2023年10月04日
【コミュニケーション】『思い通りに相手を操る心のガードの外し方』Dr.ヒロ
思い通りに相手を操る心のガードの外し方
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、現在開催中である「Kindle本読書の秋キャンペーン」における注目作。版元であるフォレスト出版さん分はまだ記事にしていないのですが、今回版元単位で作品数が少なくて、記事にできるか微妙なため、先にこの本だけレビューすることにしました。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
本書では、元マルチ商法のトップセールスマンで、洗脳系YouTuber・メンタルコーチとしても活躍するDr.ヒロがこれまで誰も明かしてこなかった、心のガードという「警戒心」の解き方を本書でお伝えします。
警戒心(心のガード)の内側に潜り込めば、
・人に好かれ、信頼される
・モテる
・モノを売る
・協力させる
・人に動いてもらう
すべて思い通りになります。
ぜひ、コミュニケーションが上手くなりたい、という方は最後まで読んでみてください。
値引率が「60%OFF」と高めなため、このKindle版が600円以上お買い得となります!
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【ポイント】
■1.「不安の先出し」で心のガードを外す
セールスなどをしていて、ビジネスで人と出会う機会が多い人に覚えていただきたいのが、「不安の先出し」です。
これはマルチ商法のマニュアルでは定番のテクニックです。(中略)
まず初めにすることは、相手が不安を口にする前に僕もまったく同じ気持ちだったことを話すのです。これは超重要なテクニックです。勧誘以外でもあらゆるシーンに使えます。
相手が感じているであろう気持ちを「俺は〇〇って感じていたんだ」と伝えると、相手にとっての僕は一気に怪しい話をする人(敵) から、自分の一歩先を進んだ頼もしい案内人(味方) に変わります。(中略)
不安を先回りして「その不安は大丈夫な不安だよ」と教えてあげる。そうすると、あなたは「不安を取り除いてくれる味方」というポジションを得られます。
結果として、心を開いてもらえるだけでなく頼りにしてもらえます。
■2.初対面の人にかけるべき「至高の一言」
初対面の相手にかけるべき言葉とは、
「相手が思っていそうなことを、自分が思っているテイで話す」
です。
緊張していそうな人には「緊張しています?」と聞いてはいけません。
仮にあなたが口を半開きにしてヨダレを垂らすほどリラックスしていたとしても、
「いやー、僕緊張しているんですけど……こういうとこよく来るんですか?」
こう話しかけてください。(中略)
相手が思っているであろうことを自分が思っているテイで話すことで「自分だけじゃない。この人と私は気が合うかも」という安心感と同時に、仲間意識を芽生えさせたり、「この人は私の気持ちをわかってくれる」と感じさせることができます。
「天気の話題から始める」も「天気の話題から始めてはいけない」もどちらも正解ではない理由は、何が正解かは相手が何を思っているかで決まるからです。
■3.親密度を高める雑談の奥義「褒めイジリ」
褒めイジりとは、名前の通りイジるように褒めるだけです。通常のイジりは、相手を貶めて笑いをとるわけですが、褒めイジりでは相手を持ち上げてイジります。
ポイントは、「雑にやる」ことです。ガチっぽくやると必死で媚びている感が出すぎて変な空気になります。気軽かつ雑に褒めることで、なんとなくいい雰囲気が作れます。
具体例を紹介します。僕はマッサージ店にいった際、50代中盤以降のおばちゃんと話すときはよく、「おばちゃん、ぜったい若い頃は男泣かせたりしてたでしょ(笑)」みたいなイジりをかましていました。
これを伝えるとどうなるか。まず爆笑されます。おばちゃんなりの照れ隠しです。そののち、おばちゃんの声が3トーン明るくなります。乙女の声です。心の扉がバーンと開きます。おばちゃんは僕に対して、このままうちに連れていって夕飯をご馳走したい。そんな気持ちになるようです。
■4.出口を塞いで相手の行動をコントロールする「ランフォース理論」
さて、ランフォース理論をコミュニケーションで使うとどうなるか。ランフォースとは、相手に進んでほしくない道を塞ぎ、進んで欲しい道に誘導する技ですから、相手に言ってほしくないネガティブなワードを先にこちらで言って話の流れを誘導することになります。
例えばマルチ商法の勧誘では、次のように、ビジネスの話をする前に望ましくないリアクションを先出します。「この前せっかく聞きたいって言うから仕事の話をしてあげたのに、自分から聞きたいって言ったくせに『それは怪しい!』とか言われたんだよね。めっちゃ失礼じゃない? じゃあ最初から聞くなよって思わない?」そうすると相手は、「それは失礼だよね。私はそんなこと絶対に言わないから聞かせて」と答えます。
このやりとりをしたあとに仕事の話を聞いて「怪しい」と言える人は、まずいません。
■5.消耗品のお土産は即買い
プレゼントを渡せば渡すだけ好感度は上がります。返報性の法則が働いて、与えれば与えるだけお返しをしてもらえます。シンプルですが、これが真実です。
ただし、もちろん貰ってうれしいものでなくてはいけません。そう言われると難しいと思うかもしれませんので、言い方を変えます。貰って困るもの以外なら好感度は上がります。
では、貰って困るものとは何でしょうか? 高価すぎるものと、邪魔になるもの、それから不自然なものです。それ以外のプレゼントは、渡すだけ得をします。(中略)
そこで便利なのが、お土産です。「先日〇〇に行ってきたので」と言いながら渡せば、プレゼントをする理由が生まれるので、相手も自然に受け取れます。特定の場所に行かなければ手に入らないものは希少性も生まれるので、実際の価格以上に高い価値を感じてもらえてコスパもいいです。
【感想】
◆なかなかテクニカルな作品でした。この手の「人を動かす」的な作品は、結構読んできたつもりでいましたが、知らなかったTIPSが多々。
一応、著者の前作は読んでいるのですが(なお、こちらも今回の「Kindle本読書の秋キャンペーン」の対象で、Kindle版が500円弱お得です)。
思い通りに人を動かすヤバい話し方
参考記事:【洗脳?】『思い通りに人を動かすヤバい話し方』Dr.ヒロ(2021年06月15日)
上記記事を見る限りでは、その前作とも本書はかぶっていません。
さらに今回は、いかにも「元マルチ商法のトップセールスマン」らしいテクニックを優先的に選んでみました。
◆たとえば上記ポイントの1番目の「不安の先出し」。
長くなるので上記では割愛しましたが、著者のヒロさんは、具体的にはこんなフレーズを使って「不安を先回り」していたそうです。
「俺、最初この話を聞いたときに楽しみだったのと同じくらい、めちゃくちゃ不安だったんだ。だってさ今までやったことないビジネスの話を聞いたら誰でも怖いと思うじゃん。思ってなかったら既にやってるじゃん。……理屈は分かりますが、何かしら勧誘されて、こんな風に言われたら、「これもマルチの手法なんだ」と覚えておくとよいかもしれません。
だから〇〇ちゃんも、たぶんこの話を聞いたら不安になると思うけど、それ全然おかしいことじゃないから大丈夫だよ。むしろそれだけ今までの仕事とは違うってことだから、今に不満があるなら不安と同じだけチャンスがあると思って、楽しみのほうにも目を向けてみて!」
同じく上記ポイントの2番目も、「相手目線」からの発言です。
キモは、自分の状態や考えは置いといて、とにかく相手に合わせて話しかけること。
以前読んだ本では、その場の情景や状況を描写して(「にぎわってますよね」等)、話しかける、というTIPSがありましたが、こちらはさらに「気持ち」に寄り添う分、より効果もありそうです。
◆また、ちょっとスキルが必要かな、と思ったのが、上記ポイントの3番目の「褒めイジリ」。
これ、言わんとしていることはよく分かりますが、ホメられることに対して疑心暗鬼の人もいますし、部分的とはいえ「イジリ」なワケですから、使う場合には結構注意は必要かもしれません。
つまり、いきなり繰り出すのではなくて、ある程度会話して、「イケる」と踏んだ場合にのみ使った方がいいと思います。
もしくは、ポジション的に自分が優位に立てているときとか。
たとえば、このケースでヒロさんが話しかけているのは、マッサージ店のおばちゃんですから、相手はお金をもらう立場であり、雰囲気を悪くするような反論はできないでしょう。
逆に、忙しいときに、飛び込みセールスに来たセールスマンに同じことを言われたら、「カチン」と来るでしょうし、まだ普通の「おべんちゃら」の方がマシかもしれません。
もちろん、ズバっとハマれば、ヒロさんのように美味しい思いができるんでしょうけどね(ウラヤマシス)。
◆一方、上記ポイントの4番目の「ランフォース理論」(用語はヒロさんがマンガの技から名前を取っているので、類書にもこの名称ではありません)は、「いかにもマルチ」といったところ。
ただし私たちは、普通に暮らしていたら、この手の「持ち出されると都合が悪い話」というのはあまりないんじゃないでしょうか。
しいてあげるとしたら、切った張ったが当たり前(?)の恋愛現場くらいかと。
たとえば「本気じゃない」「浮気している」「彼女がいる」「婚約者がいる」「実は既婚」等々、普通に騙している男性はチラホラ見かけます。
そういうときに「探られると痛い腹」は、このTIPSを使うと、もしかしたら良いかもしれません(……真面目に恋愛しましょう)。
◆逆にポイントの5番目の「お土産」は、それこそ汎用性は無限です。
旅先であげる相手も考えずに買っておけば、職場でもご近所さんでも親戚でも恋愛相手でも、あげればあげるだけ加点になるシステム。
消耗品というか、食べ物だと一応賞味期限があるので、そこは一応お気をつけください。
とはいえ旅から帰ってきて、あまり時間が経ってから渡すのも、いかにも「多めに買ってきた」感が出ちゃうのでアレですが。
そういえば私も、大昔に初めてハワイに行った際には、南国風デザインのポストイットが1ドル程度だったので、大量に買ってきたものでした。
実はあまりに大量に買い過ぎて、今でも職場で使っているのですが、デザインがカジュアル過ぎて、なかなか仕事では使えないという(ダメじゃん)。
人に好かれたい方なら一読の価値アリ!
思い通りに相手を操る心のガードの外し方
序章 警戒心の解き方
第1章 誰も教えてくれなかった「心のガード」の秘密
第2章 「心のガード」を外す 第一印象の作り方
第3章 「心のガード」を崩す 雑談&話し方の技術
第4章 「心のガード」を開けるマスターキー
第5章 思い通りに動かす誘導の技術
第6章 人を動かす影響力を身につける「自分の磨き方」
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【オススメ】『できる人の人を動かすルール』リチャード・テンプラー(2017年12月16日)
【編集後記】
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