スポンサーリンク

       

2023年09月29日

【マーケティング】『凡人が天才に勝つ方法: 自分の中の「眠れる才能」を見つけ、劇的に伸ばす45の黄金ルール』つんく♂


4492047298
凡人が天才に勝つ方法: 自分の中の「眠れる才能」を見つけ、劇的に伸ばす45の黄金ルール


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事の中でも、個人的に読みたかった1冊。

おなじみつんく さんがビジネスパーソン向けに書かれた、自己啓発書になります。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
【ついに出た!稀代のヒットメーカー・つんく さんの“頭の中”が全部わかる!超画期的なビジネス書!】
【自分の中の「眠れる才能」を見つけ、とことん大きく伸ばす方法、「時代を超えて愛されるヒット」の作り方、全ビジネスパーソンに今最も必要な「プロデュース力」の磨き方……全部この1冊でわかる!】
【「僕も含め、99%の人は凡人。だからこそ「大逆転」できる」そう断言するつんく さんが見つけた「普通の人が“小さな才能”を見つけ劇的に伸ばす45のルール」とは?】

中古価格が定価を上回る一方、Kindle版は当初よりも値下げして「10%OFF」とお買い得になっています!






【ポイント】

■1.凡人が天才に勝つには「行動」あるのみ
 僕らがどんなにツッパっても、全国的に見ればファンも少ないし、技術もない。ライブハウスにも、テクニックあり系のバンドマンにも、見下されていました。(中略)
「どうすれば、この状況を打破できるのか」
 大阪でのアマチュア時代に僕らが考え抜いてたどり着いた答えは、「バンド活動は結局、ビジネスだよね」ということ。
「僕らレベルのバンドでも、ファンがたくさんいて、ライブハウスの動員力があれば、誰も文句は言わんだろう!」と開き直ったんです。
 そこからはとにかく「動員力を上げること」を最優先しようと決めました。「大阪のアマチュア界でいちばんの動員力を目指すこと」を目標にしました。
 そして「動員力が大阪でいちばんになるまで、コンテストやオーディションは受けないことにしよう」と決めたんです。
 そうしないと、どこかで「一発逆転」を考えて努力しなくなるからです。


■2.好きなことを伸ばして、ほかを凌駕する
 勉強の場合は、総合点を上げるために、苦手教科を伸ばすのも手でしょう。
 たとえば英・国・数がそれぞれ70点、50点、80点なら、50点の国語を伸ばせば総合点はぐんと伸びる。数学は伸びしろが20点しかないけど、苦手な国語は50点伸ばすことができるからです。
 でも、ビジネスや芸能の世界においては、平均点を上げるのもいいけど、僕は80点のものを100点にして、ほかを圧倒するのが何より手っ取り早いと思っています。
 感覚的には96点のものを97点にしたほうが、50点のものを80点にするより社会的には刺激が強いと感じています。
 そして、それによって「やればできる」と自信をつけることで、ほかの部分もつり上がってくる。そう考えています。
「苦手なこと」をクヨクヨ悩むより、「好きなこと」を伸ばして、ほかを凌駕する。
 そうすれば、苦手なことなんて、いつの間にかどうでもよくなるものです。


■3.小さな判断でも「なぜ選んだのか」の裏付けをする
 芸能界でも一般社会でも、日々瞬時に判断しなければいけない場面の連続です。
 そのときに迷ったり、判断を間違えたりすれば、人生が大きく変わっていくこともあります。「あのとき、あの道を左に曲がっておけばよかった」「あのとき、あの人と食事に行かなければよかった」なんていうことは、誰にでもあるでしょう。
 だからこそ、自分で決められることは自分で判断するクセをつけておくことが大切です。
 たとえば、毎日の服装です。
 アイドルなら、ステージ衣装は決められていますが、オーディションに行くときの服装は自由です。何を着ていくべきかを第三者に決めてもらうのではなく、自分自身で判断することが大事だと、僕は思います。
 そして、「なぜその服を選んだのか」という理由をもって、自分の中でしっかり裏付けしておくようにしましょう。
 とってつけたような理由でもいいので、「なぜその服にしたの?」と質問されたときに、瞬時に答えられることがとても大事です。


■4.「具体的な質問」をする人が伸びていく
 僕がプロデュースする中で「伸びていったな」と感じたのは、「質問がより具体的な子たち」でした。
✖「どうやって歌えばいいですか?」
「この場面、歌い方としてAかB、どちらですかね?」(中略)
「どうやって歌えばいいですか?」みたいなざっくりした質問をされると、答えるほうも「気持ちを込めて!」「いい感じで!」「自分で考えろ!」みたいに抽象的になってしまうわけです。
「このセリフは〇〇のあとだから、もう少し大きめの声がいいですか?」と聞かれれば、「そこは君が決めていいよ」「うん。もう少し大きめで」「いや、そこは淡々と」など、こちらも具体的な返答ができます。
「この場面、歌い方としてAかB、どちらですかね?」と聞かれたら、答えは「C」だったとしても、教えるほうが「へー、面白いこと聞くなあ」「そこのところ、たしかにちょっと話したかったんだよな」と思えれば、その後の会話にも熱が入ります。
 結果的に、質問した側は得られる情報が増える
わけです。


■5.お祭りの花火を見上げるか、仕掛けるか
 お祭りの花火大会で花火が上がったとき、遊びに来ているお客さんは「わー、きれいだね」と空を見上げて、パンパンと大きな音で打ち上げられる花火を眺めます。
 でも、屋台のお兄さんは「花火が終わったらまた客が動き出すぞ!」と商品の準備を始め、警備の方はスリや万引きが花火に気をとられている人を狙っていないかなど、人の動きを監視しなければいけません。また、花火大会の主催者は、常に安全管理や進行状況に気を配っているでしょう。
 祭りの日に花火を見上げる側に回るのか、それとも仕掛ける側、援護する側に回るのかによって、その役割はまったく違ってくることを覚えておいてください。
 プロデュース力を磨くという観点でいえば、花火大会の日に花火を見上げるのではなく、全体を俯瞰できること。さらにいえば、各所どこに注力するかを的確に指示できること。これが重要です。


【感想】

◆つんく♂さんは、さすが売れっ子プロデューサーだけあって、ハイライトを引きまくりました。

事例の多くは必然的に芸能界ネタなのですが、アマチュア時代の、のし上がるまでのお話は、以前レビューしたこちらの本を彷彿とさせます。

447939236X
ナインティナインの上京物語

参考記事:【99】ナイナイが売れるためにした7つの事(2012年11月15日)

そして「売れる」という目標に対して、つんく♂さんが取った手段は、本書の序章から引用した上記ポイントの1番目のとおり。

確かに動員力があれば、ライブハウスにもモノ申せますし、傍から見ても「人気がある」と思われるかと。

なお、具体的には宣伝チラシを配ったのですが、「チラシを配る場所と相手を選ぶことで結果が変わった」そうです。

詳しくは本書をお読みいただくとして、この辺はほとんどビジネス書と同じですね……って本書は天下の東洋経済さんの作品ですから、ハナからビジネス書ですが。


◆また、第1章から抜き出した上記ポイントの2番目も、他のビジネス書でも言われていること。

これからの時代は特に、欠点を補うよりも、自分の長所を伸ばしていかないと、AIに淘汰されてしまいそうです。

……もっとも数年前まで、ムスコの中学受験に付き合ってた身としては、「同じ努力なら1点取るより30点取るじゃろが!」と思ってしまうのですが、それはさておきw

ちなみに、ここで言われている「好きなこと」は、つんく♂さんいわく、「中2のころ、好きだったものを思い出す」とのことで、これも類書でもおなじみのTIPSですね。

もっとも、つんく♂さんが後藤真希さんや松浦亜弥さんと出会ったのは、彼女たちがこの辺りの頃だったそうで、なるほどこの時期には「えも言われぬ」パワーがあるのかもしれません。

そういえば私も、人生で一番レコードを買った(貯金を下ろしまくって)のが中2の時でしたっけ。


◆一方、第2章から引用したのが、上記ポイントの3番目の裏付けのお話です。

これはある意味、ロジカルシンキングに通じるものと言えるでしょう。

私も極力、自分の言動を「なぜならば」で説明できるようにし、逆に「何となく」を排除……しきれてないのが現状ですが、常に心がけております。

ただ、こういうのも常に意識しないと、ホント無意識であれこれやってしまい勝ちなのが人のサガと言いますか、たとえばその日食べるお昼のメニューも、理屈付けして選んでいる人は少ないのではないでしょうか。

また上記ポイントの4番目も同じ第2章からであり、事例は芸能界ですが、まさしくビジネスにも通じること。

漠然とした質問には、漠然とした答えしか返せないのに比べて、具体的な質問をすれば、答えも必然的に具体的になります。

逆に言うと、具体的な質問ができるというのは、それだけ「考えてる」証拠ですから、その時点で既に一歩リードしていると言えるかと。


◆なお、第3章は、本書のきっかけとなったかもしれない、こちらの記事(ブクマ530超!)の拡大版となっていますので、今回の記事では割愛させてもらいました。

芸術における、「天才、プロ、アマチュアじゃんけん」の法則。|つんく♂

非常に興味深い内容ですから、ぜひご覧ください。

そして最後のポイントの5番目は、ちょっと飛んだ第6章から抜きだしたもの。

ちなみにつんく♂さんは、子どもの頃から「仕掛ける側」だったそうで、実際に地元の縁日を手伝い、輪投げを担当していたのだとか。

そういう意味では、自分が歌わなくなった後でも、ハロプロで数多くのグループを手掛けたのは、自然の成り行きだったのでしょうね。


「プロデューサー」思考が学べる1冊!

4492047298
凡人が天才に勝つ方法: 自分の中の「眠れる才能」を見つけ、劇的に伸ばす45の黄金ルール
序 章 誰の中にも「天才力」はある
第1章 自分の中の「才能」を見つけよう
第2章 「眠れる才能」を呼び覚まし、自分の実力を120%引き出す方法
第3章 「天才」に勝てるのは、「プロ」である
第4章 「普通の人」でも必ず輝ける! 「本物のプロ」になるためのマインドのつくり方
第5章 視点・発想の転換で、仕事がどんどん面白くなる! 普通の仕事を「最高の仕事」に変える方法
第6章 令和時代に求められる、「最高のプロデュース力」の磨き方
第7章 自分の可能性を広げるために「とにかく今日からできること」教えます!


【関連記事】

【ヒットの裏側?】『プロデュースの基本』木崎賢治(2021年02月27日)

【新しい問題解決の手法】「プロデュース能力 ビジョンを形にする問題解決の思考と行動」佐々木直彦(2009年04月28日)

【99】ナイナイが売れるためにした7つの事(2012年11月15日)

【論理思考】『今すぐ使える!ロジカルシンキング』に学ぶ7つのポイント(2011年01月21日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

B0BDFJQVVH
メガバンク銀行員ぐだぐだ日記

おなじみ三五館シンシャさんの人気シリーズからの銀行員本は、Kindle版が600円以上お得。

B09VGBZDY9
J02 地球の歩き方 東京 多摩地域 高尾・御岳・奥多摩と全30市町村を完全網羅 (地球の歩き方J)

こちらもおなじみの「地球の歩き方」シリーズの奥多摩本は、Kindle版が900円弱お買い得。

B0C68LD64P
予約のとれない和食屋 笠原将弘の副菜の極み158 (別冊ESSE)

日替わりセールでは比較的珍しいレシピ本は、Kindle版が1000円弱お得な計算です!


この記事のカテゴリー:「マーケティング」へ

「マインドマップ的読書感想文」のトップへ
Posted by smoothfoxxx at 08:00
マーケティングこのエントリーを含むはてなブックマーク

スポンサーリンク