです。
 加えて、脳は、カルシウムが不足していると感知すると、骨に蓄えてあるカルシウムを「溶かせ」と命令します。すると、骨密度がさらに低下することになります。
 そのような困った事態を防ぐには、ふだんから食事を通して適量のカルシウムを摂っておくことです。カルシウムを最も効果的に摂取できる食品は、牛乳です。前にも述べたとおり、牛乳のカルシウムは吸収率がよく、1日に必要なカルシウム量の半分以上を取り込むことができます。牛乳を飲むと、お腹の調子が悪くなる人は、ヨーグルトやチーズを食べるといいでしょう。


■4.眠れなくなると物忘れも多くなる
 高齢者の「よく眠れない」症状は、大きく3つに分けられます。第1は、寝床に入ってから寝つくまでに時間がかかる「入眠困難」。2つめは、夜中に目が覚める「中途覚醒」。3つめは、朝方に目が覚め、その後眠れなくなる「早朝覚醒」です。
 いずれのタイプでも、睡眠不足になると、認知症の発症リスクが高まります。65歳以上の約1000人を対象にした調査によると、「十分に眠れない」と回答した人は、5年後に認知症を発症するリスクが高くなると報告されています。
 また、認知症を発症しなくても、睡眠不足になると、物忘れが増える傾向があります。睡眠と記憶には深い関係があるからです。
 日中、脳に入力された記憶は、寝ている間に、脳内で「重要な記憶」と「さほど重要ではない記憶」に振り分けられます。そして、重要とされた記憶は、短期記憶から長期記憶に変わります。ところが、睡眠時間が短くなると、長期記憶に定着させるための時間が足りなくなって、長期記憶化が円滑に進まなくなり、物忘れが増えるのです。


■5.ボケ防止に「何かを集める」
これは、多数の高齢者を診てきた経験からいえるのですが、いわゆる「コレクター」とか「オタク」と言われる人にボケた人はまずいないのです。その理由はいくつか考えられます。
 まず、第3章でも申し上げたように、「お金を遣うことは、脳を使う」ことです。とりわけ、何かをコレクションするには、見る眼を磨き、限られた予算内で好みの品を買っていく必要があります。いずれも、脳を活発に働かせる必要がある作業です。ボケている暇はありません。
 また、欲しいものを見つけたときや入手したときに、感情が高揚することも、ボケ防止になっているのかもしれません。何かを集めることは、「感情の老化」を防ぐのです。そして、何かを集めれば、それは人とのコミュニケーションのきっかけにもなります。
 そのうえ、スクールに通う必要もなく、思い立った日にその日から、1人で始められます。しかも、骨董や宝石を集めるのでなければ、お金も思うほどにはかかりません。


【感想】

◆今までもさまざまな健康本をご紹介してきましたが、特に「中高年(というか老年)向け」にフォーカスした本は初めてかもしれません。

一応、「老いる」ことを取り扱う作品はあっても、むしろ「アンチエイジング」を目指すものがほとんど。

その点本書は、純粋に「お年寄り向けの健康本」と言って良いと思います。

位置づけ的にも、同じ和田先生のこちらの本の続編(タイトルでは「実践篇」ですが)という形でして。

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80歳の壁 (幻冬舎新書)

冒頭の内容紹介では「大ベストセラー」とありますが、実際にこの本、2022年の年間ベストセラー1位になっています。

和田秀樹さん「80歳の壁」が1位、2位に「人は話し方が9割」…年間ベストセラー : 読売新聞

……それは続編も出しますよね、という。


◆さて、本書は下記目次のように5つのテーマに沿って、合計80個(タイトルに合わせた?)の節が展開されています。

中には、全世代共通のTIPSもありますが、今回は特に「高齢者向け」のモノをセレクト。

例えば「食事」をテーマにした第1章から抜き出した、上記ポイントの1番目の「腹九分目」は、多くの健康本とは異なる主張です。

確かに若いうちは、肥満をはじめとした生活習慣病が気になりますから、「八分目」が妥当だったのですが、今後は「九分目」を目指さねばならない模様。

ただ、あえて「八分目」にしているのではなくて、食べたくても食べられない可能性もあると思うんですよね……。

私自身、もう天丼やカツ丼をフルに食べるのは結構キツいので、80歳だと結構頑張って「九分目」にしなくてはならないかも。


◆続く第2章のテーマは「薬と医者」、ということで、上記ポイントの2番目の「ホルモン補充療法」をセレクト。

和田先生が、ご自身でもなさっているとのことですが、ググると女性向けのお話が多いんですよ……。

というのも、ここでも触れられているように、そもそもが更年期障害の対処療法なわけで、なるほど、だからだな、と(男性も更年期障害はありますが)。

一応、自由診療で受診すると、どのくらいかかるかもググったのですが、年間で15〜20万程度みたいです。

同じく、女性向けのお話だと思っていたのが、骨粗鬆症をはじめとした骨の問題。

第3章から引用した上記ポイントの3番目では、「脳を守るためにもカルシウムを摂る」ことを推奨しています。

骨粗鬆症は女性がほとんどと聞いていましたが、脳に影響があるのなら、私たち男性もカルシウムを摂らなければ。


◆一方、第4章から引用したのが、上記ポイントの4番目の睡眠のお話。

睡眠不足気味だと寿命も短いということは、当ブログでも何度も触れておりますが、「認知症の発症リスクが高まる」と聞くと、やはりビビります。

実際に母が認知症になって痛感したのは、本人はどう思っているのか分かりませんが、周りは結構大変でして。

そうならないようにしたい……と思いつつも、この下書きを夜中の2時半に書いていて、まだ終わらないんですがw

ちなみに同じ認知症絡みで、朗報と言えるのが、第5章から抜き出した、上記ポイントの5番目。

なるほど、推し活して、推しグッズを集めているうちは、大丈夫なんですね!

着るあてもない、推しグッズを数年間買い続けておりますが、引き続き「脳のために」続けたいと思いますw


まさに「老いのトリセツ」とも言える1冊でした!

B0BZCRXXG1
80歳の壁[実践篇] 幸齢者で生きぬく80の工夫 (幻冬舎新書)
第1章 おいしく、多めに食べる
第2章 薬と医者と数値を疑う
第3章 脳と心にわがままを許す
第4章 できなくてもサバサバ、できることは続ける
第5章 遊ぶ、外出する、笑う


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【健康】『いくつになっても年をとらない新・9つの習慣』吉川敏一(2015年12月29日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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多少読む人を選びそうな採用本は、200ページちょっとで1800円超と高めですが、Kindle版だと1300円超お得。

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未読本記事でも取り上げた思考術本は、Kindle版が1100円超お得な計算です(私も買いました)!


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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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