2024年01月04日
【アイデア】『1日1アイデア 1分で読めて、悩みの種が片付いていく』高橋晋平

1日1アイデア 1分で読めて、悩みの種が片付いていく (角川書店単行本)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、現在開催中である「カドカワ祭りニューイヤー」からの1冊。著者の高橋晋平さんは、以前当ブログで『一生仕事で困らない企画のメモ技(テク)』(おっと、この本も「52%OFF」ですね)をご紹介しているアイデアマンです。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
「月曜日の憂鬱をなくす」「運動を習慣化する」「天気の次の雑談の話題」……アイデアとは、自分の心の中の願望が実現するきっかけです。1日1分、1ページずつ読むだけで仕事と人生が毎日楽しくなっていく!
中古がほとんど値下がりしていないため、このKindle版が1100円以上お買い得となります!

Finger face having an idea / Tsahi Levent-Levi
【ポイント】
■1.アイデアの数が必ず倍に増える「ニコイチ発想法」誰にでもおすすめできる簡単なアイデア発想法があります。ひとつのことを思いついたら、必ずそれを逆に考えたアイデアをセットで出すという方法です。
例えば、話し方を教える本のタイトルを考えようとしたときに、『話し方がうまくなる方法』という案を考えたら、その反対に当たるような逆説的表現の『あなたの話がスベるワケ』という案も出してみます。それでアイデアがふたつになります。とても簡単です。
開発で、材料として金属を使ってみるなら、試しに紙を使うことも検討してみる。アプリの企画を考えるなら、もしそれを文房具にしたらどうなるかも考えてみる。そのように、何を思いついても、逆もやってみたらどうなるかをセットで考えてみてください。
■2.人生の友達を作る「1分自己紹介」の仕方
僕がいつも使っている「1分自己紹介」は以下のようなものです。「高橋晋平と申します。職業はおもちゃの開発者です。友達の得意なこととか悩みごとをテーマにしたおもちゃを作る仕事をしているので、ネタがあれば一緒におもちゃを考えましょう。好きな食べ物は焼き鳥で、趣味は友達と焼き鳥屋に行くことです。よろしくお願いします」1分というか、30秒程度ですね。ポイントは「これからあなたと何を一緒にできたら嬉しいか」を、仕事(活動) 分野と遊び分野でそれぞれ話すことです。今までの立派な実績を背伸びして話しても「すごい人なのかもしれない……」と思われて距離を感じられると損です。自己紹介は、これからの人生の友達と出会うためにあります。未来を作る自己紹介を考えましょう。
■3.万物をテーマにして、自分という変換装置を通す
僕は「創作のネタが尽きることは永遠にない」と豪語しています。正確に言うと、最初から質を問わなければ、ネタは無限に生み出せます。
創作とは、「万物をテーマにして、自分という変換装置を通す」という方法で行うものです。例えば僕が「河童をモチーフにしたおもちゃをひとつ作って!」と言われたら、河童の皿を触るのが気持ちよくて笑えるフィギュアや、河童を探し当てるゲームを作ると思います。それは僕が、感触を楽しんで笑えるおもちゃやゲームを作るのが得意な「変換装置」だからです。河童が何に変わってもアイデアを生み出せます。
変換装置としての自分を知り、磨いていくと、ネタは尽きなくなります。創作の質を上げるのはそれからです。まずはネタを数多く出して、自己評価をしたり、他者からのフィードバックをもらったりしているうちに質は上がります。
■4.小さな改善点を考えてみる
壊れやすいものを包む川上産業株式会社の気泡シート「プチプチR」は、常識のように多くの人に活用されていますが、その進化版ともいえる新製品「スパスパR」をご存じでしょうか? プチプチでは丸い形だった空気の粒が、四角形で碁盤目状に配列されており、粒と粒の間の溝に沿って手で裂くと、なんと「スパッ」とまっすぐ切ることができます。(中略)
プチプチには50年以上の歴史があり、定番商品としてすでに多くの人の役に立っていますが、研究開発によりこのような改善が行われることは本当にすごいことです。アイデア発想とは、現状のものごとに対して「何か不足はないか」「あと一歩だけ良くすることができないか」ということを探究し続けることです。重箱の隅をつつくように、小さな改善点を考えてみることを楽しめたら、アイデアは生まれ続けます。
■5.様々なモノの製造方法を知ると、発想の幅が広がる
過去にアニメグッズの専門店で、「ジャンボしたじき」という商品がヒットしたことがありました。キャラクターの絵が大きく印刷されている巨大なしたじきのようなプラスチック製のプレートで、大きなポスターのように壁に貼ったり飾ったりすることができます。
この商品が誕生したきっかけを知人に聞いたことがあります。したじきを作っていたメーカーの担当者が、生産している工場を視察に行ったとき、したじきを作るために、大きなプレートを「バン!」と4つにカットして作っていたのを目にしたそうです。現場の人に「これって、もしカットしないで大きい1枚のままにしたら、4枚作るのより加工費って安くなるの?」と聞くと、「はい」と答えたとのこと。そこで、したじきの4倍の大きさの、劣化しないポスターのように使えるジャンボしたじきという商品を発明したのです。しかも、少なくとも4000枚からでなければ生産できなかったしたじきが1000枚から作れるようになったことも、商品開発として重要でした。そしてなんと、価格はしたじき4枚より高く設定されました。 ポスターというものが文具より高額で販売される文化だったからです。この話は本当にすごいアイデアの例だと思います。考えた人は商売の天才です。
【感想】
◆読みやすい作りの割には、読み切るの時時間がかかりました。私はKindleで読んだのですが、見開きで1つの小見出し(アイデア)が完結する仕様で、それがタイトルにもあるように、1日1個で1年分、計365個収録されているという。
それがゆえ、本書には「章」なるものがなく、かといって目次として1月から12月まで並べるのも芸がないので、下記では目次を割愛しています。
ただ……本書のあとがきによると、実は本書は11個のコアアイデアからできており、365個がすべて11個のコアアイデアのどれかに含まれているのだそう。
実際、本書の巻末では「目的別索引」と題して、365個のアイデアがコアアイデアごとに並べ替えられています。
◆たとえば上記ポイントの1番目は「どんどん思いつくアイデア発想法を知りたい」というコアアイデアからのもの。
確かにこれは、ストレートにアイデア発想法であり、アイデア出しに困っている人には役に立ちそうです。
このコアアイデアには、他にもアイデア出しに使えそうなネタが多々ありましたので、気になる方は本書にてご確認を。
また、上記ポイントの2番目の「1分自己紹介」は、「人間関係がうまくいくコミュニケーション術を身につけたい」というコアアイデアからのもの。
自分自身、色々な自己紹介TIPSを学んできましたが、この「『何を一緒にできたら嬉しいか』を、仕事と遊びでそれぞれ話す」というのは、効果があると思います。
私も昔はセミナーに出まくっていたものですが、その時知っておけば……(遠い目)。
なんたって最後に出たこのセミナーが、5年半前ですからねー。
【セミナーレポ】成毛眞さんの「『amazon 世界最先端の戦略がわかる』出版記念特別セミナー」にお邪魔してきました(2018年08月12日)
◆一方、上記ポイントの3番目の「自分という変換装置」のお話は、ポイントの1番目の「アイデア発想法」と同じかと思いきや、それとは別の「創作、趣味、ものづくりなど、アウトプットしたい」というコアアイデアに属していました。
ここに「感触を楽しんで笑えるおもちゃ」とありますが、確かに高橋さんは、こちらのグッズのヒットで有名になられた方でしたっけ(これは改良品ですが)。

バンダイ(BANDAI) ∞プチプチAIR 【日本おもちゃ大賞2021 ハイ・ターゲットトイ部門 優秀賞】
なお、こちらの「創作〜」のコアアイデアに属するアイデアは、確かに商品系が多くて、私自身いちいち登場するグッズをググって確認していました(だから時間がかかったという話も)。
たとえばこちらの「絵本のつみき」は、絵本と一緒にプレゼントしたら喜ばれそうです。

絵本のつみき こぐまちゃん ((7P)しろくまちゃんのほっとけーき/TM-KGM-0201)
また、こちらの「Stickybones」は、アクションポーズの制作に最適とのこと。

Stickybones - とてもポーズをとらえるアート&アニメーションフィギュア 8.5インチ ダークストーム
◆そして上記ポイントの4番目と5番目は、「ビジネスアイデア(新商品や新規事業)の種を見つけたい」からのもの。
まずポイントの4番目の「スパスパ」というのは、私は知りませんでした。

川上 □36 スパスパ 1200mm×42m 11278
ググったところ、同じサイズで「プチプチ」と比較すると、やはり17%ほどお高くなっていますが、それを上回る便利さがある、ということなんでしょうね。
また、「ジャンボしたじき」の発想は、確かに「目からウロコ」。
確かに紙のポスターに比べたら劣化しにくいでしょうが、「したじき」ではなく「ポスター」と再定義したからこその高値設定が可能だったようです。
なるほど、アイデアひとつで、ビジネスが生まれる、という好例でした。
アイデア体質になりたい方なら要チェックです!

1日1アイデア 1分で読めて、悩みの種が片付いていく (角川書店単行本)
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【編集後記】
◆本日の「Kindle日替わりセール」から。
これで、歌がうまくなるコツがぜんぶわかる
カラオケがお好きな方も苦手な方も要チェックな1冊は、中古価格が定価を超えるため、Kindle版が1700円以上お買い得。

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