2023年12月06日
【勉強法】『脳内メモリ最弱の僕が東大合格した人生が変わる勉強法』横井佑丞@yokko
脳内メモリ最弱の僕が東大合格した人生が変わる勉強法
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも人気の高かった勉強本。暗記法からスケジューリングまで、幅広い内容をカバーした作品になっています。
Kindle版の方の内容紹介から一部引用。
記憶力が悪すぎるのに東大現役合格できた著者が、受験生〜社会人まで使える勉強法を伝授!
自宅の住所もしっかり思い出せないほど物覚えが悪い著者は、欠点をカバーするためにオリジナルの勉強法を編み出し、東大合格、大手外資系コンサル就職、TOEIC975点、会社員時代にプログラミング独学マスター、起業などを達成しました。
著者の体験を通して体系化された勉強法を実践すれば、成績は上位10%圏内まで伸ばせます。リスキリングを頑張りたい社会人や現役受験生、「加齢とともに記憶力が衰えた」などと悩む中高年にもおすすめしたい内容充実の勉強指南書です。
そのKindle版の値引はないものの、中古が定価の倍以上のお値段ですから、現状それほど気にならないかも!?
Exercise Plays Vital Role Maintaining Brain Health / A Health Blog
【ポイント】
■1.記憶保持率3〜5割の期間に再度暗記する暗記作業において、記憶が一番強化される瞬間は「あ〜この言葉覚えたぞ…なんだったかな…そうだ! 〇〇だ!」というように、忘却の彼方に飛びそうになっている言葉を脳に連れ戻したときです。まだ脳にしっかり居座っている言葉を思い出しても、それは大した記憶の強化になりません。また、完全に忘却の彼方に飛んで行ってしまった言葉を覚えることは、初回の暗記と同じ効果しか持ちません。
この「そういえば覚えたぞ…」の瞬間が暗記作業中に多くなるのが、記憶保持率(前回の暗記で覚えたことがらのうち、今覚えている事柄の割合)3〜5割の期間です。この期間内であれば、暗記作業中に答えられなかった言葉でも、再度見れば、「あ〜そういえば覚えたな」と、脳に連れ戻すことができます。つまり、この期間内に再度暗記作業をすべきだということです。ここが暗記についての非常に重要なポイントです。
■2.繰り返しは11周が目安
例えば、12章からなる参考書を覚えるとします。まず1章を5周します。前項でも説明した通り、1周目は理解するために黙読し、2周目は記憶するために音読します。その後、3周目は、大事なところをマーカーや赤シートを使って隠しながら、答えられるか確認する暗記作業をします。この3周目では大体答えられませんので、安心してください。4周目でしっかりした暗記作業の2回目をし、5周目で同様の暗記作業の3回目をします。ここまで来ると高い正答率になると思います。このようにして1章を覚え終わったら、2章、3章についても同様の作業をします。3章を覚え終わった後、1章や2章の記憶が薄まっているので、1章から3章を通して、暗記作業を3周します。これで8周です。(中略)
その後は1章から12章を通して、覚えるべき箇所を覚えられたか通しで確認します。この作業を3周します。まとめると、各章個別に5周、3章ごとに3周、全体を通して3周で、計11周することになります。
■3.誘惑を気晴らしに置き換える
端的にまとめると、誘惑は、予定していた勉強時間を奪う行為を指します。気晴らしはその反対で、予定していた勉強時間を奪わない行為です。(中略)
こう定義すると、娯楽の中にも誘惑になりやすい行為と、気晴らしになりやすい行為があることに気づきます。自分の裁量でいくらでも続けられるものは誘惑になりやすく、体力的に長時間は続けられないもの、または自分の意志とは無関係に終了するものは気晴らしになりやすいです。
例えば、ゲーム、SNS、ネットサーフィン、漫画、読書などは自分がやりたいと思えばいくらでもできてしまうので、誘惑になりやすい行為です。一方で、筋トレ、ランニングなどの運動は体力的に何時間もやり続けられるものではないので気晴らしになりやすい行為です。
■4.作業と作業の間に必ず勉強を挟む
ご存知の通り、集中というのは、通常は何時間も続くものではないので、同じ時間休憩を取るのであれば、分けて取ったほうが効率良く勉強が進みます。(中略)
また、いずれかの作業をした後、勉強せずに寝るのももったいないです。例えば、歯磨きをしてそのまま寝る、という場合です。せっかく歯磨きという休憩を取って、脳の集中力が回復したのだから、勉強してから寝るほうが良いです。
ということで、これら生活上必須の作業を理想的なタイミングで入れ込んだスケジュールの一例は、次のようになります。帰宅後、勉強する → ご飯を食べた後、また勉強する → 風呂に入り、上がった後にまた勉強 → 歯磨きして、勉強して寝るこのように、作業と作業、そして作業と就寝の間に必ず勉強を挟みます。こうすることで、生活上必須の作業を休憩時間として活用し、ほかに余分な休憩時間を取らなくても、高い集中力を維持しながら勉強時間を多く確保することが可能になります。
■5.暗記の三種の神器
すでに使っている人も多いと思います。覚えたい文字に青マーカーを引いてから、赤シートを被せると、マーカーを引いた部分が黒くなり、覚えたい文字が見えなくなります。マーカーは、赤シートを被せて黒く見えるようになれば良いので、緑マーカーなどでも大丈夫です。
そして、もう1つ必須の道具がピンクペンです。これは自分が参考書に書き込む内容の中に、覚えたい言葉があるときに使います。ある参考書に、別の参考書で調べたことなどを書き込むときや、参考書には掲載されていないけどテストに出た単語を参考書に書き込むときなどです。赤シートを被せて見えなくなれば良いので、オレンジなど、赤色系の薄い色であればOKです。(中略)
基本的には、参考書を読むときは、覚えたい箇所に青マーカーを引きながら読み進めます。読んでいるときに、わからない箇所が出てきてほかの参考書で調べたりしたら、その内容をピンクペンで書き込みます(覚えなくて良い補足説明などはシャーペンなどで書き込んで良いです)。僕は赤シートと青マーカーとピンクペンを合わせて、暗記の三種の神器と呼んでいます。
【感想】
◆本題に入る前に、本書のタイトル等でいくつか留意点を。まず「脳内メモリ最弱」というサブタイトルや「『海馬がない』と言われた男」という表現がありますが、これは若干誇張の疑いはあります。
確かに著者の横井さんは、高校生の頃、柔道の授業で脳しんとうを起こし、検査を受けた際に「海馬がない」と言われたのだとか。
なるほど、物覚えの悪さのエピソードは事欠かないようで「実家や自分の住所があやふや」だったり、「駅から家庭教師先の家までの道がなかなか覚えられない」のだそうです。
ただし、「海馬がなく記憶力が弱すぎるのに、大量の勉強時間で克服した」というウリでYouTubeで有名になり、出版の話も出たため、再度検査をしてみると、なんと海馬があったとのこと(詳細は本書を)。
横井さんはこの新事実を前に、一旦は出版を取りやめようと考えたものの、「記憶が苦手なことは事実」なのと、それを補うための勉強法は「記憶や勉強を苦手とする方々の一助になる」と考え直し、本書は世に出ることになりました。
◆もっとも、横井さんは地頭が悪いわけではなくて(ご本人は努力の賜物だと言われていますが)、「中学受験は第一志望も第二志望も不合格」と言っても、第一志望が灘中で、第二志望が東大寺学園中学ですから、偏差値は77と73。
進学した第三志望の洛南中だって74ですから、普通に超一流校です。
そういう中学に進んだ方が、鬼のように勉強したのですから、現役で東大に合格するのもさもありなん、といったところ。
何せ「起きている時間は、ほぼずっと勉強していた」「休日の勉強時間は16時間」という方のお話ですから、「楽して受かりたい」という方は、本書はパスした方が良さげです。
そして、そういう勉強スタイルを可能にしているのは、上記ポイントの3番目の「誘惑の排除」とかがまさにそうでしょう。
ここにもあるように、自分の意志で止めないといけない行為は、勉強のさまたげになりかねませんよね。
さらには上記ポイントの4番目にあるように、同じ作業をするにしても、順番を考慮するワケです。
◆また、暗記スタイルも上記ポイントの2番目にあるように、繰り返しが基本。
昔「7回読み勉強法」なんてのがありましたが、こちらはなんと「11周」です。
しかも、上記ポイントの5番目で出てくる「三種の神器」を使いながらの「暗記作業」で11周ですから、かなり骨が折れる作業ではないか、と。
文章だとちょっと分かりにくいので、本書では図で回し方が解説されているのですが、アマゾンにあげられている画像は、Kindle版の試し読みで読める部分なんですよね。
……こういう部分こそ画像で引用できないんで、載せといて欲しいんですが(我がまま)。
◆さらに繰り返すタイミングについては、上記ポイントの1番目のとおり。
ただ「『記憶保持率3〜5割の期間』っていつなんだよ?」と、お思いの方も多いでしょうが、本書ではそのタイミングを測定する方法まで指南されています。
……ここもちょっと長くなる&図解があった方が分かりやすいので、詳細は本書にて。
実際、記憶保持率が3割や5割の期間というのは、人によって驚くほど違うのだそうです。
ちなみに横井さんは、初回暗記後、5割になるのが2日後で、3割になるのが7日後とのこと。
つまり僕は、初回暗記後2〜7日の間に2回目の暗記作業をすべきということです。なるほど、納得。
ハードコアな勉強法がここに!
脳内メモリ最弱の僕が東大合格した人生が変わる勉強法
第1章 暗記が苦手でも、勉強で勝てることを証明したい
第2章 「忘れっぽい脳」を根負けさせる勉強法
第3章 ジャンル別 勉強テクニック
第4章 勉強は人生を変えるコスパ最強の手段
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【編集後記】
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