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2023年10月30日

【音声DL付】『すごい音楽脳』宮敦子


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すごい音楽脳


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事の中でも、読んでおきたかった脳ネタ本。

音楽を聴いたり、カラオケやダンスをすることで、さまざまな能力を向上させることを目的とした1冊です。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
努力するのではなく、受動的に。
頑張るのではなく、楽しむ。
そんな”一番ラクで楽しい”脳トレが、音楽を使った脳トレです。
本書では、世界的に数少ない「脳のリズム」についての研究をしている異色の脳科学者でありDJでもある著者が、音楽によってさまざまな脳のパフォーマンスが一瞬で上がるメソッドを最新のエビデンスとともにお伝えします。

中古が定価の2倍以上する一方、Kindle版は「10%OFF」とお買い得になっています!






Brain research / Arenamontanus


【ポイント】

■1.速いテンポの曲を作業する前に聴く
 どんな曲を、どんなタイミングで聴くことによって、パフォーマンスが上がるのか。そのとき、脳の中でどのような変化があるのか。
 私はこの疑問に答えるため、音楽と脳の関係を研究し、博士論文としてまとめました。
 まず、結論を言います。
 速いテンポの曲を、
 作業をする前に聴く。

 これが、最も脳機能を高め、作業効率を上げるとわかりました。
 速いテンポの曲を、作業前に聴くと得られる効果は次の2つです。
・脳が覚醒する
・短期記憶に必要な脳の場所の準備が早く整い、その結果、早く答えることができる


■2.メロディは無くても構わない
 この研究でわかったことは、人は「アップテンポな曲を聴いた後で短期記憶の課題をすると、作業効率が上がる」ということです。
 メロディがあっても、メロディがないリズムだけのものでも、60BPMよりも150BPMのほうが短期記憶課題の処理速度が上がりました。よって、メロディはあまり重要ではないようです。
 つまり、テンポが速い曲を聴いてから作業をすると、パフォーマンスが上がるということになります。
 特に、打楽器が多く使われているテンポの速い曲はおすすめです。
 テクノ、ハウスというジャンルの曲は、4つ打ちのリズムでつくられています。低音で規則正しい、ドン、ドン、ドン、ドンというキック(ビート)が入っています。
 同じキック音が続いていて、リズムが認識しやすいと言えます。したがって、曲の速さも認識しやすい。
 曲の速さがわかりやすいと、ビートを知覚する脳の領域がしっかり反応します。


■3.カラオケで「認知」と「運動」の能力を同時に上げる
 カラオケは、脳と体を同時に鍛えられる一石二鳥のトレーニングです。
 この章で紹介する「歌本カラオケ」は、わざわざカラオケ店に行く必要がありません。むしろ、家でカラオケをすることで、前頭葉を鍛えることができます。
 よく曲を聴いて、歌詞の歌い出しを把握し、しっかり歌い出す。これが、脳に良い負荷をかけ、脳を鍛え、認知機能を向上させてくれます。
 脳トレとしてのカラオケは、歌い出しのタイミングを、自分で把握し、歌い出すことが重要です。
 歌いたい曲をかけて、カードや本、スマホを使って歌詞を見ながら、自分で歌い出しのタイミングをつかんで歌うことがポイントです。
 カラオケ店のように、文字に色がついていき、歌い出すタイミングがわかってしまうと、認知機能を高める効果が下がってしまいます。歌いやすいということは、脳のトレーニングになりにくいからです。


■4.ダンスは認知機能と実行機能を高めるデュアルタスクトレーニング
 ダンスは有酸素運動ではありますが、ダンスの振り付けを見て、覚えながら、その記憶を引き出して動くということをやっています。頭を使い、体も使っていて、2つのことをやっているので、デュアルタスクトレーニングと言われます。(中略)
 ダンスは振り付けを覚えることになるので、人のマネをすることになります。ダンスを教えてくれる先生の動作を観察してマネをする、もしくは、動画を観てダンスをするのなら、踊っている人の動作を観察してマネをすることになります。
 ダンスは、体を動かすトレーニング以外に、模倣のトレーニングをやっていると言えます。
 子供は模倣が上手ですが、高齢者になっていくと模倣がだんだん上手にできなくなります。
 模倣のテストは認知症のスクリーニングにも使われています。
 軽度認知障害の人では、約50%の人が模倣できなくなるという報告があります。軽度の認知症になると、約80%の人が模倣をできなくなると言われています。
 模倣は、認知機能と深く関係があるわけです。


■5.ドラム演奏で認知機能を改善する
 では、ドラム演奏を続けることで認知症の方の認知機能は改善するのでしょうか。
 ドラム演奏を1回30分3カ月間実施する「ドラム介入群」27人と普段通りに日常生活を送っていただく「コントロール群」19人に分け、RCTを実施しました。
 MMSEテストは、認知症のスクリーニングをします。30点満点で構成され、見当識(基本的な状況把握)、記銘、逆唱など全般的な認知機能の評価ができ、得点が低いほど認知症の症状が重いことを示します。
 参加者はMMSEのスコアが0〜25点で、認知症のレベルは重い人から軽い人までさまざまでした。得点にかかわらず、参加者はドラム演奏を3カ月間継続できました。
 結果として、MMSEテストの総合得点が変わりました。コントロール群と比較してドラム介入群は、全般的な認知機能のテストのスコアが上がったのです。認知症かどうかを判断するテストで得点を向上させたのです。
 FABという、前頭葉の実行機能のテストもスコアが上がりました。腕や手首の関節の可動域が大きくなりました。

 

【感想】

◆音声と脳の関係について、何となく「そうだろうなー」と皆が考えていたことを、キチンと検証して書かれた作品でした。

その結論は、第2章から抜き出した、上記ポイントの1番目で書かれているように
速いテンポの曲を、作業をする前に聴く
ということ。

これは、「速いテンポの音楽を聴くと、覚醒レベルが上がる」ということであり、
速いテンポの音楽やリズムを聴くと、作業に必要な脳の場所の活動が早期にピークに至るため、作業効率が上がります。具体的には、作業をこなすスピードが上がる
ということに他なりません。

そして本書にはダウンロードできる「速いテンポの曲」が4曲収録されており、即、実践可能です。

ただし曲ごとに用途等が違うのかと思いきや、そうではなくて「好きな曲でないと、音楽を聴くメリットを得られません」とのことでしたから、お好みの曲をお試しアレ。


◆ちなみに、ジャンルはすべて「ハウスミュージック」でBPMは126。

先行研究で「テンポが速く、明るく楽しい気分になれる曲が最も効果があるという報告があった」そうで、収録曲も長調(明るい)の曲になっています。

なお、ハウス自体は歌があってもいいのですが、収録曲はすべてボーカル無しのインストゥルメンタル曲でした。

もし「曲を聴きながら」作業をした場合、歌があると、歌詞を理解しようとして、脳のワーキングメモリが使われてしまうのでは、と私自身は考えていたのですが、本書では「曲を聴きながらの作業」については、特に言及はなく。

であれば、歌アリでも歌ナシでも構わない気もしますが、とりあえずは本書収録のインスト曲でまずはお試しください。

といいますか、上記ポイントの2番目にもあるように、「メロディがないリズムだけのもの」でも効果があったそうですから、インスト以前のお話なのかもしれませんが。


◆さて、DL音声に関係するお話はこの第2章までで、第3章以降は違った角度から脳にアプローチしています。

まず第3章で登場するのが「カラオケ」。

歌うこと自体、口を使ったり、呼吸に関する筋肉を使いますから、高齢者にはメリットがあります。

しかも本書でいうところの「歌本カラオケ」(歌詞の書かれたモノを見て歌うカラオケ)ですと、上記ポイントの3番目でも指摘しているように、「歌い出しのタイミング」をつかむことで、脳も鍛えられるということに。

なお、上記では割愛していますが、実際に軽度認知障害の方を対象とした実験で、認知機能が改善したそうですから、「効果アリ」と言えそうです(詳細は本書を)。


◆続いて第4章のテーマとなるのが「ダンス」。

元からダンス自体、有酸素運動であり、有酸素運動によって認知機能が高まることはよく知られていますから、当然その部分での効果が望めます。

さらにダンスは、上記ポイントの4番目にもあるように「模倣」のトレーニングにもなりますから、認知機能にはプラスの模様。

ただ、若い人でもダンスの模倣が下手な人はいますし、それなりにハードルは高そうです。

そこで高齢者向けに、あのTRFと組んでつくられたのが、こちらの「リバイバルダンス」。

リバイバルダンス|脳と身体を元気に!



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◆そして最後の第5章では「ドラム」にフォーカスしています。

そもそも、認知症が重い人にとっては、腕を上げる運動自体が難しい(まっすぐ腕を上に上げることができない)のだとか。

その点、ドラムは叩くと跳ね返りがあるため、自分の腕を何度でも上げることができる次第。

また、もちろんリズムに合わせることで脳にも良い効果があるのだそうです。

実際に上記ポイントの5番目では、実験によって「認知機能のテストのスコアが上がった」とありますから、こちらも効果大。

全般的に本書は、高齢者向けの実験がメインとなっていますが、カラオケもダンスもドラムも、脳にはよい影響があることは間違いないと思います。

もちろん、作業前にハウスミュージックを聴いて、脳を覚醒させることもお忘れなく!


「音楽」で「脳トレ」したい方なら一読の価値アリ!

4799111671
すごい音楽脳
CHAPTER1 音楽を使うと、効率的に頭がよくなる! 〜仕事、勉強、コミュニケーション、運動、加齢に効果アリ!〜
CHAPTER2 この曲を聴くだけで、作業のパフォーマンスが上がる! 〜どんな曲を、どんなタイミングで聴けばいいの?〜
CHAPTER3 前頭葉は、歌本カラオケで鍛えなさい! 〜自宅でひとりで「音楽を聴く」+「音読」の効果〜
CHAPTER4 脳と体を同時に鍛える「デュアルタスクトレーニング」入門 〜聴く・模倣・有酸素の3つの効果! 聴き慣れた懐メロで踊る〜
CHAPTER5 ドラム・タイコをたたくと、実行力とコミュニケーション力が高まる! 〜気軽に好きにたたくだけで、脳は鍛えられる〜


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【編集後記】

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【編集後記】

◆一昨日の「Kindle本高額書籍キャンペーン」の日経BP分の記事で人気が高かったのは、この辺の作品でした(順不同)。

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よろしければご参考まで!


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