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2023年11月21日

【勉強法】『なぜか結果を出す人が勉強以前にやっていること』チームドラゴン桜


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なぜか結果を出す人が勉強以前にやっていること


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、いよいよ明後日までとなった「東洋経済新報社 年に1度の大セール」の中でも非常に人気の高い勉強本。

著者の「チームドラゴン桜」とは、マンガ『ドラゴン桜2』の制作・情報提供のために発足した「勉強法研究のスペシャリスト集団」ということで、おなじみ西岡壱誠さんや、当ブログでも著作を紹介したことのある布施川天馬さんほか、勉強系の単著の執筆経験を持つ東大生が複数人いらっしゃるようです。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
「仕事にも効く」と話題!
東洋経済オンライン連載1200万PV突破!
覚えられない、続けられない、なぜか成績が上がらない…悪いのはあなたの頭じゃない。「準備」です!

中古がほぼ定価並みのお値段ですから、こちらのKindle版が800円以上お買い得となります!





Tokyo University;Yasuda Auditorium / sir.Kir


【ポイント】

■1.勉強すべき内容をマトリクスで4分割する
 こうして、あなたが勉強すべき内容を
好き×得意
好き×苦手
嫌い×得意
嫌い×苦手
 の4つに分類してください。(中略)
 なぜ「見えるようにする」必要があるかというと、この4つでは、「どう対策するのが正しいか」、その勉強法が異なるからです。
 たとえば、「好き×苦手」なことに向いている勉強法で「嫌い×苦手」な分野に挑むと、やり抜くことが難しくなり、三日坊主になってしまいます。
「嫌い×得意」なことに向いている勉強法で「好き×苦手」な分野に挑むと、いくら勉強しても結果に結びつかない「ムダな努力」を重ねることになってしまう
のです。
 マトリクスで自分の「好き・嫌い」「得意・苦手」を整理することで、「自分にとって、この分野を勉強するときに最適な勉強法は何か」を明確にすることができるわけです。


■2.「二重目標」を設定する
「二重目標」とは、「最低目標」と「最高目標」の2つの目標を立てていく、という手法です。実際、多くの東大生が実践しているやり方です。
 最低限達成したいラインを「最低目標」、最高で達成したいラインを「最高目標」にして実践していくこの手法は、目標が2つあるのが特徴です。「点」で目標を設定するのではなく、その間の「線」で目標を設定することになります。
 点の目標設定だと、「その目標をクリアできたかどうか」という思考になってしまいがちです。一方、線の目標設定だと「クリアは前提で、どこまでできるか」という思考をすることになり、少なくとも「達成できなくて気分が落ち込む」ことはないわけです。
「最低でも30回は腹筋をしよう」「最低でも2時間は勉強しよう」「最低でも10ページは終わらせよう」と最低ラインが決まっている状態なら、「まったくやらない」という最悪の事態は避けられるのです。


■3.「できなかった問題アルバム」をつくる
 多くの東大生は受験生時代、「できなかった問題アルバム」をつくっていました。問題集や試験などでできなかった問題を写真に撮り、アルバム化し、それを後から見返して勉強するのです。
 大学に入ってもこれを応用して、「覚えておきたい実用書の一節」や「後から見直したいTwitterの投稿」などを写真・スクリーンショットで撮ってアルバム化している人もいます。
 覚えたいものを覚えるには、やはり復習がいちばん手っ取り早いです。何度も何度も見直すことで、忘れたくないことを忘れないようになっていきます。
 だからこそ、そういう「覚えたいもの」を集めておき、普段から見られる状態にしておくのが有効なのです。スマホであれば、歯を磨きながら復習することも、電車に乗っている間に確認し直すこともできます。
「嫌い×苦手」な勉強をしたら、わからなかったこと、新しく覚えたいことをスマホで撮影し、1つのフォルダにまとめておきましょう。隙間時間にそれを眺めるだけで、勉強の効率は格段によくなります!


■4.「頭がよくなる瞬間」をたくさんつくる
 ところでみなさんは、人間の脳=頭がよくなるのって、いつだか知っていますか?
 教育学の世界では、「人間の頭がよくなる瞬間はいつなのか?」というのが脳の実験によって明らかになっています。
 頭がよくなる瞬間……と聞くと、「授業を受けているとき」とか「本を読んでいるとき」というイメージがあると思うのですが、実は違います。
 実際には「アウトプットしたとき」がいちばん、頭がよくなるのです。
 たとえば、問題を解くとき。
 問題を解こうとすると、人は自分の知識を整理して、インプットをどう活かそうかと考える必要があるわけです。
 たとえば、人に説明するとき。
 誰かに何かを説明するということは、自分でその背景や本質を理解していなければなりません。インプットをきちんと整理しなければ説明できず、また説明するタイミングでインプットを整理する必要が生まれてくるわけです。(中略)
 このように、 問題を解くのも、説明をするのも、質問をするのも、インプットの「整理」が必要 なんです。だからアウトプットのタイミングでこそ頭はよくなり、インプットばかりやっていても意味がないのです。


■5.「メンタルブロック」に注意する
 最小の努力で最大の結果を出す人は「ダメだったときの言い訳になる言葉」を使いません。みなさんは、テストなどの前に「昨日、ほとんど勉強していない」とか「昨日眠れなくて体調が悪いので、今回の試験は本調子じゃない」とか、そういうことを言う人に会ったことはありませんか。ちなみに僕はそういうことを言っていた側の人間でした。これは、「メンタルブロック」または「セルフハンディキャッピング」と呼ばれる心理です。これをしている人は、実は成績も上がらず、合格もできない可能性が高いのです。
 言い訳が悪いとは言いませんが、でもうまくいかない理由を探して、「ここで失敗しても大丈夫」という状態に自分を置いてしまっては、成功の可能性は下がってしまいます。
 そういう言い訳をしていると「自分はバカだから」と言って本当に勉強をしなくなったり、「体調が悪いから」と言って本当になんだか少し体調が悪い気分になってしまったりと、言葉が本当になってしまうこともあります。
 このように、メンタルブロックは百害あって一利なしなのです。


【感想】

◆勉強本にも色々なタイプの作品があるのですが、本書のような複数の著者の手による「まとめ本」的な作品は、正直今まであまりいい思い出がありませんでした。

ひとつには、複数の著者の意見や考えを1冊にまとめた関係で、言っていることが食い違っていたり、内容的にも薄かったりしたからなのですが。

それに比べて本書は、そういった「多様性」はスルーして、「チームドラゴン桜」としての方向性がまとまっています。

多分誰かの「単著」として出されても分からないくらいですし、内容的にも充実しているという。

この辺は、まさにマンガ『ドラゴン桜』の主人公である桜木建二が、東大に受かる学生の考え方や勉強法を代弁しているがごとくです。


◆本書も「東大生300人以上にアンケートを実施」したり、「細かくインタビュー」することで、実際に東大に受かる学生の勉強法を細かく分析。

さらにその分析結果をもとに、全国の学校現場で「リアルドラゴン桜プロジェクト」を実施し、学生からの生の意見を収集したのだそうです。

一方で、私が個人的に目からウロコだったのが、本書のINTRODUCTIONから引用した、上記ポイントの1番目のマトリクスのお話。

この「好き×得意」「好き×苦手」「嫌い×得意」「嫌い×苦手」の4つの象限ごとに、勉強法を変える(厳密には「好き×得意」は対策する必要がないので言及ナシ)というのは、今まで考えたことがありませんでした。

そして本書でも第1章から第3章までの各章ごとに、それぞれの象限における勉強法が解説されている次第です。


◆さっそく第1章のテーマは「『好き×苦手』の勉強法」。

この象限における問題点は、「好き」(だから努力できる)なのに「苦手」(点数がついてこない)なのは、「努力の方向性が間違っている」から、という指摘には思わず納得しました。

そこで「正しい努力の方向性」をテーマに、いくつかTIPSがある中で、紹介されていたのが、上記ポイントの2番目の「二重目標」です。

今まで目標設定のお話は類書でも何度も出てきましたが、「目標を2つ設定する」というのは、記憶にありません(特に勉強本では)。

ただ、「多くの東大生が実践しているやり方」と言われてしまうと、これはもう、試さない手はないと思います。

ちなみにこのTIPSは、勉強のみならず仕事にも使えますから、試験を受けない方でも実践可能かと。


◆続く第2章のテーマは「『嫌い×苦手』の勉強法。

そりゃ、嫌いなんですから、点数が伸びなくても当たり前、……と言っていては東大には受かれません。

というわけで、この章では「習慣化」に重点を置いています。

そこで活用したいものがテクノロジーのチカラ。

もっとも効果がありそうなのがリマインダーで、そちらにもハイライトを引いているのですが、私がかつてやっていたことをテクノロジーで省力化しているのが、上記ポイントの3番目の「できなかった問題アルバム」です。

これ、私が受験生時代は「間違いノート」を作って、間違えた問題をコピーして貼ってたりしたんですよね……。

それがスマホならいつでも携帯していますし、どこでも見られるがゆえに習慣化できるというワケです。


◆一方、ちょっと複雑なのが、第3章の「『嫌い×得意』の勉強法」。

嫌いなのに点数が取れる、という状況自体がレアだと思うのですが、そんな象限で意識したいのが「できるだけチャチャッと片づける」ということ。

そこで時間帯効果を踏まえたTIPSがいくつか登場しており、その中の1つが上記ポイントの4番目の「アウトプット重視」です。

実際、かなり早い段階で過去問を解くことで、必要な勉強範囲や勉強量が把握できて、トータルの勉強時間は短縮できる、というのは類書でも言われていることかと。

また、類書でも言われている、と言う意味では、1つ飛んだ第5章からの「メンタルブロック」も同様です。

どちらかというと、当ブログでは「セルフハンディキャッピング」という名称の方でおなじみですが、さまざまな悪影響の中でも、特に勉強には良くないと思いますので、癖になっている方はご注意ください。


勉強で結果を出したい方なら要チェックの1冊!

B0C65HL2DW
なぜか結果を出す人が勉強以前にやっていること
INTRODUCTION
PART 1 「好き×苦手」の勉強法
PART 2 「嫌い×苦手」の勉強法
PART 3 「嫌い×得意」の勉強法
PART 4 「地頭」がよくなる習慣
PART 5 努力を続ける習慣


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【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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マンガでカンタン!中学数学は7日間でやり直せる。

ストーリー形式の数学本は、Kindle版が1000円弱お買い得。

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S01 今こそ学びたい日本のこと 知っているようで知らない 日本人の心、食文化、職文化、信仰、地域の魅力など (地球の歩き方 旅の読み物)

地球の歩き方シリーズからの「日本」をテーマにした1冊は、Kindle版が800円弱お得な計算です!


【編集後記2】

◆一昨日の「Kindle本ブラックフライデーキャンペーン」早川書房さんの記事で人気が高かったのは、この辺の作品でした(順不同)。

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ChatGPTの頭の中 (ハヤカワ新書)

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神のいない世界の歩き方 「科学的思考」入門 (ハヤカワ文庫NF)

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円 劉慈欣短篇集 (ハヤカワ文庫SF)

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観察力を磨く 名画読解 (早川書房)

よろしければご参考まで!


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