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2024年01月08日

【質問?】『革新的な会社の質問力』河田真誠


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革新的な会社の質問力


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、現在開催中である「Kindle本 年末年始セール」でも人気の高いビジネススキル本。

「質問コンサルタント」の肩書を持つ河田真誠さんが、「正しい質問の仕方」を指南してくれる1冊です。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
目の前の問題や目標を整理し、解決策を考え、行動することの繰り返しで、仕事は進んでいきます。
その時の「頭の中を整理する」「新しいアイデアを生み出す」「やる気になる」きっかけとなるのが質問です。
本書では「自分にしつもん」「部下にしつもん」「会議にしつもん」「お客様にしつもん」という4つの場面で、質問力を磨き、活用する方法を明解に解説します。

送料を足した中古よりは、このKindle版が600円以上お買い得です!






Question! / Stefan Baudy


【ポイント】

■1.答えるより、考えることが大切
 しつもんに素早く答えることが重要だと思っている人がわりと多くいます。僕がしつもんすると、誰よりも先に答えを書き込んで「終わりました!」と涼しい顔をしているタイプの人。しかし、答えがすぐに見つかるということは、その人の内側に「変化が起きていない」可能性があります。
 しつもんで大事なのは、「答え」ではなくて、「考える」ことにあります。
 人は何も考えていなくても、昨日と同じ1日を惰性で送ることができます。しかし、それでは変化は起きません。仕事も同じです。ぼんやりと1日を過ごすと、変化のチャンスとなる「小さな違和感」を見逃してしまいます。
 しつもんへの答えは、いますぐに見つからなくてもいいのです。実は、脳というのは、課題を与えておくと、無意識のうちに答えを探し続けてくれます。この便利な機能を使わない手はありません。


■2.習慣化したい7つの「自分しつもん」
1.いいところはどこだろう?
2.「なぜ?」×7
3.じゃあ、どうする?
4.どうなっていたら最高?
5.違いは何だろう?
6.本当に?
7.いま、できることは何?

(詳細は本書を)


■3.「さすがだね。どうやったの?」
 コンサルティングの顧問先で僕が必ず実行しているのが、「うまくいっている人」に、その秘訣をインタビューすることです。計画的に意図を持ってやっていることをうかがうのはもちろんのこと、時には、本人が成功の秘訣を自覚していなくて何となく偶然にうまくいったということもあります。
 それらを聞き出すことで、偶然のものを再現できるようにしたり、一人の成功ノウハウをほかの人にも共有していきたいのです。成功のノウハウを「見える化」するのがこのしつもんです。
「さすがだね。どうやったの?」というしつもんを投げかけられた人は、頭の中で自分がやっていることを振り返り、言葉に置き換えようとします。そのプロセスで、自分の行動を客観視するので、無意識のうちにとった行動とその理由が整理され、成功の理由が浮かび上がってくるのです。成功の理由がわかれば、それを職場で共有できます。


■4.相手の困りごとを聞き出す
 商品やサービスが売れないのは、必死で「売ろう」としているからです。売ろうという気持ちが強すぎると、それが相手にも伝わってしまい、途端に売れなくなります。まず肩の力を抜いて、売り込む前に、まず相手の悩み、困りごとを引き出すことが大切です。
 僕が中小企業の経営者に会った時によく使うしつもんは、
「それだけうまくいっていたら、困りごとなんてないでしょう?」
 こう言うと相手は、「いや、そうでもないんだよ!」と前のめりになって、困りごとをどんどん話してくれます。(中略)
 相手の願望をダイレクトに引き出すため、「何でもかなうとしたら、どんなことをお願いしたいですか?」と聞くのもいいですね。相手の答えが広がりすぎる時には「○○に関して、何でもかなうなら……」と自分が得意な分野に限定して話をしてもいいかもしれません。


■5.大切な価値観を聞く
 お客様の満足度をさらに高めたいなら、「大切な価値観」を探るしつもんをすることが有効です。
 ある歯科クリニックのコンサルティングをした際、問診票に「詳しい説明を受けたいですか、受けたくないですか?」「これまで歯科医院や病院などでどのような嫌な思いをされましたか?」という2つのしつもんを付け加えました。
「説明は必要ない、早く治療してほしい」という人に細かな説明をすると、相手は迷惑に感じます。逆に、「治療に関して詳しく知りたい、そのほうが安心」という人には、詳しく説明をすることで安心感や信頼感を得てもらうことができます。
 また、2つ目の、これまでの嫌な経験というのは、「どんなことをされると嫌か」という大切な価値観につながっています。事前に知ることができれば、その部分を満たす商品やサービス(この場合は治療)を提供することができます。


【感想】

◆タイトルにはないのに、引用部分で登場しまくる「しつもん」という平仮名4文字。

いわゆるよくある「質問」とは異なる使われ方を本書ではされており、本書の「はじめに」にて、その定義が掲載されています。
 一口に質問と言っても、実はさまざまな種類があります。相手に正解を当てさせるための「クイズ」も、質問です。自分の知らないことを相手に聞く「疑問」や、相手の真意を問いただす「尋問」も質問の一種と言えるでしょう。さらに、「ごきげんいかがですか?」といった特に意味を持たない「あいさつ質問」もあります。
 僕は、相手のためになる良質な問いかけを「しつもん」と定義し、そのほかの質問とは区別して使っています。
なお、具体的にはこの「しつもん」を含め、「質問」には6種類ある旨、本書の第1章では触れられていました。

そして、「しつもん」とそれ以外の「質問」との一番の違いは、「誰のため」のものか、ということ。

その他の「質問」が「自分のため」であるのに対して、「しつもん」は「相手のため」になされるのだそうです。


◆一方第2章では、その後の各種「しつもん」の前提となるものが、「必ず身につけたい『7つのしつもんマインド』」と題して登場。

これらは第3章以降のすべてに共通する大切なマインドなので、ぜひとも押さえておきたいところです。

具体的には本書を読んでいただくとして、上記ポイントの1番目はその中の1つである「答えるより、考えることが大切」から抜き出しました。

確かにやたらと早く答えるのが正義、みたいな方もいそうですけど、そこは考えることを重視していただいて。

実際、著者の河田さんも、「お客様にどうすれば喜んでもらえるか?」という自分自身への「しつもん」に対して、この5年間、ずっと考え続けているのだそうです。


◆続く第3章の章題は「自分しつもん」。

というわけで、上記ポイントの2番目では、「思考のくせ」になるくらい、意識的に繰り返し問い続けるべき「自分しつもん」が7つ挙げられています。

ちなみに3番目の「じゃあ、どうする?」というのは、「できない理由」を挙げ始めたら考えるべき「しつもん」。

ただし、こういう言い訳ばかりが浮かんでくるときは、無理に抑え込もうとせずに、取りあえずすべて言い尽くしてみるのだそうです。
そしてまずは「本当だ、大変だね」と自分をねぎらってあげましょう。あとは「自分しつもん2」で述べたように、相手や環境ではなく、自分ができることや変われることに関して「じゃあ、どうする?」と考えていきます。
いったん言い尽くさせる、というのはなかなかユニークだな、と。


◆さらに第4章では、部下への「しつもん」の仕方が登場。

上記ポイントの3番目は、「目的別『部下の力を引き出すしつもん』を活用する」からのものになります。

ちなみにこの「さすがだね。どうやったの?」は、「うまくいっている人のコツを知りたい」というストレートな目的なのですが、もう1つ、部下をほめる効果もアリ!
 また、ほめられると純粋にうれしいものです。それだけで、心理的な距離が縮まり、しつもんがより効果を発揮するようになります。
これは多用しなくては(ただし私には部下がいませんw)!

なお、次の第5章は「会議でしつもん」という章題のとおり、会議における「しつもん」の活用法が紹介されています。

その名も「しつもんアイデア会議」ということで、「しつもんシート」(HPからダウンロード可能)や会議の手順が記されていますから、気になる方はご参考まで。


◆ただ、そちらは飛ばして個人的にハイライトを引きまくったのが第6章の「お客様にしつもん」です。

たとえば上記ポイントの4番目にある「それだけうまくいっていたら、困りごとなんてないでしょう?」という「しつもん」は、似たようなものを類書で読んだ記憶がありました。

確かに「ないでしょう?」と問われると、かえって「いえいえいえ」と話したくなるのが人情というもの。

同じく、上記ポイントの5番目の「2つのしつもん」のうち、2つ目の「嫌な経験」というのは、河田さんもお客さんとの雑談で聞いているそうで、「これまでに、嫌だなと思ったタイプのコンサルタントはいましたか? それはどんな感じでしたか?」と尋ねることで、相手の望むスタイルで対応しているそうです。

いずれにせよ本書のメソッドは、自身の置かれた状況によって、適切な「しつもん」を投げかけることで、状況の改善が図れるという優れた仕組みと言えそうな。

しかも他者から押しつけられたものではなく、自分の考えた答えですから、実践にも前向きになれそうです。


問題解決を望む方なら読むべき1冊!

B0716B7GL9
革新的な会社の質問力
第1章 「しつもん」とは何か?
第2章 必ず身につけたい「7つのしつもんマインド」
第3章 自分しつもん
第4章 部下にしつもん
第5章 会議でしつもん
第6章 お客様にしつもん


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【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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【編集後記2】

◆一昨日の「Kindle本 年末年始セール」の扶桑社分の記事で人気が高かったのは、この辺の作品でした(順不同)。

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よろしければご参考まで!


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Posted by smoothfoxxx at 10:00
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