スポンサーリンク

       

2023年11月05日

【文章術】『魂の文章術』ナタリー・ゴールドバーグ


4594096409
魂の文章術 (扶桑社新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事にて、二番人気だった文章術本。

ちなみに一番人気は、Kindle化が怪しい『影響力の武器[新版]』だったので、購入の点から見たら、こちらが実質一番だと言ってもいいくらいなのですが。

アマゾンの内容紹介から。
書くことに才能はいらない。
誤字脱字も文法も句読点も気にしなくていい。
考えなくていい。論理的でなくてもいい。
誰でも「書ける人」になるための深遠かつシンプルなメソッド。
全米100万部超えの古典的名著が待望の新書化!

中古が定価の2倍以上のお値段ですから、若干でも値引のあるKindle版がオススメです!






Working in the sun / SkyFireXII


【ポイント】

■1."第一の思考"にたどり着くための6つのルール
 次に、書く際のルールを挙げよう。
1.手を動かしつづける(手をとめて書いた文章を読み返さないこと。時間の無駄だし、なによりもそれは書く行為をコントロールすることになるからだ)。
2.書いたものを消さない(それでは書きながら編集していることになる。たとえ自分の文章が不本意なものでも、そのままにしておく)。
3.綴りや、句読点、文法などを気にしない(文章のレイアウトも気にする必要はない)。
4.コントロールをゆるめる。
5.考えない。論理的にならない。
6.急所を攻める(書いている最中に、むき出しのなにかこわいものが心に浮かんできたら、まっすぐそれに飛びつくこと。そこにはきっとエネルギーがたくさん潜んでいる)。
 以上のことはぜったい守ってほしい。というのも、この練習の目的は、じゃまなものを焼き払って狢莪譴了弭有瓱;.┘優襯ーがまだ世間的な礼儀や内なる検閲官によってじゃまされていない場所──にたどり着くこと、言いかえれば、こう見るべきだ、感じるべきだと考えていることではなく、実際に自分の心が見て感じることを書くことにあるからだ。


■2.題材リストを作る
 リストを作るのはいいことだ。日常生活の中の題材に視線が向かいはじめ、それによって、自分の生活やその細部との関わりから文章が生まれてくるようになるからだ。こうして爐海笋靴鼎り瓩離廛蹈札垢始まっていく。身体が材料を消化し、かきまぜはじめている。机に向かっていないときでも、文章修行という種を濃い緑に育てる準備──土壌を整え、肥料をやり、日にあてる──が、身体のどこかで行なわれているのだ。
 いざ机に向かったとき、なにを書こうかとあまり時間をかけて考えてはいけない。せわしない心であれこれ迷っていると、いつまでたっても一語も書けないということにもなりかねない。そんなときリストがあれば、迷いを断ち切って、すぐに書きはじめることができるだろう。


■3.書き始めるための自分なりの方法を決めておく(抜粋)
●しばらくなにも書けなかった時期があった。そんなときは作家仲間に電話し、1週間後に会ってお互いの作品を読み合うことを約束する。そうすれば、その人に見せるために、なにかしら書かざるをえなくなる。
●朝起きると、私は自分にこう言う。「ナタリー、10時までは好きなことしていいわよ。でも10時になったら、必ずペンを握りなさい」。このように、私は自分にいくらかの余裕と物理的制限を与えることにしている。
●朝起きたら、考えたり、顔を洗ったり、誰かに話したりする前に、まっすぐ机に向かい、書きはじめる。
●私はひと月でノートを使い切るようにしている。質についての基準はなく、量だけが問題だ。どんなくだらない内容でもかまわないから、とにかく1冊を埋めること。月の25日になってもまだ5ページしか書いておらず、月末までにあと70ページ書かなければならないなら、残りの5日間で必死に挽回しなくてはならない。


■4.ディテールを使う
 材料なしに熱だけでケーキを焼こうとする人がいる。熱はホカホカしていい感じだが、調理が終わっても人に食べてもらえるようなものはほとんどない。抽象的な文章がそのよい例だ。一見熱がこもっているように見えるのだが、読んでみると具体的な歯ごたえがなにもない。文章にディテールを盛り込むなら、自分が感じたエクスタシーや悲しみをもっと上手に伝えることができる。オーブンの熱もたいせつだが、ケーキの材料を忘れてはなんにもならない。自分の気持ちがどんな味なのか読者にわかるよう、ちゃんと材料を入れること。そうすれば、読者もグルメのように、「あら、それってパウンドケーキね、チョコレートケーキね、レモンスフレね……」と言ってくれるだろう。書き手の気持ちはそんなふうに感じられるわけだ。「すごかった、すごかった!」と書くだけではだめ。すごいのはわかったけど、どんなふうにすごかったの? その風味を読者に伝えてほしい。言いかえるなら、ディテールを使うこと。ディテールはものを書くときの基本単位なのだから。


■5.自分のいちばん好きな食べ物について書く
 思うように筆が進まず、なにもリアルに感じられないような状態になったら、食べ物について書いてみよう。食べ物は具体的なものだし、食べ物の思い出なら誰でも必ずひとつや二つはあるはずだ。なかなか地面から飛び立てないクラスを持ったことがある。どんな練習をしても出てくるのは退屈な作品ばかり。そんなある日、私はいいアイデアを思いついた。「さあ、10分間あげるから、大好きな食べ物について書いてみて」。生徒の文章は生きいきと輝きはじめ、色鮮やかなディテールで満ちあふれた。抽象的なものは一切なかった。教室にはエネルギーがみなぎった。誰でも自分がどんな食べ物を好きなのか知っている。だから、言うことが具体的かつ明瞭になる。(中略)
 自分のいちばん好きな食べ物について書こう。具体的に書くこと。読み手に細かいところまでわからせるようにしよう。どこで? 誰と? 季節は? 先週食べたものでいちばんおいしかったのは? 「火曜の朝、寒い台所で食べたあのバナナが世界を止めた」。


【感想】

◆当ブログではあまりご紹介したことのないタイプの文章術本でした。

そもそも当ブログはビジネス書(ないしは実用書)がメインの選書を行っていますから、「文章術」と言った場合、ビジネス文書の書き方を指南する本が一番多く登場していると思います。

要は、"てにをは"の使い方から、接続詞の選び方や、文章構成(起承転結、PREP法)等を扱うタイプの作品ですね。

それに次ぐのが、相手を動かす系の、いわゆるセールス文の書き方を扱う本でしょうか。

さらに最近はその亜流(?)として、ネットでバズることを狙った作品も多くなってきた印象を受けます。

しかし本書は、これらのいずれにも該当しないもの。

上記で挙げたポイントを見ても、純粋な「創作」を目的とした文章術なのだと思います。


◆また下記目次の抜粋を見てお分かりのように、本書は章立てがなく、細かい単元(?)がいくつも列挙されている仕様。

前半部分が比較的「書き方」にフォーカスしていたため、そちらをメインで抜き出してみました。

そして最も重要と思われるのが、上記ポイントの1番目にある"第一の思考"と呼ばれる概念です。

とにかく「手を動かし続ける」というのは、ブレインストーミング等で、アイデアを発散している状態に近いかと。

「論理的にならない」というのも、同じくアイデア出しの際には留意すべきことです。

結局、こうした自分の「内面」を、加工せずに文章にする、というのが重要なのだと理解しました。


◆逆に、上記ポイントの2番目の「題材リスト」は、特定のテーマに絞ることで、迷わず書き出すことができます。

本書で挙げられていたアイデアをいくつかご紹介。

・窓から差し込む光についてなにか書こう。

・「こんなことを覚えている」という書き出しで書いてみよう。

・否定的であれ肯定的であれ、感情を強く動かされることがあったら、それが好きだという前提で書いてみよう。

・「去ること」をテーマに書いてみよう。


なるほど、何もない状態から書くよりは、書き出しやすいのは確かでしょうね。

同じく上記ポイントの3番目にあるように、「書き始めるための方法」を決めておくのも良いアイデアです。

特に最後の「質より量」というのは、多くの事象に共通するエッセンスではないでしょうか。


◆一方、もうちょっと掘り下げて、表現の方法について触れているのが上記ポイントの4番目。

確かに「すごかった」だけでは、何も伝わってきません。

たとえるならテレビのグルメレポートで「美味い!」と言ってるだけのようなもので、絵面がなければ何もわからないでしょう。

ちなみに別項ではこんな表現も。
「我思う、ゆえに我あり」のあとに、「私は風船ガムや競馬やバーベキューや株式市場について考える、ゆえに私は自分が二十世紀のアメリカにいることがわかる」と書いてあればなあ。
思わずワロタw

なお、このディテールを比較的誰でも織りこめそうなのが、上記ポイントの5番目にある「好きな食べ物」です。

シズル感じゃないですが、それこそ五感に訴えかけるような文章が書きやすいテーマですし、こと「食べ物」ならば「好きなものが何ひとつない」という人もいないでしょうね。

なかなかビジネスシーンでは活かしにくいタイプの作品だとは思いますが、書くことが好きな方ならきっとハマるハズ。


「全米100万部超えの古典的名著」のメソッドをお試しアレ!

4594096409
魂の文章術 (扶桑社新書)
【目次抜粋】
■ミネソタ州エルクトン――目の前にあるもの
■豆腐と闘う
■自動車を食べる男
■ディテールの威力
■物書きはいい身体をしている
■文法を超えて
■1+1=メルセデスベンツ
■どこでも書ける
■間の感覚
■青い口紅とくわえ煙草
■自分を信頼する etc.


【関連記事】

【文章術】『神・文章術 圧倒的な世界観で多くの人を魅了する』フミコフミオ(2022年04月14日)

【スゴ本】『書くのがしんどい』竹村俊助(2020年08月01日)

【超文章術?】『読みたいことを、書けばいい。 人生が変わるシンプルな文章術』田中泰延(2019年06月18日)

【文章術】『3行しか書けない人のための文章教室』前田安正(2017年06月23日)

【スゴ本】『いますぐ書け、の文章法』堀井憲一郎(2011年09月09日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

B0C9ZM43YP
できるChatGPT できるシリーズ

昨日に続いてのChatGPT本は、Kindle版が800円以上お買い得。

B0CGLF46ZN
俺のプロレス Vol.5 激動の1983年 (扶桑社ムック)

刺さる方には刺さる(当ブログにも根強いファンがいらっしゃいます)プロレスムックは、Kindle版が600円弱お得な計算です!


この記事のカテゴリー:「メルマガ・ライティング関係」へ

「マインドマップ的読書感想文」のトップへ

スポンサーリンク