2024年01月19日
【内向型?】『「ひとりが好きな人」の上手な生き方 内向型が力を発揮するための実践的エクササイズ』ティボ・ムリス
「ひとりが好きな人」の上手な生き方 内向型が力を発揮するための実践的エクササイズ
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、現在開催中である「Kindle ビジネス・ファイナンス本 セール」の中でも人気の1冊。自ら「内向型である」ことを自称する著者が、「同士」に向けてエールを送る1冊となっています。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
「これ、私のことだ…!」共感する声続々!
内向性について深く知れば、あなたの人生はさらに輝く
著書累計全世界で60万部!フランス出身のビジネスコーチが伝授。
「ひとりが好きな人=内向型の人」が生きづらさを解消し、充実した人生を送れるようになる一冊。
今すぐ実践できる14のエクササイズで、自分の本当の強みを見つけよう
中古に送料を足すと定価を上回りますから、このKindle版が800円弱お買い得です!
【ポイント】
■1.内向型は外向型より外部の刺激を受けやすい外向型の人が外界からの刺激をたくさん必要としているのには、科学的な理由がある。外向型の人は内向型の人より神経伝達物質ドーパミンに敏感なのだ。実際、外向型の人と内向型の人では、優勢な神経伝達物質が異なる。内向型の人はアセチルコリンを主な神経伝達物質として使い、外向型の人ではドーパミンがその役割を果たす。アセチルコリンは思考と感情を通じて生産され、集中力を研ぎ澄まし、記憶力を改善し、幸福感を高める。したがって、内向型の人は思考、観察、熟慮に時間を使うことによって、自分を刺激することができるのである。
一方、外向型の人は、より多くのドーパミンを生産する必要があり、そのためにはたいていアドレナリンが必要になる。活動を増やすことと刺激を求めることは、どちらもアドレナリンを増やすのに効果的な方法だ。ドーパミンとアドレナリンが必要になるのは、外向型の人が内向型の人より大きなリスクをとりたがる主な理由である。リスクをとることは、外向型の人に必要な刺激を与えてくれる。彼らはひとりでいると退屈しやすい。その結果、外向型の人は刺激があまり得られないと、内向型の人より集中力を失いやすく、気分が沈みがちになる。
■2.すべての人に対して社交的になる必要はない
私たちは社交的になるべきだと思い込んでいる。プライベートで電話がかかってきたら、電話に出るべきだと思い込んでいる。会話で沈黙を避けるために、面白いことを言うべきだと思い込んでいる。
だが、その必要はまったくない。あなたに社交性を要求する権利は誰にもないからだ。(中略)
こんなふうに考えてみよう。外向型の人が話しかけてくるとき、彼らはエネルギーを補充するために他人と接する必要があるから気分がいい。そういう意味で、あなたは彼らに「利用」されているのだ。しかし、彼らのために会話を続ける義務はない。それはあなたのエネルギーを奪うことになり、そんなことを押しつけてくる人はかなり利己的だ。あなたは外向型の人に対して、ずっと家で本を読むように押しつけるだろうか? もちろん、そんなことはしないはずだ。
覚えておこう。あなたは誰に対しても社交的である必要はない。あなたは人と接するとエネルギーが消耗しやすいタイプだから、誰とどれだけ話をするかを慎重に決めることが重要だ。
■3.パーティにうまく対処する11のアイデア(抜粋)
●早めに立ち去る私たちは内向型だから、刺激の強い環境であまり長く過ごすのは苦手だ。そんなときは早めに立ち去っても何ら間違っていない。●外向的な友人を連れていく外向型の人たちはけっして敵ではないことを覚えておこう。外向的な友人と一緒にパーティーに行くと緊張がほぐれて、ひとりで行くときよりも多くの人と接することができる。●途中で休憩をとるパーティーの途中で休憩をとることを遠慮してはいけない。これは少し散策に出かけたり洗面所に行ったりすることを意味する。また、会話をしている相手に「一緒に散策に出かけませんか」と誘ってもいい。●他の内向型人間を見つけるその場にいる内向型の人に近づいてみてもいいかもしれない。ひとりで座っているか部屋の隅で立っている人がそうだろう。その人と会話を交わして、どういう展開になるか試してみよう。
■4.集中力を発揮して深く追求する
多くの人がひとつのことに集中できず、ひとつのことから別のことへと対象を移し替えている。たとえ特定の目標を持っていても、ひとつのダイエットから別のダイエットへ、ひとつのコースから別のコースへ、ひとつの本から別の本へと移し替える。そして、なぜ望んでいる結果を得ることができないのかと首をかしげている。魅力的に見えるものに目移りしやすいこの傾向は「シャイニー・オブジェクト症候群」と呼ばれ、問題になっている。
しかし、内向型の人にとっては嬉しいことに、何かを成し遂げるまで、ひとつのことにずっと集中するのはわりと簡単にできる。というのも、内向型の人は目新しいものにあまりワクワクしないからだ。アインシュタインが「私はそんなに頭がいいわけではなく、問題に対して普通の人より長く取り組めるだけである」と言っているとおりだ。
大好きなことに集中して、それをより深く追求するように自分を訓練すればするほど、あなたはより幸せになることができる。しかも、それによって、望んでいる結果が得られる可能性が高くなる。
■5.情熱を燃え上がらせる
私たちは内向型として、自分の最大の強みのひとつは、何かに取りつかれる能力であることを認識すべきだ。大好きなことを見つけ、それに生きがいを感じるなら、不可能を可能にすることができる。(中略)
何かに取りつかれることはネガティブなことのように思えるかもしれないが、最近、私はそれを別の角度から見るようになった。何かに取りつかれることが自分の最大の強みかもしれないと考えたのだ。そこで、それを抑圧するのではなく歓迎したらどうなるだろうかと思った。つまり、自分が情熱を感じることに没頭したらどうなるかと考えたのだ。
あなたの経験は私のそれとは違うかもしれないが、少しは心当たりがあるだろう。要するに、自分のしていることに意味を見いだしたいという願望が、強い原動力になるということだ。実際、それは内向型としてのあなたの最大の強みのひとつなのかもしれない。
【感想】
◆内向型の方にとって、励ましとなるような作品でした。実は下記関連記事にもあるように、当ブログでは過去何冊か、こういった「内向型」や「内向性」をテーマにした作品をご紹介しており、それなりにお求めいただいていた記憶が。
……もっとも「読書」が好きな方の割合は、外向型のグループよりも内向型のグループの方が、多そうな気がしますし、ある意味当然かもしれませんが。
一方本書は、過去のこうした類書と比べても、内向型であることをむしろポジティブに捉えている印象を受けました。
というのも今までの作品は、「処世術」と言いますか、ラフに言うと「世界は外向型のものであり、その中で内向型がどう生きるか」みたいな感じだったかな、と。
それに対して本書は、「世界の半分は内向型のもの」と考えているようで、第2章から抜き出した上記ポイントの2番目を読んでも、その「心意気」はうかがえると思います。
「あなたは外向型の人に対して、ずっと家で本を読むように押しつけるだろうか?」なんて、考えたこともありませんでしたよ。
◆また、初耳だったのが、上記ポイントの1番目の神経伝達物質のお話です。
内向型とか外向型というのは、あくまで持って生まれた性格によるのかと思いきや、なんと科学的に違いが判明していたとは!?
ドーパミンやアドレナリンが必要ならば、それは外向的な人は、アクティブになって当然ですわな。
かたや内向型の人が用いるのが、アセチルコリンなるもの。
アセチルコリンは思考と感情を通じて生産され、集中力を研ぎ澄まし、記憶力を改善し、幸福感を高める。したがって、内向型の人は思考、観察、熟慮に時間を使うことによって、自分を刺激することができるのである。頭を使う仕事にうってつけではないでしょうか?
なお、この第1章では、冒頭のエクササイズで、内向性の度合いが確認できます。
とはいえ内向型の方は、エクササイズで確認するまでもなく、自覚されてる方が多そうですが。
◆一方第3章では、「内向的な性格に合った1日の設計の仕方」がテーマ。
特に、社交、仕事、人間関係の3分野で、人生をよりよくするアドバイスが提案されています。
その中の1つが、上記ポイントの3番目の「パーティにうまく対処する11のアイデア」。
ここで抜き出した4点以外も、いずれも納得できるものですから、ぜひ本書にてご確認ください。
……「そもそも行かなきゃいいじゃん」という方は、「上手に断るための5つのヒント」の方をお読みいただけたら、と。
さらにこの章では、「職場で上手に自己主張する5つの方法」「人脈づくりの場での9つのアドバイス」「外向型の人と付き合うための6つのヒント」のようなTIPS集がいくつもありますから、お見逃しなく。
◆さて、上記のような対処的なお話からさらに進んで、第4章ではいよいよ「内向型の本来の力を発揮する」と題して、内向型ならではの生き方を伝授しています。
そもそも一人で何かやるなら、外向型であるメリットは失われがちですから、内向型の天下かと。
中でも上記ポイントの4番目にある「ひとつのことにずっと集中する」というのは、その最たるものでしょう。
また、第5章からの上記ポイントの5番目の「情熱を燃え上がらせる」というのも、何かをなしとげるには、重要なピースだと思います。
つまり、分野によっては内向型であるがゆえに、大きな成果を上げる可能性がある、と言っても過言ではありません。
本書の巻末の「おわりに」で、著者は「内向的な性格は恥じるべきものではなく、むしろ誇りに思うべきものだ」と断言しており、まさにその通りだと私も思いました。
内向型の方なら必読の1冊!
「ひとりが好きな人」の上手な生き方 内向型が力を発揮するための実践的エクササイズ
第1章 内向性を正しく理解する
第2章 内向型であることを受け入れる
第3章 内向的な性格を最大限に活かす
第4章 内向型の本来の力を発揮する
第5章 内向型人間の可能性を追求する
【関連記事】
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【引っ込み思案?】『人見知りが治るノート』反田克彦(2016年12月11日)
【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。カラー図解 アメリカ版 新・大学生物学の教科書 第2巻 分子遺伝学 (ブルーバックス)
過去何度かセールに出たことのある、ブルーバックスからの1冊。
ただし、過去最安値のため、Kindle版が1200円弱お買い得となります!
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